親父のものだと思ってた18

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「それ、言質取ったって思っていいんだよね?」
「ん、いいよ」
 確認すれば、はっきりと肯定が返ってきた。
「つまり、俺に抱かれる覚悟ができたから、俺に触られるのもオッケーになったってこと?」
「そう、なのかな?」
「え、そこ疑問形?」
「正直、抱かれる覚悟が出来たかって言うと、まだそこまではっきり覚悟できてるわけじゃないんだよね」
「ええ……」
「ただ、お前が主張しまくるから、いつか先に進んだ時に、とりあえずお前が抱く側でチャレンジするのは受け入れよう、って気にはなってる。あとまぁ、俺が怯んだり躊躇ったりでなかなかちゃんとお前に抱かれることが出来なかったとしても、お前が諦めて自分が抱かれる側になるって言い出すより先に、俺が慣れて抱かれてやることが出来るんじゃないか、とも思ってる」
「マジか。めっちゃ嬉しいんだけど」
 素直に喜んだのに、相手は、そんな喜ばれると申し訳ないんだけど、なんて続けるから意味がわからない。
「いやだって、いつか、がどれくらい先になるかわかんないぞ」
「なんだ、そんなこと」
「そんなこと、か?」
「そんなこと、だよ。長期戦なのはとっくに覚悟できてるもん」
 不安だったのは、年の功やら器用さやらを駆使されて自分が抱かれる側になってしまうことだけで、恋愛未経験の童貞だという相手のペースに合わせてジリジリとしか進展しないのは、そこまで不安も不満もなかった。
 多分、相手を父親の恋人だと思いながら暮らしていた期間が長かったからだろう。
 だってこんな未来、あの頃は欠片も想像ができなかった。
 彼の手料理を食べることと、彼が家事の多くを担ってくれていることはあの頃と同じだけど、でも今は彼は自宅に帰ってしまうことがない。好きって気持ちを誤魔化したり抑え込んだりする必要が一切なくて、両想いってわかってて、恋人で。キスもハグも生活に溶け込むレベルで繰り返されている上に、恋人としての触れ合いに相手はかなり積極的だ。
 彼がニートじゃなければ、そもそも彼が家政夫として実家に通ってはくれなかったのだから、不謹慎ながらも彼の過去に感謝すらしているのに。その過去を抱えたせいで、体を繋げるセックスまでの道のりが遠いくらい、全然構わなかった。
「いくらだって待てる」
 言い切ってやれば、フフッと小さな笑いが腕の中からこぼれ落ちる。
「お前と居ると、ほんと、安心する」
「そ、なの?」
「そうだよ。だから、さ」
 耳元で囁くように、早くお前に触られたいよ、なんて言われてしまえばひとたまりもなかった。
 相手の体を抱えたまま片手をすべらせ、まずは服の上から股間をやわやわと揉んでみる。まだほとんど硬さがないそれを弄りながら、キスを求めて体を離した相手と唇を触れさせた。
 少しの間キスに集中して相手を煽れば、手の中のものが硬さを増していく。
「そろそろ、直接触るけど」
「ん、だいじょぶ」
 その言葉を受けて、以前と同じ様に、お腹から下着の中めがけて手を滑り込ませた。といってもいきなりペニスを掴んだりはせず、やはり下生えに触れた辺りで一度手を止める。
 腕の中の体は緊張からか強張っていたけれど、以前のように、何かを耐えて怯えるような様子ではない。
「ふっ……」
 小さく息を吐いて、ゆっくりと力を抜いていく。
「怖くない?」
「くない、から」
 触って、と再度囁くように告げられて、とうとう相手のペニスを握った。

