童貞が二人 3

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 左手をそれぞれ相手の肩に置いて支えあい、ローションまみれの右手で相手のアナルを弄る。取り敢えずでゆっくりと、少しずつ押しこむように埋められた中指に痛みはない。同じように中指を埋めた相手も、特に痛みは感じていないようだ。
 まぁ普段出てくるものの太さを考えたら、指一本くらいなら、そんなものなのかもしれない。
 始めは相手の出方を探るように、弄られているという感覚と、相手を弄っているという感覚に差があったのだが、その差はだんだんと縮まっている気がする。相手のその場所がキュッと閉まるのとほぼ同時に、自分も相手の指を締め付けてしまうから、まるで自分で自分のアナルを弄っているような気分になってくる。
 なんだか混乱してきた。更にはクチュクチュと湿った音と、互いに吐き出す熱い息の音とが頭の中に響いて、混乱がますます加速していく。
 今のところ、弄られている場所に気持ち良さはない。むしろキュウキュウと吸い付くように締め付けられる指のほうが、断然気持ち良いと思う。
 ここに突っ込んだら絶対キモチイイ。
 そう思ってしまったら、ペニスが反応して固くなっていくのがわかる。ふと視線を落とせば、相手のペニスも当たり前のように上を向いていた。
「どう? きもちくなって来た?」
 視線を落とした事に気付いた相手から言葉が掛かる。
「気持ちぃのはどっちかって言ったら指」
 正直に言えば、わかるーと言って笑われた。
「穴はやっぱ微妙だな」
 言えばやっぱり、だなぁと肯定が返ってきた。これ、決着つくのか?
「でも思ったより痛くはない、かな。ちょい拡げる方向に行ってみていい?」
「あ? ん、うん」
 混乱しながらの会話に、ぼんやりと決着つかなそうとか思っていたせいで、思わず頷いてしまった事を後悔したのはその直後だった。
「ちょっ、待って待って待って」
「痛い?」
 痛くない。というかまだ、二本目は入って来たといえるほどの侵入を果たしていない。
 でも痛くないけどなんか変だ。いや元々その場所を弄られるのは変で妙って感じだったけど、埋まっていない他の指先でクッと拡げるようにシワをのばされて、既に埋まっている指に沿って侵入して来ようとするもう一本が肌に触れた瞬間、ゾワリと鳥肌が立って力が抜けそうになった。
 どう表現していいかわからず、痛くはないという意味もあって取り敢えず首を振ってみる。相手はやはり意味がわからないと言いたげな顔をして、あろうことか入れようとしていた二本目で、入口を優しく撫でてきた。
「んぁぁぁああっ」
「えええっっ!?」
 相手が驚きで声を上げたが、自分自身驚きまくりだし、何が起きたのかもわからない。
「んあぁっ、ちょっ」
 確かめるように再度添えられた指を動かされ、相手の肩を掴む左手にギュウと力を込めてしまった。
「あ、ちょっとわかった、かも」
 これだろ? と言った相手は、こちらの肩へ置いていた左手を外して股間に差し込んでくると、既に埋まった中指の周りをクルリと撫でたようだった。
「んんんんんっっ」
 咄嗟に口を閉じたけれど、盛大に感じてしまったことは隠しようがない。肌は粟立ちっぱなしだし、体の力はかなり抜けかけているし、目に涙が浮かび始めたことも自覚できている。
「あーごめんごめん。予想以上だった」
 差し込まれていた左手が去っていき、宥めるように目尻に相手の唇が落ちた。
「お前もしてみる?」
 同じ風になるかわかんないけど、と続いた言葉に首を横に振る。やってみたくないわけじゃない。ただ、今の状態ではそれどころじゃないというだけだ。
「むり……」
「それは感じちゃったからギブアップ、て事でいい?」
「やだ」
「おおおおい。なんでだよ」
 感じたよね? と言う問いかけは取り敢えず無視だ。
「だって中、良くなったわけじゃない」
「それは屁理屈に近い気が……というか、そもそもお前、続けられそうにないよな?」
 その通り。と認めてしまうのが悔しくて睨みつければ、相手は少し困ったような顔をしつつも、隠し切れない笑いでじわじわと表情を変えていく。
「負けず嫌いかっわいい! けどさ、今日の所は諦めて俺に任せない? 指でされんの、痛くなかっただろ?」
「入れたの指一本だけだろ。てか怖いって」
 指一本とペニスじゃどれだけ質量に差があると思ってんだ。
「いやいやいや。いきなり突っ込むとかしないから。まだまだちゃんとじっくり慣らすって」
「……怖い」
「えー……じゃあ、俺がそろそろ入れられそうってくらいまで慣らした後も怖かったら、そこで止める。いつもみたいに抜きっこしよ。でも怖くなくなってたらそのまま合体」
 それでどうよと言う提案に渋々頷いた。言ったことを反故にして、むりやり突っ込んできたりはしないだろう、と思えるくらいの信頼はしている。
「じゃ、取り敢えず、俺の中の指はそろそろ抜いて欲しいかな」
 体勢的にもきつそうだし横になろうよという優しい誘惑に再度頷いて、相手の中に埋めていた指をゆっくりと引き抜いた。

