聞きたいことは色々59

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「好きって言わせちゃったの、失敗でしたかね。ずっと3人でするのが目標で、やっと3人で出来たのに、あんま楽しめなかったのかな。というかもしかしてずっとかなり苛ついてました?」
「ずっと、ではないけどそれなりに不満はあったんじゃない。といっても主に俺のせいで、だけど」
 落ち込む必要はないよと頭を撫でてくれる。
「あと、好きって言わせたのは多分正解。俺とだけ好き好き言い合ってたら絶対拗ねたし」
 不機嫌な態度で抱かれるよりは、プレイでもにこやかに好き好き言われながら抱かれる方がマシじゃない? と言われればもちろんそうなんだけど。好きと言い合っても、それがプレイでも、今回は特にしんどくなってないから尚更そう。
 しんどくならなかったのはそこにお兄さんも一緒に居てくれたからだし、彼がくれる「好き」に多少虚しくなったとしても、お兄さんがくれる「好き」が即座にその隙間を埋めにきてくれたからだ。という部分も、3人でしてみて良かった点かも知れない。
「あの、時々不機嫌になるあれって、拗ねてるんですか? というか拗ねるというのがイマイチわからなくて」
 怒ってるとかじゃなくて? と聞いてみたら、怒って不機嫌てよりは拗ねて不機嫌だと思ってるよと返された。
「君がアイツを恋人として扱ったら機嫌良くなってたし、君と俺が仲良くイチャイチャしすぎるから疎外感とか感じてるんじゃない?」
「疎外感」
「そう」
「でもだからって俺とイチャイチャしたいわけじゃない、ですよね?」
 もちろん、お兄さんとイチャイチャしたいって方でもないだろう。多分。
「何?」
「あなたとイチャイチャしたい可能性とか」
「うん、ない」
 見つめてしまえば何かを感じ取った様子で聞かれてしまったので、正直に答えてみたら、やっぱりあっさり否定が返る。
「少なくともそういう素振りは見せられてないね。むしろ正しく俺を嫌がってると思うよ」
「正しく嫌がってる?」
「君とのイチャイチャをわざと見せつけて煽ってる自覚あるし、向こうもそれに反応して不快に思ってる部分はかなりあるはず。って話」
 だから本当に気に病む必要はないよと言われたところで、きっとこれからも、不機嫌な態度を見せられたら怯んでしまうと思うけど。
「ちなみになんでそんなことを?」
「いい加減好きを認めるんじゃないかと思って?」
 さすがにもう自覚あると思うんだけどなぁと続いた言葉に首を傾げる。
「自覚、ですか?」
「そう。アイツさえその気になれば、今の俺の立場はアイツのものだったわけ。というのは多分もうわかってると思うんだよね。でもって俺と君がイチャつくのが不快で、俺に嫉妬してるように見えることが増えてるから、あともうちょっとかなぁ、みたいな期待はしちゃうよね」
 もしかして、彼がプレイじゃなく好きって言ってくれる日がくるかも、って話だろうか。
「本当にそれ、期待できます?」
「多分」
「たぶん……」
「だって単に俺の煽るような態度が不快なだけなら、俺に対して何か言ってきそうだもん。でも俺にってより君の俺への態度に思うところがありそうだし、君が俺よりアイツを優先したら機嫌いいし」
 意識してやってみたらきっとわかるよと言われたけど、多分それは必要がない。だって言われてみたらそうかもって思ってしまった。
「でもそれが俺を好きってことになります? というか好きを理解しないポンコツ、って散々言ってたじゃないすか」
「それはそうなんだけど、変わる気があるかもと思わないこともないというか、変わらなかった場合の未来はわかってるはずというか」
「変わらなかった場合の未来?」
「俺が君を奪いきって、アイツはセックスに刺激が欲しいなって時に呼ばれる部外者扱い、だね。端的に言えば、旦那とのセックスに混じってたときと似たような状況かな」
 一旦別れたってことにせず、他に恋人を作る気のない今の彼に、その未来を受け入れる気はないだろう。だそうで。
「もし彼が俺を好きって思うようになったら、あなたはどうするんです?」
 良かったね。もう大丈夫だね。とか言って、あっさり恋人を解消されて、彼の元へ戻されてしまうんだろうか。
 なんて不安はどうやら必要がなかった。
「君から手を引くかって話なら、手を引く気はないよ。大丈夫だから、安心して俺のことも好きで居て。てかそもそも俺が目指してるのは、アイツを仲間はずれにしないセックスをすることだからね」
 一緒に愛を注ごうねって言ったでしょと言われて、そういや言われたなと思い出す。
「好きを理解するようになったら愛しがいも増すよね、くらいの気持ち」
 なるほど、と思わずには居られなかったし、もちろんそう口に出した。