続きます

 
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親父のものだと思ってた17

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「8割もだったか?」
「そっちの認識とは違った? でも正確な割合はともかく、日本の男に包茎が多いって話は、間違いなくいっぱいあったよ」
「それは、まぁ……」
「俺も一緒ってわかったら、少しは安心する?」
「そ、だな」
 口ではそう言うものの、やはり浮かない顔をしている。
「どんな状況で見られてトラウマになったのか知らないけど、大きくても小さくても、ズルムケでも被ってても、俺はそんなの気にならないよ。俺が一番気になってるのは、俺の手で気持ちよくなってくれるかどうか、って方だし」
 トラウマ絡みで見られるのが怖いと言った相手を、少しでも安心させたくて言葉を重ねた。感じてくれるかが大事、という部分で少し笑ってくれた相手は、そうか、と言って頷いている。
 その姿に、良かったと思う気持ちの中で、もう少し話を聞いてみたい気持ちが揺れた。
 ニートの原因については未だ詳しく聞いていない。時期が高校時代だったことは知っているが、どんな風に人間関係がこじれたのかは知らない。でもさっき、人にペニスを見られたことが原因の一つになっていると言っていた。
 どんな状況で見られたのか、相手とはどんな関係なのか。原因の一つということは別の原因もあるはずで、この件はどれくらいの比重を占めているのか。
 気になることは色々あって、相手の様子を探ってしまう。
 思いの外サラッと教えられてしまったが、彼の過去に関しては今までも、何気ない会話の中でサラリと告げられることが多かった。だから余計に、それ以上を聞いていいのか迷うと言うか、もしかしたら、それ以上を聞く隙がない状況を選んで告げられているのかも知れない。
 今回だって、せっかく触ってもいいよと言ってくれているこの状況で、蒸し返してまで余計なことは聞かないほうがいいと思う気持ちは強い。それでも、さっき聞いたトラウマ話は、気持ちが落ち着けば落ち着くほどに、やっぱりちょっと聞き捨てならないと思ってしまうのだ。
 だって恋愛未経験の童貞だって言ってたのに。それってようするに、好きでも恋人でもない相手と、ペニスを見られるような何かがあったって事じゃないのか。
「あ、のさ」
 とうとう口を開いてしまった。
「どうした?」
「さっきのトラウマの話、なんだけど」
 話を振って相手の様子を確かめる。これで相手が身構えたら、こちらが引こうと思っていた。
「気になる?」
「そりゃあ」
 平然と聞かれて、どうやら引く必要はないらしい。
「てか、どこまで聞いていいのかわかんないから、言えないことは無理って言ってくれていいんだけど、聞いても、いい?」
「いいよ。多分、お前になら話せること、増えてると思うし」
「そうなの?」
「そうだよ」
 隣りに座ってこちらに体を向けていた相手が、ゆるっと抱きついてくるのを抱きとめる。ハグやキスの頻度は多いので、別に慌てるようなことはないが、でも、ただ抱きつかれているだけだと色々迷う。
 相手の言葉を待ったほうがいいのか、それとも、この体勢でトラウマ話に踏み込めってことなのか。ついでに言えば、なんで話せることが増えたのかだって、かなり気になっている。
 このまま相手が何も言わずに居るなら、やっぱり最初は、トラウマ話から聞いていった方がいいだろうか。と思った矢先に、顔の横で相手が語りだした。
「お前が俺を大好きで、信頼してくれてて、俺が色々抱えてるっぽいのをわかってて、でも急かさず待っててくれるから、だよ」
「え?」
「お前になら、見られても触られても平気かもって思えたのも、お前になら、何があったか話しておいた方がいいかもって思ったのも、お前になら、俺が抱かれる側でもいいかなって思えるのも、」
「ちょっと!」
 思わず相手の言葉を遮ってしまったが、相手の言葉のどこに反応したのか、相手もわかっているんだろう。
 腕の中の体が楽しそうに小さく揺れている。

