エイプリルフールの攻防・エンド直後7

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「抵抗なんかあるわけ無いだろ。だってお前と繋がるための穴だぞ。それに、これからお前の穴弄るってだけでこんなに興奮してんだから、安心して弄られてくれ」
「お前が萎えてないのって、そういうぁふぅっ」
 とうとう指先が窪みを突いて、途中で言葉は途切れてしまう。
「ぁ、……ふ……」
 漏れ出たローションのぬめりを確かめるみたいに指先で穴をくるくると擦られて、ゾワゾワとした擽ったいような気持ちよさに、身を縮めそうになるのを耐えた。なにこれ。自分で触れるのとは全然違う。
「マジでぬるぬるだし、指くらいならスルッと入りそうではあるけど……なぁ、大丈夫か?」
「ぞ、ぞわぞわ凄くて」
「それ感じるって言ってんの?」
 気持ちいい? って聞かれながら今度は歳ほどよりも少し強めに、穴をクニクニと指先に抉らる。
「ぁあっ、やだぁっ」
「あ、悪い」
 思わず口をついて出てしまった「やだ」に反応して、相手がすぐに動きを止めてしまうから慌ててしまう。
「ち、ちがっ、ごめっ、だってなんか、自分でするのと全然違くて」
「ああ、びっくりさせた?」
「そ、そう。あの、だから、本当にやだったわけじゃない、から」
「そ、っか。あー……なるほど、そうか」
「え? えっ?」
 続けていいよ、むしろ早く続けて、って意味で嫌だったわけじゃないって言ったつもりだったのに、相手は一人で何かを納得していて意味がわからない。
「なんかちょっと、安心したわ」
「え、なに、突然」
「一人で慣らして広げたとか言ってても、初めてには違いないんだなぁ、みたいな」
「そ、そんなの当たり前、ってか、それがなんで安心?」
「一応俺も知識はそれなりに詰め込んだけど、誰かとこういうことすんの初めてだから」
「あ、お前も初めて……」
「そりゃお前にこんだけ執着してる自覚あって、他の誰かと、なんて無理に決まってる」
「そ、そか。えと、それは嬉しい、な」
 相手の恋愛経験とか交際経験とか、そういや考えたことがなかった。高校卒業までに相手に恋人らしき影がなかったのは当然知っているし、大学入学後だって、恋人がいるのに毎年律儀にこんなことを繰り返してると思ってなかったのもある。
 でも相手も初めてだってはっきり言われたら、確かに安心するし、自分だけをずっと想い続けてくれたというのはやっぱり嬉しい。自分とはいがみ合ったり反発したりが多かっただけで、相手にだって友人はたくさんいたし、全くモテなかったわけでもないのも知ってるのだから、余計にそう思ってしまうのだと思う。
「嬉しいって思ってくれんのか」
「え、嬉しいよ。ずっと俺だけ好きだったって熱烈な告白、今日何回目だろ」
「ふっ、お前のそういとこ、ほんと、好き」
「そういうとこ?」
「俺が童貞なのを、熱烈な告白とか言っちゃうとこ」
「あ、え、童貞気にしてた? え、でも、俺も童貞だし」
 お前はもうすぐ卒業できるだろ、とは続けられなかった。自分が相手の童貞を貰って卒業させるんだってことを、意識してしまったせいだ。
「そうだな。童貞だからお前に良い思いさせてやれなかったらどうしよう、とは思ってたよ。でもお前に自分で弄って広げたとか言われて、安心するより、始めて貰えなかったって気持ちのが実はでかくて」
 だからお前の反応ウブすぎて安心、ってよりはすげぇ嬉しい。なんて言われながら、止まっていた指先がまた動き出す。
「んんっ……んっ……ぁ……」
 軽く穴の周りを撫でた後、また少し強めに抉られて、でも今度は「やだ」とは言わずに済んだ。しかもしばらくそれを続けられて慣れてくると、だんだんお腹の奥がキュンと疼くような焦れったさが湧いてくる。
「ふっ、ふぅ……ねぇ、」
 早く挿れてよとねだるのも、それはそれでなんだか恥ずかしくて、でも焦れったいのは事実で、早く先に進んで欲しい。そんな気持ちで、躊躇いながらも呼びかけた「ねぇ」に、相手はどうやら気づいてくれたらしい。
「そろそろ指、挿れるぞ」
「う、うん、ぁっ、あふっ、ぁああ」
 ぬるると入り込んでくる指は、間違いなく気持ちが良かった。