続きます。
もうしばらくの間、更新は夜になりそうです

 
 
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聞きたいことは色々58

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 土曜の昼前から泊まりで出かけると週末に済ませたい家の色々が溜まってしまうので、以前もデートの翌日はそこまで長居せずに起きてご飯を食べたら帰ってたし、それはお兄さん相手でも変わることはなかったんだけど。お願いされて、彼の家から自宅に帰るのではなく、お兄さんの家に移動してベッドの上でゴロゴロしていた。
 昨夜も今朝もあれこれ譲ったからイチャイチャし足りてないと言われたら、断る気になれなかったからだ。抱いたり抱かれたり、二人だけでのセックスがしたいわけじゃなくて、本当にイチャイチャしたいだけって言われたのも大きい。
 一晩寝てそこそこ復活してるから、やれないこともなさそうだけど。一応そう申告してみたら若いなぁって笑われてしまったし、やれなくないってだけでしたいわけじゃないから、言葉通りにただただイチャついた。
 とはいえ、どうしたって昨日のアレコレが話題に上がる。
「3人でするのどうだった?」
 二人がかりで気持ちよくされるの凄かったでしょと言われて、たしかに凄かったけど、あれが良かったかどうかはやっぱ微妙な気がする。
「俺だけ休憩できないの、あまりに不利でした」
「でもああいうの、二人を相手にしてるっての実感しない?」
 俺だけじゃあそこまで追い詰められないし、もうむりって泣いてるの可愛かったよ。なんて愛しげに見つめられながら言われたら、まぁいいかと思ってしまうところはあるから、多分このイチャイチャはそうやって昨夜の小さな不満を聞き取って解消するためのものでもあるんだろう。
「結局好きって言い合うプレイしてたけど、そっちは?」
 しんどくなってないか聞かれて、大丈夫ですと返す。
「だってあれ、言わされたってより言わせた方ですし」
「だよねぇ。俺はかなり面白かった」
 お兄さんと交際開始する直前、好きって言い合うセックスはもうしたくないって言ったのを律儀に守って、好きだと言ったり言わせたりする気がなさそうだった相手に、自分から好きだと繰り返して好きって言ってとねだってしまった。
 最初、納得がいかない様子は見せてたけど。プレイでいいから言ってくれと頼んで、そういうの本当は得意って聞いてるって言ったら、嫌そうにため息を吐いた後で、ガラッと態度を変えてきたから、あれは確かにちょっと面白かった。
「好きって言わせなかったら、最後の俺だけ見とけの延長線ってなかったと思います? てかあれってありなんですか?」
「ありなんですか、ってどういう意味?」
 ありだったからやったんでしょと言われたらそれはそうなんだけど。
「3人でしよって話だったのに、最後あなたの存在消えてたから。良かったのかなって」
「それは君がちゃんとアイツだけ見てたからそう感じるだけで、俺は引いたけどあの場には居たんだし、ちゃんと二人のこと見てたよ?」
 絶対嫌がるから逆はやらなかっただけで、あれも一種のプレイ。と言われてしまうとそういうものなのかと思うしかない。どっちがより相手を可愛く喘がせられるかとか、夢中にさせるかとか、なんか色々あるっぽい?
「つまりあれは本当に久々でやり足りなかっただけの、よくあるプレイの一つ?」
 好きって言い合うプレイをした結果、自分だけ見とけなんて発想になった可能性を考えていた。あと、好きって言わせた腹いせの可能性とか。正直に言えば、腹いせで、もう無理って言ったのに解放してくれなかった可能性が高いのかなと思ってた。
「ではないね。続けたいなら君を一度休ませるって方が現実的」
 もう無理って泣いたのに付き合えって言われて素直に付き合うと思ってなかったと言われて、慣れてるからと返したら嫌そうな顔をされてしまったけど。でも多少強引にアレコレ進められてしまうことには、間違いなく慣れてると思う。
 本気で嫌がれば止まってくれるのもわかってるし、翌日足腰が立たないだとかの肉体的なダメージを負わされたことはない、という信頼もある。
「いやでもかなり加減してくれてたっていうか、ゆるく気持ちぃみたいにしてくれたから。俺だけ見とけ、なんて甘いこと言ってたけど、内心怒ってるかなとか思ってたのもあったし」
 態度の急変は面白かったけど、プレイ用の顔になってしまって不機嫌がわかりにくくなったのは失敗だった気がする。いやでも不機嫌を隠さず出されると、それはそれで気を遣うというか若干怯えてしまう部分があるので難しい。
 お兄さんは彼の不機嫌を楽しげに見ていることが多いけど、そんなの絶対真似できそうにない。
「ああ、好きって言い合うの禁止って言っておきながら好きって言わせるプレイけしかけたから、怒らせたかもとか思ってた?」
「多少」
「もし怒ってたとしたら俺にだから、そこは間違えないようにしてね」
「え?」
「プレイでいいから好きって言って、なんて言葉が君から出たのは俺のせい。って思ってるはずだし、まぁ事実そうだろうし、確かに苛ついてはいたからね」
 じゃなきゃアレコレ譲ってないしと言われて、お兄さんも感じていたんだなと思う。

