エイプリルフールの攻防・エンド直後1

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 軽く触れ合うキスの合間に何度も好きだと囁かれて、何度かは俺もと応じた後、やっと相手の舌が口の中に伸びてくる。早く早くと急く気持ちはあるが、好きと繰り返してくれるのが嬉しくて、今回は自分から舌を伸ばしてはいなかった。
「んっ……んっ……」
 口内を探られるゾワゾワとした擽ったいような気持ちよさに、甘えるみたいに鼻を鳴らす。気持ちがいいのを教えたいのもあるけれど、穏やかに受け入れるこのキスがめちゃくちゃ嬉しいってことが、相手に少しでも伝わればいい。
「ふ、ぁあ……」
 確かめるみたいに股間を撫でる手に口を開いてしまえば、顔を離した相手が直接触っていいかと聞いてくる。昨年はキスでこちらの言葉を封じながら、否応もなく勝手に手を突っ込んできたくせに。
 まぁ、結果派手に泣いて困らせたわけだけど。
「いい、よ。てかズボン脱ごっか?」
 お前も脱ぎなよと促しながら、寝転がったままごそごそとズボンを脱いでいく。どうせ最後は裸になるのだからと、ついでに上に着ていたシャツも脱いでしまったが、一人でさっと全裸というのも流石にためらわれて、下着だけは残していた。
 そんなこちらに相手はやっぱり少し戸惑っているようだけれど、それでも黙って脱ぎ始めたので、積極的すぎるという指摘はされないらしい。
 早くお前に抱かれたいからだって、わかってくれてるからだといいなと思う。でももし、積極的すぎて引いてるとかだったらどうしよう。
「あ、良かった。お前もちゃんと勃ってるんだな」
 ひとあし遅れて下着を残して衣類を脱ぎ捨てた相手の、股間の盛り上がりにホッと息を吐いた。
「当たり前だ」
「俺も触っていい?」
「えっ?」
「俺の触っていいから、俺にも触らせてよ」
 嫌かと聞けば、嫌ってわけではと即答されたけれど、でもその口調は随分と躊躇いが滲んでいる。
「余計なことしないで大人しく抱かれとけ、みたいな感じ?」
「違っ」
「あ、そこは否定してくれんだ。今までのお詫びで、いっぱい好きって言いながら優しく抱いてくれる。っての本当に実践してくれそうだから、余計なちょっかい出さないでお前は大人しくしとけ、とか言われるなら、それはそれで有りな気もしないこともないんだけど」
 積極的すぎて引くわ、ってなら、ちゃんとそう言って欲しい。じゃないと、早く早くと急く気持ちを抑えられない。
「お前……」
 なにか言いたげで、でもやっぱり躊躇っているのがわかるから、思ってること言っていいよと促してみる。
「あ、でも、やっぱ抱けないとかはなしで。いっぱい好きって言いながら優しく抱くのは、全力でやり切ってから帰れよ」
 何でもしてくれるって言ってたろと告げる自身の声は、固くてぎこちないものになってしまった。だって、自分ばっかりガッツイてる現状に気づいたら、なんだか不安になってしまった。
「抱けないなんて言うわけないだろ。お前が俺を好きになってくれて、抱かれたいってこんなに積極的に求めてくれてんのが、嬉しくないわけない。ただ、正直気持ちが追いついてないとこはある」
 なじられて罵倒されて最悪殴られたりで落とし前つける覚悟で来たのに、いっぱい好きって言いながら優しく抱いて、なんてので許されると思ってなかった。らしい。
「俺が積極的なの、引いてるとかではない?」
「驚きはするけど、普通に嬉しい。てか俺がいちいち驚いてんのが、もしお前を不安にさせてんなら、ほんと、ごめん」
「だって、驚いてるだけじゃないだろ。俺が積極的なの、困ってんじゃないの?」
「困る、っていうか、お前に触られたらどうなるかわかんなくて怖いっつうか、自分が何かされる方向の想像って、そういえばしたことなかったなと思って」
 触られて即イキとか情けないことになるだけならまだしも、触られて我慢きかなくなって、お前に優しくできなくなるのは困るといえば困る。なんて言われたら、さすがに笑うしかなかった。
「俺に触られて即イキするお前とか超見たい」
 情けなく項垂れても悔しそうに涙浮かべてくれてもいいよと笑ったら、その場合はお前が笑ってる余裕なんか持てないように、お前をイかせるのに全力出すに決まってるだろ。なんて真顔で返されたせいで、あっさり笑いは引っ込んだけど。
「なぁ、俺に何かされる想像したことないってことは、俺にエロいことする想像はしてたの?」
「してた」
「俺のこと、想像の中では既に抱いてる?」
「抱いてる。てかこの1年、俺のおかずは去年俺にイカされてグズグズに泣いてたお前だっつうの。泣いて嫌がるお前を無理やり感じさせて抱く想像ばっかしてたのに、こんな積極的に求めて貰えるとか、そんなの戸惑うに決まってるわ」
「そ、っか。俺もね、去年のお前おかずにしながら、お前に抱かれる準備してたよ」
「え゛っ???」
 驚きすぎ。と思ったらやっぱり少し笑ってしまった。

