おっさんの蔵書(目次)

キャラ名ありません。全7話。
半放置子だった視点の主が、雑多な蔵書目当てで近所宅に出入りしているうちに、家主でゲイだということを隠していない、一回り以上年上のおじさん相手に興味を持ってしまう話。
セックス描写は視点の主 ✕ おっさんのみですが、視点の主が抱かれる側になった事もあるとわかる描写が含まれています。
視点の主がおっさんへの恋愛感情を認める所までで、恋人という関係にはなっていません。

下記タイトルは内容に合わせたものを適当に付けてあります。
性的なシーンが含まれるものにはタイトル横に(R-18)と記載してあります。

1話 大学卒業前に
2話 えっちな蔵書を読みに通う
3話 感想を言い合う楽しさ
4話 煽られて
5話 寝室で押し倒される(R-18)
6話 抱かれるのだと思ってた
7話 恋人になりたい

 
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初めて抱いた日から1年

 ひと月前と半月前と先週と何度も頼み込んで、サラリーマンな年上彼氏に平日の休みをもぎ取ってもらった。
 どうしてもその日に休んで欲しい理由は、出来れば前日まで知らせたくなくて教えていない。だって知ったら絶対休みなんか取ってくれない。理由も告げず、お願いと繰り返し頼むその行為が、どれだけ子供じみたわがままかって事はもちろん自覚している。
 実際子供だし。というセリフは、大学生となってしまった今はもう使えないし、そもそも使いたいとも思っていないのだけど。せっかく長年の片想いを叶えて、一回りも年上のその人を恋人にして、さらには相手を抱くことも出来るようになったのだから、子供みたいな真似はいい加減卒業した方がいいとも思ってるけど。
 でもやっぱり、幼少期から長年培ってしまった関係の脱却は難しい。だってそもそも、相手が抱かれる側になってくれたのだって、自分の盛大なわがままを、結局根負けした相手が仕方なしに受け入れてくれたようなものなのだ。
 そしてやっぱり今回も、今は忙しい時期だから休みは難しいと言われていたのに、なんだかんだ調整して休みにしてくれたのは、相手がこちらのしつこい要望に折れてくれたからに他ならない。
「で、明日を休みにさせた理由は? どこか出かけるのか?」
 大学入学と同時に相手の家に転がり込んでいるので、今自分たちが居るのはリビングだ。家賃と生活費の一部は支払っているが、格安設定なこともわかっているので、家事全般は自分が担当している。今彼が話しながら食べている夕飯も、作ったのは自分だった。
「出かけないよ。俺は学校もあるし」
「は?」
 ならなぜ休みを取らせたと言いたげだ。脳内ではきっと、辻褄が合う理由を必死で探しているのだろう。
「今日は抱かせて」
「平日だぞ」
「だから明日休んでもらった」
 あからさまに嫌そうな顔をしたので、だって特別な日だよと語気を強めに告げてみた。
「特別な日?」
 今度はまったくわからないという顔をしている。まぁそれは想定内だ。この日にこだわってるのは自分だけだってちゃんと知ってた。
「そう。特別な日。記念日」
「記念日……? ってまさか、俺を初めて抱いた日、とか言い出す気じゃないだろうな?」
「あれ? 覚えてた?」
「特別な日で記念日と言われて、去年何をしたかと考えたら、それくらいしか思い当たることがない」
「初めて抱いた日から一年ってのもあるけど、俺が初めて告白したのもこの日。それから数年経って、ようやく告白を受け入れてもらえたのもこの日」
「えっ……?」
「さすがにそこまでは覚えてなかったろ。去年、ちょっと強引に抱いちゃったのはさ、日付も関係してたんだよね」
 恋人になれた日が告白した日と被っていたのはただの偶然のはずだけれど、初めてのセックスをこの日にというのは、随分と前から決めていた事だった。
「来年以降も、この日だけは絶対抱くから。普段はそっちの体力に合わせてあんまりムチャもしないでしょ。でも今日だけはちょっとだけムチャさせて?」
 言ったらなんとも言えない顔をしつつも、諦めたような溜息が一つ落とされる。
「休めるのは明日だけなんだから、そこは考慮してくれよ」
「そこはまぁ、多分、大丈夫……と思う。体力任せに抱き潰したりはしない。予定」
 さすがに12も歳の差があると、セーブしてるつもりでもついついやり過ぎて、過去に何度か抱き潰している。おかげで最近は、休前日しかさせて貰えないし、翌日休みでさえ二回もイかせればあっさりギブアップされてしまう。一度のセックスで一回イけば、それでもう充分らしい。
 まぁ、折角の休みを一日ベッドの中で過ごしたくはないだろうし、たった二回でも午前中はベッドの中という場合も多いので仕方がない。
「予定じゃなくて確実に抱き潰すな。もし明日一日で回復できないような抱き方したら、来年以降は断固拒否だからな」
 それはようするに、ムチャさえしなければ来年以降もこの日だけは絶対に抱くという宣言までも、了承してくれたということだ。
 わかったと頷いて、ありがとうと目一杯の笑顔を向けた。

