ご飯担当の繁殖期8

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 背後から抱きしめられていた体をくるっと返されて、寄せられる顔に反射的に舌を差し出した。ニンゲンがそうするように舌先にチュッと吸い付いた相手は、チュクチュクと舌を舐めしゃぶりながら、またスリットに指を入れてくる。
 口の中に相手の舌が入っているわけではないから、うっかり口を閉じても自分の舌を噛むだけだ。できればそれも避けたいから、必死で舌を差し出しながら快感に耐える。
「んぅうっっ」
 何度も焦らされた体はあっさり昂って、イッてしまいそうで思わず唸ったけれど、今度はもう止めてとは言わなかった。
 ただ、このままイカされる覚悟とは裏腹に、スッと顔も指も離れていく。
「え……」
「かわいい」
 こちらの戸惑いに、相手の熱い吐息とそんな言葉が掛かって、さらに「すまない」という言葉が続いた。
 可愛い要素なんてあっただろうか? とか、なぜ謝られてるんだろう? とか、混乱する中で「さすがにこれ以上は理性が危ない」と言われて、相手が繁殖期中だと思い出す。
 平然と話す姿にうっかり失念していた。
「一度しっかりイってからと思っていたが待てそうにない」
「そんなの気にせず、どうぞ入れて下さい」
 そのための訓練だったし、今自分がここに居る理由でもある。
 再度「すまない」と言いかける相手の口に手のひらを押し当てて、謝罪は要りませんと告げれば、ひとつ頷いて「ありがとう」と笑う。ホッとして笑い返せば、抱えられてベットに倒された。
 体格差が大きいのでどちらかが上になる体勢は不向きで、互いに横向きに寝て入れるのが一番負担が少ない。というのが訓練の結果判明している。
 それに倣って側臥位で向き合ってスリットとペニスの位置を合わせた。
「入れるぞ」
「はい」
 ジッと見つめてしまう先、大きく膨らんだ先端がクプリとスリットに入り込む。ニンゲンのより多少大きいものの痛みはない。
「大丈夫です」
 軽く上向けば、同じようにジッとその場所を見つめている視線を見つけて先を促した。見つめるだけでなく、動きそのものも止まっていたからだ。
「痛かったり苦しかったらすぐに教えてくれ」
 少し上擦った声が相手の逼迫した状況を知らせてくるから、わかりましたと返しながらも、できる限り隠そうと思った。なのに、隠すどころか痛みや苦しさが発生する前に、相手は「ここまでだな」と言って挿入を終えてしまった。
 多分半分も入っていない。先程「先端を含んで貰えればいい」みたいに言っていたから、相手はこれで満足なのかも知れないが、こちらとしてはやはりどこか物足りない。
 どこかが傷つくのは困るけれど、多少苦しいくらいは全然構わないから、もっとしっかり相手を感じたかった。
「まだ平気ですが」
「うん。でももう、お前のペニスと擦れてるのがわかるから」
「でも、」
「充分気持ちいい」
 痛みも苦しさもないですと訴えたけれど、じゃあもう少し、なんて言ってくれるタイプじゃないのはわかっている。それでも食い下がろうとしたら、宥めるような声音でそう告げられて、軽く目元を撫でられた。
 その指に釣られるように、本気で言ってるのかと疑う視線を送ってしまえば、とろりと緩んだ瞳とかち合ってドキリとする。興奮は、されている。
「本当に?」
 それでも確かめるように聞いてしまえば、すぐに「本当に」と返されたけれど。
「その、イケるんですか? これで?」
 さらに問いを重ねてしまったけれど、だって信じられない。
「問題ない」
 そう言って、相手はペニスの入り切らずに露出した部分を扱き出す。なるほど、とは思ったけれど、半分以上自慰だなとも思った。
 まぁ、仕方がない。そう思いながらこっそり溜息を吐き出せば、そんな顔をしないでくれと、困った様子の声が聞こえてくる。
「こんな小さな体で欲しがって貰えただけで、本当に、充分なんだ。先端だけだろうとお前と繋がれて嬉しいし、見ているだけでも興奮する。この中を、自分が吐き出したものでいっぱいにしていいと考えるだけで、イキそうだ」
 熱い吐息とともに、うっとりと吐き出されてくる言葉には、多分きっと嘘はない。
「あの、じゃあ、せめて」
 握って扱くのを手伝わせてとお願いしたら、嬉しそうに快諾された。