続きます

 
 
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エイプリルフールの攻防・エンド直後6

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「あと可愛いのもホントだって」
 宥めるみたいに囁かれて、頬の肉をきゅっと引き締めた。だってこれでまたへらっと笑ってしまったら、またチョロいって言われるんだろうなと思って。
「変な顔」
「うっさい。てかホントお前は言葉を選べ」
 そういうとこだぞと思うのは、相手のそういう無粋な指摘にカチンときて、拗れた過去が何度もあるからだ。
「だって、チョロすぎて不安になるとは言ったけど、だからって素直に笑ってくれないのもそれはそれで癪だなって思って」
「わがまま〜」
「そうだな。今のは完全に八つ当たりだった。てか悪い。またいつもの癖出た」
「まぁお前がすぐ謝ってくれるのは、かなりの進歩って気はしてる」
 それに、悪い癖って認識してるなら、直してくれる気もあるのかもだし。
「お前が俺を好きって言ってくれたから、気持ちにかなり余裕が出来た気はしてる。せっかく両想いになれたのに、またお前怒らせて拗れるの絶対嫌だって思うしな。あと実は、変な顔もまぁまぁ可愛かった」
「は?」
「変な顔そのものは可愛かったよ」
「だったら癪だなんて言うなよ」
 平然と繰り返すから、何を言ってるんだこいつはと思ってしまうのは仕方がないと思う。今度はこちらが盛大に呆れた声を出してしまった。
「それはだな、俺がチョロすぎて不安って言ったせいで素直に笑えなくなった、って事実に腹が立つんだよ。つまり、あの苛立ちはお前に向かってんじゃなくて自分に向かってる」
 八つ当たりってのはそういう意味だと言われて、なるほど、とは思ってしまったけど。
「お前がもうちょっとそういうとこ素直だったら、こんな無駄な回り道しなかったかもって思うと、ホント惜しいよな」
「素直っていうか、変な八つ当たりしないように心がけてた時期もなくはない」
「あー……お前と比較的穏やかな距離保ててた時期な」
「でも結局それ以上には近づけなかったし、今更友だちになれるって感じでもなかったし、そもそも友達になりたかったわけでもないしな。だから俺には必要な回り道だったけど、でもお前を苦しめたいわけじゃなかったのもホント」
 てわけで、めいっぱい優しくするから尻穴弄っていい? なんてことを真顔で続けられて、そういやセックス真っ最中なんだったと思い出す。いやまぁ、意識的に相手の手元から視線をそらして、セックス中って事実を極力頭から追い出していたのは事実なんだけど。
 だって相手が持参したローションもゴムも未開封だったから、開封作業を見るのだけでも、なんだか妙に恥ずかしかった。
「い、いい、よ」
「なら下着も脱がすぞ」
 うん、と頷いて、相手が脱がせやすいように腰を浮かせて協力する。さっきまでの扱きあいでこちらも一度下着を摺り下げてペニスを露出していたが、手の汚れを拭かれた後にまたしっかり履いてしまっていたからだ。
 相手もその時に履き直しているので、つまりは自分だけ先に真っ裸という状況がやはり少し恥ずかしい。
「お、お前も脱げよ」
 道連れにしてやりたくてそう訴えれば、相手はあっさりわかったと言って下着を脱ぎ捨てる。
「あれ?」
「なんだよ」
「お前出したばっかなのに、俺より萎えてなくない?」
 思わず自身の股間と相手の股間とを見比べてしまったが、お預けを食らって放置された自身のペニスは既に結構落ち着いていた。なのに相手のは、さすがにギンギンに張り詰めてはいないけれど、未だしっかりと上を向いて勃ち上がっている。
「逆にお前は出しても居ないのに萎えてんな」
「ぁんっっ、ちょっ」
「お、でも反応は早い」
「当たり前、っだ!」
 萎えたペニスを掴まれ軽く扱かれれば、お預けされたペニスがすぐさま再度勃起するのなんて当然過ぎる反応だ。
「じゃあ、後ろも触るな。ゴム、使ったほうがいいんだよな?」
「う、うん」
 さっき自分のは風呂場に置きっぱなしと言ったから、指にゴムを着けて解していたのはわかっているんだろう。薄い膜一枚だけど、直接弄られないのはホッとする。
 でもゴムをまとったその指が目的の場所へ向かって伸びてくると、やっぱり安堵よりも緊張が勝って体が強張ってしまう。
「緊張する?」
「そりゃあ。だって、お尻の穴、だし。ゴム使ってるし、洗ってもある、けど」
 本当に抵抗ないの? と聞いてしまえば、お前の不安ってそれなの? となんだか少し驚かれてしまった。