続きました→

 
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童貞が二人 2

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 ジャンケンで負けた方から順に、腸内を綺麗にするミッションをこなし、もしもを考えて数枚のバスタオルを敷き詰めたベッドに、裸で上がって向かい合う。
 互いのをこすり合うなら、向かい合って座った状態でもっと体を近づけるか、ピタリと寄り添うように横になるかのどちらかが多い。しかし同時に相手のアナル弄るってどうすんだこれ。
「シックスナイン、とかそういう感じでやるのか?」
「まぁそれもありだよな。というかそっちのが楽そうではあるんだけど」
 ということは、別の方法でって事だよな。と思いつつ、語尾を拾って続きを促す。
「けど、何?」
「顔、見れなくなるの、寂しくない?」
 気持ち盛り上がったらキスしたいしと続ける相手は、はっきり言ってキス魔だ。
「お前、本当、キス好きだもんな」
 相手は肯定も否定もなく、ふふっと柔らかで楽しげな微笑みを漏らしただけだった。優しい顔なのに、イヤラシイ気配がはっきりと混ざりこんでいるから、ああこれもうスイッチ入った後かと思った。
 もう興奮できてるってのは、正直羨ましくもある。未知な世界へのチャレンジに、興味はありつつもやはり腰が引けているのは否めない。いやだって、中洗うってだけでも、自分で自分に浣腸するとか、精神的にけっこう色々削られた気がするし。
「で、お前的にはどうしたいの?」
「んーとさ、やっぱり向かい合ってしたいから、というのを考えると、こう?」
 言いながら両足の間を軽く開いた膝立ちになる。その体勢のまま、お前もやってと言われたので、相手の正面近くで同じ姿をとった。
「で、ローションを互いの手に垂らす」
 近くに転がるローションを取り上げて、それを開いた右手にたっぷり垂らした後、やっぱりお前もと言われて、倣うように右手を差し出す。そして手の平にたっぷりのローションを受け取った。多すぎて今にも手の平からこぼれてしまいそうだ。
「ちょっ、多すぎ多すぎ」
「少ないより良いだろ。下落ちてもバスタオルあるし気にすんなって」
 ほらやってみよと促されて、相手の足の間にローションの乗った右手を差し入れた。同時に相手の右手が伸びてこないとこを見ると、どうやら先に犠牲になってくれる気で居るらしい。
「んぎゃっ! 冷たっ」
 目的の場所に触れる前から、相手は思いっきり肩を竦めてしまった。更に気持ちワリィ~と情けない声が続いて、相手の眉尻が少し下がる。
「ええええマジか。どうすればいい?」
「や、いいよ。続けて」
「いや、でも」
「大丈夫大丈夫。ビックリしただけだから」
 若干無理の滲んだ声ながらも、再度続けてと言われていしまえば従うしかない。おずおずと指を伸ばして、まずは人差し指の腹をその場所へピタリと押し当てた。
「んぅっ」
 小さく呻いて、やはり肩を竦ませる。さすがにその指を動かしてしまうのはフェアじゃないので、相手が落ち着くのを待つしかない。
 やがて一つ息を吐いて、やや俯きがちだった顔を上げる。その顔は悪戯っぽく笑っていたから、ああこれは相当の覚悟が必要なんじゃないかと不安になった。
「次、お前の番な」
「今、ど、どんな感じ……?」
「そんなの、すぐにお前も体験できるって」
「それが怖いから聞いてるんだろ!」
「だいじょぶダイジョブ。ちょーっとゾワゾワゾワ~ってなるだけ」
「お前思いっきり気持ちワリィって言ってたけど」
「慣れたら気持ちよくなるって」
 それあれだろ。どっかのサイトの受け売りだろ。だって読んだ記憶あるし。後、多分使いどころおかしいから。
 なんてことが頭の中をグルグルしている間に、相手の手が足の隙間に伸びてくる。触れられる前から、既に肌がゾワゾワとしている気がする。
 正直、相手の足の間に入れてる手を引き抜いて、すぐにも逃げ出したいくらい、ヤバイ気配しかない。
「ばーか。緊張しすぎ。そんなびびんなくても、大丈夫だってば」
 怖くなってギュウと目を閉じたら、顔の前に相手の気配を感じて軽く唇を塞がれる。それが何度か繰り返される間に、とうとう相手の濡れた手が股間の肌に触れた。
 思ったほど冷たさは感じなかったが、ローションのぬめりははっきりと感じ取れて、一瞬で鳥肌が立ってしまう。うわっと思う間に、つるりと滑った指先が、すぐにその場所へと到達した。
「うぅっっ」
 多分自分がしているのと同じように、指の腹で出口……ではなく入口となるべき部分を塞がれると、これはもう呻いて肩を竦めるしかない。
 しかし一度触れられてしまえば、確かに慣れるのも早かった。まだ全然、欠片も気持ちよくはないけど。
 一つ息を吐きだして、閉じていた目をそろりと開ければ、期待と興奮とが滲みまくりの顔が目の前にあった。
「お待たせ」
 思わずそんな言葉が出てしまったのは、相手の逸る気持ちに感化されたからかもしれない。
「ん、待ってた」
 小さく笑った後の、ちょっとずつ指を動かしてみてという相手の囁きが、スタートの合図になった。

