一回り以上年下の従兄弟を恋人にしてみた11

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 ベッドに押し倒しついでにその唇を塞げば、触れ合わせる唇の隙間から、相手の漏らす安堵の息がこぼれた。今日はまだキスをしていなかったことを、どうやら気にしていたらしい。
 アナルを舐められながらイッて少々放心していた彼の、興奮やら羞恥やらで赤味をました目元に唇を落としたら、なんで唇にしてくれないんですかと問われて気付いた。
 キスをしてなかったのは、部屋に入った直後は相手がテンパり気味で落ち着けるのを優先したのと、歯も磨かぬまま昼寝に持ち込んだせいだ。しかも相手はトイレに起きたついでに歯磨きをしている。それは洗面台に置かれた開封済みの歯ブラシセットを見れば明らかだった。
 前回、相手の口の中に舌を入れた瞬間に歯を磨いてきたと気づいた身としては、なんとなく遠慮してしまっていた。それらを説明して、この後歯磨きするからもうちょっとだけ待ってと言ってあった。
 キスに安堵するなんて可愛いなと思いながら、薄く開かれ待たれている先に舌を突っ込み、思う存分舐め回してやる。ためらいがちに伸びてきた腕が、縋るみたいに抱きついてくるのを、もちろん咎めはしなかった。
「んっ、……んっ……」
 されるがまま受け止めて、うっとりと気持ちよさそうに漏れてくる音を聞きながら、開かせた足の合間を探る。まだローションを使っていないので押し込むことはしないけれど、舐め解した穴が指先に吸い付いてくるのがはっきりとわかった。
「んぁ、……ぁ、な、んで」
 相手の腰が揺れだして、アナルが物欲しそうに開いても、しつこくキスを続けながらひたすら穴の表面ばかりを弄り回していたら、とうとう相手がしびれを切らしたらしい。舌を押し返されながら抱きつく腕が解かれたので、抗うことなく口を離せば、切なさと疑問と不満とを混ぜたような声を出す。
「キスして欲しかったみたいだから、まずは目一杯キスしてやろうと思って?」
「も、充分してもらった、ので」
「はやく中、いじって欲しい?」
 指先が触れる穴をトントンと叩いてやれば、ううっと小さく呻いた後、言わせたいんですかと聞かれてしまった。
「そりゃ言わせたいよ」
「えっち、なおねだり、させるプレイ?」
 プレイ? なんて聞かれたら笑うしかない。
「ふふっ、お前、この3週間で随分エロ関係調べたな」
 恋愛もセックスも身近なものではなく、故に知識もあまりなさそうで、わからないから好きにしていいですって感じだったのに。
 俺を喜ばそうと思った? と聞けば、だって飽きられたくない、なんて言葉が素直に吐き出されてくるからキュンと胸が疼く気がする。
「ほんっと可愛いなぁ、お前。うんとエッチにおねだりして、って言ったら一生懸命にしてくれんだろな、って考えるだけでもかなり興奮できるわ。だから今日は、欲しいってだけ、言ってくれればいいよ」
「えっ?」
 話の流れ的に言わされる覚悟をしていたのかも知れない相手が、驚いた様子の声をあげた。
「だっていっぺんにあれもこれもじゃ、初心者のお前には負担が大きいだろ。エッチなおねだりは、お前がもっと慣れてからでいいよ。それにプレイがしたいってよりはもっと単純に、ただお前に欲しがられたいだけなんだよな」
「欲しがられたい……」
「そう。俺を欲しいって言って欲しいだけ」
「なら、早く、あなたが欲しい、です。だから、」
 少しためらった後、声を潜めて囁くように。
「あなたと繋がるための穴、早く中も弄って、広げて下さい」
 そんなことを言われたら、湧き上がる愛しさで胸が一杯になる。思わず顔中にキスの雨を降らせながら、可愛い、ありがとう、嬉しい、を合間に伝えた。
「お前、おねだり上手だなぁ」
 ようやく気が済んで身を起こしながら、最後に一度相手の頭を撫でてやれば、照れくさそうにしつつも、安堵と喜びが溢れるみたいに頬を綻ばせている。
「じゃあ早く俺が入れるように、お前のお尻の中、いっぱい弄って広げていこうな」
「はい、お願いします」
 手のひらにローションをたっぷり垂らしている間に、相手が自ら腿を抱えて尻を突き出すように持ち上げた。前回そう誘導したから、今回は言われる前にその姿勢をとったらしい。
「お尻弄って広げて貰うときの格好、覚えてて偉いな」
 そう声をかけながら、前回、エロいと煽るより褒めるのが絶対正解、と思ったことを思い出していた。