続きました→

 
 
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聞きたいことは色々57

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 意識が浮上して隣に横たわる熱に擦り寄れば、少し待たされたあとで抱き抱えるように腕が回されて、「起きた? わけじゃないのか?」という声が聞こえてきて、あれ? と思う。と同時に、昨夜何があったかを思い出す。
 どうやら寝ぼけて擦り寄る相手を間違えた。だって寝起きに彼が同じベッドに居たことなんてほぼなかったから。でもってお兄さんはこっちが起きるまでベッドでダラダラしてる人だから。場合によっては自分が先に目覚めることもあるくらいだから。
 というかお兄さんの方はもう目覚めてるんだろうか。だとしたらこの状況を見て何かしら反応がありそうだけど。とすると、まだ寝ている可能性が高いのか。
 さて、どうしよう。
 このままもう暫く寝たふりを続けて、この腕の中を堪能するのもありだろうか。昨夜は疲れ切ってて結局あっさり再度寝落ちたから、彼に抱っこされながら寝た実感があまりない。
 でもそれなりに嫌そうな顔をしてたんだよな、とも思う。今だって、どんな顔をしているのやら。
 そもそもなんで抱きかかえてくれてるんだろう。今までは起きたらさっさとリビングに移動してたはずなのに。なんでベッドに居るんだろう。
「なぁ、起きてるだろう?」
「はい」
 そんな言葉を掛けられてしまったら、諦めて肯定を返すしかない。
「このまままだ寝るつもりでいるのか?」
「あー……まだ寝てたい気もするし、起きたい気もしてます」
 お腹減ったんでと言えば、だろうなと返ってきたから、もしかしなくても結構遅い時間なんじゃないだろうか。
「いまって何時ですか?」
「9時半」
 思ったより遅くなかった。
「昨日て何時に終わったんです?」
「22時ごろ?」
 始めたの早かったしと言われて、確かになと思う。
 車から降りた後、まっすぐ寝室に向かうのかと思ったら抱き潰しそうだから先に軽くなにか食べておこうって言われて、寝室に入ったのは18時前だった気がする。とすると、4時間位はやってた計算になるのか。
「そんなもんなんですね。なんかもっと長かったような」
「車で散々弄った後だったからだろ」
「ああ、それでか」
 体が出来上がってたから、前戯というか慣らす時間が短かったせいだ。
「それで、どうする?」
「どうする?」
「朝食」
 食べに行くかまだ寝るかと聞かれて、食べますと返せば、体を包んでいた腕が離れていく。
