生きる喜びおすそ分け36

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 それなら良かったと言われて、またゆっくりとペニスが前後しだす。といっても長いストロークではなく、弱い場所を狙って擦りあげたり突き上げたりする動きでもなく、深いところをゆるやかにグッグッとこねられている。お腹の深い所から、じんわりと熱が生まれてくるのがわかる。
「奥、痛くない?」
「だいじょぶ、です」
 はぁはぁと熱い息は溢れ続けているけれど、どうしようもなくアンアン喘ぐような強い刺激ではないので、口は覆っていない。
「じゃあもう少し、ここ、させて」
 もちろん嫌だなんて言うはずがない。前立腺みたいにはっきり気持ちがいいと感じるわけではないけれど、じんわりと滲み出す熱がジクジクと疼く感じは、この後の快感を期待させる。前立腺だって、初めて弄られた時はキモチイイより違和感の方が強かった。
「おく、きもちぃ、です、か? それとも、おれの、ため?」
「君のためって?」
「おく、開発して、そこでもキモチ良くなれるように、みたいな」
「なれそうな感じ、ある?」
「たぶん。おなかのなか、熱い、し、なんか、じくじくして、もどかしい、から」
「そうか。それは楽しみだな。ここで感じるようになったら、どんな風におちんちん締め付けてくれるんだろうね。今も充分気持ちいいから、凄いことになりそう」
「今も、きもちいい」
「うん。きもちぃよ。ゴムがないせいだろうけど、おちんちんの先に吸い付かれるみたいな感覚が、昨日よりずっとリアル」
 相手の言葉を拾って、良かったとホッとすれば、すぐにもう一度肯定をくれる。しかもそれだけじゃなく、どんな風に気持ちがいいのかまで解説されて、少しばかり恥ずかしい。
「おちんちんに、吸い付く……」
「動きが小さいからわかりにくいかな」
 ちょっとごめんねと言われて、背後から回された相手の手に口元を覆われる。えっ、と思う間に、素早く腰を引かれて仰け反った。
「ふんんんっっ」」
 押し込む動きは緩やかに、けれどズルっとペニスを引き抜く動きは素早く、というのを数度繰り返されて、ビクビクと体を震わせる。引き抜かれるたび、出ていかないでと追いかけるみたいにキュウウとお腹の中が絞られるような感じがしたし、押し込まれて戻ってきたペニスを、喜ぶみたいにグニグニと締め付けてしまうのもわかった。
「先っぽどころか、全部に吸い付かれてるみたいになっちゃったけど、ちょっとは君にも感じられた?」
 何度もうんうんと頷けば、またグッグッと緩やかに奥だけをこねてくれる。でも一度強く反応してしまったせいか、彼のペニスに纏わりついて締め付ける自身のお腹の動きが止まらない。
「んっんっ、んっ、んっ」
 口を開放されたら甘やかに声を上げてしまうのが、きっと相手もわかっているんだろう。口を押さえられているせいか、お腹の奥から湧き上がる熱のせいか、もしくは足だけとは言えお湯に浸かり続けてのぼせてきたのか、次第に頭がぼんやりと霞みだす。
 腕が震えて体を支えていられず、目の前の岩に身を伏せれば、こちらの限界を感じ取ったらしい相手が、口を押さえているのと反対の手を腰から前に回してくる。また完全に勃起しきっているこちらのペニスを、がっちり掴んで扱き出す。
「んんっっ」
 相手も射精するための腰使いになっているが、昨日みたいに弱い場所を狙って激しく擦りあげるのではなく、そのまま奥をガツガツ突かれて目の前に火花が散った。さすがに少し痛くて、でも、ジクジクとしたもどかしさが快感に結びつき始める。気持ちがいいのは握って扱かれているペニスで、錯覚混じりかもしれないけれど、それでも間違いなく、お腹の奥がキモチイイ。
「んっ、ん゛っ、ん゛ぅっ」
「きつそうだけど、もうちょっとだけ付き合って。一緒に、イッて?」
 必死に頷きながら、相手の手に高められるままビュクビュクと白濁を吐き出せば、痙攣するお腹の中で、相手のペニスもドクドクと脈打っている。お腹の中にじゅわっと熱が広がっていくような気がした。きっとそれが、中に直接吐き出された、彼の精液なんだろう。

