親睦会14

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 その後、やっと何故こんなことをするに至ったか話し始めた相手は、間男の姿を重ねていたと言った。
 離婚の原因は奥さんの不倫で、相手の男が自分に似ていたらしい。とは言っても、直接会ったことはなく、集めた証拠写真で見ただけだそうだけれど。
 恋愛結婚だった相手に裏切られたショックが大きくて、浮気に気づいた後は奥さんともたいして会話することなく、調査会社と弁護士とに丸投げで逃げてしまったと言った相手は、あの当時しっかり向き合わずに逃げた事のしわ寄せが、今になってお前に向かった感じになって本当に申し訳ないと頭を下げた。
 しかしその経緯でなぜ自分を抱こうと思ったのかは、やっぱりさっぱりわからない。
「あの、俺が浮気相手に似てたのはわかりましたけど、でも相手の男を抱きたいって思う気持ち、全くわかんないんですけど」
「だよな」
 相手はそう言って苦笑した後、凄く歪んだ発想だけどと前置いて、離婚話が進む中で奥さんにセックスが苦痛だったと言われたこと、離婚後女性不信から一時期一切勃たなくなったこと、ある程度落ち着いた後も女性相手には勃たずそこから男との行為に嵌っていったこと、セックスが苦痛だったと言われたトラウマから行為の技巧ばかり追求してきたことなどをゆっくりと話していった。
「お前が寮に入って来た時、すっかり忘れた気になってた間男を思い出して、なんかヤバイとは思ってた。だからお前とは距離おいてたんだけど、例の件でお前っからわざわざ近寄ってきた上に、男同士にそんな抵抗なさそうだなって思ったら、お前を抱いてみたくなった。かつて俺の嫁だった女を善がらせたんだろう男が、俺の下で善がってると思うと、ざまぁみろって思って少し気分が良かった」
 お前が間男だったわけじゃないのに、それでもそんな錯覚が気持ちよかったと言った相手は、更に、お前が俺との行為をキモチイイってだけで受け入れてるのも、こんな関係を続けてしまった理由の一つになっていたと言う。
「離婚後関係を持った男は全員アナルセックス経験アリの慣れたガチゲイだったから、元々ゲイじゃなくて俺以外の男に抱かれたこと無いお前が、嫌々ながら、それでも快楽に抗えなくて、流されて理不尽に関係を続けてるってのが、下手くその烙印持ちの俺には快感だった。それがお前に与える影響なんて考えたこともなく、ただただ身勝手に楽しく、お前を弄り倒して喘がせて満足してた」
 そこまで言ってから、我に返った様子で、我ながら屑だなと独りごちる。うん、知ってた。
「ホント、徹頭徹尾クズですね。ま、知ってましたけど」
「だろうな。で、更に俺がクズでクソなのは、元嫁のセックスが苦痛だったって言葉をずっと、浮気相手よりセックスが下手くそだったって言われたんだって思い込んでたとこだな」
「違うんですか?」
「今更確かめられないけど、多分。最初に言ったけど、俺らちゃんと恋愛結婚だったんだよ。交際期間中とか新婚だった頃は、気持ちぃセックスも間違いなくしてたはずなの。というかそういう時期があったこと、すっかり忘れてた」
 さっき思い出したと言った相手は、昼間お前と一緒に昼寝しただろうと続ける。
「お前が寝てる顔見たら、浮気相手の男じゃなくて、なぜか元嫁の顔を思い出した。俺とのセックスが苦痛だって思ってただろう頃の顔だよ」
 いったいどんな寝顔を晒していたんだと思ったら、苦しくて切なくてしんどそうな寝顔だったと、あっさり答えが告げられた。
「俺に抱かれてあんなに善がってるお前が、俺とのセックスが苦痛だった頃のあいつと同じ顔で寝てるから、なんか色々ショックだった。ショックと同時に、俺は一体何やってんだろって思った。一気に目が覚めたんだよ。でもなかなかお前にしてきた酷い真似と向き合えなくて逃げてた」
 なるほど。それで夕飯時はあからさまに様子がおかしくて、深酒までしてさっさと寝てしまったのか。
「ホント、あの頃から全く成長してないな、俺」
 相手はそう言いながら深いため息を吐いた。

続きました→

 
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