続きました→

 
 
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エイプリルフール禁止

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 就職先は実家から通える範囲で探したので、大学を卒業後は一旦実家へ戻っているが、元々実家住まいだった恋人は、逆に実家を出ることにしたらしい。同じように実家から通える範囲で就職先を探したと言っていた相手が、実家からそう遠くはない場所でわざわざ一人暮らしを始める目的なんて、致す場所が欲しいからに違いない。
 恋人になってからの1年は遠距離ながらも相手がそこそこの頻度でこちらのアパートに通ってくれたし、長期休暇中はほとんど一緒に住んでるような状況だったので、誰の目を気にすることもなく部屋の中でイチャつけたけれど、双方実家住まいとなるとそうはいかない。
 実家に戻ったらどうしようかな、とは思っていたけれど、まさか相手がさっさと一人暮らしを開始するとは思わなかった。相変わらず、無駄に行動力だけはある男だ。
「これ、お前の分の合鍵な」
 実家に戻った翌日の夜に呼び出されて、初めてお邪魔した彼の部屋で、真っ先に差し出されたのが銀色に光る1本の鍵だった。
「え、いきなり合鍵渡すとかある?」
 そこそこの頻度で通ってはくれたし長期休暇中は同居に近かったが、さすがにアパートの合鍵を渡したりはしなかったので、受け取ってよいのかを迷ってしまう。
 すると、こちらの躊躇いを感じ取った相手に手を取られて、開かされた手のひらの上に鍵を落とされた。しかもそれを握り込ませるようにして、相手の両手で自身の拳が包まれる。
「お前のが早く帰れる日もあるはずだから持ってて」
「早く帰れる日?」
「週末だけじゃなくて、平日も、気が向いたら会いに来てくれたら、嬉しいなって」
 さすがにルームシェアを持ちかけるのは早すぎるかと思ったけど、やっぱりできれば一緒に住みたいし、お前がいる家にただいまって帰ってくるのとかめちゃくちゃ憧れる。なんて言われて嬉しくないわけがない。
 就職先は実家から通える範囲で探してると伝えたとき、ホッとした様子で、じゃあ俺もそうすると言われたし、その時に、お前がこっちで就職先探すなら俺もこっちで探そうと思ってたと言われたから、卒業後にルームシェアという可能性も一応は考えていたのだ。
 でもそんな話は一切ないまま、事後報告で一人暮らしを始めたことを聞いたので、これはヤるための部屋の確保だなと思い込んでいたけれど。でも相手も一緒に暮らすことを考えてくれていたらしい。
「わかった。じゃあ、預かっとく」
「預かるだけじゃなくて使って欲しいんだけど」
「わかったわかった。ちゃんと、使うよ」
「あと確認しておきたいんだけど、入社式って4月1日?」
「そうだけど」
「何時に家出る予定?」
 なんでそんなのを気にするんだ。と思ったところで気づいてしまった。
「待て。まさか早朝から俺の出社待ちする気じゃないだろうな」
「いやぁだって、なぁ」
「なぁ、じゃない」
「お前待ってたら俺が遅刻しそう、とかならさすがに諦めるけど」
「エイプリルフールに会うのは禁止で」
「え?」
「そもそも俺に、これ以上どんな嘘仕掛けたいわけ?」
 好きって言われても今更嘘とは思わないけど、嘘と思って辛かったことを思い出すし、嘘でも嫌いとか言われたらそれはそれで辛い。そう訴えれば、相手はとたんに申し訳無さそうな顔になる。
「あー……そこまで深く考えてなかった。わるい。ずっと続けてたイベントだし、しつこくお前に会いに通ったおかげで今があるわけだから、と思ったら、今年もなにかやらないとって思っただけというか」
「じゃあ尚更、4月1日には会いたくないし、来て欲しくないな」
「なら2日は?」
「え、2日の朝に俺の出社待ちすんの?」
「お前が嫌じゃなければ、朝一でお前に好きって言いに行く」
 4月1日ならこいつが家の前で好きだとか言ってても、未だにやってるの? と笑われるだけかもしれないけれど。
 エイプリルフールでもない平日の朝、社会人になった男が家に押しかけてきて好きだと告げられる。というシチュエーションを想像して、それもちょっとないなぁと思ってしまう。嫌ではないけど、親とかご近所にどう思われるかまで考えると、色々と面倒くさい。
 さすがにまだ、毎年エイプリルフールに好きだと言いに来ていた男とガチで恋人になった、なんて話を親には出来ていない。
「なら朝一で好きってメセ送ってよ。夜は俺が会いに来るから」
「え?」
 これ使っていいんだろ、と言いながら手の中の鍵を見せれば、相手はその案に満足したらしく、嬉しそうに笑ってみせた。

