別れた男の弟が気になって仕方がない11

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 以前と違って浅い場所ばかりを弄るわけではないので、今日は奥の方までしっかり慣らすからと断り、コンドームを一つ開けて中指に被せる。
「待って。そのまま足だけ開いてくれればいい」
 アナルを拡げるのだと理解した相手が軽く頷いて俯せるように寝返りを打とうとするのを制して、顔見ながらさせてと仰向けのまま足を開かせた。ここまでの段階で、もっとはっきり嫌悪を示されたり拒絶をされていたら、こんなやり方は選ばなかったかもしれない。けれど戸惑いは強くともこちらを受け入れようと必死な様子ばかり見てしまったら、そんな姿を余すとこなく見ていたいと思ってしまう。
 心配しなくても希望通り最後まで抱いてあげるとどれだけ伝えても、なるべく抵抗してしまわないよう、あまり否定の声を上げてしまわないようにと頑張ってしまう彼が本気で愛しかった。嫌がられながら抱く覚悟をしているのだというこちらを気遣ってくれての態度なら、優しい子だなと思う。
 もちろん、そんなこちらの欲望や、その優しさに付け込むのだということを、知らせたりはしないけれど。
 代わりに、顔を見せてと言われたせいで緊張を膨らませてしまった相手に、まずは大きく息を吸ってと声をかけた。戸惑いながらもその指示に従い、彼が息を吸っていく。
「素直でいい子。じゃ、ゆっくり吐き出して」
 それを何度か繰り返させる間にたっぷりのローションを手の上で温める。
「うん。少しは緊張解けて来たかな? 顔を見てたいってのは、こうやってお前の様子を確かめながら進めたいって意味もあるからさ。奥まで慣らすし、色々探りたいから、ゴメンな」
 そういう事かという理解に、更に相手の緊張が解けた所で、開かれた足の合間にローションで濡れた手を差し込んでいく。
「んぁっ……」
 指先を押し当てた瞬間にはやはり少しばかり身を竦ませたものの、小さく漏れた吐息は甘やかだ。
「っふ……ぁ……」
 おや? と思いながら軽く指先を揺すってやれば、ヒクヒクと蠢き吸い付くように奥へ誘われる。前はこんな反応はなかった。
「自分で弄ってるの?」
「そ、れは……」
 聞けば酷く狼狽える。こんな簡単に知られると思わなかったのかも知れない。
「咎めてないよ。むしろえらいねって思ってる。ちゃんと自分でも抱かれるための準備、してたんだな」
 この前触った時よりずっと柔らかなその場所は、加えた力のまま、ぬぷりと指先を飲み込んでいく。もちろんゆっくりとではあるけれど、押し当てた中指はあっさり根本まで飲み込まれた。
「くぅっ、んんっっ……あっ……ぁあっ……」
 一旦埋めきった中指をまたゆっくりと引き出しては埋めるという行為を何度か繰り返しながら、中を擦る時の圧をアチコチ変えて様子を探る。甘く啼くのはどうやらまだ浅い場所ばかりらしい。
 前回いたずらに弄り回したのと同じように、浅い場所ばかりクチクチと指先でくじってやれば、たまらないとこぼされる声が胸を強く揺さぶった。あの時あんなにも嫌悪を露わにしていたのに、それでも、この子にとっての性的な経験はあれだけだったのだと言わんばかりだ。
 彼が自分で弄るたびに、あの日のひと時が思い出されていたのかもしれないと考えたら、たまらなく胸が苦しくなる。
 さすがにこんなの、不意打ちすぎるだろう。
 これはマズイと内心の動揺を抑えるように、浅い場所を軽く弄る行為から、もっと奥を探り拡げる行為へと移行した。
 まずは人差し指を添えて指を二本に増やせば、若干苦しげではあるものの、しっかりと飲み込んでいく。けれど浅い場所を撫でても甘い声ばかりが漏れるわけではないから、ここでもやはり胸が締め付けられる。
 こんな形で、あの時いたずらに触れてしまった自分と向き合う羽目になるなんて。
 あの時もっと深くまで弄っていたら、指の数を増やして拡げる真似をしていたら、この子は自分でする時にもそれをなぞって自分の体を慣らしたのだろうか。今こうして触れることで、彼はそれを覚えて次に自分でする時には、今のこれを真似て自分を慰め慣らすのだろうか。
 次に抱いてくれる、誰かのために……
 そんな想像に胸に押し寄せる感情は、嫉妬と優越感の混ざった、なんとも気持ちの悪いものだった。

続きました→

 
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