続きます

 
 
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ご飯担当の繁殖期7

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 味覚を変えられてしまったニンゲンと違って、間違っても美味しいなんて思えないような物を咥えたり舐めたり飲み下したりするのは、間違いなく深い愛ゆえ。というのは、まぁ、わからなくはない。
 突っ込む側も、噛まれない、もしくは噛まれても許せる、という信頼と愛とが無ければとても出来ない行為。というのにも納得ではある。
 ついでに言うと、噛んでしまわないように口を開いたまま固定する器具、なんてものも存在するらしい。でもそんなものを付けた口に突っ込んでまで欲を発散したい気持ちはないそうだ。
 残念だと思ってしまったら、まさか使われたいのかと驚かれたけれど、番いの欲を問題なく受け止めたい気持ちはそんなにオカシナものではないと思う。噛まずに受け止められる自信がつくまでそれを使って訓練するのも、全然有りだった。
 まぁこのヒトにはニンゲンというパートナーが既に居て、だからそこまでする必要はないと思うんだとわかってはいる。スリットに先だけ突っ込むので良い、なんて言えるのだって、全てを受け入れてくれるニンゲンが居るからだろう。
 だから、口でしますとか、口に入れてとか、言って良いのかすらわからない。口の方が圧倒的に大きいから、含める量だって多くなるけど、どちらの方が気持ち良いのかもわからない。
 自身の繁殖期中、竜人姿のこのヒトに口でされたことはない、というのも大きい。どの程度気持ちが良くなれるのか、さっぱりわからない。
 ただ、絶対ニンゲンに口でして貰う方が気持ちいいだろう、とは思う。
 口を窄めて吸われる気持ち良さを知っているが、あれを真似る事は到底出来ない。
 たいして気持ち良くない上に、最悪噛まれるリスクがあるような事に、許可を出すだろうか。
 考えるほどに、相手の発情を口で受け止める難しさに気づいてしまって、だから事前に知らされる事がなかったんだと納得してしまうのだけど。でも、だとしたら今この瞬間に、訓練しておけば良かったなんて話がなぜ出るのかわからなくなる。
「口の訓練、しておけば良かったって、本当に思ってるんですか?」
「ああ、思ってる」
 同じように何かを考え無言になっている相手に問えば、はっきりと肯定された。
「なんでですか?」
「なんで、って、小柄である事やヒト型を取れないことを、そこまで気にしていると思ってなかったのもあるし、お前の、番の発情を受け止めたいという気持ちを侮っていた、とも思う」
 番の発情を受け止める他の方法がある事を、もっと早くに共有して、どうしたいか相談くらいはしておくべきだったと反省している。らしい。
「番としての責任感だとか、訓練すればスリットで気持ちよくなれると知ってしまったことだとか、そういった比重が大きいのだと思っていて、訓練の成果的に、こちらとしては、あまり無理をさせたくない気持ちが大きかった。これまでの努力の結果として、繁殖期に勃起ペニスをスリットに入れて射精を受けた、という事実が一度でも作れれば満足かと思っていた」
 一度で満足だと思っていた、という部分に、ひどくガッカリする。そんな風に思われていたなんて。というか、一度しか入れてくれないつもりなんだろうか。
「私、好きになったから抱かれたいって、いいましたよね?」
「そう言えば断られないとわかっていただろう?」
「それは、まぁ、そうですけど」
「繁殖期中以外でお前に好きだと言われたのはその時だけだし、お前がこいつへ向ける好意はもっとはっきりわかりやすいじゃないか」
 傍らで眠るニンゲンを指してそう言う声は、どこか拗ねているようにも感じる。
「それは、お互い立場ってものがあるでしょう」
「プライベートのスリット訓練中も、お前は俺に甘えたり好きだといったりしなかった」
「訓練だからです。あと、ニンゲンにだって甘えたり好きだと言ったりしてません」
「俺に対してよりは甘えてた」
「多分それ、あなたよりニンゲンのが私を甘やかすせいですよ。というか見た目のイメージからか、子供扱いされてるとこ、ありますよね」
 自分たちは2人とも、小柄だからといって成人済みの竜人を子供扱いするような真似をするのは明確な侮辱となる、という常識の中で生きているけれど、ニンゲンにその常識は通じない。
 わかっているし、今後もずっと囲われた部屋の中で過ごすことが決定している彼に、こちらの常識を押し付ける気もない。子供扱いされたからと特に不満だとも思わない。
「もし俺が同じように子供扱いしたら?」
「別に怒りはしませんよ」
「本当に?」
「さっき、いい子だ、とか言われましたけど、怒ってないでしょう?」
 私の年齢知ってます? と聞いたら、知ってると気まずそうな声が返ってきた。
「私たちの数年なんて誤差ですし、ほぼほぼ同い年ではありますがあなたは番なんですから、いい子、は愛情表現ってことにしておきます」
 ニンゲンを愛でるのと同じ感覚でつい言ってしまったのだと思うし、ニンゲンと同じように扱われるのは多分きっと嬉しい。