 
 
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一回り以上年下の従兄弟を恋人にしてみた(目次)

二十歳になった従兄弟を連れて酒を飲みに行くことになったの続きです。
引き続きキャラの名前なし&視点変更なし。全16話。

「再度撮影兼ねて遊びに行き、可愛い年下の恋人を態度でも金銭面でも甘やかす攻めと、こんな優しい人が自分なんかとずっと付き合ってくれるはずないと思ってギクシャクする受け。そんな受けに甘えていいと説明してくれる攻め。恋が続くうちに一生懸命イチャイチャしようとする二人」というリクエストを頂いて書いた、本編から3週間後の初デート話です。
洗腸の手伝いは今回もしてますが描写はほぼなく、代わりに風呂場でのアニリングス描写がそこそこあります。

下記タイトルは内容に合わせたものを適当に付けてあります。
性的描写が多目な話のタイトル横に(R-18)と記載してあります。

1話 あれから3週間
2話 久しぶり
3話 酒の力を借りて
4話 早々とチェックイン
5話 昼寝を終えて
6話 セックス抜きでも会いたい
7話 昼寝後にやりたかったこと
8話 そろそろ準備へ
9話 欲しいご褒美
10話 お礼のアニリングス(R-18)
11話 やっとキス(R-18)
12話 今更の緊張(R-18)
13話 前回とは違うこと(R-18)
14話 繋がる(R-18)
15話 余裕のない急ぎ足(R-18)
16話 ベッドでゴロゴロ

 
 
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一回り以上年下の従兄弟を恋人にしてみた16(終)