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親父のものだと思ってた16

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 扱いやすく素直な子供を心がけていたって、抱きついたりのベタベタした甘え方をしてなくたって、父親よりもずっと身近に居続けてくれた彼に、甘えてこなかったわけじゃない。彼に甘える方法を自分は知っているし、それは同様に、彼だってこちらを甘やかす方法を知っているってことだ。
 好きな人が甘やかしてくれるってのは多分そう悪い状況じゃないんだけど、でも、いつまでたっても子供だな、なんて思われ続けていたらと思うと気が気じゃない。
 相手が体を任せてもいいと思ってもらえるくらい、頼れる男にならないと。きっといつまで経ってもその体に触れさせて貰えない。
 そんなことを考えて唇をかみしめて居たら、本当に悪いと思っていると、聞こえてきた。俯いていた顔を上げて相手を見れば、わかってるからと言いたげに一度頷かれてしまう。
「俺が提案しようとしたのは、そろそろ、お前に触られても平気かもしれない、って話だったんだ」
「えっ……?」
「自分の体に自信がないって部分はそんな変わってないんだけど、ただまぁ、お前を気持ちよくさせるのにはちょっと自信がついてきたから、お前が俺の体見て萎えてもリカバリー出来そうかな、みたいな?」
「萎えないよ!?」
「まぁ、その言葉も、信じてはいるよ」
 じゃあなんで、と問う前に、トラウマなんだよと言われてしまって口を開けなくなった。
「人にちんちん見られるの、学校行けなくなった原因の一つになってるくらいのトラウマでさ。自信がないっていうか、正直お前が相手でもずっと怖くて」
「は? え? そんなサラッと。てか、え、大丈夫なの?」
 突然の告白に慌ててしまう。そんなのを聞いてしまったら、触っていいよと言われても手が出しにくい。あ、いや、これは性器を見られたくないって話で、触ってもいいけど服は脱がすなってことか?
「大丈夫、だと思ったから言ってる。あと、脱ぐ気もちゃんとあるよ」
「まじ、で。え、ほんと、大丈夫? まじに?」
「ただ自信ないのホントだから、変でも笑わないで」
「変? 形が? って、あっ……」
 包茎ってことか、と察しはしたが、包茎なのかは聞けなかった。
「一応ね、ちゃんと勃起すればそれなりの大きさにはなるんだよ。お前と比べても、そこまで小さいってことはない、と、思う」
「あ、大きさの方?」
 比べてあからさまに小さいってことはないなら、そこまで不安に思わなくてもいいのではと思ったが、相手はゆるく首を振って否定する。
「絶対手術が必要とかではなさそうだし、セックスも出来るっぽいのは調べたんだけど。でも早漏になりがちとか、ちゃんと洗ってるけど衛生面とか気になるかもだし」
「待って待って待って。え、ただの仮性包茎を気にしてるって話? 剥けて洗えるなら何の問題もないだろ? ってか俺だって萎えてるときは皮被ってるよ??」
「えっ?」
「え、まさか知らなかった?」
「だって皮余ったりしてなくない?」
「あ、勃起しても皮余る感じ? いやでも、剥けてるなら問題ないでしょ。てか検索したら日本人の8割包茎とか、普通に出てくるだろ」
 成長過程で、包茎が気になった時期は確かに自分にもあった。でも仮性包茎は何ら問題ない、という認識に落ち着いたし、それを恥じたこともない。
 まぁ、過去に付き合った彼女が、そのへんを一切気にしなかったからというのもあるかも知れないが。もし初めての時に仮性包茎をけなされていたら、自分だって多少はトラウマになった可能性はある。

