お世話係の繁殖期5

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 緊張がすごいから思ったより時間がかかるかもしれない。なんて言われたものの、夜が耽る頃にはしっかり発情が始まって、露出したペニスを興奮気味にあれこれ観察されたあと、ぱくりと口に含まれ慄いた。
 咄嗟に引き剥がそうと動いた手は、いつの間にか背後に回っていた雇い主に握られ、危ないから動かないでと優しく諭される。
「大丈夫。牙ないし噛みつかないし、上手に気持ちよくしてくれるから」
 久々に直接食べるご飯だから何回かはそのまま食べさせてあげてと言われて、そうだ食事だ、と頭の端の方で理解はするのだけれど。実際に食べられるというのは、視覚にしろ触覚にしろあまりに刺激的で、頭の中が茹だるみたいにぐらついてじっとしているのが難しい。
 捕まえててくれて良かったと思う程度の理性はまだあるが、この先を思って不安が募る。だって始まったばかりなのに。こんな感覚がこの先もまだまだ続くなら、最後まで理性が保つ自信がない。
「ぁ、あっ、ぁあ」
「キモチイイだろう?」
「こわい、きもちぃすごいの、こわい。ナニコレ」
「口の中で舌を絡ませて扱いたり吸ったりして、早く出せって急かしてるんだ」
 何をされてこんなに気持ちいいのかの説明と共に、そのままイッてしまえと促される。
「んぁあっっ」
 イッてしまえの言葉と連動するようにひときわ強く吸われて、ニンゲンの口の中であっさり果てた。
「ぁ、あ、あ、や、吸わないで、まって、まって」
 果てたばかりのペニスをそのまま舐め吸われてもがくが、当然、強い力で動きを止められて涙が滲む。
「うう、ぁ」
「おい、がっつきたいのはわかるが手加減してやれ」
「ん、あ、悪い、つい。ってもしかして泣かせた?」
 やっと刺激から解放されて、けれど起き上がったニンゲンがグッと顔を寄せてくるから、どうにも逃げ出したくてたまらない。さすがに捕まえててくれて良かったと、素直に思えそうにない。
 せめて顔を隠したいと思いながら、とりあえず俯いてその視線から逃げれば、ニンゲンの手が頭に乗って宥めるみたいにヨシヨシと何度も撫でられた。
「ごめん。泣かすつもりはなかった。てか絵面ヤバいな」
「なんだそれは」
「いやぁだってこれ、力付くで押さえつけてエロいことしてる状況だろ」
 押さえててくれなきゃ今頃俺の体が吹っ飛んでるんだろうってのもわかってるけど、と続けるニンゲンの声は随分としょぼくれている。
「止める?」
 聞かれて慌てて顔を上げ、まっすぐ見返し首を振った。
「お前、俺、美味しい良かった。けど、俺、食べられる少し怖い」
「ああうん、そうだな。がっつきすぎたよな。食べられるの初めてだもんな」
「ゆっくり食べる、する、お願い」
「わかった。気をつけるし、頑張る」
 もうやだ無理って言わないでくれてありがとなと言って、鼻の先にキスが落とされる。
「ゆっくりするから、もっかい口でしていい? それともお腹に直接のが気楽?」
「口、していい」
 栄養摂取という意味でならお腹に直前注ぐ方がいいんだろう。でも食事は食事でも空腹を満たす要素はほぼなくて、美味しく食事をしたという満足感を得てもらう要素が強いので、口から食べたいというニンゲンの気持ちに寄り添いたかった。
 それと純粋な性的欲求。だってびっくりするほど気持ちが良かった。頭の中が沸騰して、怖くて不安になるほどの気持ちよさなんて、初めてだった。
 理性が保つ自信はないが、ニンゲンを害する前に絶対に止めてくれるヒトが同席している、という安心感はあるから、もっと先を知りたいと思う。
 繁殖期真っ只中じゃなきゃ、これ以上は止めておくと言えたかもしれないけれど。でももう、体は発情してしまっている。

続きました→

 
 
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