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結論から言うと、訓練は間に合わなかった。
ニンゲンの勃起ペニスは結局全部は入らなかったし、指や舌でならあんなに気持ちがいいのに、ペニスだと快感よりも苦しさが勝ってしまう。
ニンゲン相手にそうなのだから、ニンゲンよりも絶対勃起サイズが大きい番相手のペニスはきっと半分以下しか入らないし、下手したら苦しいだけで済まなくて痛みだって感じる可能性もある。
だとしても、番の繁殖期に自分だけ蚊帳の外だなんて絶対に嫌で、同席させないと言われても食い下がる気満々だった。
「明日の夜には繁殖期が始まりそうだから準備を頼む」
「私も同席しますよ」
少し余裕を持たせて12日分くらいの食事やらをあの部屋に運び込んで欲しいと言われて、2人分ですかとは聞かずにそう宣言すれば、相手は一瞬黙ったあとで「わかっている」と頷いた。
もっと抵抗されるかと思っていたので拍子抜けだった。
「いいんですか?」
思わずこぼせば、あの頑張りを無駄にしたくないのは一緒だと返されて、無理をさせるつもりはないからチャレンジくらいはさせてくれと頼まれてしまった。次の繁殖期までお預けになるのはあまりに長い、とも。
ずっと、番に抱かれてみたい自分の欲求に、乗り気ではない相手を巻き込んでいるだけだと思っていたんだけど。今の言い方だと、相手も自分に発情を受け止めて貰いたがっているように聞こえてしまう。
だったらいいな、と思いながら休暇届にサインして、あとは言われたとおりに準備を済ます。
期間が長い分、自身の繁殖期より用意する量が多いけれど、繁殖期そのものは3度目なので慣れたものだ。
明日の夜には、とのことだったからニンゲンの朝食は必要かと思ったけれど、ニンゲンがいらないと言うので結局誘われるまま彼らの部屋に泊まり、目覚めてからは準備と称して早々とスリットを弄られている。なお、弄っているのはニンゲンで、そのニンゲンのお尻はヒト型になった男が解している。
ただイッたら終わる訓練とは違って、相手の発情を長期に渡って受け止めることを想定しているので、ゆるく気持ちよくはされてもイッてしまうような強い刺激は貰えない。しかも、発情直後はまず口から食べたいニンゲンの食欲を優先するから、その間は中途半端に昂った体を持て余しながら2人を眺めるしか出来なかったし、お尻を突かれ出してからはニンゲンがまたスリットを弄ってくれたけれど、いつもの半分も気持ちよくなれなかった。
お尻を突かれて気持ちよくなっている状態なのだから当然ではあるんだけど、だったら無理して弄ったりせず、勃起したペニスを入れて欲しかったんだけど。突っ込まれながら突っ込んだら怪我させそうで怖いと言われて、さすがにこの小さな体が疎ましい。
番の繁殖期に自分だけ除け者なのはきっと寂しい、というのもスリットの訓練を頑張った理由の一つだけれど、同じ空間に居るせいで余計に寂しい目にあっている気さえする。
だからか、ニンゲンが疲れて一旦眠った頃には、気持ちがだいぶ落ちていた。自分の番だ! と喜んだり張り切ったりする気力がない。
「もしかして怖くなったか?」
いまだヒト型を保った番に顔を覗き込まれたけれど、何を聞かれているのかイマイチわからなかった。
「何、怖い?」
「俺の勃起したペニスを見るのは初めてだろう?」
言われて視線を向けた場所にあるペニスは、間違いなくニンゲンのよりも大きい。太いし長いし、これをほぼほぼ全て体の中に迎え入れて、それが気持ちいいと喘いだニンゲンは本当に凄いと思う。
この大きさをこの小さな体でどこまで受け入れられるだろうと考えてしまって、また少し気持ちが沈む。入りきらないのなんて最初からわかりきっていたのに。
「怖い、ない。だいじょぶ」
「本当に?」
頷けば、ならなぜそんな顔をと問われてしまったが、一体自分はいま、どんな顔を晒しているんだろう。
「俺、顔、わからない」
「この姿だと竜人族の言葉は使えないが、聞き取ることは出来るから使って構わない」
もう少し詳しく説明をと言われて、自分が今どんな顔をしてるかわかりませんと言い直しはしたけれど、もちろん、相手が求めている答えでないことはわかっていた。
続きます
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