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出来ることなら場所は移動したかったけれど、相手にそんな気がさらさらないのはわかっていた。だって必要なものは全部揃っていて、しかも普段使ってるベッドより断然広い。
わかったいたけど、場所を移動したいと頼んだし、この部屋でするのは気が引けるし気が散ると訴えた。移動する距離なんてたいしたことないんだから、ワンチャン聞き入れてくれるかもと願った。
あなたのベッドの匂いがいい、という訴えには少し心揺れた様子ではあったけれど、それでも結局、部屋の移動はないまま行為を続行されている。
この部屋で、このベッドの上で。恋人を叔父に差し出して、代わりにその叔父の嫁である戸籍上の兄を抱いていた。という事実を意識せずにいられない、という訴えを、嫉妬のようなものと思われた可能性が高い。
今日は隠すことなく好きだと認める発言をしていたから、余計にそう思わせたのかもしれない。
気になるならどんな風に抱いてたか再現してやろうか、という申し出は全力でお断りした。
だってその片鱗は既にお兄さん側から聞いている。端的に言えば、旦那の前で別の男に抱かれながら、その男のことを好きだと言わされるようなプレイだ。ただし旦那のアフターフォロー付き、ってことも知っているけど。
ここにいるのは自分と彼の二人だけで、自分たちの関係は一応恋人なのに、何をどう再現するつもりなのか。ついでにいえば、アフターフォローがないってことも知っている。
全力でお断りしたが、それを相手がどう受け取ったかはわからない。
結果、いつもより焦らされている。ような気がする。
少なくとも、いつもならとっくに体を繋いで揺すられていると思うのに、まだ指だけで後ろの穴を弄られていた。
既に知った快楽のせいで、お腹の奥のほうがグズグズと疼いている。早く奥まで埋めてほしくて切ないのは、お腹なのか胸なのか。
なんだか泣きたいような気持ちになるから、切ないのはお腹だけでいいのに。
「イッていいよ?」
二度目の射精を促す甘い声に、ゆるく首を振って拒否を示す。
「や、だぁ。も、はやく、入れて」
全力でお断りしたのに、結局再現されてるのかも知れない。
「だぁめ。だって気ぃ散って集中できないんだろ」
もっとドロドロになって突っ込んで貰うことだけ必死に考えるようになってから、なんて言われてゾッとする。
「むりっ、むり、だから」
「だいじょぶだいじょぶ」
気持ちぃだけだし初めてでもないでしょと言われたけど、こんなの経験したことない。
「知らな、こんなの、知らなっ」
「そうだっけ? でも気持ちぃだけなのはホントだから」
誰相手にしたの、なんて聞くだけ無駄だし気にするだけバカを見るのもわかってるけど。やっぱり再現プレイ的なことをされているんだと妙に冷めた納得もあるんだけど。
わかっててもどうしたって胸は痛い。
「ねぇやだっ、ほんと、お願い、も、やめて」
ブワッと溢れてしまった涙に相手が怯んだのがわかる。
快感に耐えきれなくて流れる涙と違うのは明らかで、さすがにそれは相手もわかっているんだろう。
「わかったわかった。意地悪が過ぎたな」
指が抜かれて抱き起こされて、宥めるみたいにそのまま抱きしめられてよしよしと背を撫でられる。
この腕を振り払って、今日はもう気が乗らないと帰ってしまえたらいいのに。
実際は、縋るみたいに抱き返して、早くちゃんと抱いてと甘えた声でお願いしていた。
だってお腹の奥はもうグズグズに蕩けていて、彼のペニスに貫かれるのをずっと待っているのだ。
わかったと応じた相手がゴムを付けるのを待って、促されるまま相手の腰を跨いで自らペニスを迎えに行く。
「んぁあああ」
「上手。気持ちぃよ」
いっぱい焦らされてうねってると薄く笑う声は甘くて、お腹の奥は満たされて、いつもなら安堵したり嬉しかったりするんだけど。
「どうして泣くの」
「だ、ってぇ」
泣き顔を見られるのを避けるように、やっぱり縋るみたいに抱きついて、相手の肩に濡れた目を押し当てた。
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