解すと言うよりはローションの滑りを足しながら柔らかさを確かめられた後、早々に片足を抱え上げられ挿入された。準備済みで出かけるのが初めてなので当然だけど、脱いでから挿入までがこんなに早いのは初めてで、なのにとっくに焦れていた体はあっさり快感に引きずり込まれてしまう。
「ん、ぁっ」
「ヤバいね。既に顔トロトロ」
かぁわいいと甘ったるく耳元で囁かれる声にさえ、快感が呼び起こされて肌が粟立った。
「ぁ、ぁっ、だ、ってぇ」
「だって準備万端で、ずっと挿れてもらうの待ってたんだもんな」
締め付け凄いねと言いながらも、その抵抗をものともせずにぬるぬると浅くペニスを出し入れされて、気持ちがいいのに全然足りないと思う。お腹の奥がキュンと疼いて、息があがっていく。
「あ、あっ、それ、おまえ、がっ、準備する、からぁ」
「でも感じちゃうとこ弄んなかったじゃん」
「も、全部、きもちぃ、から無理ぃ」
お前に指を挿れられたらそれだけで感じちゃうんだと、そんな体になってしまったんだと、半泣きで訴えれば弟は嬉しそうに笑いながら、知ってる、と言った。
「兄貴の体、毎日俺に愛されまくって、俺にされることは全部気持ぃって、覚えたんだもんな」
前よりずっとエッチな体になったよねと、やっぱり嬉しそうに笑う顔はどこか獰猛だ。
「ううっ、なに、言って」
「うんとエッチになった体持て余して、兄貴っから、俺に抱かれに来てくれたら良いなぁ、みたいな?」
「おまっ、えっ、ちょっ」
なんだそれ。聞いてない。てか最近こんなのばっかりだ。
「なんてな。まぁ、そんな都合よくエロエロな体になるとも思ってないから、兄貴がしてって来てくれたら俺はいつでも歓迎する、ってのだけ覚えててよ」
「ばぁか、も、ほんと、ばかぁ」
「知ってる」
「知ってない!」
わかってないと憤っても、与えられる快感に思考がぐずついて、うまく言葉にできない。
「あ、あっ、あ、も、やだぁ」
「何が嫌?」
どっか辛いかと聞かれたけど、そこは正直に、全部キモチィと返してやれば、おかしそうに肩を揺すりながら、素直なのかぁいいねと言って、じゃあもっと気持ちよくなろっかと、ぐっと深めに突いてくる。
「あぅんんっっ」
玄関だから声は控えないと、というのを忘れてなかったので、必死に声を噛んだ。
「ごめんごめん。でもめっちゃいい顔してる」
声我慢きつい? と聞かれて、まだ耐えられると首を横に振ったけれど、しんどくなったら部屋に移動しようなと言ってくれたのは、正直ホッとする。
「あと、やっぱ奥、すごいね」
ぎゅんぎゅん絡みついてきて、もっとって強請られてるみたいだった、と言われて、実際ねだってるんだよ、と思ってしまう。だって奥を突かれたのは一度きりで、今はまた浅い場所ばかりをゆるゆると前後されていて、お腹の奥の疼きは酷くなる一方だ。
「は、はぁ、あ、も、もっとぉ」
「ん? 奥?」
「ん、うん」
して、とねだってしまえば、その前に何が嫌なのか教えてと返されて、一瞬意味がわからなかった。
「いや?」
「今さっき、もうやだぁ、って」
言ったろと言われて、そういえば言ったかもと思う。
「で、何が嫌なの?」
快感で思考が蕩けてるのがわかっているのか、それとも答えるまではお預けなのか、動きを止めて待たれてしまう。仕方なく、その直前、何が嫌だと思ったのかを考える。
「ん……だって、お前が、そうなって、って言ったら、なっちゃう、から」
「ああ、俺が兄貴から抱かれに来てって言ったから、エッチになった体、持て余すようになっちゃうってこと?」
「そう」
「まぁそれも、ちょっと狙ってるとこある、かな。だから言ってみたわけだし」
だって好きな子には奉仕的なんだもんな、と続けた後、兄貴は本当に俺に甘いよねと嬉しそうに笑う。それだけ大好きなんだって、ちゃんと、伝わっている。
「で、でも、えっちなからだ、持て余すのは、困る」
「だいじょぶだいじょぶ。そんな簡単にエロエロな体にはならないとも言ったじゃん。エロい気分になった時には、ちゃんと俺のとこ来てね、ってだけだって。それに、もし持て余しそうなら持て余す前においでよ」
それで問題ないだろと、甘い声になだめられる。
全然問題なくないけど、でもまぁいいか、と思ってしまうあたり、本当にちょろくて甘い。でもそれもやっぱり、大好きが伝わってるならまぁいいか、と思ってしまう。
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