 
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寝ぼけてキスをした

 今日の講義は3限からなので、のんびりと起きだした朝。とりあえず何か飲みたいと思いつつキッチンへ向かうが、併設されたリビングの惨状に、冷蔵庫へ辿り着く前に足を止めてしまった。
 リビングの床にスーツを脱ぎ散らかして、下2つだけボタンの止まったYシャツにトランクスというひどい格好でソファに沈んでいるのは、従兄弟でありこの家の世帯主でもある男だ。親の間でどういう話があったのか、入学したら大学の近くで一人暮らしが出来るのだと思っていたのに、気づけばこの従兄弟の家に放り込まれていた。
 最初は本当に苦労した。なんせ従兄弟とはいっても年が離れすぎていて、一緒に遊んだような記憶どころか、話しをしたという記憶すらほとんどない相手だ。正直、いきなり見知らぬ他人との共同生活が始まったといってもいい。
 しかし共同生活におけるルールがある程度決まってしまえば、多忙な従兄弟とはすれ違いも多く、ここでの生活は既に2年を越えたがけっこう気楽に過ごせてもいる。最初は憂鬱だったここでの暮らしは、思っていたよりもずっと快適だった。
 ソファの脇に立って、改めて従兄弟を見下ろす。確か14ほど上と聞いた気がするから、そろそろ30代も半ばだろうか。眠っていてさえ疲れの滲みでている顔には無精髭が伸びていて、ボサボサの頭髪にはちらりと白いものが混ざり始めている。
「わー……いつにも増しておっさんくさい」
 起きていたらさすがに咎められそうな事を、そこそこの声量で口に出しても、相手は依然無反応だ。
 こんな場所で無造作に寝るから余計に老けていくんじゃないのか? と思いつつも、だからといって起こしたほうがいいのかはわからなかった。忙しいのは知っていたが、さすがにこんな状況は初めてだからだ。
 パッと見、疲れてる以外のおかしな様子はないけれど、まさか具合が悪くてここで力尽きたという可能性もあるだろうか?
 そっと額に手のひらを当ててみたが、とりあえず熱はなさそうだ。
 ますますどうしようか迷いつつ、目の前に垂れていた結び目だけ解いて首にぶら下がったままのネクタイを、なんとなく握って引っ張った。スルリと抜けるかと思ったそれは何かに引っかかって、従兄弟の頭がぐらりと揺れる。
 あ、まずい。と思った時には従兄弟の目がゆっくりと開いていく。
「ご、ごめん。起こすつもりはなくて」
 体はネクタイを握ったままフリーズしていたけれど、口だけはなんとか動かした。従兄弟はぼんやりとした表情のままこちらの顔を見て、それからネクタイへと視線を移す。
「なに? 人の寝込み襲うとか、お前欲求不満なの?」
「は? ちょっ、んなわけなっ、うぁ……って、なんだよっ」
 否定の途中、結構な力で腕を引かれてよろけて倒れこめば、わしゃわしゃと頭を撫でられる。
「んー? ちゅーくらいならしていいぞ」
「だからっ! 欲求不満じゃ」
 ない、という言葉は続けられなかった。
 14も年上の、だらしなく小汚いおっさんにキスされたという衝撃でそのまま硬直していたら、「うわっ」という慌てた様子の声とともに、唐突に突き飛ばされて尻もちを付いた。
「えっ、ちょっ、何してんの」
 何してんのはこっちのセリフだと思ったけれど、それは言葉にならなかった。なんで朝からこんな目にと思いつつ相手を睨みつけたけれど、正直怒りよりもショックが強くて泣きそうだ。
「あー……悪い。スマン。多分寝ぼけた」
「酷い。色々酷い。小汚いおっさんにキスされたなんてトラウマになりそう」
「小汚いおっさん、ってお前もたいがい酷いぞ」
「ホントの事だろ。てか自分が今どんな格好してるかわかってんの?」
 言ったらようやく自分の格好に気づいたようで、情けない顔になって本当に悪かったと繰り返した。その後はソファの周りに散らかした服類をまとめると、それを抱えてそそくさとリビングを出て行く。
 尻餅をついたまま、そんな従兄弟を視線だけ追いかけてしまったが、彼から掛かる言葉はもうなかった。酷いとかズルイとかの単語が頭のなかをグルグルとまわる。のどが渇いていたことを思い出して立ち上がるまで、随分と時間がかかってしまった。

続きました→

レイへの3つの恋のお題:寝ぼけてキスをした/キスしたい、キスしたい、キスしたい/あと少しだけこのままで
http://shindanmaker.com/125562

 
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