 相手が体を起こすのに合わせて自分も起き上がれば、なぜかまた肩を抱かれて引き寄せられて、チュッチュと軽い音を立てながら顔のあちこちにキスの雨が落ちた。
「ひぇっ」
「どういう反応なんだ、それ」
「や、だって何して、てか、今までこんなことしてくれたことないじゃないすか」
「されたいと思ってなかった。というか事実、されたくなかったんだろ?」
 好きになっちゃうもんなと言われれば、そうですよと返すしかないんだけど。でもそれは答えになってないというか、今それをする理由にはなってない。だってして欲しいなんて頼んでない。
「今も別にされたいわけでは」
「あいつにはされて喜んでるらしいから」
 同じように喜べとまでは言わないけど嫌だとかするなとかは言うなよ、と続いた声はどことなく懇願にも似ている。そういや不機嫌丸出しって顔も声もしていない。
 違和感というよりは、なんだか不思議だった。不思議なものを、見ている。
「どうした?」
「や、なんか、」
 今までとは何かが確実に違うのに。でも何がどう変わったのかは上手く言葉にできない。
 そもそも寝起きから、今までの彼はやらなかったことばかりされているのだけど。どういう心境の変化で? と思ったところで、3人でやったからかな、と思い至った。
「あ、起きてる」
「えっ?」
 突然聞こえたお兄さんの声に、慌てて声がした方へ振り向けば、そっとドアを開けて入室してくるところだった。起き上がったところで部屋にいないことはわかってたんだけど。ただ、キスの雨を降らされて、どこへ行ってるのか聞ける余裕がなかっただけで。
「おはよ。いっぱい寝たね」
 体調どう? と聞きながら近づいてきたお兄さんが、ちゅっと額に一つキスを落としてくる。
「だいじょぶ、です。多分」
「ご飯できたけど、食べれる?」
「はい。てか朝飯作ってたんですか? あなたが?」
「そう。どっちが朝ご飯作るかでちょっと揉めたけど、まぁ、今回も俺が譲ったよね」
 おはようのチュウして貰った? と聞かれて、この人の差し金かと思いながらも貰いましたと返せば、良かったねぇと頭を撫でられる。正直、嬉しいってよりも驚きと戸惑いが大きかったけど、嫌々してくれたって感じがなかったのは良かったかも知れない。
「先行ってる」
 お前らもイチャついてないでさっさと来いよと、不機嫌そうな声が聞こえて、あれ? と思う。ついさっきまでは、不機嫌そうな様子はなかったのに。
「言われなくてももう行くよ」
 部屋を出ていく彼にそう声をかけた後、コソッと「嫉妬丸出し」と耳打ちしてきたお兄さんが、満たされたって顔で楽しげに笑った。