続きました→

 
 
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一回り以上年下の従兄弟を恋人にしてみた10

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*アナル舐めがメインです

 相手の体に付いた泡を洗い流した後、壁に手をつかせて腰を突き出させる。
「あの、何を……?」
「きもちぃこと」
 お前だってしたんだから今度は俺の番だろ、という言葉では通じなかったようだけれど、それはまぁ想定内。
「先に言っとくけど、中も外もしつこいくらいに洗った後で汚いとか全く思わないから、あんま気にすんなよ」
 言いながら尻肉を左右に割って、そこに頭を寄せていく。
「え、ちょ、まさ、ぁあっっ」
 そのまさかだよとは答えずに、そのまま狙った窪みに伸ばした舌を押し当てた。
「ぁ、あっ、ちょっ、まっ、ちがっ、ちがうっ」
「ほなひなお」
 口を開けて舌を出した状態では、同じだよ、は全く違う音になったけれど、もちろんそんなことは気にしない。
「やぁ、しゃべ、ない、っで」
「ほあいお」
 ほらみろお前だって同じことを言う、と思いながら笑ってしまう。
 好きなように体を洗わせたら、相手の興味は途中から勃起したペニスに集中した上に、このままお前の手の中でイッて欲しいかと聞いたら、少し迷う素振りの後で、口でしてみてもいいですかと言われたのだ。もちろん嫌だなんて言うはずもなく、好きにしゃぶらせて、最後はその口の中で果ててやった。
 本人的には飲み込むまでしたかったようだが、失敗して咽るのも、口から溢れる白濁も、それはそれで充分そそる。そもそも一生懸命というか必死というか、詰め込んだ知識でどうにかこちらを喜ばそうと頑張る姿が、たまらなく可愛かった。
 男同士で使えるラブホのご休憩がどうのと言っていたのと同様に、セックスで男を喜ばせるテク的なものでも調べたに違いない。セックス目当てで恋人作ってたと言うような男相手には、確かに効果があると思う。というかあった。
 こっちのリードに任せて好きにヤらせれば満足、なんて思われていなかったのは普通に嬉しかったし、こちらを喜ばせようとして嫌々やってるって感じじゃなかったのもいい。まぁ、好きにさせたら興味なくすの早くなるかもよ的なことを前回言った気もするので、それで頑張ってくれた可能性もありそうだけど。でも抵抗がないってなら、ぜひまたやって欲しいし大歓迎だし、他のことだって興味の赴くままにあれこれ試してくれていい。
 というわけで、相手の口で気持ちよくイッたので、こちらも口を使って気持ちよくイカせてやろうという、いわばお礼のアニリングスなのだが、なぜフェラじゃなくこっちを選択したのかと言えば、ここがこの後自分を気持ちよくしてくれる穴だからだ。
 相手には、この後自分を気持ちよくしてくれる棒への奉仕、なんて思考は全く無かっただろうし、屁理屈こね回してるだけの自覚も一応はある。風呂場で、洗いたてで、という都合の良さと、相手の反応が見たい好奇心ももちろんあった。というかそっちがメインだろって気持ちもなくはない。
 失敗はしたが飲む気まであった相手なら、フェラは後回しにしてベッドの上でも問題ないだろう、という判断でもある。いくら綺麗にした後だって、尻穴を舐められた後の口でキスをされるのには抵抗があるかもしれない。
「ぁっ、あっ、ゃぁ、ああっ、だめっ、だめ、ですっ」
 口では嫌だのダメだの言ってはいるが、その声は気持ちよさそうに響いているし、暴れたり逃げようとしたりはせずに受け入れている。少し強めに押し込んだ舌先を、キュウキュウと絞ってくる穴の動きが、もっと奥までと誘うようでたまらなくイヤラシイ。
 片手を前に回して確かめたペニスの先は、先走りでトロトロだった。ふふっと笑いが漏れて、その呼気に反応したらしい相手が、ヒャンと可愛い鳴き声をあげたのも愛おしい。
 体を洗ってやるついでに胸の先やらペニスやらも弄り回していたし、元々、それなりに射精欲は煽られていただろう。軽く握って扱いてやれば、あっという間に昇りつめた。
「や、やっ、いく、でちゃっあああっ」
 さすがにこの状況では、イクのに合わせて好き好き言ってはくれないらしい。あれはたまらないものがあるよな、と少し残念に思ってしまったので、ベッドの上では好きって言って貰えるように頑張ろうと思った。