続きました→

 
 
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ご飯担当の繁殖期6

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 関係的にもスタミナ的にもニンゲンが優先されるのは納得なのに、体が小さいことやヒト型になれないことで、2人が交わる姿をただ見ているだけなのが辛い。
 自身の繁殖期では、ニンゲンが口でしている時もお尻に入れてる時も、番相手が何もせずに見ているだけ、なんて状況は起きなかったから勘違いしていた。番の繁殖期にも、同じように混ざれると思ってしまった。
 勝手に期待して勝手にがっかりしてるだけなので、悪いのは自分だ。
 体の小ささも訓練の結果もわかっていて同席したのに、全てを受け止めて、受け止めて貰って、気持ち良さそうにしている2人を見て辛いと思うのだって、やっぱり自業自得でしかない。
 悪いのは自分とわかっているから、自分からねだったくせにやっと抱いてもらえるという直前になって、こんなに落ち込んでしまってむしろ申し訳なかった。
 その申し訳なさがさらに気持ちを沈ませる悪循環に嵌まり込んでいる。
 発情中のはずなのに今のお前を抱くのは躊躇うと言われて、じっくり聞き取りされてしまえば、そんな情けない事情を話さないわけにはいかなかった。
「謝る必要はないし、さすがにお前にまで気を配る余裕がなくて、こちらこそ申し訳なかった」
 話を聞き終えた相手においでと呼ばれて近寄れば、ひょいと持ち上げられて座る足の上に後ろ向きに乗せられた。
 両手を取られてムニムニと揉まれたあと、右手はそのままに左手だけスルスルと腕を登って肩を撫で、更に首からおとがいを通って口の先に押し当てられる。
「口開けて」
 何が起きるんだと思いながらも従えば、そのまま指先が口の中に入ってきてドキドキする。主に、うっかり噛んでしまわないかという方面の緊張だけど。
 なんせ相手はいまヒト型をとっていて、歯先が掠めただけでも下手したら流血するくらい、その皮膚が薄く柔らかいことを知っている。
「もっと大きく」
 その指示にも従えば、指先どころか手の平全てが口の中だ。
「いい子だ。この状態で、俺の指が舐めれるか?」
 触れてしまわないように引っ込めていた舌を伸ばして、開いた口の中に浮かぶ手の指に舌を絡めた。ニンゲンのようにチュッと吸い付くのは無理だけれど、長い舌を使って一本一本確かめるように根本から舐め扱いていけば、背後から甘やかな息が漏れてくる。
「気持ちいい」
 上手だなと褒められて、一体なにをさせられてるんだと思う気持ちはあるものの、やはり嬉しい。
「今からスリット弄るけど、なるべくそのまま舐めててくれ。指だけじゃなくて、手の平も。可能なら、手首も」
 えっ、と内心驚いているうちに、ムニムニと揉まれ続けていた右手から相手の手が外されて、ゆっくりと腹に回ってくる。
 既に緩んだスリットは、あっさり相手の指を受け入れた。
 クチュクチュと掻き回されれば、ずっと焦らされていた体はあっという間に昂って、このままだとあっさりイカされてしまうと思って焦る。
「んぅ、んんんー」
 指に舌を絡めたまま抗議の声を上げれば、苦しいかと聞かれて緩く首を振った。苦しいとか痛いとかはないけれど、でも続けられるのは困る。
「ゃあ、いっひゃう」
 口を開いたまま無理やり声を出せば、イッていいよと返されたけど。
「やぁ、ぁあっ」
 やだやだと繰り返したら、スリットからも口の中からも相手の手が抜けていって、お願いを聞いてもらえたのになんだか寂しい。
「イクとき噛みそうだったか?」
「あの、なんだったんですか、今の」
 質問には答えずにそう問いかければ、「スリットだけじゃなく口も訓練しておくべきだったなと思って」と返ったけれど、やはり意味はわからなかった。
「口の、訓練?」
「そうだ。体格差のあるカップルは少なくて、参考にしていいか迷うところもあったし、スリットに先を含んで貰うくらいは出来そうだと思ったから、それで良いと思ってたんだ」
 どうやら、体格差のある雄同士の竜人カップルの大きい側は、スリットに突っ込むのではなく口に突っ込む事もあるらしい。