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 今日は深夜に開始した上に翌日仕事だった前回と違ってあれこれ余裕があるので、余韻を堪能して繋がりを解いた後も、即シャワーを浴びには行かずに、ベッドの上でゴロゴロイチャイチャしていた。
 そんな中、相手のお腹が派手に鳴ったのは、ちょっとお腹が減りましたと自己申告されたほぼ直後で、相手は少し恥ずかしそうにお腹を押さえている。
「ははっ、凄い音でたなぁ。無事に2回目セックス気持ちよく終えたら、安心して食欲戻った?」
「うっ……まぁ、多分、そうです」
「じゃあ、今から夕飯食べに出ようか」
 疲れ切ってる感じじゃないから今日はまだ動けるだろ? と問いながら確認した時刻はまだ20時をまわったくらいだった。
「行きます! 行きたいです。てか撮影の続きとか、します?」
「んー、それはまた今度でいいかな」
 何軒も回る都合で基本軽めのツマミと酒、という選択になりがちだし、しっかり夕飯を食べるには不向きな店も多い。安心したみたいだし、気分良くふわふわと酔っ払ってくれるってなら、もうちょっと飲ませてみたい気持ちはあるが。
 でもまぁがっつり夕飯が食べれそうな店にだって、大概アルコールメニューがあるものだ。今日はもう飲むの禁止、とでも言わない限り、こちらに合わせて一緒に酒を飲むだろう。
「お、俺のせいで、すみません」
「え、何が?」
「俺がてんぱって酔っ払ったせいで、今日の撮影中断になっちゃったから」
「それ、そんな気になるの?」
 何度否定しても繰り返すってことは、よほど気に掛かっているらしい。まぁこっちだって何度も繰り返し否定するだけなんだけど。
「え?」
「今日のはデートだし、お前が撮影同行でって言うからそうなっただけで、元々別にどこでも良かったっつうか、クズいこと言うならヤることヤれて俺的には今日のデートは既に充分成功してるんだけど。ってかその点、お前も割と同じじゃないの?」
 ヤりたい気持ちは自分のが強い、みたいに言ってたくらいだし。とからかうつもりで言ってやれば、再度すみませんとしょぼくれた声で謝られてしまった。可愛く照れてくれるかなと思っただけで、別に謝らせたくて言ったわけじゃなかったので少々焦る。というか、何を謝られているのかよくわからない。
「お前が謝るようなこと、なんもないはずなんだけどなぁ。てか自分ががっつり経験してきたことなのに、若者が持て余す性欲に気づいてあげれなくてごめんな。って、むしろ申し訳なく思ってるのは俺の方なんだけど」
 枯れてはいないが昔ほど性欲に振り回されていないのは事実だし、自分的にはそれがプラスに働いていると感じることが多いけれど、がっつかれるのを喜ぶ若い恋人には物足りなさもあるかもしれない。
「てわけで、一応まだヤル気はしっかり残ってるから安心してくれ」
「へ?」
「とりあえず一旦お腹満たしに行くけど、戻ってきたらまたヤルぞ。って言ってんだけど」
「えっ? ええ!?」
「いやお前、なんでそんな驚いてんの」
 まだ20時で明日は仕事も休みだって言うのに。
 さすがにこちらがイクのはあと1回くらいかなと思いはするが、相手のことはもう2回くらい搾り取ってやれないかと思ってたりもする。もちろん、もっとイケそうならそれ以上だっていい。
「だ、だって、今日のデートはもう充分成功してる、って」
「それ、動画撮影中断なんて気にするようなことじゃない、って部分がメインだぞ。まぁ既に充分成功してるから、何が何でもまだヤルぞ、とまでは思ってないし、お前の体の負担次第なとこもあるけど。てか体、2回目突っ込むのは無理かもな感じ?」
「え、いや……多分無理ではない、ですけど、えぇ……」
 なぜそんなに動揺しているのかわからなすぎる。
「突っ込まれるのしんどければまた手とか口とかで気持ちよくなってくれればいいから、無理なら無理って言っていいんだぞ?」
「あの、無理とかじゃなくて。だって今日、お互いにもう2回もイッてます、よね?」
 まだするんですか、みたいな驚きらしくて、逆になにかが腑に落ちる。
「あー……ちなみに、お前の一度のオナニー回数、最高で何回?」
「えっ? 一度の回数? ですか? えっ、一度の?」
「なるほど。一回出せばだいたい満足して終わりなタイプか」
 ちなみに、ヤりたい盛りだった頃は一度のオナニーで2・3回抜くのは当たり前だったし、1度のホテルインで最高7回射精した過去もある。なんて言ったらドン引きだろうか。
 いやもうホント、ある程度性欲が落ち着いてからのお付き合いで本当に良かった。夕飯食べた後にもう1回、に驚く相手では、過去の自分なんてすぐに「無理です」と言われてしまいそうだ。
 そしてもう一つ、なるほど、と思ったことがある。ヤりたいばかりのクズで振られる、に全く実感がなさそうなのも、きっと彼自身の性欲基準なせいだろう。
 こちらの性欲解消という意味では別にここで終わったって構わないというか、ヤり足りない不満が残っているわけでもなし、求めすぎて振られる展開は避けたい。ただ、求めまくったらどこまで喜んで応じるんだろうとか、一回のデートで何回くらい相手を射精させられるだろうとか、ゲスい欲求がチラリと頭のすみを掠めていく。
「あ、あの、嫌とかではないんで! あなたが、し、したいだけ、して下さい!」
 こちらが考え込んだ理由の一部に気付いたらしい相手の意気込みに、思わず笑いがこみ上げる。
「う、嬉しいですし、あ、あの、信じてます、から」
 だって俺が本気で嫌がるような酷いことはしないでしょう? と続いた声は、本気でそう信じている声だと思った。
 相変わらずの盲目的発言だと思う気持ちもあるが、わかってるなぁと思う気持ちもある。確かに、本気で嫌がられてもなお、自分の欲を優先することはしないだろう。
 そんな信頼に、むず痒いようなくすぐったさを感じなくもないが、同時に、嬉しいとも思うし、裏切りたくないなとも思う。
 だからきっと、大丈夫。
「確かにそうだな。じゃあ、戻ってきたらもっかいヤルのは決定で」
 でもまずはシャワーと夕飯だなと言って、二人一緒にベッドを降りた。