続きました→

 
 
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一回り以上年下の従兄弟を恋人にしてみた9

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 前回と同じようにお腹の中を綺麗にした後は、よく頑張ったと褒めまくって、ご褒美に体を洗ってやると申し出る。前回は一人になりたければ自分で洗ってもいいと言ったが、今回はその選択肢は与えなかった。
 なんせ早くおいでの言葉通りに追いかけてきた彼の準備を優先したから、自分自身がまだ体を洗っていない。それに、あまり食べていなかったせいなのは明白だが、最後の便通は昨日の午前中だと申告した相手は、前回は2回で済ませた浣腸を倍増しして前回以上に疲労をにじませる顔をしているし、前回は出てくるまでに時間が掛かって心配したのも思い出していた。
「あの、ご褒美は、その」
「体洗うの要らない? てかやっぱ一人になって一度落ち着きたいか?」
 何かを言いたげに、というよりは体を洗うという提案を否定したそうな気配を纏わせながらソワソワとされて、どうしてもと言われたら譲るべきかを考えながら問えば、そうじゃなくて、と首を横に振られてしまう。
「じゃあなんだ?」
 何か希望とか言いたいことあるなら遠慮せず言っていいぞと促せば、できれば逆がいいです、と返され首を傾げた。逆ってなんだ。
「その、ご褒美くれるなら、洗って貰うより洗わせて欲しいと言うか」
「ああ、逆ってそういう。てか逆か……」
 通じてないことは伝わったようで、慌てて言い募られた追加情報に納得はしたが、即答でOKは出せなかった。いや別にそれが嫌だとか駄目だとかってわけじゃないんだけれど、じゃあご褒美はそれで、という気にはならなかったというか。
「ダメ、ですか」
「駄目じゃないけど、俺的にそれはご褒美あげてる感が薄い。つうかそれだと、俺がご褒美貰うってイメージになるというか、ご褒美にしかならないっていうか」
「え、えと、じゃあ、その、手伝ってくれたお礼、させてください、とか?」
 どうですかと期待混じりに見つめられたら笑うしかない。お前本当に俺が好きな、とわざわざ言いはしないが、胸の内で噛み締めてしまうし、頬が緩んでしまうもわかる。
「なら洗いっこだな。俺も頑張ってくれたお前にご褒美あげたいし、体洗ってやりたいし」
 どっち先が良いかと聞けば、洗う方と即答された。
「お腹洗うの結構大変だったと思うけど、疲れてないの?」
「大丈夫です。というか、洗って貰うほうが疲れそうなので」
「え、なんで?」
「既に一回抱かれてて、お腹洗うのだって手伝われてて、あなたからすれば今更かもですけど、あなたの手が俺の体のあちこち這ったら、きっとドキドキして心臓保たない、です」
 体洗われて感じちゃってもあまり笑わないでくださいね、なんて言うから、どうにも笑うのが堪えられない。
「もう、言ったそばからそんな笑わなくても」
「可愛いことばっか言ってくるお前が悪いよ。だって感じさせてやりたいし、体洗われながらアンアン喘いじゃうお前が見たいし、見れたら嬉しくて笑顔にだってなるだろ。あと、俺だってお前に体洗われたら当たり前に勃つと思うぞ」
 だって好きで仕方がないって気持ちで触れてくるのだろうから。反応しないわけがない。
「てわけで、エッチな気持ちで俺の体撫で回しても別に怒んないから、思う存分、俺の体を洗うといい」
「もー、そういう事言われたら変に意識しちゃうじゃないですか」
「させてんの。あとほんと、俺の機嫌伺ってこわごわ洗われたりするより、お前がしたいように好き勝手洗ってくれたほうが絶対楽しいし」
 てか面白そうだし。とは言わずに置いた。
「じゃあ、遠慮なく」
 ほら、とアメニティで置かれていたボディスポンジを手渡してやれば、いそいそとボディソープを含ませている。それを見ているだけでも、やっぱり頬が緩んでいく。
 しかし余程しまりのない顔を晒していたようで、泡立ったボディスポンジを手に正面に立った相手には不評だった。ちょっとニヤニヤし過ぎじゃないですか、という指摘を受けてしまった。
「だって楽しみすぎて」
 俺にとってはご褒美にしかならないってのはこういうことだと言えば、一応納得はしたらしい。

