3人で、というのが少しずつ増えては居るし、彼が交じる時は彼も自分を恋人として扱うことが多いから、なんかもう色々曖昧ではあるけれど。でも一応、今現在の恋人はお兄さんの方で、二人でするセックスはお兄さんとしかしていない。
お兄さんが真ん中をやった翌週はお兄さんと二人で出かけたし、セックスは抱かれる側だった。
お兄さんが彼に抱かれても嫌じゃなかったのは本当だし、彼に抱かれて蕩けてる姿が可愛いかったのも本当なんだけど。それを疑われたわけではないんだけど。
途中、ゆっくり愛されるの久々で嬉しい、って思ったのも事実で、それが伝わっていたからだ。
はぁあと吐いた息が自分でもわかるほど満たされていたから、お兄さんに笑われるのに合わせて自分も笑ってしまう。
「満たされたなら良かった」
「ありがとうございます。てかこれって前回のフォローっていうかアフターケア? 的な意味が強かったりするんですか?」
「多少は。まぁアイツ交ぜた3Pは旦那がいた頃とはしてる意味がぜんぜん違うから、後でヨシヨシする必要はないんだろうけど」
「まぁどっちに抱かれてても、俺からしたら好きな人に抱いてもらってる状態ですしね」
しかもどっちも恋人みたいな雰囲気で、恋人以外の男に抱かれろっていうプレイ要素は欠片もない。
「だね。だからどっちかっていうと、前回はアイツに抱かれなかったから、その分の補填的な? て言っても代わりになれないのはわかってるから、アイツが出来ないようなセックスで君を満足させたげよ、みたいな」
なるほど。せっかくの3Pだったのに、彼に抱かれる機会がなかったことを気にしてくれたらしい。立場替えたいって言いだしたの、こっちなのに。
「めちゃくちゃ嬉しかったです」
「知っててやってる〜」
「ですよね」
んふふと笑いあってから「そういえば」と口に出したら、「大進歩の話?」と返ってきて、考えているのはどうやら同じみたいだ。
「です」
「アイツほんとポンコツ」
「それ久々ですね」
「ポンコツ言いまくってもあんま目に見えた変化なかったから諦めてたよね」
「でも好きって気持ちを理解したい気はあるっぽかったですよ。ほんと大進歩、って思いましたし」
前に言ってた通りですねと言ったら、すぐには思い当たることがなかったのか、考え込んでしまう。
「変わらなかった場合の未来は彼もわかってるはず、みたいな話をしたときです。変わる気がありそうって言ってましたよね?」
「ああ、あれか。ほんと、もうちょっとで理解するかもって思ってたのに全然だったよね」
ほんとポンコツって繰り返すから、やっぱり笑ってしまう。
「いつか、彼の好きの自覚相手があなただったら、どうします?」
あの時は、彼が好きを自覚した先が自分になる想定で、「もし彼が俺を好きって思うようになったら、どうします?」って聞いたんだっけ。
手放す気はないから好きでいてって言われてホッとしたんだけど。彼が好きを自覚する先がお兄さんだったら、どうなるんだろう?
「あー……やっぱ納得してない?」
「だって、見ましたよね? 気づきましたよね?」
気づいたから、あんな風に困った顔で笑ってみせたんですよね。とまでは言わなかったけど、多分伝わっている。
「見たけど。気づいたけど」
「彼に好きって言われたら、応えます? よね?」
「いやぁ〜……」
言葉を濁されたのは、やはりこちらの気持ちを考えてくれているからなんだろうか。
「家族の情とは言ってますけど、好きはちゃんとあるのに?」
「あるけど、でも俺が特別をあげたいて思ってるの君だしねぇ。アイツは既に家族って特別なんだから、これ以上の特別はあげなくていいでしょ」
それとも応えたほうがいいの? と聞かれて、さすがに肯定は出来なかった。
「いいって言われなくてよかった」
不安? と聞かれて、少し、と返す。
お兄さんとお付き合いを始める前なら、彼がお兄さんを好きでも諦めがついたというか、そこまで傷つかずに別れを受け入れられたと思うけど。今更、やっぱり好きなのはお兄さんだった、なんて知らされても大人しく身を引いたり出来そうにない。
「まぁ心配いらないと思ってるけどね」
大丈夫と、なんの根拠もないのに断言されて、でもそれだけで少しホッとする。
「俺を好きって自覚する日が来るときは、同時に、君への好きも自覚してると思うから」
俺も君も、互いに互いを好きだけどアイツのことも好きでしょう。と言われれば、確かにと返すしかなかった。
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