帰る先はお兄さんが住んでる方のマンションで、今日もまたそこで解散になるのだと思っていたのに、車が停まった先は彼のマンションの駐車場だった。
「随分その気になったみたいだし、いい加減3人でしようか」
どうしてこっちにと聞くより先にそんな言葉が告げられて、とうとう3人でするらしい。とは思ったものの、ちょっと待って聞いてない、という気持ちも大きい。
「今から???」
「そう。だって抱いて抱いてって散々ねだってたし、ここで俺が、帰ったら久々にちゃんと抱いてあげるね、とか言ったらさすがにそいつが拗ねるでしょ」
確かに指で散々いじられながら、ちゃんと抱いて欲しいって何度も口走ったけど。というか言わされたわけだけど。久々に機嫌良く楽しそうにしてたから、そういうプレイでもまぁいいかって思っちゃったのも事実なんだけど。
「いやでも3人でって」
「問題ある?」
「あー……、その、いっぱいイッちゃった、から」
さすがにもう勃たないかも、という不安があった。
彼とのセックスはまたお預けなんだろうと思ってたし、繰り返すけど久々に機嫌良く楽しげだったから、促されるまま何度もイッてしまったせいだ。
なんせ元々、一晩で自分ばっかり何度もイクようなセックスをしていた仲だ。体を繋げる前にイカされてしまうことも当然あったし、つまり慣れていると言うかこの体のイイ場所を熟知されている。
お兄さんと二人でのセックスなら、今日はもう勃たないと言っても問題はないだろう、それならそれで楽しめるアレコレを提示してくれるだろう。そんな甘えと信頼とがあったのも事実だ。
それこそ、久々に抱いてくれるかも的な期待もなくはなかった。まぁ、双頭ディルドとかが出てきちゃう可能性もあったけど。というかその可能性のが高かったけど。
実はそれも既に経験済みで、やっぱり積極的に自分からしたいとまでは思わないけど、何が何でも拒否ってプレイでもなかったから。それならそれでまぁいいか、みたいな気持ちだった。
でも3人でするとなると、勃たない状況は結構マズイのでは、と思う。
「ああ、俺を抱けそうにないって話?」
「そ、です」
「別にいいよ」
今日は抱かれる側だけ楽しんで、と言われても、素直にそうしますとは言い難い。だってそれってつまり、お兄さんが間に挟まるって話じゃないの。彼に入れて貰うのがお兄さんになるってことじゃないの。
「3人でするのに抵抗なくなったんじゃなかったのか?」
口を挟んできたのは隣に座る彼で、確かにここでお兄さんとだけしたいなんて言ったら、また盛大に機嫌を損ねそうだ。
「それは俺があなたに抱かれる前提の話で」
「は?」
何を言ってるんだと言われても、3人でするときの役割の話なんだけど。
「俺が勃たなかった場合、俺を抱くのはお兄さんで、あなたはお兄さんを抱くんですよね?」
俺を抱きながらお兄さんに抱かれる気はないですよね? と確かめてしまえば、目の前の男は呆気にとられた顔をして、運転席からは楽しげな笑い声が聞こえてくる。
「ああ、なるほどね。そういう心配してたの」
そいつには抱かれないし抱かないよと言い切られて、じゃあどうすんの、と思ってしまう。
「俺を抱きながらそいつに抱かれるプレイを意識させすぎちゃったね。基本的には、3人でキモチイイことが出来ればそれでいいんだよ。交互に入れてあげるし、入れてない側が他のキモチイイとこいっぱい弄ってあげる」
既にいっぱいイッた後だし二人がかりだから抱き潰しちゃうと思うけど、二人同時に責められる気持ちよさを味あわせてあげるよ。という、甘く響くお兄さんの声を聞きながら、隣の男がそのとおりだと言いたげに頷くのを見ていた。
続きます。
もうしばらくの間、更新は夜になりそうです
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