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一回り以上年下の従兄弟を恋人にしてみた8

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「お前を強引に恋人にしたのも、恋人になったお前抱くほうが楽だし楽しいから、みたいな、まぁまぁクズい理由だった気もするけど、性欲って意味じゃ確かに昔ほどがっついちゃ居ないわな。でもその代わりに、セックスする前にお前の体調気遣ったり、お前の気持ちを確かめたりする時間が取れてる。若かったら、とりあえず一発やってスッキリしてから諸々話し合おうか、みたいになってたと思うし、酔った勢いでヤるセックスも悪くないよな、で押し切ってたとも思うよ」
 ついでに言うなら、スッキリしたあとの話し合いをおろそかにした結果、愛想を尽かされたなんてパターンも多分あった。性欲が優先されていた頃の失敗には色々と覚えがある。でも性欲が基準で動いてたのと、相手はそれなりに探せたせいで、それを反省することはなかったし、次の恋人相手に活かされることもなかった。
 今は性欲が落ち着いているのと、この子を逃したらまた恋人の居ない生活になるのがわかっているから、そうした過去の反省やらを活かすいい機会にも思えてしまう。結婚する気もなければ特別恋人を必要ともしていなかった中で、恋人としてそばに置こうと思ったのがこの子なのだから、この子が人生最後の恋人となる可能性だって高い。
 もう少し相手が酒にも抱かれるセックスにも慣れたら、酔った状態の相手を抱いてみてもいいかも知れない、とは思うけれど。でもそれだって、相手がそういう状態を楽しめそうなら経験させてやるのもいいかもって意味合いが強くて、酔いの勢いに任せて自身の欲の解消を狙うのとはやはりだいぶ違う。
「ただまぁ、お前の若さ考えたら、覚えたてのセックス期待すんのもわからなくはないな。後、俺ががっついて、お前抱きたくて仕方ないって姿見せたら、安心したり喜んだりするのかな、みたいなことは今ちょっと思ってる」
 お前俺のこと好きすぎだから、とは言わなかったけれど、何度か口にしているので言わなくてもそう思っていることは伝わってしまったかも知れない。
「俺のために何かを頑張って欲しくはないんですけど、でも」
「がっつかれたい?」
「ホッとしたり、嬉しかったりは、しちゃいそうです」
「いいね、正直で」
 じゃあヤルかと告げて抱えていた体を開放して身を起こす。
「さっきトイレ行ってたけど、歩いてみてどうだった? 酔いはもうだいぶ覚めてる? まだ体ふわふわしてるか?」
 大丈夫ですとの答えに、気持ち悪いとか頭痛いとかないかと重ねて聞いたが、そちらにも問題ないと返ってきたので、じゃあ準備をしに行こうかと誘った。
「えっ?」
 予想通りに驚かれたので、一緒にいるんだから手伝うに決まってると言い切ってしまう。突っ込むまでに手間かかる方が燃えるって話は前回もしたが、それに加えて、それだって前戯の一部みたいなもんだとも言ってやる。
「前戯……」
 前戯扱いに呆然とされてしまって苦笑する。
「やっぱ俺に手伝われる想定なかったか?」
「そりゃ、だって」
「何すればいいか、もうわかってるもんな。でも一人で準備してきて、とはならないんだよなぁ」
「なん、で」
「そりゃお前が恋人になったから。準備頑張ってくれるのわかってるんだから、褒めてやりたいし、ご褒美だってあげたいだろ」
 前回も上手にできたんだから今日だって大丈夫と言いながら、着ていた服を脱いでいく。たいして広くもないバスルームに服を持ち込む気はない。
「俺に脱がされたくて待ってる?」
 さっさと全裸になってしまっても相手は未だ動かずにいたので、そう聞いてみればブンブンと勢いよく首を横に振って、慌てたように服を脱ぎだす。
 いい子だと軽く頭を撫でてやった後、先に行ってるからお前も早くおいでと告げて、一足早くバスルームへ移動した。