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生きる喜びおすそ分け35

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 さっきみたいに口を自分で塞げるかという問いかけに頷いて、片手を上げて口元を覆えば、動くねという宣言の後でペニスの出し入れが再開される。しかも今度はあからさまに弱いところを狙ってきている。
「ふぅ、んっんんっっ」
 必死で口を押さえつけなければ、大きな嬌声を上げていただろう。前立腺ばかりをゴリゴリと刺激されて、腰が痺れて膝がガクガクと震えてしまう。
 こんな刺激が続いたら、きっとまたお尻だけでイッてしまうけれど、でももうその強烈な快感を知ってしまった後だから、怖さよりも期待の方が強かった。
「んっ、んっ、んっ」
 口を押さえていても、鼻から甘やかな音が漏れるのまでは防ぎようがない。
「気持ちよさそうだけど、このままお尻だけで、イケる?」
 イカせていいかと続いた声に何度も首を縦に振れば、ペニスが出入りする速度が上がった。しかも激しく擦られるだけでなく、押し込まれるような突かれ方をしている。
 高まる射精感に身を委ねれば、彼のペニスに中から押し出されるようにして、自身のペニスの先から白濁がこぼれ出ていくようだった。
「んんんんっっ」
 閉じた目の奥でチカチカと光が爆ぜる。お腹の中がビクビクと痙攣して、相手のペニスをぎゅうぎゅう締め付けている。
 こちらがイッたのをわかってか、相手は腰の動きを止めてくれているけれど、だからこそわかってしまう。昨日みたいに、お腹の中で彼のペニスが脈打ってはいない。つまり一緒にイッてくれたわけじゃないらしい。
 ちょっとどころじゃなくガッカリしながら、大きく息を吐きだした。
「そんな溜め息吐かないで。これで終わりなんて思ってないし、落ち着いたなら、続きするから」
「えっ?」
「朝食だって楽しみだろうから、抱き潰してってのはさすがに無理だけど。でももう一回か二回、イカせてあげるつもりでいるよ」
 そういや抱き潰してって言ってたんだった。寝落ちた時点で、そんなお願いは反故になっていると思っていた。
「あの、それ、俺だけ?」
「君だけって?」
「あなたも一緒に、イッて欲しい」
「ああ、うん。それはもちろん」
「じゃ、あの、中出し、も……?」
 このまま当然のように中に出して貰えるものだと思っていたから、わざわざその意志の確認なんてしていない。中に出して貰えなかった、というガッカリをもう一度味わうのは嫌だし、はっきりと中出し希望と伝えておくのは重要だ。だって本気でねだれば、きっと叶えてくれる。
「まぁ、続きは部屋戻ってベッドの上でって言うなら、ゴム使う方向で君を説得するけどね。でもこれ言った時点で、君の中から部屋に戻るって選択肢なくなりそう」
「ないですね。というか、それ言わずに部屋に誘導しない時点で、あなたも充分その気、ってことなんじゃ?」
 お願いどおり露天風呂で抱いてあげたろと言い切られて、部屋に戻ってからなら続きをしてあげる、なんてことを言われたら、逆にさっさと部屋に戻って続きをして欲しいと思っていた可能性が高い。こちらをそう誘導することも、彼なら容易いはずだった。
「鋭いね。君に抵抗がないなら、君の中に出してみたいって思う気持ちは、ある」
 お腹痛くなるらしいけどいいのと聞かれたけれど、そんなの全く気にしない。ゴムなしセックスは相手も初めてだと、さっきチラリと言っていたから、単純な興味や好奇心だっていい。自分相手だからこそ、と思って貰えるなら尚良いけれど。
 生き甲斐なんてなくて、つまらない人生だといい切る相手が、自分相手に何かをしたいと思ってくれることが、それを伝えて実行していいか聞いてくれることが、たまらなく嬉しいと思った。
 もちろん、中出しして貰える、という期待と喜びもある。つまり。
「嬉しさしか、ない、です」
 背後を振り返り、にっこり笑って言い切ってやった。