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聞きたいことは色々56

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 広いベッドの上で、後ろから抱きかかえられるようにして胸やらを弄られながらもう一人に突かれるのも、四つ這いで後ろから容赦なく突かれながら自由な2本の手にあちこち弄られるのも、確かに経験したことのない気持ちよさだったけど。でも二人がかりで、という部分を一番感じたのは、休みのない連続した快感に晒されたことだった。
 相手は休憩する時間が取れるけど、片方が休憩しているその間も、自分はもう片方に気持ちよくされているのだから当然だ。
 抱き潰しちゃうと思うよって言われてたから、一応そのつもりと覚悟を持ってベッドに乗ったはずなのに、あまりに連続した気持ちよさに「もう無理止めて」と泣いて懇願してしまったのは、何度絶頂させられた後だっただろうか。
 彼とお付き合いをすることになったあの初日の夜も、最後の方はイキっぱなしで記憶が曖昧になるくらい疲れ果てて抱き潰されたけど、休憩する暇を与えられないという状況はあの時よりも断然キツい。
 ずっとちゃんと抱いて欲しかったのにもういいの、と笑われたけど、もういいどころじゃない。充分すぎると必死で頷けばお兄さんはそこで引いてくれたけど、彼のほうは久々だからもう少し付き合えって続行されたから、結果、お兄さんに見守られながら彼に抱かれる状況になってしまった。
 しかも最初の方は性的なアクションを控えてくれただけで、可愛いとかキモチイイねとか言いながら頭を撫でてくれたりしてたのに、なぜかそれを彼が嫌がって自分だけを見てろと言い出すし、お兄さんもじゃあ見てるだけにするとあっさり引くしで、頭の隅ではチラリと3人でってのはどうなったんだろうと思ったりもしたけど、もちろんそんなことをじっくり考えてられるような余裕はない。
 連続した強烈な快感に比べれば随分と緩やかになったものの、やっぱりイカされまくるのにはあまり変わりがなくて、彼が満足して終わる頃には疲れ果ててすぐに意識が落ちてしまったのだけど。
 でも朝までそのまま寝かせては貰えなかった。というか、揉めてる気配に起きてしまった。
「ど、したんすか」
「あ、ごめん起こしたね。ってほら、起きちゃったじゃん」
「俺のせいじゃないだろ。俺はまだ触ってないし」
「どっちが先かの問題じゃないでしょ。俺が手出さなきゃお前が先に手出してたでしょ」
「何揉めてんですか」
「君を抱っこして寝るのがどっちか問題?」
「はぁ……そ、え、えぇっっ??」
 寝起きでぼんやりしていた頭が一気に覚醒する気がした。
「え、抱っこ、寝る時に? 俺を? あなたが?」
 その疑問は当然彼に向けてで、問われた彼は気まずそうにそっぽを向いてしまうから、どうやら本当にそういう主張をしたらしい。
「ほら、こんな不思議そうな顔させてる。起きた時にお前に抱っこされてたら、びっくりして心臓とまっちゃうかもじゃん」
「でもお前がこいつ抱いたまま寝るのは嫌だ。あとどうせ俺のが早く起きるし」
「だぁかぁらぁ。うちはいつもそうしてんの。エッチした後背中向けて寝るとかしないから」
 事後のイチャイチャ大事だよねってことで、事後にさあ寝ようって背中を向けられたことがないのは事実だし、それがめちゃくちゃ嬉しいのも、嬉しいって思ってるのを知られてるのも、事実。
「されたいなら言えば良かったのに」
「いや、あなたにされたくはなかったので」
 そんなのされたら好きになっちゃうじゃないですかと言えば、どのみち好きになっただろと言いながらも苦々しい顔をする。好きになったら振られると思ってて、そういうのを全部避けてたってことはわかってるんだろう。
「そもそもしてって言われたからしてるわけじゃなくて、俺がそうしたくてしてんの。じゃなきゃ寝落ちてる子わざわざ抱っこしないでしょ。で、お前はこの子を抱っこして寝たいんじゃなくて、俺がそうするのが嫌で、俺からこの子を奪おうとしてるだけなんだよね?」
 じゃあ絶対譲れない、と言い切られてさすがに引くのかなと思ったのに。
「俺が、したいから、譲ってくれ」
 渋々って感じがありありとわかるけれど、だとしてもそんなの絶対言わないと思ってた。
「ん、わかった」
 しかもあっさり譲られてしまった。そんな嫌そうな顔しながら言っても説得力がとかなんとか言いそうな人なのに。
「えっ?」
「ごめんね、俺としては一応満足いく結果だから、今日はこいつに抱っこされて寝てあげて」
 思わず驚きの声を漏らせば、寝てる間に終わらせたかったけど起こしてごめんと再度謝られて、でも何を考えてるかは教えてくれなかった。

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今日の更新はお休みします

一旦ちょっと涼しくなった後の猛暑日にグッタリしてしまったので今日の更新は諦めます。すみません。(_ _)=3 ドテッ!