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エイプリルフールの攻防・エンド直後5

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「俺だけが昔っからずっとお前を好きで、そのせいで色々拗らせてお前と友達にすらなれないって落ち込んでたから、いくらお前が甘くてチョロくても、素直に告白してお前に好きになって貰う努力、なんて出来なかったんだって」
 言葉にはしなかったが、もっと早く言っとけよと思った気持ちは伝わったらしい。
「でもそれでお前苦しめたのは事実だから、お前の嘘みたいに可愛いお願いは全力で叶えるつもりなんだけど」
 そこで一度言葉を区切って、ゆっくりとまたベッドに押し倒される。しかもジッと見下されて、何を言われるんだろうという不安にドキドキが加速していく。全力で叶えるつもり、だけなら期待でドキドキしたと思うのに。
「慣らしてあるから弄るの無しで、は無しで」
「……え?」
「優しく抱いてって言っときながら、尻穴弄られる想定してなかったってどういうことだよ。ってのと、自分で弄って広げてた、なんて聞いたら余計やる気でるだろっての」
「えっ、ええっ? なんで!?」
「端的に言うと、ちゃんと前戯させろ」
「え、それ、ほんとにそんな意味で言ってた?」
 なんかもっと不穏な気配が強かったというか、ちゃんと前戯がしたいって言ってるようには聞こえなかったんだけど。
「言ってた」
 けれどそう言い切った相手は、やっぱりキョロっとあたりを見回した後、小さな舌打ちを一つ残してベッドを降りてしまう。何が起きてるかわからなくてその背を視線が追ってしまったけれど、相手はどうやら自分の荷物を取りに行っただけらしい。
「んな不安そうな顔されると困るんだけど」
 すぐに戻ってきた相手は、へにょっと眉尻を下げながら、数度優しく髪を梳いてくれた。じゃあ舌打ち直後にベッド降りるとかは止めて欲しい。
「いやどう考えてもお前のせいだよね?」
「それは確かにそう。必要なもの取ってくるだけだって言えば良かったな」
「で、何が入ってんの?」
「ローションとゴム」
 言いながらカバンに手を突っ込んだ相手が、その2点を取り出しベッドに転がした。
「てかお前、自分で準備したって言ってたけど、ローションとかどこあるの?」
「あー……風呂場置きっぱ」
「勃起ちんこすんなり入るくらい広げ済みだから、セックス中には追加でローション必要ないって思ってた?」
 それともお腹の中にたっぷりローション仕込んでたりすんの? と聞かれて、正直に、たっぷりではないけど多少はと返せば、それに対する返答はなく、ゴムは? と返ってくる。
「あー……それも風呂場」
 衛生面などを考慮して、自分でお尻をいじるときには指にゴムを着用しているせいだ。
「一応聞くけど、生で突っ込まれたいつもりだった?」
「正直、そういうのあんまり考えてなかった」
「お前、抱かれたいとか言って自分で自分の体準備するくせに、俺に尻穴弄られる想定してなかったり、ゴムもローションもベッド周りに置いてなかったり、色々詰めが甘くねぇ?」
「だって俺も割といっぱいいっぱいっつうか、お前と両想いエッチ出来るとか思ってなかったし、流血大惨事のトラウマだけは避けたくて頑張っただけっていうか」
 痛がって辛い辛いと泣き顔を見せたりしたら萎えられそうだから、というのが自分の体を慣らした一番の理由だし、正直に言えば、具体的に相手にどうこうされる想像はしにくかった。
 好きだ可愛い感じてくれて嬉しいと甘く囁く声は、リアルでも聞いたことがあるから想像できたけれど、自分の体に相手がちゃんと興奮したり、お尻の穴を弄って広げてくれるような前戯が出来るかは微妙だと思っていた。というか無理かもって思っていた。
 だって、年に一度の遊びが続いているのは自分の反応が面白いからで、暇人だとか、奇特なやつだとかは思っていたけど、本気で好かれてるとは考えなかった。本気で好きな相手への態度として、自分なら絶対に選ばないせいだ。
「お前と友だちになれなかったの、こういうのも影響してそう」
「なんだよ突然」
「俺達似たとこあんまないんだよね、って話」
「俺はそこに惹かれてるんだけどな」
「でもほら、ローションもゴムも用意しないで抱いて欲しいとか言っちゃうから、それでお前、俺に呆れるわけじゃん」
「詰めが甘くて可愛いなぁ。であって、呆れてるわけでは。いやまぁ、呆れてるけど」
「ほらぁ。やっぱほらぁ」
 でもそれが良いのも事実だし。と言いながら、寄ってきた顔がチュッと唇を吸っていく。