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生きる喜びおすそ分け34

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 つまり、がっつかれている。
 え、マジで? という驚きは当然あった。何かの勘違いかと、その考えを否定しようと思考を巡らすのを、彼の舌が阻止してくる。結局、熱烈という感想は変えようがなくて、嬉しいのと可笑しいのとで、相手の口の中に笑いを零した。
「んっふふっ」
「嬉しそうな顔」
 やっとキスを中断してくれた相手に真顔で指摘されたけれど、その真剣な顔からは間違いなく興奮がにじみ出ていたし、逆に相手の余裕の無さがひしひしと伝わってくるみたいで、やっぱり嬉しくて可笑しい。
「そりゃあ」
 こんなの、嬉しくないわけがないだろう。ふへへと笑いながら、煽るつもりで、相手と繋がる腰を軽く揺らす程度に前後させてみる。
 こちらを見つめる彼の目つきが少し鋭くなって、なんだか怒ってるようにも見えるけれど、でもそれを怒らせたなんて思わない。こちらの思惑通り、煽られてくれているだけだろう。
「ね、早く、」
 続きをと急かす前に、相手の腰が動き出す。早急に繋がってしまったせいか、慣らすみたいに何度も、浅い場所から奥深くまでを彼のペニスが出入りする。
 それなりに切羽詰まった感じに見えたけれど、それでもいきなりガツガツ腰を振ってこない辺り、ちょっと残念ではある。でもそれはそれで安心もしていた。だってそれは間違いなくこちらの体を気遣ってくれる動きだし、じわじわと快感を引き出されていくのを今まさに感じてもいる。
「は……ぁ……ぁあ……」
 ゆっくりとした動きに、吐息に混ぜて喘ぎを漏らした。彼に腕を掴まれて体を起こしたままだから、そうしている間にも、太陽はぐんぐんと上昇を続けている。
 厳密にはもう日の出は終わっているのだろうけれど、朝日を浴びながら屋外でセックスしている、という事実に興奮と言うよりは感動していた。なんかもう、本当に、色々と凄い。
「ああ、俺、このために、生きてた」
 いつもの口癖が口からこぼれ出る。でもそれは、この瞬間を手に出来た事への幸福を噛みしめるような、この瞬間をくれた相手への感謝を述べるような、どこかしみじみとした呟きだった。確かにいつもの口癖だけど、いつもみたいに楽しくはしゃいで口に上らせるような軽々しさはなくて、それは多分相手も感じたんだろう。
 腕を掴んでいた手が外されて、そのまま胸の前に回って来たかと思うと、ぎゅっと抱きしめられた。
「君を知れば知るほどに、君を手放せなくなる気がしてくるよ」
「えっ?」
「抱いてる相手に、しみじみと、このために生きてた、なんて言われる男の気持ち、わかる?」
「それは、言われたことがないので……」
「うん。俺も初めて言われた」
 はぁ、と熱い吐息が耳に掛かる。それだけでも相手の興奮が伝わってくるようでゾクゾクするのに、釣られたように熱い息を吐き出すのに合わせて、はむっと耳を食まれて甘く声を上げてしまった。
「ひゃぁあんっ」
 結構大きく響いてしまったことに、声を上げてからびっくりして、体が跳ねる。
「うん。可愛い声だけど、もうちょっと抑えようか」
「だれの、せいだと」
「まぁ、それは俺のせいだけど。というか部屋戻ろうか?」
 ベッドの上でゆっくり続きをした方が良くないかという誘いに、嫌だと首を振った。
「このまま、ここで、したい」
「声気にしながらするの、辛くない?」
 結構気持ちよくなってきてるでしょという指摘に頷きながらも、だって、と思う。
「辛くても、絶対、楽しい思い出に、なるから」
 だからこのままここでしてって言えば、抱きしめる腕が外されて、さっき指で慣らされていた時のような体勢に戻される。つまりは、風呂の縁の岩に手を置いて、お尻だけ相手に突き出す形だ。

