聞きたいことは色々58

1話戻る→   最初から読む→

 土曜の昼前から泊まりで出かけると週末に済ませたい家の色々が溜まってしまうので、以前もデートの翌日はそこまで長居せずに起きてご飯を食べたら帰ってたし、それはお兄さん相手でも変わることはなかったんだけど。お願いされて、彼の家から自宅に帰るのではなく、お兄さんの家に移動してベッドの上でゴロゴロしていた。
 昨夜も今朝もあれこれ譲ったからイチャイチャし足りてないと言われたら、断る気になれなかったからだ。抱いたり抱かれたり、二人だけでのセックスがしたいわけじゃなくて、本当にイチャイチャしたいだけって言われたのも大きい。
 一晩寝てそこそこ復活してるから、やれないこともなさそうだけど。一応そう申告してみたら若いなぁって笑われてしまったし、やれなくないってだけでしたいわけじゃないから、言葉通りにただただイチャついた。
 とはいえ、どうしたって昨日のアレコレが話題に上がる。
「3人でするのどうだった?」
 二人がかりで気持ちよくされるの凄かったでしょと言われて、たしかに凄かったけど、あれが良かったかどうかはやっぱ微妙な気がする。
「俺だけ休憩できないの、あまりに不利でした」
「でもああいうの、二人を相手にしてるっての実感しない?」
 俺だけじゃあそこまで追い詰められないし、もうむりって泣いてるの可愛かったよ。なんて愛しげに見つめられながら言われたら、まぁいいかと思ってしまうところはあるから、多分このイチャイチャはそうやって昨夜の小さな不満を聞き取って解消するためのものでもあるんだろう。
「結局好きって言い合うプレイしてたけど、そっちは?」
 しんどくなってないか聞かれて、大丈夫ですと返す。
「だってあれ、言わされたってより言わせた方ですし」
「だよねぇ。俺はかなり面白かった」
 お兄さんと交際開始する直前、好きって言い合うセックスはもうしたくないって言ったのを律儀に守って、好きだと言ったり言わせたりする気がなさそうだった相手に、自分から好きだと繰り返して好きって言ってとねだってしまった。
 最初、納得がいかない様子は見せてたけど。プレイでいいから言ってくれと頼んで、そういうの本当は得意って聞いてるって言ったら、嫌そうにため息を吐いた後で、ガラッと態度を変えてきたから、あれは確かにちょっと面白かった。
「好きって言わせなかったら、最後の俺だけ見とけの延長線ってなかったと思います? てかあれってありなんですか?」
「ありなんですか、ってどういう意味?」
 ありだったからやったんでしょと言われたらそれはそうなんだけど。
「3人でしよって話だったのに、最後あなたの存在消えてたから。良かったのかなって」
「それは君がちゃんとアイツだけ見てたからそう感じるだけで、俺は引いたけどあの場には居たんだし、ちゃんと二人のこと見てたよ?」
 絶対嫌がるから逆はやらなかっただけで、あれも一種のプレイ。と言われてしまうとそういうものなのかと思うしかない。どっちがより相手を可愛く喘がせられるかとか、夢中にさせるかとか、なんか色々あるっぽい?
「つまりあれは本当に久々でやり足りなかっただけの、よくあるプレイの一つ?」
 好きって言い合うプレイをした結果、自分だけ見とけなんて発想になった可能性を考えていた。あと、好きって言わせた腹いせの可能性とか。正直に言えば、腹いせで、もう無理って言ったのに解放してくれなかった可能性が高いのかなと思ってた。
「ではないね。続けたいなら君を一度休ませるって方が現実的」
 もう無理って泣いたのに付き合えって言われて素直に付き合うと思ってなかったと言われて、慣れてるからと返したら嫌そうな顔をされてしまったけど。でも多少強引にアレコレ進められてしまうことには、間違いなく慣れてると思う。
 本気で嫌がれば止まってくれるのもわかってるし、翌日足腰が立たないだとかの肉体的なダメージを負わされたことはない、という信頼もある。
「いやでもかなり加減してくれてたっていうか、ゆるく気持ちぃみたいにしてくれたから。俺だけ見とけ、なんて甘いこと言ってたけど、内心怒ってるかなとか思ってたのもあったし」
 態度の急変は面白かったけど、プレイ用の顔になってしまって不機嫌がわかりにくくなったのは失敗だった気がする。いやでも不機嫌を隠さず出されると、それはそれで気を遣うというか若干怯えてしまう部分があるので難しい。
 お兄さんは彼の不機嫌を楽しげに見ていることが多いけど、そんなの絶対真似できそうにない。
「ああ、好きって言い合うの禁止って言っておきながら好きって言わせるプレイけしかけたから、怒らせたかもとか思ってた?」
「多少」
「もし怒ってたとしたら俺にだから、そこは間違えないようにしてね」
「え?」
「プレイでいいから好きって言って、なんて言葉が君から出たのは俺のせい。って思ってるはずだし、まぁ事実そうだろうし、確かに苛ついてはいたからね」
 じゃなきゃアレコレ譲ってないしと言われて、お兄さんも感じていたんだなと思う。

続きます。
もうしばらくの間、更新は夜になりそうです

 
 
*ポチッと応援よろしくお願いします*
にほんブログ村 BL短編小説/人気ブログランキング/B L ♂ U N I O N/■BL♂GARDEN■


HOME/1話完結作品/コネタ・短編 続き物/CHATNOVEL/ビガぱら短編/シリーズ物一覧/非18禁

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です