続きました→

 
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アナニーで突っ込んだものが抜けない

 隣の家の幼なじみから、助けてと半泣きの電話が掛かってきたのは土曜の夜も更けた時間だった。内心面倒くさいと思いつつ、お願いだから今すぐ来てと請われて、仕方なく隣の家のチャイムを押した。
 来いと言ったくせに玄関先に現れたのは彼の母で、こんな時間にどうしたのと驚かれてしまったから、電話で呼ばれたと告げて勝手知ったると上がり込む。呼んだくせに出てこない彼に、彼の母も呆れ気味だ。そろそろ寝ちゃうけどという言葉にお構いなくと返してから彼の部屋へ向かった。
 軽くドアをノックしたら入ってという声が聞こえてきたのでドアを開けたが、一見部屋の中に彼の姿がない。おや? と思って視線を巡らせれば、ドア横のベッドが盛り上がっていて、どうやらその中に居るらしい。ご丁寧に頭まで布団をかぶっている。
 助けてというのは体調不良という話なのだろうか? だったら自分ではなくまず母親にでも助けを求めればいい話なのに。
「来たぞ。大丈夫か?」
 それでもそうやって様子を窺ってやる自分は彼に対して甘いという自覚はあった。まぁそれがわかっているから彼も自分を呼ぶのだろうけれど。
「お前だけ?」
「ああ」
 もそもそと顔を出した彼は、半泣きどころではなく泣いていた。真っ赤な目に溜めた涙をボロボロこぼしながら助けてと言われて、さすがに尋常じゃないなと思ったが、何が起きているのかはやはりわからない。
「俺に出来ることならするけど、何をどう助けろって?」
「あの、……そのさ……」
「言わなきゃわからないぞ」
「うん……その、抜けなく……って……」
「抜けない?」
「あの、だからさ……」
 泣くほど困っているのに何を躊躇っているのか、元々泣いて上気していた顔がますます赤みを増していく。
「あの、あの……もちょっと近く来てよ」
「そんな言い難いことなのか?」
 ベッド脇に立って見下ろしていたのだが、仕方ないなと腰を下ろして、彼の顔の横に自分の顔を近づけてやった。
「ほら、これでいいだろ。で、なんなんだよ」
「誰にも、言わないで、欲しい」
「そんなの内容によるだろ」
「だってぇ……」
「さっさと言わないと面倒だから帰るぞ」
「ダメ。やだっ」
 慌てたように伸ばされた手が、ベッドの上に軽く乗せていた手をギュウと握る。その手は彼にしては珍しく冷えて、心なしか震えているようだ。
「本当にどうしたんだよお前。何があった?」
 反対の手で、その手を包むように覆ってやってから、もう一度なるべく優しく響くように問いかける。
「だから抜けなくなっちゃって」
「だから何がどこから抜けないんだよ」
「お尻から……」
「は? 尻? 尻から何が抜けないって?」
「……っが!」
 口は動いたがほとんど音になっていない。
「聞こえねぇよ」
 更に顔をというか耳を彼の口元へ近づけた。再度告げられた単語はどうにか拾ったが、やはりよく意味がわからない。
「は? マッサージの棒? なんだそれ」
「だからツボマッサージするやつ。あるだろこう棒状の」