ここ暫く深夜更新になってたのは私自身じゃなくて家族が長患いしてて、集中して書ける時間が夜遅い時間からしか取れなかったからなんですけど、ようやくある程度回復できてまた日中書く時間取れそう〜夕方更新に戻せるかな〜ってところでまた自分自身がバテちゃってもどかしいです
というか今年の夏暑すぎて本当にキツイですよね

まだ暫く夏日が続くみたいなので、みなさんも体調お気をつけ下さい〜

 

 
 
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聞きたいことは色々55

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 帰る先はお兄さんが住んでる方のマンションで、今日もまたそこで解散になるのだと思っていたのに、車が停まった先は彼のマンションの駐車場だった。
「随分その気になったみたいだし、いい加減3人でしようか」
 どうしてこっちにと聞くより先にそんな言葉が告げられて、とうとう3人でするらしい。とは思ったものの、ちょっと待って聞いてない、という気持ちも大きい。
「今から???」
「そう。だって抱いて抱いてって散々ねだってたし、ここで俺が、帰ったら久々にちゃんと抱いてあげるね、とか言ったらさすがにそいつが拗ねるでしょ」
 確かに指で散々いじられながら、ちゃんと抱いて欲しいって何度も口走ったけど。というか言わされたわけだけど。久々に機嫌良く楽しそうにしてたから、そういうプレイでもまぁいいかって思っちゃったのも事実なんだけど。
「いやでも3人でって」
「問題ある?」
「あー……、その、いっぱいイッちゃった、から」
 さすがにもう勃たないかも、という不安があった。
 彼とのセックスはまたお預けなんだろうと思ってたし、繰り返すけど久々に機嫌良く楽しげだったから、促されるまま何度もイッてしまったせいだ。
 なんせ元々、一晩で自分ばっかり何度もイクようなセックスをしていた仲だ。体を繋げる前にイカされてしまうことも当然あったし、つまり慣れていると言うかこの体のイイ場所を熟知されている。
 お兄さんと二人でのセックスなら、今日はもう勃たないと言っても問題はないだろう、それならそれで楽しめるアレコレを提示してくれるだろう。そんな甘えと信頼とがあったのも事実だ。
 それこそ、久々に抱いてくれるかも的な期待もなくはなかった。まぁ、双頭ディルドとかが出てきちゃう可能性もあったけど。というかその可能性のが高かったけど。
 実はそれも既に経験済みで、やっぱり積極的に自分からしたいとまでは思わないけど、何が何でも拒否ってプレイでもなかったから。それならそれでまぁいいか、みたいな気持ちだった。
 でも3人でするとなると、勃たない状況は結構マズイのでは、と思う。
「ああ、俺を抱けそうにないって話?」
「そ、です」
「別にいいよ」
 今日は抱かれる側だけ楽しんで、と言われても、素直にそうしますとは言い難い。だってそれってつまり、お兄さんが間に挟まるって話じゃないの。彼に入れて貰うのがお兄さんになるってことじゃないの。
「3人でするのに抵抗なくなったんじゃなかったのか?」
 口を挟んできたのは隣に座る彼で、確かにここでお兄さんとだけしたいなんて言ったら、また盛大に機嫌を損ねそうだ。
「それは俺があなたに抱かれる前提の話で」
「は?」
 何を言ってるんだと言われても、3人でするときの役割の話なんだけど。
「俺が勃たなかった場合、俺を抱くのはお兄さんで、あなたはお兄さんを抱くんですよね?」
 俺を抱きながらお兄さんに抱かれる気はないですよね? と確かめてしまえば、目の前の男は呆気にとられた顔をして、運転席からは楽しげな笑い声が聞こえてくる。
「ああ、なるほどね。そういう心配してたの」
 そいつには抱かれないし抱かないよと言い切られて、じゃあどうすんの、と思ってしまう。
「俺を抱きながらそいつに抱かれるプレイを意識させすぎちゃったね。基本的には、3人でキモチイイことが出来ればそれでいいんだよ。交互に入れてあげるし、入れてない側が他のキモチイイとこいっぱい弄ってあげる」
 既にいっぱいイッた後だし二人がかりだから抱き潰しちゃうと思うけど、二人同時に責められる気持ちよさを味わわせてあげるよ。という、甘く響くお兄さんの声を聞きながら、隣の男がそのとおりだと言いたげに頷くのを見ていた。

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