生きる喜びおすそ分け23

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 余裕がないのなんてちっともわからなかったし、張り切っての部分がどれくらい感じられるかはわからないけれど、それでもそう思ってくれている事実が嬉しい。もちろん、うんと気持ちよく、って部分への期待もある。
 思わずんふふと笑ってしまえば、相手はホッとした様子で表情を和らげた。
「俺が笑うと、やっぱ安心しますか?」
「するね。あと、可愛い」
「ふえっ!?」
 もう一度、幸せそうに笑う君は可愛いよと告げながら、ぐちゅぐちゅと指を激しく出し入れし始める。
「んぁあ、ぁあっ」
「気持ちよさそうに、声を上げてる君も可愛い」
「あ、っ、あああっ、そこ、そこはっ」
 前立腺を指先で強く擦られて、腰を揺らしてその指先から逃れようとすれば、それをやんわりと押さえられて、ますます前立腺ばかりを狙われてしまう。
「うん。ここ、凄く弱いよね。このままここ弄り続けたら、おちんちん触らなくても、多分きっとイケちゃうと思うよ」
 その言葉通り、ペニスには一切触れられていない。でも既に二度も放出しているはずのペニスは、股間でバキバキに勃ちあがってふるふると揺れている。
「そういうの、トコロテン、って言うらしいね。チャレンジしてみる?」
「し、しないっ」
「なんで? 怖い?」
 まだイカせてって言ってくれないの? なんて聞かれて、そうだったと思い出す。いきなり強い刺激を送られて頭から抜けていた。
「お、」
「お?」
「おちんちん、が、いい、から。も、指、やっ、です。俺だけ、イク、の、やだっ」
 必死に言い募れば、ふはっと笑われてビックリする。また感情の読みにくい真顔になっていたのが、いきなり崩れたその笑顔とのギャップがなんとも激しい。
「ああ、ごめん。予想よりずっと可愛かった」
 あんな拙い要求でも満足した、というのがこちらからすれば予想外ではあるのだけれど、激しく中を責め弄ってこちらを追い詰めていた指が、ゆっくりと抜け出ていくからホッとした。
 そうしてようやく、開かれた足を抱えられて、ペニスの先端がぴとっとアナルに押し当てられる。
 見えるのはほぼ自分のペニスだけだが、緊張と期待とでじっと下腹部を見つめてしまえば、グッと腰を持ち上げられた。そうすると、自分のペニスに隠れて見えなかった相手のペニスが見えてくる。
「じゃあ、入るね。痛かったら我慢しないで言ってよ」
 掛けられた体重に従って、相手のペニスがアナルに侵入してくるのが、視覚からもわかって衝撃だった。取らされている体勢も含めて、めちゃくちゃイヤラシイ。
「ぁ、ぁあ、ぁああ」
 痛くはない。ただ、押し出されるように声を漏らしながらも、視線は股間に釘付けだった。
 指では届かない辺りはやはり狭いのか、馴染ませるように何度も腰を前後させながら、ゆっくりと奥を押し広げて入ってくる。浅く出し入れされるペニスの動きがなんとも卑猥だ。
「すっごい顔してるけど、どんな顔してるか自覚ある?」
 やがてペニスが見えなくなって、相手の腰が自分の尻タブに触れたところで、そんな声が落ちてきて慌てて視線を股間から相手の顔へと移動する。
「ど、どんな、顔、してます?」
「興奮しまくった、凄くえっちな顔」
「う、ぁ、だっ……て、」
「お尻におちんちん入ってくとこ見せられて、興奮した?」
「わ、わざと……」
「いや、どっちかというと角度の問題」
 結構すんなり入ったでしょと言われて、確かに思っていた以上にするりと入ってしまったと思い至る。きっちり慣らした後でも、最初の挿入はもっと圧迫感や軽い痛みが付き物だったはずなのに。
 過去の男と比べて彼のペニスが小さい、なんてことはないどころか、今お尻に入っているペニスのほうが太さにしろ長さにしろ若干大きいような気もするから、言われてみれば驚きしか無い。というか、すんなり入っただろと言われるまで気づきもしなかった、という部分が一番の驚きだった。
 だってエロイだとかイヤラシイだとか卑猥だとか思って興奮するばっかりで、挿入時にどうしたって感じる違和感や苦痛をほとんど意識せずに居た。

続きました→

 
 
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