「あー……まぁ、それはわからなくない。けどそれが抜けないって……あっ?」
 一つの可能性には行き当たったが、まさかと思う気持ちから相手の顔をまじまじと見てしまった。
「お前、そんなものケツ穴に突っ込んで……た?」
「言わないで。言わないでっ」
「言わないでじゃねぇよ。マジなんだな?」
「うん」
 ぐすっと鼻をすすりながら、更に何粒かの涙をこぼす。
「あー……じゃあちょっと見るわ。布団めくるぞ」
「う、ん……」
 躊躇いを無視して布団をめくれば、むき出しの下半身が現れた。無言のまま足を開かせるように手に力を込めれば、おとなしく足を開いてみせる。
 なんで自分がこんなことをと思いつつも、更に尻肉に手を添えを割り開く。その場所は濡れているようだったが閉まっていて、中にマッサージ棒が入っているなどとは到底思えない。
 大きくため息を吐いて覚悟を決める。
「おい、中、触って確かめるぞ」
 ビクリと体が揺れた。躊躇って戻らない返事を待つ気もなく、その場所へ指を触れさせ力を入れる。
「ぁっ……ァ……」
 するりと入り込んだ指先はすぐに固い何かに触れた。
「ああ、……確かになんか入ってんな。てか材質何? プラスチック? 木の棒?」
「木……」
「普通に力んだら出てこないのか?」
「そんなの試したに決まってるだろ」
「まぁそうだな。で、俺に指突っ込んでこれ抜き取れって?」
「ムリ?」
「わかんねぇ」
「お願い」
「ったく、お前、本当バカ。アホな遊び覚えてんじゃねぇぞ。取り敢えずチャレンジはしてやるけど、最悪抜けなかったら医者行けよ」
「医者やだ。お前が抜いてよ」
「俺にだって出来ることと出来ないことがある。いいから濡らすもんよこせ。ローションか何か使っただろ?」
 最低でも2本の指を入れて摘んで引っ張りだすことを考えたら、何かしら潤滑剤があったほうが良さそうだ。
「そこ、あるやつ」
 言われて目を走らせた先にあったのはワセリンのケースだった。
 結局、どうにかこうにか抜き取ることに成功したのは、既に日付をこえた時間で安堵とともにどっと疲れが押し寄せる。
 さっさと帰って眠りたい。眠って今日のことは忘れてしまおう。
 ごめんねとありがとうを繰り返す相手に適当に相槌を打って逃げるように隣の自宅へ帰り、ベッドの中に潜り込む。しかし疲れて眠いはずなのに、体はオカシナ興奮に包まれて眠れない。
 股間に手を伸ばしながら、変なことに巻き込みやがってと幼なじみの彼を罵ったが、オカズは結局のところ先ほどの彼が見せた痴態でもあった。

お題提供:pic.twitter.com/W8Xk4zsnzH

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就職を機に逃げたけれど本当は

キスのご褒美で中学生の成績を上げています → 脅されて高校生に買われています からの続きです。

 代引きで通販という手を覚えた彼が、アパートの住所宛にあれこれとアダルト商品を通販し始めたのは、彼が高校1年の終わり頃だった。
 就職が決まって引っ越しをする時にそれらのグッズは全て廃棄したけれど、結局、頻繁に使用されていたいくつかを、今度は自分の意志で購入してしまった。

