別れた男の弟が気になって仕方がない21

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 ペニスを握って扱く相手の姿を見下ろしながら、浅い場所から前立腺を狙ってゆっくりと擦りあげる動作を繰り返す。
 先程かなりしつこく前立腺を弄ったし、浅く突きながら前を弄れば甘い声を上げてもいたし、一度は弄られながら吐精もしているので、同時の刺激で十分感じることが出来るはずだった。しかし当然のように自分で弄ることへの躊躇いがあるようで、手つきは随分とぎこちなく、結局ほどなくしてまた手の動きは止まってしまう。ペニスはまだ硬く張って上向いていたから、萎えてしまったわけではなさそうだ。
「どうしたの? 休憩するの?」
 少々意地が悪いのは承知で、相手の手の動きに合わせてナカを擦っていたので、自分自身も動きを止めて問いかける。
「さっきまでは早くイキたくなってたはずだろ? それともやっぱり自分でするのは無理? 俺に握って扱いて気持ちよくさせて欲しい?」
 いくつか疑問符を重ねれば、一度首を横に振って否定を示してから口を開く。緊張か躊躇いか、微かに唇が震えているようだった。
「おこ、って……ます、か」
「怒る? 俺が?」
 全く予想外の言葉が吐き出されてきて、確認するかのように思わず言葉を繰り返す。
「終わりって、言われたのに……俺がむりやり、続き、ねだったから……」
 不安げに揺れる声は既に聞き慣れてしまった涙声で、まだしゃくりあげる程ではないものの、返答次第ではきっとまた酷く泣かせてしまうんだろう。
「怒ってないよ。なんでそう思うの」
 かなり優しくしてるつもりだけどと続けた言葉には、でもさっきよりなんだか意地悪な気がするからと返されてしまった。雰囲気に敏感なのはずっとアイマスクで視界を奪っているせいもあるのかもしれない。
「ああ、うん。確かにちょっとだけ意地悪してるね」
「ごめ、…なさ」
「いや謝らないで。怒ってるわけじゃないから」
「でも……」
「キモチイイ方向で、お前を追い詰めてやれないかなって思っただけだから。ゴメンな。嫌だったな」
「キモチイイ、方向、で? 追い詰める……?」
 言われてもわけがわからないだろう事はわかる。説明しないわけにはいかなそうだ。
「お前かなり奥使って欲しがってたけど、それってつまり、痛いとか苦しいとかで何も考えられなくなりたかったのかと思って。でもキモチイイでも出来る場合もあるっていうか、キモチイイとかイきたいとかしか考えられなくなることもあるんだけど、まぁ、そんな状態に持ち込むのは慣れた相手でも難しいんだよな」
 もう一度ゴメンと言って、伸ばした指先で唇をそっと撫でたあと、頬を滑らせ耳殻と耳朶をふにふにと摘むようにして何度か揉んだ。愛しいとか、可愛いとか、そんな気持ちが少しでも伝わればいい。
 本心で言えば唇で触れたい。それはキスの代わりだった。身長差がほぼないので、体を繋げたままキスをしようとすると、どうしても深くまで押し込む事になってしまう。
「可愛いね」
 ふっと息を吐くように笑って、声に出した。
「キモチイイの放り出して確認しちゃうほど、俺を怒らせたと思って不安になったの?」
 あんなに一緒に気持ちよくなろうって言ったのにと言えば、やはりだってと口ごもる。
「だって、なに?」
「かわいいとか、いい子、とか……あと、ス…っキだとか、も、言ってくれなくなった、し……」
 言いにくそうにゴニョゴニョと言い募るそれは、小さな小さな呟きだった。相手の言葉を待って耳を澄ませていなければ、聞き取れなかったかもしれない。まさかそんなことを気にされているとは思わなかった。
「そう、だっけ。お前を感じさせて、イイって言わせるのに夢中だったからかな。というか、そういうの、言われたくないかと思ってたんだけど」
「言われたくないのと、言われなくなって気になるのは、別、もんだい」
「確かに。けど残念だな。本当は言われたい的なデレが欲しいとこだった」
 試しに可愛がってとか言ってみない? と半笑いで聞きながら、ゆっくりと腰を揺すり行為の再会を知らせる。
「もっと可愛いって言ってとか、いい子って言ってとか、好きって言ってとか。言われたら張り切って言いまくってやるのに」
「ぁ、そんな、言われたら、よけい、言えないっ」
「どっちにしろ言えないんだろ。だったら言って欲しい気持ちだけでも伝えとこうかなって」
「そ、んぁ……っ、ァ……」
「休憩終わり。しゃべろうとしなくていいよ」
 休憩しちゃったけどまた気持ちよくなれそうかと聞けば、黙ったまま縦に首が振られた。
「良かった。じゃあ、自分で弄ってくれたら俺が楽しいし嬉しいけど、無理ならお尻のナカに気持ち向けて集中して。さっき前立腺いっぱい弄られて気持ちよかったの思い出しながら、指じゃなくて俺のペニスで擦られてるの意識してて」
 相手の快楽を探るようにゆるゆるとナカを擦り続けてやれば、ペニスへの刺激がないままでも甘い息が溢れだす。
「お尻が気持いいね。お尻だけでも気持ちよくなってきたね。もっと可愛い声、いっぱい聞かせて?」
「んっ、ぁ…っ、きも、ちぃ……」
「うん、いい子。イきたくてたまらなくなったら、おちんちん弄って、ってお願いしような」
 やっぱり意地悪だという抗議は、けれどどこか観念した様子の、甘えるみたいな声音をしていた。

続きました→

 
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