続きました→

 
 
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ご飯担当の繁殖期5

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 結論から言うと、訓練は間に合わなかった。
 ニンゲンの勃起ペニスは結局全部は入らなかったし、指や舌でならあんなに気持ちがいいのに、ペニスだと快感よりも苦しさが勝ってしまう。
 ニンゲン相手にそうなのだから、ニンゲンよりも絶対勃起サイズが大きい番相手のペニスはきっと半分以下しか入らないし、下手したら苦しいだけで済まなくて痛みだって感じる可能性もある。
 だとしても、番の繁殖期に自分だけ蚊帳の外だなんて絶対に嫌で、同席させないと言われても食い下がる気満々だった。
「明日の夜には繁殖期が始まりそうだから準備を頼む」
「私も同席しますよ」
 少し余裕を持たせて12日分くらいの食事やらをあの部屋に運び込んで欲しいと言われて、2人分ですかとは聞かずにそう宣言すれば、相手は一瞬黙ったあとで「わかっている」と頷いた。
 もっと抵抗されるかと思っていたので拍子抜けだった。
「いいんですか?」
 思わずこぼせば、あの頑張りを無駄にしたくないのは一緒だと返されて、無理をさせるつもりはないからチャレンジくらいはさせてくれと頼まれてしまった。次の繁殖期までお預けになるのはあまりに長い、とも。
 ずっと、番に抱かれてみたい自分の欲求に、乗り気ではない相手を巻き込んでいるだけだと思っていたんだけど。今の言い方だと、相手も自分に発情を受け止めて貰いたがっているように聞こえてしまう。
 だったらいいな、と思いながら休暇届にサインして、あとは言われたとおりに準備を済ます。
 期間が長い分、自身の繁殖期より用意する量が多いけれど、繁殖期そのものは3度目なので慣れたものだ。
 明日の夜には、とのことだったからニンゲンの朝食は必要かと思ったけれど、ニンゲンがいらないと言うので結局誘われるまま彼らの部屋に泊まり、目覚めてからは準備と称して早々とスリットを弄られている。なお、弄っているのはニンゲンで、そのニンゲンのお尻はヒト型になった男が解している。
 ただイッたら終わる訓練とは違って、相手の発情を長期に渡って受け止めることを想定しているので、ゆるく気持ちよくはされてもイッてしまうような強い刺激は貰えない。しかも、発情直後はまず口から食べたいニンゲンの食欲を優先するから、その間は中途半端に昂った体を持て余しながら2人を眺めるしか出来なかったし、お尻を突かれ出してからはニンゲンがまたスリットを弄ってくれたけれど、いつもの半分も気持ちよくなれなかった。
 お尻を突かれて気持ちよくなっている状態なのだから当然ではあるんだけど、だったら無理して弄ったりせず、勃起したペニスを入れて欲しかったんだけど。突っ込まれながら突っ込んだら怪我させそうで怖いと言われて、さすがにこの小さな体が疎ましい。
 番の繁殖期に自分だけ除け者なのはきっと寂しい、というのもスリットの訓練を頑張った理由の一つだけれど、同じ空間に居るせいで余計に寂しい目にあっている気さえする。
 だからか、ニンゲンが疲れて一旦眠った頃には、気持ちがだいぶ落ちていた。自分の番だ! と喜んだり張り切ったりする気力がない。
「もしかして怖くなったか?」
 いまだヒト型を保った番に顔を覗き込まれたけれど、何を聞かれているのかイマイチわからなかった。
「何、怖い?」
「俺の勃起したペニスを見るのは初めてだろう?」
 言われて視線を向けた場所にあるペニスは、間違いなくニンゲンのよりも大きい。太いし長いし、これをほぼほぼ全て体の中に迎え入れて、それが気持ちいいと喘いだニンゲンは本当に凄いと思う。
 この大きさをこの小さな体でどこまで受け入れられるだろうと考えてしまって、また少し気持ちが沈む。入りきらないのなんて最初からわかりきっていたのに。
「怖い、ない。だいじょぶ」
「本当に?」
 頷けば、ならなぜそんな顔をと問われてしまったが、一体自分はいま、どんな顔を晒しているんだろう。
「俺、顔、わからない」
「この姿だと竜人族の言葉は使えないが、聞き取ることは出来るから使って構わない」
 もう少し詳しく説明をと言われて、自分が今どんな顔をしてるかわかりませんと言い直しはしたけれど、もちろん、相手が求めている答えでないことはわかっていた。

