Wバツゲーム15

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 まったく想定外の情報が色々と流れ込んで来たせいで、酷く戸惑っている。律儀で、真面目で、色々気遣ってくれるこの後輩への好意は当然育っているが、でもそれはもちろん恋愛的な好きではない。相手の好意だって感じてはいたし、だからこそ甘えるような真似ができていたというのもあるが、まさか相手にそういった感情が育っているなんて、考えたこともなかった。
 戸惑って何も言えずに突っ立ったままでいれば、あっさりシャツを脱がされ、肌の上を手の平が這い回る。気持ちが悪いどころか、どこか慰撫するような優しい触れ方に、安堵や安らぎを覚えてしまうから、その手を振り払えはしなかった。
 罰ゲームじゃなく付き合ったらきっと傷つけてしまうのに、諦められると言っている今のうちにキツく突き放せないのは、結局自分優先なクズだからなんだろう。だって罰ゲームを終えた後、次に誰かが告白してくれるまでの空白期間を寂しく過ごさなくて済む。
 好きだと言われてしまった以上、罰ゲーム中とまったく同じようには行かないだろうけれど、それでも人の本質はそうそう変わるものではない。もう付き合いきれないと思われるまでは、この後輩との楽しく穏やかな時間も、充実しまくった週末の食事も堪能できるのだと思うと、どうしたって嬉しい気持ちが勝ってしまう。
 今のうちに諦めたらとはちゃんと勧めた。本気の恋人には向かないと忠告だってした。その前には、自分と付き合うことのデメリットを説明してさえいる。それでも相手から踏み込んでくるものを、言ってわからないならとキッパリ拒絶できるような優しさなんて自分にはない。
 バカだなぁと思う。色々噂を聞かされたはずだし、それを肯定するような事もあれこれ言ったはずなのに。寂しさを埋めてくれる相手なら誰でもいいと思っているような男に、好きになったから付き合いたいと言ってしまうなんて。
 アチコチ撫で擦った後、胸を両手で包まれる。決して立派とは言えない胸筋を手の平でやわやわと揉まれながら、乳首の上に乗った人差し指がそっと乳首を押しつぶした。
 ああ、これ、さっきのを真似ているのか。
 自分が彼にやった事を、ほぼ同じように辿られている事に気づいて、その意図はともかく随分と可愛らしいことをすると思った。
「ぁあっっ」
 手順がわかっているのだから、次は乳首を舐められるのだということもわかっていた。わかっていたのに、しゃぶりつかれた瞬間、思いの外大きな声を上げてしまってビックリする。相手も驚いたのか、せっかく付けた口を離して、真っ直ぐにこちらを見つめてくるからさすがに照れくさい。
「先輩は胸、感じるんすね」
 感じすぎるなら今は舐めるの止めましょうかと言われて、慌てながらもそのまま続けてと口にしてしまい、何を言っているんだと更に羞恥がつのった。顔が熱い。
 赤面するこちらへの戸惑いはあるようだったが、そこへの突っ込みはなく、相手は軽く頷いた後、素直に頭を再度胸の先に寄せていく。近づく気配だけでも、ぞわぞわとしたものが背筋を駆け上った。ちゅ、と乳首の先に触れた唇が開かれていき、ぢゅっ、と彼の開かれた口の中に吸い込まれていくのを見ながら、これはヤバイと思いつつ小さく呻く。
「んぅっ……」
 それは物理的な気持ちよさというよりも、視覚的な快感だった。ほぼ真っ平らとも言える男の胸の先に必死で吸い付く彼が、なんだか酷くイヤラシイと思ってしまったのだ。
 イヤラシクて、可愛くて、興奮する。
 たまらなくなって、そっと相手の股間に手を伸ばした。胸を舐められても感じている様子はなかったし、男のまっ平らな胸を吸って弄っても興奮はしていないかもと思ったが、布越しでも相手の昂りははっきりとわかる。良かった、萎えてない。
 脱がすよと言った時に下も一緒に脱がしてしまえば良かったと思いながら、ベルトへ手をかけたところで、胸を舐め弄っていた相手の頭が胸元から離れていった。
「先輩?」
「下、脱いで。お前の、触らせて」
「先輩は? 俺だって触りたいっす。俺も触って、いいんすか?」
「ん、いいよ。じゃあ、俺も脱ぐから」
 相手のベルトに掛けていた手を離して、さっさと自分の着ていたズボンと下着を脱ぎ捨てる。夕飯後に帰宅予定の相手と違って、どうせもう家を出ることはないとラフな格好をしていたので、あっさり素っ裸だった。

続きました→

 
 
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