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生きる喜びおすそ分け33

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 思ったまま口に出してしまえば、確かにそう思ってるよと返されてびっくりする。
「え、あの、じゃあそんな、無理、しなくても……」
 先程も、こちらのして欲しいを出来るだけ叶えるための旅行だ、みたいなことを言われたけれど、これもそれの一つだというのなら、無理して頑張ってくれる必要はない。そんなに頑張らなくても、もう、こちらの気持ちは彼との交際を続ける方向で決定しているのだから。
「あー違う違う。ありえないと思ってると言うよりは、使ったほうが絶対にいいと思ってる、って方が近いかな」
 無理なんかしてないよと宥めるみたいな優しい声が背中に降って、更にその後、ねぇわかってるのと、なんだか甘やかな声が続いた。
「わかってる? って?」
 何をわかって欲しいのか、すぐには見当がつかないまま疑問符をつけて繰り返す中、アナルに相手のペニスの先が押し付けられるのがわかる。これがゴムの膜のない感触、と思っただけで、ぞわっと快感が広がる気がした。
「俺も、使わずにするのは初めてだよ、ってこと」
「えっ!?」
 自身の発する驚きの声に、挿れるよという相手の声が混ざる。グッとアナルに圧が掛かって、相手のペニスを迎え入れようと、その場所が開いていく。
「ぁあっぅんんんっっ」
 驚きに開いた口から思いの外大きな声が漏れてしまって、慌ててまた片手で口を覆った。
 痛みはないけれど、昨日よりも圧迫感がキツくて苦しい。体勢の問題と言うよりは、多分、慣らし足りていない。ローションの量も、足りてないのかも知れない。あと、今日はまだイカされていないから、勃ってはいるけれど、興奮度合いが昨日とはやはり全然違う。
 露天風呂で、というシチュエーションに興奮する部分は間違いなくあるけれど、外で、という部分に緊張してないとは言えないし、声を抑えることに意識が向く分、キモチイイに集中しきれない。
「ん、狭っ……大丈夫? 痛くない?」
 相手も苦しそうに息を吐いてから、こちらを気遣う言葉をくれる。宥めるように背中を撫でてくれる。
「いた、くはない、です」
「そっか。でも昨日より苦しいよね」
 急いじゃったからと申し訳無さそうに言われて、首を横に振った。だって相手は欠片だって悪くない。
「俺が、たのんだ、せい、だから」
「うん。ね、体、起こせる? まだ苦しいかな」
 促されるまま上体を起こそうとすれば、手伝うように相手が腕を引いてくれる。そうして頭を上げた先、太陽は既に半分以上水平線から顔を出していた。
「あっ……」
「やっぱり顔を出す瞬間が見たかったかな。ごめんね。急いだけどちょっと間に合わなかった」
「いえ……」
 雲ひとつない快晴ではなく、あちこちに薄い雲が広がる空だからだろうか。気象条件なんてよくわからないけれど、赤くて丸い太陽の形がはっきりとわかる。昼間の太陽なんて直視できるものじゃないし、日の出ももっと眩しいものかと思っていた。
 じっと見つめてしまう先、太陽はぐんぐんと空へ向かって上昇し、あっという間に水平線からの距離を開いていく。
「すごい……」
「そうだね」
 呆然とした呟きを肯定されてハッとする。
「随分真剣に見入ってたけど、もしかして俺の存在忘れてた?」
 慌てて振り向けばそんな事を言われてしまって、しかもそれをすぐには否定できなかった。
「お尻におちんちん挿れられてるのに?」
「ぅ……ぁ、それ、は……」
 言い訳すらも思い浮かばず口ごもってしまえば、相手がおかしそうに笑い出す。
「いいよ。そこまで見惚れるほどの日の出が見れて良かった。それより、いつもの言ってよ」
「いつもの?」
「このために生きてた、ってやつ。あれだけ見入ってて、そこまでの感動はなかった、とは言わないでしょ」
 素直に頷いたけれど、でもその言葉を繰り返す気にはならなかった。
「あなたの恋人になれて、本当に、良かった」
「えっ?」
 驚く顔にニヤリと笑ってみせる。
「俺、あなたの恋人って事を満喫して、あなたが俺を最高に幸せにしてくれるってのを、あなたに教えるために、生きてるのかも」
 大げさって笑われるつもりの言葉だった。もしくは自信過剰と苦笑されるかと思っていた。
「君は、本当に……」
 言葉に詰まった相手の顔が迫って唇が塞がれる。ちゅうと唇に吸い付く勢いが強くて、ちょっと痛い。口を開いて差し出した舌を、絡め取って吸われる力も、食まれる力も、ちょっと痛いと感じるくらいに強かった。