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親父のものだと思ってた15

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 一度してしまえば抵抗感は相当薄くなったのか、あれ以降、週末の夜には手で抜いてくれるようになった。未だ相手の性器には触れさせてもらえてないし、見ることすら出来てないので、自分ばかりが相手に気持ちよくされている。
 はっきりと、可能な限りこちらが抱く側でと宣言済みだからか、お尻を狙われている様子はないので、ついつい安心して身を任せてしまうのだけれど、結構弄り回され観察されている上にあれこれ試されている気配もあるので、いいのかこれでと焦る気持ちはあった。
 相手はなかなかに研究熱心で、見ても触っても平気とわかったら好奇心も旺盛だ。
 初回の射精時に相手が何を言ったか聞き逃したけれど、聞いたらあっさりと、精液が吐き出されてくる所が見たかったのだと教えてくれたし、わざわざ見せる羽目にもなった。勃起したペニスの先端を凝視されながらイクのは、相手が時々漏らす実況がやたらと恥ずかしくて、でも、相手の視線にも声にも煽られまくってめちゃくちゃ興奮した。
 どうにも、こちらの体ばかりが暴かれ、しかもなんだかんだと開発されている。気がする。
 相手の手で気持ちよくなれるのはそりゃ嬉しいけれど、それをやりたいのは自分の方なのにと、歯噛みするような気持ちになってしまう。恋愛未経験の童貞と知っている相手のまっさらな体を、弄り回して性感帯を探りたいし、この手で快感を教え込んでやりたいのに。
 決して、快感を教え込まれたい側ではない。それとやっぱり、相手が着々とテクニックを磨いているような気がして怖い。
「ねぇ、今は俺が気持ちよく喘がされてるの受け入れてるけど、俺が抱く側だって主張、わすれないでよ?」
 何度繰り返した言葉だろう。
 せめて相手が忘れないように、今もその気だとわかって貰うために、折に触れて繰り返していた。口に出して言うことで、流されてなるものかと自分自身を鼓舞する意味もあるかもしれない。
「それなんだけど、」
「えっ、ちょ、待って!」
 いつもなら、「わかってる」もしくは「忘れてない」といった言葉が返るのに、想定外の言葉が返ってきたので、思わず遮ってしまった。抱かれてやる、といった言質は未だに取れていないが、こちらの主張を忘れるな、という言い方をして、肯定が返らなかったことはない。
「どうした?」
「どうしたもこうしたも、俺、絶対抱く側やるからね」
 再度強めに主張すれば、相手は意味がわからないと言いたげな顔をして、知ってると言った。
「知ってるのと、実際に抱かれてくれるかは別じゃん。現状俺ばっかり気持ちよくなってて、何もさせて貰えてないんだよ? いつもみたいに、わかってる、とか、忘れてない、って返ってこなかったら、そりゃ警戒するでしょ」
「あー……なるほど。それは、ゴメン、ね?」
「悪いと思ってない。てか笑わないでよ」
 こちらの態度に納得が行ったらしいのは結構だが、クスッと笑われてしまうとそれはそれでちょっと気持ちがへこむ。だって絶対、子供扱いされた。
 少しばかり冷静になって考えると、相手の話も聞かずに警戒心から自分の主張だけ押し付けるやり方が、確かにガキ臭い甘えに思えてくる。
「うぅっ……」
 悔しさに思わず唸ってしまう。
 相手の手で抜いて貰うようになる前は、こちらからも積極的に相手の体を弄りに行っていたけれど、こちらは相手の手でイカせて貰うのに相手はイケないまま終わることを考えると、あまり興奮させてしまうと辛いのではと思って、相手の体を刺激するのは控えるようになっている。
 絶対抱く側と主張しながらも、相手任せに気持ちよくして貰うばかりになって、せっかく恋人として対等になりつつあった関係が、逆戻りしてしまったかも知れない。

