弟の親友がヤバイ6

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 先に昨夜何があったか聞かせてと言われて、渋々と話し始める。
 気づいたら手は拘束されてて、復讐だと言って弄られたけど、何されても勃たなくてとまで言ったら、インポなの? という言葉が早速飛んできた。発想があいつと一緒で苦笑する。
「俺、酷いことされたら萎えちゃう系なの」
 だから同じセリフを返してやった。
「えー何それ聞いてないんだけど」
「なんでお前に知らせなきゃいけないんだよ、そんなの」
 というかそんなの、自分だって昨日はじめて自覚したわ。
「あーでもそれか。そこかー……勃たない想定なかったー……」
「それとかそことか何?」
「こっちの話。後で話すからそっちの続き」
 ほら早くと急かされてため息を吐いた。
「でまぁ、泣きそうになってるからちょっとくらい付き合ってやってもと思って、復讐って何したら完了なのって聞いたんだよ」
 で色々あって抱かれることになったんだけど、と続けたら、今度はぎょっとした顔で抱かれたの? と茶々が入る。
「俺が風呂使ってるうちに気が変わったってよ。萎えたからもういいって言われてシャットアウトで終わり」
「てか、抱かれるのオッケーして風呂まで入ったのは事実なの?」
「事実だな」
「ちょっとくらいで抱かれるまでする? 兄さんビッチ説?」
「色々あったって言ったろ! なんだビッチ説って」
「同情とか?」
「違う。あー……まぁその、脅迫されて?」
 また弟の目が大きく見開かれた。
「脅迫? あいつが?」
「そう。まさに脅迫。てかあいつは俺が何言ったら頷くかはっきり知ってたよ」
「何言われて頷いたの」
「俺の弱点はお前」
「え、俺?」
「そう。お前に手を出す代わりにって言われた」
 弟はえええーと戸惑いの声をあげつつ、何やら渋い顔で考え始めてしまう。
 目の前に置かれたカップを手に取り、中の紅茶を一口すすった。リビングに入ったら既にテーブルの上に用意されていたそれは、もちろん弟が淹れてくれたものだ。弟の気遣いと暖かさが胃に染み渡るようだった。
「あのさ、まさかと思うんだけど、昔あいつに手を出したのも俺絡みなの?」
「あー……」
「マジか。てかやられた内容は聞いたけど、なんでそんな事になったかは教えて貰えなかった。てわけで、はい、聞かせて。昔あいつに何言ったの?」
「いや、それはちょっと……」
「俺に言えないような酷いこと言ったんだ」
「ざっくり言うと、弟には手を出すな」
「な、ん、で!?」
 驚きと怒りとを混ぜた弟が、強い口調で問いかけてくる。
「いやだって、あいつ絶対お前狙ってると思ったし、お前が男にどうこうされんのなんて冗談じゃないぞと思ったし……」
「俺今かなり、余計なことしやがってって思ってるんだけど。兄さんが余計なことしないでほっといてくれたら、俺たち普通に惹かれ合って恋人って可能性あったんじゃないのこれ?」
「だってお前があいつを恋愛的に好きなるとか思わないだろ。てかその時点でのお前、俺に隣のクラスのなんとかって女子が気になるって恋愛相談してたからな?」
「ああああそーか、その時期だった確かに」
 あいつに避けられだして、気になる女の子どころじゃなくなったんだったと言われて、まさか自分が手を出したせいで弟がそっちに目覚めたんだったらどうしようかと、内心焦った。
「で、兄さん的には、自分の体差し出してでも、俺をあいつから守りたかったわけ? 一応聞くけど、俺とセックスしたいとか思ってないよね?」
「思ってねぇよ!」
 大事な弟だけどセックス対象なんかにするか気持ち悪いと言ったら、まぁそうだよねとあっさり返ってきた上、今フリーだけど普通に彼女もいたもんねと続いた。
「そういや男の恋人いた事ってあるの?」
「ない」
「てことは兄さん処女じゃん? よくそれで抱かれるのオッケーしたよね、マジで」
「処女言うな。脅迫されて頷いたけど、でもまぁ、自業自得って気持ちも強かったよ。子供に手ぇ出したのは紛れもない事実だし。あいつメチャクチャモテそうなのに、復讐で親友の兄貴抱きたいとか、すっげー人生狂わせた感あるだろ。なんかもうそこまで恨まれてるなら仕方ないかなって思ったんだよ」
「まぁ完全に裏目に出てるけどね。あいつ絶対、兄さんにそこまでさせる俺に、敵うわけ無いって思って身を引いたよね」
「そう、それ。俺は復讐としか言われなかったけど、お前から見るとどうなってんの。恋させたって何? あいつ、まさか俺を好きだったりすんの?」
「そのまさかだよ」
 弟は少し呆れた顔をしながら言って、彼が家に来なくなってからの数年について話し始めた。

続きました→

 
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