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一回り以上年下の従兄弟を恋人にしてみた7

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 再度、噛みしめるみたいに「愛しい」と呟いた後、甘えるみたいにすり寄ってきた相手の頭に手を伸ばして、何度もその髪を梳いてやる。もちろん、愛しい、という気持ちを込めて。
 しばらく黙って続けていれば、やがてうっとりと息を吐いた相手が、そういえばと話し出す。
「昼寝の後って、何するんですか?」
「ん? 今してるこれ」
「今? これ?」
「酔いが覚めたお前に、ヤれないならデートしないなんて思ってない話がしたかったのと、初めて出来た恋人との初デートに緊張してる、ってだけじゃなさそうだったから、会えなかった3週間で何考えてたのかもうちょい探りたかった感じだな」
 恋人になったらもっと積極的に会いたがるのかと思ったら真逆だったし、それを変だなって思ってたのに放置してたせいで何やら拗らせた気配がしたから、何を考えたのか引き出して変な誤解や思い込みをしてるようなら訂正しておきたかった。というのを特に言葉を選ぶことなく言ってしまえば、相手はやはり、拗らせた気配が気になるらしい。
「初っ端からこの前のアレコレを夢扱いされかけてビビったのに、俺がお前をちゃんと恋人扱いしてデートだって言った後も、夢じゃなかったんだって浮かれる感じじゃなかった。ってだけで、もうホント、お前が放置してた3週間でなにやら思い詰めた気配しかないだろ」
 恋人と行きたいデート先がすぐ言えないのだって、こちらを気にしまくった結果なのは明白だった。
「しかも男同士で問題なく使えるラブホだのご休憩だのって単語が出てきてたし、それ言ってたときのお前、なんか必死だったし。つか日帰りデートでどうやったら俺とヤレるかを考えまくったとかじゃないと、ああいう発言にならないんじゃないか。とか、じゃあなんでそれを考えたのかって言ったら、お前が抱かれたくて仕方ないってより、デートしたらヤらせないとフラれるとか考えてる可能性とかが見えてくると言うか」
 的はずれなこと言ってるかと聞いてみれば、いえ、と短な否定が返ったけれど、言い当てられて恥ずかしいのか少し身じろいだ後、結局さらに身を寄せることにしたらしい。元々かなり近かったので、身を寄せると言うよりは顔を隠したいらしく、胸元までは下がらない肩近くに相手の顔が押し当てられている。
 相変わらず反応というか行動がいちいち可愛いなと思って笑ってしまえば、ますます縮こまってしまったけれど、特に言及しないで宥めるみたいにポンポンと背中を叩いていれば復活するのも早かった。この子の扱いに、ちょっと慣れてきた気がする。
「あの、ひとつだけ、訂正したいんですけど」
「うん、何?」
「日帰りデートでもヤれるならもっといっぱい会えるようになる、って考えたのは、あなたがヤれないデートに乗り気じゃないだろうからってのは事実なんですけど、俺があなたに抱かれたいから、ってのも、なくはない、です。抱いてくれないデートはしたくないなんて言わないですけど、出来るならしたい気持ちは、俺にも、あります」
「なるほど」
 抱いて貰うんだから割り勘で良い、なんて言っていたくらいなんだから、当然それも考えるべきだった。前回、ただただ一緒に過ごす時間が欲しい、会える機会を増やしたい、という気持ちばかりを見せられていたせいか、相手が抱かれたがっている想定があまりなかった。
 というかこれを言われるってことは、前回、また抱かれたいと思うくらいに善い思いが出来たと考えられるし、それはちょっと男として誇らしいし嬉しくもあるなと思う。あと単純に、安心もする。
「むしろ、ヤりたい気持ちだけなら、俺のが上かもしれないんですけど……」
「えっ?」
「だ、だって、この前も今日も、俺ばっかりしたがってる、というか、前回なんか俺があんまり抱かれたがるから抱いてあげるよって感じだったし、今日だって、俺が準備するの止めてまずは昼寝とか言うし」
 ヤりたいから付き合うクズとか全然嘘、とまで言われてしまって苦笑するしかない。これはまぁ完全に加齢のおかげなんだけど、逆に言えば、相手はヤりたい盛りの大学生か、とも思う。というかなるほど、どうやらそれも失念していた。