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ご飯担当の繁殖期4

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 スリットで気持ちよくなる、というのは想像していたよりもずっと簡単だった。
 だってニンゲンはスリットを弄り慣れていたし、番の男は自身の経験として、どこをどうすると気持ちよくなれるのかを知っていた。
 ただ、サイズはやはりどうしようもなかった。
 いやまぁ弄られまくって入口も中も随分広がったとは思うけど。なんせ相手が大きいので。
 勃起したニンゲンのペニスは半分くらいしか入らなかったし、圧迫感が勝ってしまって気持ちよくなるのは無理だった。
 気持ちよくしてやれなくてごめんと謝らせてしまったが、それよりも、ニンゲンが射精出来なかったことの方がこちらとしては問題だった。番の繁殖期にその発情を受け止めたい、というのが動機なのだから、相手が気持ちよくなれないのでは意味がない。
「や、それは大丈夫。気持ちよかったし、俺が射精しないのは割と普通っつうか、お前の繁殖期に射精できてるのが特別っていうか」
 吐き出されたばかりの精液を飲んだり注がれたりすると、それに反応して出る、らしい。知らなかった。
「普段から発情受け止めるしてる、聞いてる」
「勃起したら入れてるけど、お前の繁殖期以外であの中に出したのなんて数回しかないな」
「数回、ある」
「薬のテストだ」
 自分は無関係と思って聞き流していたが、数時間しか持たない、1回射精できればいいくらいの、効果が薄い代わりに副作用が少ない薬を開発している、というのを聞かされたことは確かにある。
 ニンゲンがここにきた初期は「食事」でしかなかったから、2人のセックス事情もそれなりに聞かされていたけれど、同じ部屋で寝るようになってから先は基本ノータッチなので、いつ薬のテストをしていたのかも含めて知らないことだらけだ。てっきり排泄と同じように、頻度はともかく普段から出来るようになったのだとばかり思っていた。
「勃起を発情と捉えることに問題はないと思うが?」
 それはそう。射精がなくたって相手の発情を受け止めているのは事実で、間違いなくそこには喜びがあるだろう。
「けど、射精出来るなったから、してる、思ってた」
「してないんだなぁ。こいつがスリットでイケなかった最初の頃は俺が力尽きたら終わりって感じだったけど、お前のこれは訓練だから俺の限界まで付き合わせるとかする気ないし、とりあえず俺のがちゃんと入ったってことで、今日は終わりでいいよな?」