<終>

リクエストは「再度撮影兼ねて遊びに行き、可愛い年下の恋人を態度でも金銭面でも甘やかす攻めと、こんな優しい人が自分なんかとずっと付き合ってくれるはずないと思ってギクシャクする受け。そんな受けに甘えていいと説明してくれる攻め。恋が続くうちに一生懸命イチャイチャしようとする二人」でした。
まさか3週間放置してるとは思ってなくて、書いてびっくりな出だしになりましたが、彼らのその後を楽しく書かせてもらいました。リクエストありがとうございました〜

1ヶ月ほどお休みして、残りのリクエストを4月1日(月)から更新再開予定です。
次に書くのは「エイプリルフールの攻防」のエンド直後初エッチなんですが、思いっきりエイプリルフールなので、先に翌年のエイプリルフール小ネタかなと思います。
残りのリクエスト詳細はこちら→

 
 
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一回り以上年下の従兄弟を恋人にしてみた15

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 抱きつかせておく必要がなくなったので、しっかりと身を起こして、自分が気持ちよくなるために腰を振る。
「ぁっ、ひっ、あぅっ、ぅっ、ひぅっ」
 突かれるのに合わせて漏れる声も、涙を滲ませ歪んだ顔も、ペニスの根本や先端をぎゅっと握っている2つの拳も。強い快楽を拾っていて、イッてしまわないように耐えているせいだと知らなければ、とても興奮できるような姿態ではないけれど。知っているから、そんな姿に煽られまくってしまう。
「悪ぃ。もちょっと、だけ、我慢してくれ。すぐイク、から」
「は、ぁあっっ」
 こちらの意図は伝わっているようで、はいと言い切れなかった相手が、必死に何度も頷いている。
「いい子だ。一緒に、イこうな」
 また何度か頷いた相手が、こちらを見つめてへにょっと笑う。
「うれ、ひっ、ぃ、あぅっ」
 嬉しいって何が、と一瞬考える。いい子だと褒めたことか、一緒にイこうとしていることか。でもそれらはこの状況で、わざわざ声に出して伝えてくるほどのことなのか。
 そう思ったことが伝わったのかはわからないが、へにょりと笑った口元から、ふへっと気の抜けるような笑いまでこぼれくる。
「が、ぁあっ、ぁん、っつかれて、ぅふっ、の、がぁ」
 もう一度、嬉しいです、と繰り返されて、そういや昼寝の後にそんなことを言ったなと思い出す。がっつかれたいかと聞いたら、きっとホッとしたり嬉しかったりはすると、答えていた。
「はは、そりゃ良かった」
 たまらなく、愛しい。そんな気持ちを溢れさせながら、相手の前立腺を狙って腰を振る。
「はうぅっ、ぁ、ああっ、そこぉ」
「きもちぃとこ、当たってる?」
「あ、ぁあっ、あたっ、あぁ、だ」
「ダメじゃない。いいよ。そろそろその手、放そうか」
 その口からダメだイヤだと溢れる前に、こちらから否定して終わりを促した。
「い、いく、の?」
「イクよ。このままイイトコいっぱい当ててあげるから、俺のちんこぎゅうぎゅうに締め付けながら、イッて?」
 一緒にイクよと繰り返せば、股間を押さえていた手が外れてこちらへ向かって伸びてくる。
 請われるまま前傾して抱きつかせながらも、変わってしまう角度を調整しつつ腰を振り続ければ、相手はすぐにも昇りつめそうだ。
「ぁ、ぁっ、ああっ、い、ぃいっ、い、っちゃ」
「好きだよ」
「ふぇ? ぇっ?」
「お前が好きだ」
「ぁ……あぁ、おれ、おれも、すき、です」
「うん。俺も好き」
「あっ、いく、いっちゃ、すき、すきっ」
「ほんと可愛いな、好きだよ」
「も、でちゃ、あぁ、すぅんんんっ」
 最後の好きを奪うように口づけて、絶頂に蠢き搾り取らんとする相手の動きに、こちらもそのまま身を委ねた。

続きました→

 
 