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エイプリルフールの攻防・エンド直後4

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「たくさん好きって言いながら、優しく抱いてくれればいいよ。って言ってんのに」
 そうやって気にして、罪悪感に苛まれてくれてるだけで、なんかもうホント、もういいやって思えてしまう。もちろんそれは、自分たちはちゃんと両想い、っていう前提があってこそではあるけれど。
「お前、もう、ほんっと、お前っ」
「ええ〜」
 言葉に詰まっているらしい相手に少しばかり笑ってしまえば、やっと抱きつく腕の力が弱まって、相手ががばりと身を離す。
「お前のそういうとこ、ほんっと、好き」
 スッと顔が寄せられて、ちゅっと唇を吸っていくから、嬉しさと安堵とで、うへへとしまりのない笑いが溢れた。
「ただ、俺以外にも甘いの知ってるからマジ不安だし、好きって言ってキスしただけでそんな顔されんのも、ちょっとチョロすぎて色々不安にはなるよな」
 そゆとこも可愛くてたまんないけど笑い返されながら、再度唇を吸われて、頭の中に疑問符が飛んだ。
 可愛いって言われた最後の部分と柔らかな笑顔につられて流しそうだけど、その前に言われた言葉はなにやら不穏な単語が混ざってた気がする。不安だとか、チョロいとか。
「えと、俺いま、けなされてる?」
「けなしてないだろ。お前が好きでたまんないって言ってる」
「不安って2回も言ってた気がするけど。あと俺がチョロいってバカにした」
「チョロくて可愛いって言ってるだけでバカにはしてない」
「いやチョロくて不安って言ってたろ」
「チョロくて可愛いから不安になるんだっつの。あとバカにはしてないし、可愛いって言ってる」
 騙されないぞと思いながら睨んでやったけど、相手はあまり悪びれる様子がない。
「バカにしてないがホントなら、お前はもちょっと言葉選べよ」
「それはごめん。お前に対してひねくれた言動するの、止めなきゃと思ってるし、気をつけてるつもりなんだけどな。それで散々失敗してきてんのに、どうにも拗らせ期間が長過ぎて。ってこれ、みっともない言い訳でしかないな」
 ホントごめんと再度謝られて、仕方ないやつだなぁと思いながら、ため息一つで許してやった。こういうとこが、やっぱチョロいって思われるのかもだけど。
「もしかして今、ほんとチョロいってまた思った?」
「まぁ、思ってないとは言わないけど」
「だよな」
「でもお前のそういうとこが好きなのもホントだし、甘すぎて不安になるのもホント。お前がチョロいの、俺にだけならいいのにな」
「なんだそれ」
「お前が俺を好きになってくれたから、独占欲が暴走しそう」
「なんだそれ」
「なんで俺、お前と同じ大学通ってないんだろ」
「俺がお前の通ってる大学に落ちたせいだな。てかお前ホント言葉選べ、って、あぁっ!?」
 唐突なひらめきに、思わず素っ頓狂な声を上げてしまった。
「どうした」
「お前、もしかして俺と同じ大学通うつもりで、志望校選んだ?」
「そうだよ。お前と志望校晒し合えるような関係じゃなかったし、結局、第一志望のとこくらいしか探れなかったけど」
「マジ、か」
「お前こそ、俺の本気っつうか、そういう拗らせまくってた気持ち、今更知ってドン引きじゃねぇ?」
 ドン引きってよりは、徒労感が強い気もする。お互いかなり無駄な時間を過ごしたんじゃないだろうか。
 いやまぁ、彼への気持ちが育ちまくったのは大学入学後だし、高校時代にそれを知って喜べたかは謎だけど。でも本気で好きなら本気で好きって、もっと早く、言ってくれればよかったのにと思う気持ちはやはり止められそうになかった。