 いいわけがなかった。頷く代わりに、首を横に振って否定を返す。
「ちゃんと入る、してない」
「入ったろ。先っぽずっぽり行ってたろ」
 痛くはなかったんだよな? と確かめられて頷いたけれど、こちらとしては、先っぽしか入らなかったという認識だ。
 いやまぁ実際はもうちょっと入ったけど。張り出した一番太い部分が無事に入ったことが重要、ってこともわかってはいるけど。
「サイズを考えたら、裂けたりせずに入っただけでも充分だろう?」
 こちらの不満が伝わった様子で宥められてしまったが、その言葉で落ち着くのは無理だった。だってそろそろ時間がない。
 訓練と言いながらも自分ばかりがキモチイイ夜を何度となく繰り返して、やっとやっとニンゲンの勃起ペニスを入れて貰ったのに、あんなに訓練したにも関わらず、結局半分しか入らなかっただなんて。気持ちよかったって言ってはくれたけれど、射精しないのは普通って言われたけど、それが本当だってイマイチ信じられなかった。
「俺まだ出来る、訓練」
「ならこっちにくるといい」
 ニンゲンの勃起ペニスにもっと慣れたいって話なのに、今日は最初から素の姿の番相手に呼ばれて不思議に思いつつも近づけば、腰を捕まれスリットに鼻先を近づけてくる。
「ま、まって、まって、違う」
「これも訓練には違わないだろう?」
 笑うみたいな息が掛かって、すぐに長い舌が緩んだスリットに入ってきた。
「うぁあっっ、ん、んんっ」
 掴まれた腰から下が、しびれるみたいにキモチガイイ。
 指で弄るのはニンゲンのほうが上手いけれど、舌を使うのは本来の姿の番相手のが断然上手い。長さも厚みもヒトのものとは全然違うせいだ。
 ニンゲンを勃起させたのもその長くて器用な舌だったのに、今日はニンゲンのペニスを入れる訓練という認識で油断しきっていた。
「ぁ、あっ、ああん」
「俺のちんこじゃ気持ちくなれなかったし、ちょうどいいな」
 いっぱい気持ちくして貰えよ、なんて言いながら頭を撫でたあと、ニンゲンが楽しげに番相手の腹に手を伸ばす。
「せっかく勃起したし、ここ、入れていいよな?」
 3人で気持ちよくなろうと笑うニンゲンと、軽く頷いたあとで期待からか熱い吐息を漏らす番相手に、予定と違うという憤りはあるのだけれど。
 普段は自分だけが気持ちよくなる訓練をしているせいで、繁殖期ではないのに3人一緒に気持ちよくなれると、喜び安堵してしまう気持ちもあった。