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生きる喜びおすそ分け32

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「勃ってるね」
 ホッとした様子の声が掛けられ、あっという間にペニスを握っていた手が外され、お尻の中からも指が抜けていく。ちょっと残念な気持ちを混ぜながらも、指を抜かれて一息ついているその横に、相手の手が伸びてきて置かれたゴムのパッケージを摘んでいった。
 背後でカサリと音がする。相手の準備が終わるのを体勢を変えずに待っていれば、ちょっとじっとしててねと声が掛けられると同時に、相手が覆いかぶさるようにして腰から腕を回してくる。
「ぁんっ」
 またペニスを握られて小さな声をあげたものの、次には予想外の感触を感じてギョッとした。
「えっ、ちょっ、なにを」
 慌てて自身の股間を覗き込めば、なぜか自分のペニスにコンドームを装着されかけている。
「せっかくコンドーム持ってきてくれたから、君に使おうと思って」
「は?」
「お風呂の中とか庭とかに君のが飛んだら、後々、ちょっと面倒そうでしょ」
 背後から直接見もせずくるくると器用にコンドームを根本まで下ろしていくのを、そんな言葉を聞きながらただただ見つめてしまった。というか、風呂場を汚さない気遣いなんて頭からすっぽ抜けていた。
「で、でも、そしたら、あなたの分が」
 言いながら、一つの可能性に思い至って、ドキドキが加速していく。ローションですら取ってこいと言わなかった相手が、足りないゴムを今から取りにいくはずもない。
「ゴム無しでして、いいんだよね?」
「ほ、ほんとうに?」
「本当に。まぁ、今更ダメって言われたら、日の出見ながらのセックスは諦めて、って話になっちゃうんだけど」
 ダメって言わないでしょ、と続いた言葉には嬉しいと返した。だって昨日、一緒に露天風呂に浸かりながら、勃った相手にナマでいいから挿れてと言った時には、けっこう引かれた感じがしていた。
 男同士だから妊娠リスクはないけど、性病リスクとか考えないのって言われて、ナマでもいいよと軽々しく口に出してしまったことを悔いていたのに。
「でも、お尻に直接なんて汚い、とか、性病リスク、とか」
「そりゃあ多少のリスクはどうしたってあると思ってるけど、でも、上手に洗えてるのはわかってるし、それに、ゴム無しでしたこと無いなんて言われたら、ねぇ」
 性病リスクの話を出されて、今までの恋人だったり体の関係を持った友達だったりと、コンドームなしでセックスをしたことは無い話はしていた。女性相手はそれこそ妊娠リスクを考えてしまうし、男の恋人がいた過去はない。
 男相手なら妊娠リスクがないって部分の方が自分的には大きくて、性病リスクなんてものは頭になくて、恋人が男ならナマでしてもいいんじゃないのと浮かれていたのは事実で、だからこそ、性病リスクの話を出されて結構焦ってしまったのだ。誰とでも気軽にゴム無しセックスを楽しんできた、みたいな誤解をされるのだけは絶対に嫌だった。
 結果、抱かれた経験持ちというのは既に知られているにも関わらず、男の恋人がいたことはない、なんて話をする羽目になってしまったけれど。恋人でもない相手とも気軽にセックスは割と事実ではあるのだけれど、とっかえひっかえめちゃくちゃ遊んできたわけでもないし、さすがに女性の経験人数までうっかり喋ったりはしなかったものの、男との経験は一人だけで回数も片手で足りる数だって事まで暴露してしまったけれど。
 抱かれ慣れてないのはわかってるって言ったのに正直だねと笑われて、それでその話は終わってしまったし、ゴムやローションがないからダメとは確かに言われなかったけれど、夜まで温存させてという理由で抱いてはくれなかったから、そういう言い回しで避けたのは相手の優しさで、ゴムなしでセックスなんてありえないと思っているのかと思っていた。

