聞きたいことは色々48

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 好きになった相手と恋人になる、という順番だけはどうにもならなかったけれど、恋人に夢見ていたアレコレをお兄さんは着々とこなしていく。
 たくさんの好きの応酬も、熱のこもった視線のやりとりも、他愛ない触れ合いも。
 惜しげもなく与えられる愛情は未来への投資、というのもわかっているけれど、それを受け取ることに抵抗感はなかった。というよりも、このままそれを浴びていれば、お兄さんの期待にはいずれ応えられるようになるんだろう予感があるから、素直に受け取って今を存分に楽しめばいい。という気持ちでいる。
 そういう気持ちでいることは伝えてあるし、それでいいと言われているし、期待してるとも言われていた。ついでに言うと、渋々ながらお兄さんとの交際を認めてくれた彼も、お兄さんが目指す未来には間違いなく期待している。
 彼と付き合い続けたままお兄さんとも付き合えるような感覚を持ち合わせていないのは彼もわかっていて、仕方なく、一時的に、手を離してやる。という感じに落ち着いていた。
 だから実のところ、お兄さんへの好きをしっかり育てたあと自分たちの関係がどうなるかは、今はまだ未定と言えそうだ。
 あんまり揉めて欲しくはないんだけど、誰かを挟んで成り立つ兄弟間コミュニケーションみたいにも思えてきたから、二人の間で好きなように決めてもらえばいい気もしている。
 だってお兄さんへの好きを育てるだけで、彼への想いだって変わらず自分の中にあるのだから。これはそれを目指したお付き合いなんだから。
 会社バレを避けたいのはもちろんだけれど、親バレだって避けたいのが実情で、親子関係も今のところ特別問題を抱えているわけではないから、お兄さんが言ってたような養子だのパートナシップだのには応じられそうにない、というのもある。
 好きを育てまくったらそこすら飛び越えて、家族として仲間入りしたくなる。なんてことはないと思うんだけどどうだろう?
 好きになっちゃいけない、と思うことばかりの人生だったから、好きが育ったらどうなるのか、自分自身のことなのに全く想像がつかなかった。
 でもまぁそう遠くない未来に、知ることになるんだろう。だってお兄さんへ向かう好きは、間違いなく順調に育っている。
 セックスは既に色々経験済みだけど、大事に好きを育ててあげるの一貫らしく、キスすら数度のデートを重ねた先だったし、体を繋ぐようなセックスはさらに数回先だった。その間に、互いのペニスを握って気持ちよくなる、相互オナニー的なものを経験している。
 好きと言い合いながら互いの熱を煽り合うなんて行為は当然初めてだったし、お兄さんと性的に触れ合うのもそれが初めてだったけど、恋人として順当に関係が進んでいる感じがしたし、自分の手で恋人を気持ちよくしてあげられた満足感も悪くなかった。
 抱かれ慣れてる人の反応だから、だろうか。はっきり抱かれたい側で抱く側をやりたいと思ったことはないけれど、目の前で感じてくれている男に、いつか抱いて欲しいとお願いされたら頑張れそうな気がする。と思う程度には、相手の勃起ペニスを握って扱いて気持ち良さげな反応が返るのは感動的だった。
 ただ、吐き出せば一旦スッキリするしキモチイイには違いないんだけど。なんせお腹の中をペニスで擦られてイクことに、すっかり慣れてしまった体だ。
 お兄さん的には体を繋ぐのはもっと先と思ってたみたいだったけど。というかそれがわかってしまったから、待ちきれなくて自分から抱いて欲しいと頼んでしまった。

続きます
もうしばらくの間、更新は夜になりそうです

 
 
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