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ご飯担当の繁殖期3

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 ニンゲンが夕飯を終える直前に部屋へと戻ってきた男は、ちょうどいいなと言ってさっさとベッドへ向かう。だけでなく、ヒト型に変化して着ていた服を脱いでいく。
 ヒト型になる理由も彼まで裸になる理由もイマイチわからないまま見つめてしまえば、2人とも早く来いと呼ばれてしまった。
「こいつのスリット訓練するんだよな? 脱ぐ必要ってある? てか俺も脱いだ方が良い?」
「どちらでも。整え直すのが面倒で脱いだだけだからな」
 ヒトに化けてもサイズはそこまで変わらないけれど、体の形が変わるのだからどうしたって服は整え直す必要があるし、場合によっては着替えだってするから納得の理由ではあるけど。その理由だと、自分も裸になる必要はないような気がしてしまう。
「俺、脱ぐか?」
「スリットさえ触れれば脱ぐ必要はないが、汚れる可能性もなくはないな」
 いっそ脱げと言い切ってくれたほうが楽だった。
「じゃあ俺も脱ぐからお前も脱ご」
 脱ぐかを迷ってしまったら、ニンゲンがそう促してくる。裸で触れ合ったほうがキモチイイからと言われて、そういうものかと頷いて従った。
 脱いでベッドに上がれば、すぐに4本の腕が伸びてきてまずはぎゅっと抱きしめられる。繁殖期外で誰かと裸で抱き合うのなんてほぼほぼ初めてだから、それだけでなんだかソワソワしてしまう。
 2人に挟まってジッとしていれば、そんな緊張しなくて大丈夫だからと囁かれて、ゆっくりと体の力を抜いていく。
「一応確認だけど、わざわざ人の姿にってことは、お前が自分でやるんだよな?」
「いや。まずはお前からで」
 慣れてるはずだし押さえる側としては力が足りない、だそうで。つまりはニンゲンと2人で訓練させたら、ニンゲンが危ない目に合う可能性が高いと判断されている。
 やはり暴れたくなるような不快感を覚悟した方が良さそうだ。
「いいってなら喜んで初めて貰っちゃうけど、お前ほんとにそれでいいの?」
 番なんだろと確認する姿に、昼間のやりとりを思い出す。
 抱いていいならもちろん抱かせてもらうけど、でも初めての相手は想い人がいいだろうと言われて、イマイチ賛同できなかったのだ。
 だってニンゲンか番の男かの2択なら、初めての相手はニンゲンのほうが断然いい。発情時のペニスの状態なんて知らないが、ヒト型の萎えた状態でニンゲンよりもはっきりと大きいのだし、元の姿での発情状態なんて想像するのもなんだか怖い。
 ニンゲンの発情条件はわからないけど、普段の生活でも時々勃起しているようだから、彼の繁殖期前にニンゲンが勃起してくれたらいいなと思っているし、まずはニンゲンの大きさに慣れたいと思ってもいた。
「お前ならいい」
「それって、ちんこ突っ込むのも? 俺が先で問題ない?」
「ああ。でも必ず俺を同席させてくれ」
「見れればいいてこと?」
「見れれば、というよりは、その時間をお前たちと共有できれば、だな」
 そもそも俺が先になんて言ったら負担が大きくなるだけだろう、と続いた言葉に、ですよねと思ってホッとする。
「ちなみに俺以外がこいつに手ぇ出すのは?」
「許すわけ無いだろう」
「そういう独占欲的なのって竜人ではわりと特殊な感覚?」
「ああ……なるほど。特殊といえないこともない、かもしれないな」
 今度はニンゲンがどこかホッとした様子を見せた。
「仕事の一環で子作りをするせいか、番登録済みのカップルでも別の相手とセックスすることは当たり前にあるというか、それを咎める感覚がない者のが多いとは思う。ただまぁ自分の発情を受け止めてくれるパートナーが、他の雄の発情を受け止めるのを快く許可するか、という話なら、大概は不快に思うんじゃないか」
「それ聞いてちょっと安心したけど、もいっこいい?」
「なんだ?」
「初めて貰えたら嬉しいって感覚は? ないの?」
「お前は嬉しそうだし、お前が貰ってやればいい。俺としては、事前にしっかり準備が出来て、安心して抱けるほうが断然嬉しい」
 繁殖期中にどこまで気を使いながらこの小さな体を抱けるかわからないし、準備が間に合わなくて無理そうだと判断したら繁殖期には同席させない。などと言い出すから、割と想定通りの回答ではあるのに、絶対間に合わせてやるという気持ちになった。

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