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エイプリルフールの攻防・エンド直後3

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 手の中のペニスが震えて、先端からトロリとした液体が吐き出されてくる。それを手のひらで受け止めながら、勝った、と思ってしまうのは仕方がないと思う。
 昨年一方的にイカされた身としては、同じようにこちらの手に感じて果ててくれたことに、安堵やら嬉しさやらももちろんあるけど。こっちは昨年一度されてるから、それで相手よりちょっと耐性があったのかも知れないけど。
 ただ、勝った、と思った気持ちはどうやら相手に伝わってしまった。
「あー……負け、た」
 キスを中断どころか、握っていたこちらのペニスすら手放してしまった相手は、現在、顔を隠すみたいに項垂れて、こちらの肩口近くに顔を埋めている。
 本当に情けなく項垂れてしまうとは思ってなくて、超楽しい、よりも若干焦った。あと、手の中に吐き出されたものがそのままなのを、どうしていいかもわからない。
「俺が先にイカセたら、笑ってる余裕なんか出せないように、俺をイカせるのに全力出すんじゃなかったの?」
「と思ってたけど、出したらちょっと冷静になった。後お前、別に笑ってないし。早漏野郎とかは思われてなさそう」
 本当に即イキされたら思ったかも知れないけど、さすがにそこまで早くはなかった。こっちだって中断されずにあの勢いで扱かれ続けたら、今頃はとっくに吐き出してたとも思う。
「そりゃ思ってないけど。え、で、この後どうすんの……? まさか自分だけイッてスッキリして終わり?」
「なわけないだろ。でも俺が先にイッたから、お前がイクのはちょっとお預けな」
 そう言いながら覆いかぶさっていた体を離した相手の顔は、先にイカされた情けなさとか悔しさなんかは無さそうで、イッてスッキリしたって方が前面に出ていた。
「えっ? それってどういう……」
 顔にはもう出てないけど情けなく項垂れていたのは事実で、負けて悔しいからイカせてやらない、みたいな意地悪をされているのかも。と思って不安になってしまう。
 相手が身を起こしたのを追いかけるように身を起こそうとしたら、それは制されて、キョロっと周りを見回した相手がティッシュの箱に手を伸ばす。
「元々、お前を手でイかせるのが目的で触ろうとしてたわけじゃねぇんだよ。って話」
「ぇえっ??」
