親睦会10

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 すぐに塞がれた唇にホッとする。ゆるく唇を解いて舌先を差し出せば、応じるように柔く食まれて、それだけで体に小さな痺れが走った。
「んっ……」
 甘えた響きの吐息が漏れて、小さく笑われた気配がする。笑われたことで、今のは媚びて誘う行動だったと自覚した。気持ちが良いと素直に喘ぐのとは、少しばかり意味が違う。
 自分から媚び誘う真似など、今までしたことがなかったので恥ずかしい。
 羞恥に身を焼かれて逃げ出したくなるのに、相手の舌が口内に入り込んで既に知られたイイトコロを舐め嬲ってくるから、気持ちよさで羞恥も逃げたい気持ちも塗りつぶしてしまう。だってこんなの今更だ。気持ちよければなんでも良いしどうでもいい。ずっとそういう気持ちで続けてきた関係だろう。
 体の力を極力抜いて、気持ちよさだけを追いかける。与えられるままに享受する。今度は気持ちが良いと知らせるように、熱い吐息を漏らした。
 そんな中、顎を支えるのとは逆の手が、肌を撫で降りて尻肉を割る。無遠慮に差し込まれた指先はすぐさまアナルに辿り着き、シワを伸ばすようにグニグニと蠢き圧を掛けてくる。
 そのままグイグイと強引に侵入を開始する指先に、さすがに驚き慌てたが、顎を掴む手に力が入って、逃さないとばかりに深いキスが続行された。宥める優しさなんてない。どちらかと言うと、気を散らすための快楽を強引に引き出されるような、少し乱暴なキスだった。
「んぅっっ」
 ローションの滑りはないが湯という湿りはあるからか、それとも慣れた行為に指一本程度ならやすやす入ってしまうものなのか、すぐに根本まで押し込まれてしまった。
「ぁ、ぁあ、なん、で……」
 解放された口からこぼれるのは、どうしたって戸惑いだ。指一本とは言え、こうも簡単に受け入れた自分自身の体に、呆然としてもいた。
 強い痛みはないが、いつになく違和感が酷くて、気持ち良さもない。それとも馴染んでくれば、中のイイトコロを明確に刺激されれば、ここからでも十分気持ち良くなれるのだろうか。
「ここ、裂けるような無茶だけはしない。っつったら、俺を信じて、このまま突っ込むの許すか?」
「好きに、すれば」
「お前気持ち良くしないけど、そしたら、お前はもう俺とのセックス止めるんだよな。じゃあこれ、お前との最後のセックスな」
 なんて酷い宣言なんだろう。でも心の何処かに、やっぱりと思う気持ちがある。
 嫌だ止めていつもみたいに気持ちよくしてと頼んでも、この人にはもう、自分相手にそんなセックスをする気はなさそうな気がする。ここで抱かれても、抱かれなくても、どうせこの旅行から帰ったら、自分たちの関係は終わりになる。そしてそれを引き止める手段は、自分にはないのだ。
 このまま抱かれて、今まで気持ちよくして貰った記憶をかき消すみたいに酷くされたら、認めたくなくて目を逸らし続けた想いも、砕けて散ってくれるだろうか。それを期待して、最後に気持ち良くないセックスをしておくのも、悪くないかもしれない。
「わかり、ました」
 関係を終えることを了承したくない本音をねじ伏せ、なんとか肯定を絞り出せば、すぐに噛み付くみたいなキスに襲われた。

続きました→

 
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