理解できない41

1話戻る→   目次へ→

 デート先に相手の家が追加されてから先は、そこで過ごす事が大幅に増えた。代わりに、彼が実家へ戻ることは減った。
 休日におじさんもおばさんも不在という確率は低かったし、いきなりドアを開けられるような事はないとわかっていたって、やはり鍵の掛からない自室よりは完全に二人きりで過ごせる空間が気楽なのは、自分も相手も同じだろう。
 勝手に食事が用意されることがないので、イチャイチャの内容に食事の準備というのが増えたのも、実のところ結構楽しんでいる。以外なことに、相手はそれなりに料理ができた。
 以外というのは、自分は全くと言っていいほど料理なんて出来ないからだ。お茶くらいは自分でも入れるけれど、基本的には食材も調理器具も勝手に触っていいものじゃない。
 勝手に使っても怒られはしないと思うし、料理を教えてくれと頼めば嬉々として教えてくれそうな気もするが、勝手に料理をしてみたことも習いたいと頼んだこともなかった。
 そしてそれは相手も多分同じだっただろうと思うからだ。この家に招かれる以前に、彼の手料理を食べたことはなかったし、キッチンに立つ姿を見たこともない。
 一人暮らししてから覚えたと言っていたけれど、まず、自分で作ろうと考えた事が凄いなと思う。素直にそう言えば、お前は金がないと言ってカップ麺とかで済ませそうだと返されたけれど、その可能性は大いにある。いつかは自分だってあの家を出るつもりだけれど、毎食外食やら弁当を買って済ますような金銭的余裕がある生活が送れるとは到底思えない。
 まぁ多分、あっさりそれを認めた上に、せめてご飯くらいは自分で炊けよと言った相手に、炊き方なんて知らないと返してしまったのが、大きいのだろうと思う。イチャイチャと一緒に食事の準備をする、の本当のところは、半強制的に自炊手段を叩き込まれているに過ぎない。
 それでもそんな風に過ごす時間を楽しいと思えているし、いつか一人暮らしになった時に本当に自炊するかはともかく、出来ないよりは出来た方がいいだろうから感謝だってしてる。もちろん恋人としてのスキンシップだって増えていて、ハグやキスはかなり頻繁にするし、触れ合っていればだいたいは抜き合いにも発展してしまうから、性的にも満たされていて大きな不満はない。
 不満はないけど、不思議ではあった。不思議というか、本当にこれでいいのかな、という疑問のような、不安のような感情だ。つまりは、いい加減、突っ込めばいいのにって話でもある。
 焦らしてやろうなんて気はもうないし、気持ちだって多分もうちゃんと育っていると思うのだ。ハグの合間に、キスの合間に、抜き合うその時に。好きだと言われば好きだと返すし、自分から好きだと告げてキスをねだることだってある。
 そんな時、相手は満足そうに笑っているから、そろそろ試してみたっていいんじゃないのと思ってしまう。セックスの合間にやり取りする好きだって、そう大きく変わると思えない。
 でも抜き合う以上の触れ合いに発展したことはないし、まだ抱かないの? と聞いたこともあるけれど、どうしても抱かれたいなら考えると返されてしまった。焦らしてやろうなんて考えたから、こちらが抱かれたくて仕方がなくなるまで焦らしてやろうって魂胆かと思ったけれど、どうやらそれも違うらしい。抱かれたいって言えば、焦らさず抱いてくれる気はあるようだ。
 そこまでわかっているのだから、気持ちは育ったはずだから抱いてくれと言えばいいのかも知れない。でも特に抱きたいとは思っていない様子の相手に、自分から抱いてくれと言い出す理由がなかった。

続きました→

 
*ポチッと応援よろしくお願いします*
にほんブログ村 BL短編小説/人気ブログランキング/B L ♂ U N I O N/■BL♂GARDEN■


HOME/1話完結作品/コネタ・短編 続き物/CHATNOVEL/ビガぱら短編/シリーズ物一覧/非18禁

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。