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一回り以上年下の従兄弟を恋人にしてみた14

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 イカせてしまわないように気をつけつつ、どうにか前回と同じくらいに広げ終えれば、相手は既に相当疲れたような様子でくたりとベッドに体を投げ出している。原因は、前回よりも確実に、中を弄られることで感じていたせいだ。
 前回だって後半はペニスも同時に弄ってやったし、イカせないようにしつつ広げるのは一緒だったけれど、でも今回は口を使ってフェラしているし、同時に中のイイ場所を捏ねて擦ることもしていた。急いで解す、とは言ったが、感じさせないとは言ってない。
 だって前立腺を弄られることを期待するような仕草を見せていたのだから、同時に弄られて気持ちよくなるのが怖い、と言われた前回とは違う。
 前回同様こちらのゴムを着けてくれようとしたのか、起き上がってこようとする相手を少し休憩しとけと制して、自身と相手にゴムを手早く装着した。
「ぁ……」
 両足を抱えあげるようにして身を進めれば、相手が少し慌てたように腿を抱えて姿勢を正す。
「そのまま楽にしてて良かったのに」
「でも」
「手の置き場所に困っちゃう?」
「まぁ、はい」
「じゃあ」
 言いながら前傾すれば何を促されたかわかったようで、腿から外れた手が伸ばされ肩を掴む。引き寄せるような力に従って更に身を寄せ、ちゅっと軽くその唇を吸った。
「キスしながらちんこ入れようか。それとも、気が散るからやめとく?」
「して、欲しい、です」
「わかった」
 可能ならお尻広げる意識はしておいて、と言いながら、ペニスの先端を穴に押し当てれば、相手の意識がそちらへ向くのがわかる。
「入るよ」
 囁いて、反射的に「はい」と返すために開かれただろう口の合間に、舌を伸ばすようなキスを仕掛けていった。
「は、ぃんっ……んっ、んぅ……」
 相手が飲み込んでくれるのをじっくりと観察していた前回と違い、押し付ける力に従ってぬぷっと亀頭が沈んでいく。相手の舌が震えて、少し苦しそうな、けれど気持ちよさそうでもある甘い息が、喉の奥から鼻へと抜けていった。
「辛いか?」
「だいじょぶ、です」
 一旦口を離して問えば、もう入ったんですねと、どこかうっとりと返ってくる。
「まだ先っぽだけな」
「でも、嬉しい、です」
「嬉しい?」
「この前はなんか色々いっぱいいっぱいで必死だったし、初めてで凄い気ぃ使ってくれてたのもわかるから、今日は思ったよりすんなり入ったし、良かった、って、思って」
「そうか」
「それに……」
「それに?」
 言うのを躊躇って一度口を閉じてしまったその先を問えば、更に少し迷う様子を見せた後で、お尻がもう気持ちぃんです、と照れ笑いながら教えてくれた。
「ぁあっっ」
「そんなこと言われたら、そりゃ興奮するっての」
 わざと? と聞けば、違いますと否定されて、そうだろうなとは思う。思うけれど、前回よりもスムーズに亀頭を飲み込み、更にそれが気持ちいいのが、本気で嬉しいのだと思うほどに興奮が増してしまう。
「お前が可愛すぎてたまんないよ。も、もっと奥まで、入っていいよな?」
「はい」
「はぁ、も、ほんと、可愛い」
 可愛いに反応してお尻がきゅっと締まるんだよな、というのを思い出してしまって繰り返す。
「ぁっ、ああっ、やっ、ああっ、ゃぁ、んんんっっ」
 可愛い可愛いと何度か繰り返しながら、ヌプヌプと軽く前後させつつ少しずつ奥へと押し込んでいけば、肩を掴んだままだった手が途中で外れて股間へ向かう。
 一瞬、挿入が辛くて気を紛らわせるために自分でペニスを弄るのかと思ったが、どう考えても気持ち良さげな声を上げているからそれは違う。むしろ気持ち良すぎて扱かずにはいられないってことかと思い直すが、でもどうやらそれも違ったようだ。
「もしかして、出ちゃわないように、押さえてんの?」
「だ、だってぇ」
 イッたらスッキリしちゃって続けるのしんどくなるかもだし、できれば一緒にイきたい。らしい。
 つまり押さえてなきゃそのままイッちゃいそうなくらいに気持ちいいってことか。と相手の言葉を理解すると同時に、また少し馴染むのを待って、なんて思っていた余裕は吹っ飛んだ。

続きました→

 
 
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