 寝転がったまま相手に手だけ取られて、数枚抜き取ったそれで汚れを拭われながらそんな話を聞かされて、やっぱり口から出るのは驚きと疑問混じりの、言葉にならない音だけだった。
「自分がイッてスッキリしたから余計に思うけど、イッた後に尻穴解すより、同時に尻穴弄ったほうが良いんじゃないの?」
 同時に弄ると言われて、相手に勃起ペニスを扱かれながら尻穴に指を突っ込まれる、という状況を想像してしまい、一気に体の熱があがってしまう。
 優しく抱いてって言ったのはこっちだけど、望んでいるのは、好きとか可愛いとか嬉しいとかのリップサービスが欲しいのであって、丁寧な前戯をしてくれとかって話ではなかった。
 優しく抱いてって言われたら、そう思って当然かも。と思う気持ちはあるけど、でも同時に、抱かれるつもりで体を慣らしたって話はしたのに、とも思ってしまう。
「え、っと……その、別に弄……らなくても、いい、んだけど……?」
「は?」
「や、だから、お前に抱かれるつもりで慣らしてた、って」
「待て待て待て」
「なに?」
「え、お前の慣らしてたって、勃起ちんこ今すぐ挿れられるよ、みたいな意味なわけ?」
「た、多分、だいじょぶ、だと思う」
「マジで…………」
 ちょっと引きつるみたいな声と、その後に続く長めの沈黙に、やっぱりやらかしたか、と思う。
「えっと、ドン引き?」
「ドン引きっつうか、え、でも、優しく抱いて欲しいって言ってたのは?」
「や、だから、あれは好きだよっていっぱい言って欲しいな、っていう。その、お前に抱かれたくて準備までしてたの事実だから、そういうのからかわれたりしたら辛いなとか、そんなに抱かれたかったのかよとか、淫乱、とか指摘されたら、さすがにまた泣いちゃうと思うから、う、嘘でもいいから、抱かれる準備頑張ったの褒めて、欲しい」
 相手はこちらの言葉を聞きながら、どんどんとなんとも言えない不機嫌そうな顔になっていたから、こちらの声もどんどんと情けなく小さくなっていく。
「もうエイプリルフールじゃないけど、俺に悪いことしたと思ってるなら、嘘でいいから俺を喜ばせて、よ」
 無理そう? とこわごわ聞けば、相手は大きなため息を吐いた。
「ご、ごめん。無理なら、」
「違うっ」
 手を取られて引っ張り上げるように掛かった力に従って身を起こせば、すぐにぎゅっと抱きしめられる。
「お前にそこまでさせた、そんなことを言わせてる、自分に腹が立ってるだけだ」
 好きになってくれてめちゃくちゃ嬉しいのに、素直に喜べないし罪悪感でいっぱいだと、情けない声に嘆かれて、仕方のないやつだなと思いながら、その背をトントンと撫で叩いた。