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親父のものだと思ってた14

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「ううっ、あ、きもちぃ、きもちぃ、から、も、イキ、たい」
「どうすればいい?」
「もっと、激しく、ぁ、ああっ、ま、まって」
 言った途端に握る力が強まって、動きが加速する気配を見せる。注文通りではあるけれど、とっさに手に力を込めて、相手の手の動きを止めてしまった。
「違った?」
「違くない。違くないけど、一旦待って」
 手の力を抜いても、相手は要望通りに動きを止めていてくれる。だから一度大きく息を吐きだして、少しばかり気持ちを落ち着けたあと、脱いでもいいかと問いかけた。
「脱ぐ?」
「そ、動きが制限されてて窮屈なんだよ。ただ、直接見るのも抵抗ありそうって、思って」
「あー……うん、わかった」
 迷う様子を見せたから、間違いなく抵抗はあるんだろう。でもわかったと言って、今回もチャレンジはしてくれるみたいだから、その言葉に甘えることにした。
 まぁ、どうしても無理なら視線なんて外しておけばいいのだから、直接触ることよりはハードルも低いに違いない。多分。
 一度手を抜いてもらって、素早く寝間着代わりのズボンと下着とをまとめて脱ぎ捨て、再度ソファに腰をおろした。
「上は?」
「俺だけマッパなのはさすがに躊躇うでしょ。てか全裸でオナニーする習慣はないし、下だけ脱げば問題なし。てわけで、続き、お願いしたんだけど……」
 大丈夫そう? と聞いてしまったのは、相手の視線がけっこうしっかりと股間に注がれているせいだ。これでやっぱ無理なんて言われでもしたら、困るどころの話じゃないし、だったらわかったなんて言うなよと、相手を責めてしまいそうなんだけど。
 けれどその心配は不要だったらしい。
「ん、大丈夫。思ったより、平気だった」
 じゃあ触るなと言って伸びてきた手が、再度、ゆるりとペニスを包み込んで、確かめるように何度かゆるゆると扱いてくる。
「はぁ……」
 安堵と快感とが混ざる吐息を漏らせば、しっかりと握り込んで、扱くスピードが上がっていく。
「気持ちぃ? 今度はイケそう?」
「ん、んっ、いい」
 答えて、頬に刺さる視線に誘われて横に座る相手を振り向けば、相手の真剣な顔がこちらの様子を探っていた。フッと笑って、その頭に手を伸ばす。
 キスしていいかなど、今更聞く必要がないだろう。ただ、唇を割って舌を滑り込ませたあたりで、相手がキスの方に集中しだすのがわかって一瞬迷う。
 キスはこちらに任せて手を動かす方に集中してくれと言うべきか、いっそキスを相手に任せて、さっきみたいに自分の手を相手の手に添えて一緒に扱くか。
 相手に任せて相手の手で果ててみたい、という欲求はもちろんあるが、でももう今日は散々焦らされてきた。もう、いい加減イッてしまっていいだろう。てか早くイキたい。吐き出したい。
 股間に手をのばして相手の手ごとペニスを掴めば、さすがに相手もキスに集中しすぎたことに気づいたらしい。
「キス、続けててよ」
 キスが途切れた合間に囁やけば、すぐにまた唇が触れ合ったけれど、でも、今度は勝手に使われているに等しい手の方が気になっているらしい。ちゅっちゅと軽いキスが何度も繰り返されるものの、口の中の良いところを弄るような深いキスはしてくれない。しかも。
「ね、きもちぃ?」
「んっ、ぁ、ぃい、きもちぃ」
 聞かれたら答えないわけにはいかないし、気持ちがいいという訴えに相手が嬉しげに笑う気配には、こちらまで嬉しくなってしまうけど。繰り返されるとなんだか言わされているみたいで、だんだんと恥ずかしさが勝ってくる。
 けれど、恥ずかしいから何度も聞かないでくれ、などと訴えるような余裕はなかった。ずっと燻っていた熱をやっと吐き出せる。
「んんっっ」
「ぁ……」
 最後の最後で、近くにティッシュを用意していないことに気づいて若干慌ててしまったけれど、とっさに空いた方の手を被せて受け止めた。イク瞬間、相手が何か言った気もするが、それは全くと言っていいほど聞き取れなかった。
 大きく息を吐きだしながら、閉じていた瞼を持ち上げる。視線を感じる方へ顔を向ければ、視線が絡むと同時に相手がふにゃっと笑って、良かった、と言った。

