理解できない4

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 この家の二人の子どもたちが中高生時代に見せていた食欲を基準に用意される食事と、彼が度々差し入れてくれるおやつのおかげで、摂取カロリーが大幅に増えたというのがきっと大きいと思う。このまま伸びることなんて無いだろうと思っていた身長が、この一年で目に見えて伸びていた。体重だって随分と増えて、鏡に映る自分の体が変化していくのがわかる。
「これからどんな風に成長するかわかんないし、俺が高校を卒業する頃には、見た目が好みから外れてる可能性は大きいと思うんだよね」
 出会った初期の自分にそういった欲望を隠しきれなかった相手は、どう考えたってショタコンと呼ばれるタイプの人種のはずだ。
「既に好みドンピシャからは外れてるかもだけど、俺の年齢を理由に手を出さないのが本当なら、まだ対象内ではあるよね? 子供にエロいことしたい気持ちを俺が叶えてあげられるのには期限がある。見た目このままで年だけ重ねていけるなら高校卒業待ってからでもいいかもだけど、犯罪がどうとか言って高校卒業するの待ってたら、子供相手にえっちなことするチャンス無くすよ」
 言葉を重ねるほどに、相手の目が驚きに見開かれていくから、相当想定外の話をしている自覚はある。でもどうせいつか支払う礼なら、自分の価値が高いうちに払っておきたい。
「それとも、本当はもう、俺を抱きたいなんて気持ちがなくなってる? 子供相手には出来ないって引き伸ばして、高校卒業したら子供じゃなくなった俺にそんな気は起きないって言うつもりだった? それならそれで、はっきりそう言って欲しいんだけど」
 その気がないとはっきり言われたらもう誘わないけれど、代わりにこちらが差し出せる礼を指定してくれるとありがたいと言えば、驚きに見開かれていた目が眇められて眉間にシワが寄っていく。不快そうな顔に、どんな答えが返されてもいいようにグッと拳を握りしめた。
 握った拳に相手の手が伸ばされて、大きな手のひらにそっと包まれる。そうしながら一度俯いて大きく息を吐きだした相手が、困ったような苦笑を浮かべながら顔を上げる。
「お前をそういう対象として見てた事を隠せなかったのは、本当に悪かったと思ってる」
「隠すの上手い人のが困る、って言ったと思うけど」
「うん。でも、どう考えてもそれは気づかれちゃいけない気持ちだったよ」
「なんで?」
「なんで、って、お前に、子供のうちに抱きなよ、なんて誘わせる結果になってる」
「想定外なこと言ったっぽいのはわかってるけど、俺の提案、そこまで変なことだった? 高校卒業したら抱こうと思ってるなら、俺としては、今払ったほうがずっと楽なんだよね。俺の価値的にも、体の負担的にも」
「価値とか体の負担って?」
 わかりやすいかとこちらの事情を付け加えてみたら、逆にそれが引っかかった様子で、価値やら負担やらの意味を聞かれてしまった。
「価値はそのまま俺自身の価値だよ。子供とえっちなことしたい相手に、子供の俺を差し出すほうが価値が高いのは当然だろ? 体の負担ってのは、体をある程度慣らし続けとくのが大変だから、どうせなら価値が高い今、先払いで欲しいだけ持ってって貰うと、そういうことしなくて良くなって楽だなって思って」
 また想定外のことを言ってしまったのか、相手が驚きに目を瞠った後、大きく息を吐いて困ったように笑う。一連の流れがさっきとほぼ同じだ。
「ある程度覚悟はしてたけど、これは想像以上だな」
「覚悟って?」
 今度はこちらが、覚悟の意味を問いかける。
「お前の育ってきた環境を考えたら、常識だとか価値観だとかが、俺とは大きくずれてるだろうとは思ってけど、それが想像を超えてたって話」
「子供に手を出すのが犯罪で、それをしたくないって思ってる、ってのは理解してるけど」
「そうじゃなくて。いやでもこれを今すぐどうこうは出来ないのわかってるから、取り敢えずはそこじゃなくて、お前の誘いをどうするかだけど」
「あ、抱く気になった?」
「違う。俺が菓子やら貢ぐのに対して、お前が体を差し出す必要なんてないんだ。それは高校を卒業しても同じだ」
「つまり、俺を抱きたいなんて気持ちはもうないってこと?」
 肯定されて、オナホ代わりにもならないほどお前の体は汚いのだと突きつけられる予感に、少しだけ声が震えてしまった。

続きました→

 
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