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エイプリルフールの攻防・エンド直後2

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「だってお前、泣く俺よしよししながら、ずっと、好きだとか可愛かったとか感じてくれて嬉しかったとか、繰り返し言ってくれてたろ。だから最後まで抱いてって言ったら、そういうのいっぱい言いなら抱いて貰えるのかなって」
 たとえそれがエイプリルフールだから言える嘘でもいいから、そんな風に抱いて貰ったって思い出が欲しかった。という部分まで晒すかは迷ったけれど、結局それも言ってしまえば、嘘じゃないと少し強めに否定される。
「エイプリルフールだからお前に好きだって言えたのは事実だけど、俺、一度だってホントの嘘は吐いてない」
「うん。俺の一方的な片思いで、嘘で優しく抱かれるんじゃないの、ホント、嬉しい。だからさ、俺としては早く早くって期待する気持ちが抑えられないんだけど、でももしお前が、泣いて嫌がる俺を無理やり感じさせる、みたいなのに興奮するってなら、」
「待て待て待て」
「遠慮なく強引に進めてくれれば、泣けるかはともかく、待ってぇとかヤダぁとか恥ずかしぃ、みたいな反応くらいは返せるかも?」
「言い切んなくていいっつうの! てか変な演技とかしようとすんなよ。頼むから」
 泣かせたり無理やり感じさせたい性癖とか持ってないから! と否定されてしまったが、最初からずっと好きだったと聞いた後だからか、強引にされるのもそれはそれで悪くなさそうだなって思ってる、とか言ったら逆に引かれてしまうだろうか。
 うんもう、ホント、どう考えても自分ばっかりガッツイてる。
「お前が喜ぶならちょっと演技頑張るくらいはしてみてもいいんだけど」
「喜ばないからやめろ。むしろ素のお前見せてくれる方が絶対興奮するから、お前は何も頑張るな」
「でも素の俺だと、早く早くってガッツイちゃってお前ビビらせちゃうじゃん?」
「ビビってる言うな」
「だってさぁ。つか、お前がやりやすいように協力するから、早く抱いて。って、だけなん……んっ」
 これ以上喋るなとでも言いたげに口を塞がれてしまった。
 今度はすぐに口の中に舌を差し込まれて、同時に、下着の上から形を確かめるように膨らんだペニスを撫でられる。
「んふ、ぅ……っっ、んっ、……んんっ……」
 布の上から何度も擦られてじれったさに腰を揺すってしまえば、下着の中に手が突っ込まれて、直接握って扱かれだす。
「ふぁ……あ……」
 腰が重く痺れるみたいな気持ちよさにうっとり身を任せかけて、そうじゃないだろと慌てて意識を引き戻した。
 さっき、触られるのが嫌だとも、余計なことはするなとも、言われなかったのだから、自分だって相手のペニスに手を伸ばしていいはずだ。
「おいっ」
 確かめるように相手の股間に手を這わせば、少し焦ったようにキスが中断されてしまった。手はまだ動いているが、そちらも随分とゆっくりだ。
「触っちゃダメとも、余計なことすんなとも、言われて、ない」
「そ、だけど。でも言ったろ。優しく出来なくなるかもしれないのは、困るって。俺が暴走して無理やり突っ込んだら怪我すんの、お前だぞ」
「情けなく即イキ、の方にして」
「無茶言うな。つかコラ、イジんな。煽んな」
 手つきがエロいってなんだそれ。エロいことしてんだから当然だし、相手の手つきだって充分にエロいと思う。
「やだぁ。はやく、続き。キス、も」
 だって深いキスといっしょに扱かれるのが、めちゃくちゃ気持ちいい。それを相手にだって教えてやりたい。
 顎を突き出しキスをねだりながら、こちらも直接触れてやろうと、相手の下着を摺り下ろしてやった。
 ボロンと出てきた、既に充分な質量を持つペニスの濡れた先端に指を這わせて、カウパーを漏らす小さな穴を指先で抉ってやれば、相手の腰がビクッと震える。
「くっ、……そ」
 息を呑んだのか悪態をついたのわかりにくい音を漏らしながら、再度口を塞がれて、ゆるゆるとペニスを扱いていた相手の手のスピードが上がっていく。
「ん、んっ、んんっっ」
 先にイッてたまるか、とでも思っているのか、容赦なく扱かれて目眩に似た感覚に陥りながら、こちらも負けじと相手のペニスを擦った。

続きました→

 
 
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