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親父のものだと思ってた13

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「わか、った」
 何がしかの覚悟を決めた相手が、さっきこちらが相手の下着に手を突っ込んだのと同じ方法で、ウエストのゴム部を突破してきた。
「うっ……」
 こちらはかなり気を遣ってゆっくりと侵入したし、相手の下生えの感触に感動して何度もなで擦ってしまったが、勢いよく侵入してきた相手の手は、迷うことなくむんずと勃起ペニスを握りしめてくるから、その衝撃に思わず呻いてしまう。
 ただ、相手は相手でひっそりと息を殺して悩ましげな表情を見せていたし、ペニスを掴んだ手の方も、ピクリとも動く気配がない。
 やっぱり直接触るのにはかなりの抵抗があったらしい。
 無理ならいいよって、言ってあげられる余裕があれば良かったのに。残念ながら、焦らされきった射精欲が勝ってしまった。
「ごめん、イッていい? てかイクから手ぇ貸して」
「え?」
「ほんと、ゴメン」
 謝りながら自分の手を下着の中に突っ込んで、ペニスを握る彼の手ごと捉えて、扱く動作を開始する。
「お願い。握ってるだけで、いいから」
 嫌がるように、こちらの手の下から抜け出そうと藻掻いていた手は、その言葉で諦めたらしい。握り直された手にホッとしながら、後は快感だけを追いかけて必死になった。
 嫌がる相手の手に握らせている罪悪感と、好きな人の手に握られている興奮と、何も言わずに居る相手への不安と、それでもこちらが達するまでは付き合ってくれるらしい喜びや愛しさが、ぐちゃぐちゃに混ざり合って息が乱れる。
 焦らされてさっさとイキたかったはずなのに、あっという間に射精してしまうだろう予想が外れて、だんだんと焦ってきた。多分、色々ぐちゃぐちゃに混ざり合う感情の、罪悪感やら負い目やらが影響している。あと、下着の中に二人分の手が突っ込まれているという狭さも、原因になっているかも知れない。いつものオナニーとは勝手が違いすぎる。
 集中するために閉じていた目を開けて、ちらりと相手の様子を探った。
 まさか、目が合うとは思っていなかった。顔を背けられていてもおかしくないと思っていたし、目を閉じていたのは、相手の嫌そうな顔を見たくない意味もあった。
 戸惑いが濃いものの、間違いなく興奮も混ぜた顔で相手が真っ直ぐに自分を見ていたから、一瞬息が止まるかと思った。
「な、んで……」
「なんで?」
「ぁ、ぃや、見られてると、思ってなく、て」
「なんでだよ。お前が気持ちよくなってるとこ、見たいに決まってるだろ」
 小さく笑ってみせた後、申し訳無そうな顔になる。
「本当は俺が気持ちよくするはずだったのにゴメンな」
「そんなっ」
 慌てて首を横に振った。彼がそうしようとして頑張ってくれていたのはわかっていたのに、我慢ができなかったこちらが悪い。
「俺、俺が、我慢できなく、て」
「うん。でもそれ、俺が上手に出来なかったせいだろ」
 その言葉とともに、止まっていた手が勝手に動いて、イケずに燻り続けるペニスが刺激される。彼が自身の意志で手を動かした結果だった。
「ぁあっ、ま、って」
「ちょっとは慣れた気がする」
 勝手に与えられる刺激に腰の奥が重く痺れたが、制止の言葉は聞き入れられず、相手の手が動き続ける。今度は自分の手が、ただ添えられているだけになった。
 激しい動きではないので、結局の所、イケそうでイケない状態が続いているのだけれど、罪悪感やら負い目やらが軽減したせいか、ひたすらに気持ちがいい。気持ちがいいが、でもやっぱりこの状態は生殺しがすぎる。

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