2章 もっと知りたい
【翌日の事務所】
シュン:昨日はありがとうな
ケイ:あ、修司さんと連絡取りました?
:鍵、勝手に借りちゃった件とか
シュン:ああ、うん、鍵な
:あっちも、渡しそこねて悪かったってよ
:あと、感謝してたぞ
ケイ:感謝されるほどのことはしてませんけどねぇ
シュン:でも驚くほどぐっすり眠れたらしい
:あんなに寝れたの久々だって
ケイ:なら良かったです
シュン:もしかしたらリピートあるけど
:また頼めるか?
ケイ:いいですよ〜
:(全然喋れなかったからなぁ)
:(シュンさんが可愛がってた後輩、気になってるのに)
【2週間後】
ケイ:修司さん、こんばんは〜
:2週間ぶりですね
:(ってまただいぶ酷い顔してんなぁ)
修司:これ
ケイ:あ、鍵ですね!
:ありがとうございます、お預かりします
ケイは受け取った鍵をしまった。
修司はフラフラとした足取りで寝室へ入っていく。
ケイ:(これもう相当眠いやつ〜)
:(こんな状態になる前に呼んでくれればいいのに)
:ねぇ修司さん
修司:ん?
修司はさっさとベッドの中で横になっている。
隣に潜り込み寄り添いながら、その頬をそっと手のひらで包み込む。
ケイ:あなたが安心して眠れるなら、俺はいつでも駆けつけますからね
:ケイが必要だよ、って言ってくれさえすれば
修司:ふっ……
ケイ:(あ、今ちょっと笑った?)
:今日はそれだけ、覚えてから眠って?
修司:ああ
:おぼえとく
ケイ:じゃあ目ぇ閉じて
修司:頭
ケイ:もちろん撫でてあげますよ〜
修司:ん
ケイ:ふふっ、気持ちよさそな顔
:おやすみなさい、修司さん
修司:ん……スー……
ケイ:(相変わらずはっやっ!)
暫く様子を見てからそっとベッドを抜け出す。
ケイ:修司さん、寝てますよね?
:じゃあ俺、帰りますから
:いい夢、見て下さい
起こしてしまわぬよう小声で囁いた。
【2週間後】
ケイ:修司さん、こんばんは〜
修司:ケイくん、こんばんは
ケイ:最近は随分顔色良くなりましたよね
:(ついでに随分小綺麗にもなったよね)
:(髪とかしたり髭剃ったりの余裕が出来たなら良かった)
修司:まぁこの頻度で来てもらってれば、な
:よく眠れて体調も随分いいよ
ケイ:数日置きですからねぇ
修司:負担になってない?
ケイ:ちっとも!
:ほんとは毎日だって呼ばれたいくらいですけど
修司:ふっ
ケイ:今、笑いました!?
修司:いや笑ってない
ケイ:(確かに顔は笑ってないけど)
:(ああ、笑ってる顔、見てみたいなぁ)
:本気で言ってますからね、俺
修司:知ってる
:いつもあっさり寝落ちる俺は、楽な客の部類なんだろ?
ケイ:ちがっ!
:いや、違ってないけど、でも!
:毎日呼ばれたいのは楽だからじゃなくて!
修司:いいよいいよ
:そっちにもメリットあったほうが気楽に頼みやすいし
:だからほら、今日も頼むよ
ケイ:もー
:じゃあはい、ベッド入って
:てかたまには頭撫でる以外も試しません?
修司:もっと色んなテクを見せつけてやりたい的な話?
ケイ:そう、って言ったら腕枕させてくれる?
修司:いやぁさすがにそれは
:その、楽してるとか言って悪かったよ
:だからいつも通りで
ケイ:はーい
頭を撫でてやればゆるりと修司の目蓋が落ちていく。
程なくして寝息が聞こえてきた。
ケイ:(あーあ、もう寝ちゃった)
:(気持ち良さそうな寝顔だなぁ)
:(安心して眠ってくれるのは嬉しいけど)
:(眠るまでが早すぎるよ)
:(修司さんともっと話がしたいのに)
:(修司さんが起きるまで、待ってちゃダメかなぁ)
:(まぁダメに決まってんだけどさぁ)
寝顔を見ながら悶々としている内に終了時間が来てしまう。
帰らなければと思いながらもベッドを出られない。
【朝】
ケイ:(完全に業務違反やらかした)
:(でももう、ここまできたら)
:(修司さんが起きるの見届けずにいられないよね)
修司:んんっ……
ケイ:修司さん?
修司:ん……けーくん?
ケイ:(わぁ〜、寝ぼけた声、新鮮!)
:そうです
修司:あれ?
:んん??
ケイ:よく眠れました?
修司:うん、それは
:え、朝?
ケイ:朝ですね
:おはようございます
修司:えっ!?
修司がガバリと身を起こす。
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