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生きる喜びおすそ分け31

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 体の準備はしてあるのでと伝えたけれど、相手の困惑顔は変わらなかった。
「いやでも、だからって、じゃあ入るねってスルッと挿れられるようなものじゃないでしょ」
「ですかね。でもちょっとくらい痛くてもいいというか、多少強引に突っ込んでくれていいですけど」
「すぐそういうこと言って煽らない」
 痛いより気持ちいいほうがいいでしょと言いながら、こちらの差し出すゴムを受け取って相手が脱衣所を出ていくから、慌ててその背を追いかけた。
 さっさと湯の中に入った相手が、海の方角を眺めながら、まぁまぁの広さがある風呂の中をウロウロと歩いている。思わずそれをジッと眺めてしまえば、やがて立ち止まってこちらを呼んだ。
「早くおいで。日の出見ながらするんでしょ」
 ゴムを受け取ったことが了承とわかっていながらも、言葉にされるとやはり嬉しい。簡単にかけ湯してから、相手の元へと急いだ。
「この位置なら海見えるし、ここでいいかな」
「あ、はい」
「一応の確認だけど、抱かれながらって、体を繋げた状態で、って意味だよね?」
 指で慣らしたりもセックスの一部だと思うんだけど、そういう前戯を全部含めた抱かれながらではないよね、と続いた言葉に、もちろん体を繋げた状態でという意味だと返す。
「君のして欲しいには極力応えてあげたいけど、これはそういう旅行だけど、でも抱かれながら日の出が見たいはダントツにハードル高いからね? わかってる?」
「わかってます。凄く嬉しいし、めちゃくちゃ楽しみ、です」
 にっこり笑って告げれば、頬に相手の手が添えられて、すぐに相手の顔も寄ってくる。ちゅっと唇を吸われて、でもそれは深いキスにはならずに離れてしまう。ちょっと残念。
「もう。それ言われたら弱いの知っててやってるでしょ」
「そりゃあ」
「じゃあ時間もなさそうだし、まずはどこまで準備できてるのか確認させて」
 言われるまま、風呂の縁となった岩に両手をついて、相手にお尻を突き出した。右手の近くに、先程渡したゴムのパッケージがポンと置かれているのが、自分が持ち込んだものなのになんとも生々しい。
「触るよ」
 既に腰というかお尻の両方の膨らみを包み込む手のひらが、左右に開くように力を掛けている中でのそのセリフに頷けば、晒されたアナルにぴとっと指の腹が押し付けられる。触れたままで軽くゆすられた後、それはぬぷっとアナルの中に侵入してきた。
「っ……ふっ、……ぅ……」
 ぬるぬると指を前後されて、あっさり息が荒くなる。でもまだ指一本だし、専用庭とは言え外だし、前立腺を狙ってこねられても居ない。
「うん。思ったよりは柔らかい。指増やすよ」
「は、はいっ」
 その後、二本に増えた指はすぐに三本に増えて、その太さを慣らすようにぐちゅぐちゅとアナルを擦りたてる。昨日みたいな気持ちよさはない。本当に、性急にただただ拡げられている。
「ぁ、んっ、んんっ」
 それでもグッグと指を突かれるのに合わせて、殺しきれない音が鼻から漏れてしまう。
「苦しい?」
「へ、っき、です」
「じゃあ今から少し気持ちいいとこ弄ってくけど、びっくりして大声あげないようにね」
「はぅんっ」
 はいと返事をしようとしたのに、それより早く弱いところをグリッと押されて、慌てて口を閉じた。ああごめん、とは言われたものの、そのままグニグニと前立腺を狙って弄られ、こちらは声を噛むので必死だ。このままだと口を開いて喘いでしまいそうで、左手を持ち上げ自らの口を覆うように押し隠す。
「ふぅんんっ」
 まるで口を押さえたのを見たからそうしたとでも言うように、直後にペニスを握られゆるく扱かれ、声をあげない代わりにビクビクと体が跳ねてしまった。痺れるみたいに気持ちよくて、でもかなり苦しい。

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