 床に取り付けた吸盤付きディルドをまたいで、ゆっくりと腰を落としていく。準備はしてあるが、敢えてあまり解すことをしていない。簡単には飲み込めないそれを、体重をかけることで半ば強引に埋め込んでいく。入り口がめりめりと軋むようで、強い拡張感と圧迫感にあっさり歓喜の声がこぼれ落ちる。
「ふぁっ……んぅ、…は、はふぁああん」
  耳の奥で、ここには居ない彼の声が響いた。
『また声漏れちゃってるよ、センセイ』
 ふふっと笑うかすかな声と気配を思い出しながら、きゅっと唇を噛み締めた。
『さ、じゃあ、少しずつ動いてみよっか。馴染んでないから最初はゆっくりね。はいっ』
 耳の奥に響く手拍子に合わせて、腰を上げて下ろしてを繰り返す。
「ふ、ッ…ぁあっ、…ァっ、アアっ……」
『声、ぜんぜん抑えられてないね。俺に塞いで欲しくてわざとやってるの?』
 首を振って、再度唇を噛み締める。しかしやはりこぼれ落ちてしまう声は、やがて仕方がないなという言葉共に彼の唇で塞がれた。
 口の中を彼の舌でいじられる感触を出来る限り思い出しながら軽く口を開き、彼の舌を辿るように、自らの口内を舌先でくすぐる。
『動きとめちゃダメだよ、センセイ。ほら、さっきのリズム思い出して』
 動きを止めるとキスは中断され、もう一度手拍子が始まった。
 またすぐにあふれだす声を塞がれ、手拍子がやんでも、今度は腰の上げ下げを同じリズムで繰り返す。
 動きが止まってしまったら、キスを中断して手拍子。というのを繰り返すうちに、だんだんとリズムが早くなり、昇りつめるギリギリまで自分を追い込んでいく。
「イくっ、イッちゃう」
『いいよ。でも今日は、おちんちん触って、出しながらイッて?』
 命じられるままにペニスを握り数度上下させただけで、簡単に絶頂はやってきた。
「ぁァアアああ゛あ゛んんっ」
 物理的に塞がれているわけではない口から、抑えることをすっかり忘れた声が迸るが、ここはもう壁の薄いアパートではない。多少大きな声を出した所で、隣に聞こえる心配はなかった。

 後始末をしながら、惨めだ、と思う。あんな関係からどうにか必死で逃げ出したというのに、結局彼とのあれこれを思い出しながら、自分を慰めることが増えている。
 就職活動をする時に、なるべく遠方の会社ばかりを受けた。もちろん、脅されて内定を蹴ることになる可能性もあったが、彼はそんな事はしなかった。あまつさえ、心配の種だった中学生の彼相手に色々致している動画の数々を、就職祝いにと全てプレゼントされた。もちろん複製品が彼の手元に残っている可能性もないわけではないが、これ以上脅して関係を強要する気はないという、彼の意思を示すにはそれで充分だ。
 こちらが驚くほどあっさりと関係を解消した彼は、色々と教わりありがとうございましたという言葉を最後にアパートを訪れなくななり、自分は就職先の近くに部屋を借りて引っ越した。
 彼に、彼以外との交際を制限されたことはなかったが、彼一人で手一杯だったので久々に新たな出会いを求めてみたりもした。しかし結果は散々だった。
 ストライクゾーンは広めで、割りと誰とだって楽しめるタイプだったはずなのに、誰と寝ても物足りない。
 そもそも、特定の相手とあんなに長く関係していたことが初めてだったのだ。しかも旺盛な好奇心で色々なことを試されたし、性感帯をあれこれと開発された自覚も確かにある。しかし彼相手でなければ物足りないほどの影響を受けているとまでは思っていなかった。
 自分の体に彼のプレイが色濃く染み付いている事に絶望するまで、そう時間はかからなかった。
 拭いたばかりの床に、ボタリと大粒の涙が落ちる。
 彼に聞かれたのは就職先の会社名程度で、もちろん新しい住所を聞かれることもなかった。それどころかあの挨拶を最後に、メールもLINEも一切送られてこない。あのあっけなさ同様、こちらの連絡先などとっくに削除済みなんだろう。
 その事実に安心するのではなく、追いかけてもらえないどころか一切気にかけてもらえなかった事に、打ちひしがれている。
 遊ばれているだけだとはわかっていた。自分は彼にとって都合のいい玩具だった。
 その自覚があったのに、重ねる行為に情が湧いてしまった。しかも、自分にだけ。
 彼があっさり引いたのは、もしかしたら、そんなこちらの情に気づいたからかもしれない。その考えが正しいような気がして、ますます気持ちは落ち込んだ。
 惨めだし、寂しいし、悲しいし、胸が痛い。けれどこちらから彼に連絡を取ることなど出来るはずもない。
 一度も好きだと口にすることなく終わった想いは、この先もまだ当分引きずりそうだった。

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