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一回り以上年下の従兄弟を恋人にしてみた6

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 笑ってしまったからか、本気なんですけど、と告げる声は不満げだった。
「本気で言ってんのはわかってるよ。たいして金かかってるわけでもないし、お前にだって充分出せる額だってのもわかってる」
「じゃあ」
「でもまぁそこは、今後も甘えてくれてていいかもな」
「なんで?」
「お前が俺を好きすぎるから。つか恋人とデートしてて、抱いて貰うんだから自分も半額出す、なんて言われるの初めてだったんだよな」
 嬉しかったし可愛すぎたから、今後もデート代は出してやろって気になった。と続ければ、そんなことでと驚かれた後、やっぱりどこがケチなのか全然わからないとボヤかれてしまった。
 そんなことでと言うけれど、今まで同じことを言った恋人は居なかったし、この子は抱かれるためにお金を出してもいいくらいに自分のことを好いてくれている、という事実は、財布の紐が思わず緩むくらい衝撃だったというだけだ。
「お前が相手なら、セックスするため以外のデートだって全額俺持ちで全然いいわ」
 年齢差的に当然そうなるだろという認識ではあったのだけど、3週間放置になった原因のひとつに、ヤれないデートに金をかけたくない=積極的に会いたいわけではない、という気持ちがなかったとは言い切れない。
「てわけで、今後はもっと積極的に、セックスなしの日帰りデートもセックス無しのお家デートもするからな」
「えっ!?」
「抱いて貰えないならデートしたくないとかは言わせないぞ」
「言いませんよ。言いませんけど、でも」
 本気で? と確かめられて、本気でと即答してやる。
「そういやお前、俺がセックス抜きのデートする気がないって思ってた、よな?」
「そりゃ、だって、いくら俺が実感できてなくても、あんなに何回もケチでクズって自己申告されてたら、ヤれる時だけ会うほうがいいんだろうなって、思っちゃうというか。その、少しでも長くあなたの恋人で居たいって考えたら、かろうじて耐えられそう、みたいに言ってたようなことは避けておきたいと言うか」
「待て待てなんだそりゃ。かろうじて耐えられそう? 何を? つかそんなこと言った?」
「言いましたよ。俺と付き合うメリットで、好きだからただ側にいたいっていうのも、恋人なら許せそうだ、って」
「あー……」
 そう言われてしまうと、確かに言ったような気がする。
「恋人ならギリ許容できそう、って……?」
「それですね。ギリ許容って、かろうじて耐えられそう、とは違いました?」
「すまん。確かに俺が言ってたわ」
「なのにセックス抜きのデート、あなたから誘ってくれるんですか?」
「そうだな。セックス抜きでもお前とは会いたいって思うよ」
 本気で? と確かめにくる声は、さっきよりもさらに疑わしげだった。
「本気で言ってるけど、でも、好きだから会いたくてしょうがない、みたいなのとは確かに違うかな」
「もし俺を甘やかそうとか、喜ばそうとか、そういうのなら、あまり無理して欲しくないです」
「違う違う。いや違くもないけど、ヤれないデートに金出すのもお前相手なら全然有りって思ったら、もうお前を放置しておきたくないなってなっただけ」
 お前面倒だから放置しとくと余計なこと色々考えて、下手したらやっぱり自分なんかが恋人なのはとか言い出しそうだし。と続ければ、ちょっと言葉に詰まっているので、多分似たようなことを既に考えていたんだろう。
「お前がもう無理別れたいって言ったら別れてやる気はあるんだけど、こんなに俺のこと大好きで居てくれる恋人初めてだし、手放したくないなって思ってアレコレする価値が充分にあるとも思ってる。あと、お前が俺を好き好き思いながら俺のそばをウロつくの、ギリ許容どころか思ってたよりずっと楽しそう。つか嬉しい。のと、多分、愛しい」
 最後の部分を拾って、愛しい? と呟く相手に、そうだよと肯定を返す。ついでに、本気で、と相手に問われる前にさっさと自分から申告しておいた。

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