弟は何かを企んでいる4

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「ぐぅ゛ぅ……」
 小さな唸り声に、やっぱり笑ってしまいながら。
「さすがに玄関でやる想定はないぞ」
 そう口に出しては見たものの、頭の隅では、絶対無理ってこともないかなぁなどと考えてしまう。なぜなら、体の準備を済ませた後で、一度出かけることが容易だからだ。
「一旦準備して、ちょっと散歩でも行く?」
「想定ないんじゃなかったのかよ」
「考えたら有りだった」
 ううっ、と悩むような呻くような音が聞こえて、どうやら葛藤している。てことは、弟的にも玄関先エッチは有りらしい。
 気持ちよく蕩けて喘ぎまくるのを見るのが好きそうだから、玄関先で声を押し殺しながらやるのなんて、そこまで興味ないかなとも思ったんだけど。むしろ衝動的にがっつかれるセックスとか、快感に喘ぐのを堪えるセックスで、興奮が増すのはこっちの方、という自覚はある。まぁ、たまのスパイス程度になら歓迎、ってやつだけど。
 というかこの良くわからない状況はなんだろう?
 最初は、ただいまと言ったのが嬉しかった的なハグかと思ったけど、唸られてちょっと自信がない。そして、今すぐ押し倒したい衝動を堪えている、にしては少々長すぎる気がする。
 だって、ラブホに入ったらまずは抱かれるこっちの体の準備から、というのは既に慣れきった手順だ。
 お腹の中を綺麗にしてなくたって、感じられないわけじゃないけど。でも心理的な抵抗感と言うか、抱かれている最中の安心感がけっこう違う。
 口に出して言ったこともあったような気がするし、弟もそれを理解してるから、お腹を洗うための時間を渋られることはなかったし、早くしたいなら、むしろさっさと準備してって話になるはずなんだけど。
 なんだこれ? このまま待ってたほうがいいのか? という気持ちはあるものの、弟の反応を待つのも限界だった。だって空調も効いてない玄関先だ。そろそろ暑さがキツイので移動したい。
 てか真夏に玄関エッチはやっぱ無しだな。早く空調を利かせた部屋の中、弟の匂いが染み付くベッドの上で、宣言通りにドロドロに甘やかされたい。
「準備してくるから、手、どけて?」
 背後から胸の前に回っている腕をポンポンと叩いて、開放するように促してみる。けれど。
「うう〜、こんな、つもりじゃっ」
 ぎゅっと抱きしめる腕の力が強まって、なぜかそんな泣き言が聞こえてきて首を傾げる。
「こんなつもりって?」
「こんな、家ついてすぐ盛る、みたいなのじゃなくて」
「じゃなくて?」
「まずは初めての俺の部屋、色々見て貰って、それから一緒に映画でも見ながら、お茶飲んでまったりしつつイチャイチャして、みたいな」
「え、マジで?」
 想定外過ぎるスケジュールに、あまりに驚いて声が裏返りそうだ。部屋に着いたらベッドに連れ込む気満々なんだと思ってた。だって家でヤりたいって話しか聞いてない。
「おかしいかよ」
「あー、まぁ、お前が自分のベッドで俺を抱きたいってだけで、俺と暮らしたいわけじゃないのはわかった。てか親がいるから出来なかったお家デート的なこと全般やりたいってことな」
「まぁ、そう」
 その中でも一番やりたいのが、自分のベッドで抱きたい、だってことか。
「そういうのは先にちゃんと言っとけって。まぁ、言われてても、初日は無理って言ってそうだけど」
「え、無理?」
「無理だろ」
 なんで、と問う声は不安と不満とを混ぜて揺れている。こっちとしては、むしろなんで可能だと思ったのか聞きたいくらいなんだけど。
「いやだってお前、最後にラブホ行ったの一ヶ月半前ってわかってる?」
 引越し前は弟が準備だ何だで忙しかったし、引越し後はこっちがお盆休みをもぎ取るために、仕事を前倒しで詰めて忙しかったせいだ。毎日のように顔を合わせているのにヤレない、が原動力だった部分もあるかもしれないが、最低でも月に1度は致していた関係なのに、1ヶ月半ぶりに二人きりになって、エロいことお預けでお茶なんてお互い無理に決まってる。
「え?」
「遊びに来た初日にお茶してイチャイチャしたかったなら、前日ラブホ泊まってやった流れで遊びに来ました、くらいにしないと無理だって。あと、お家デートしたいって誘われてないどころか、俺のベッドで抱きたいとか、ベッドにマーキングしてって言われて来てるんだぞ。休み前半はベッドの中で抱き潰されて、後半はお前に世話して貰いながら回復に努める、みたいになるかなって思ってたよ。てか、……」
 抱き潰してくれるわけじゃないの? と出かかった言葉を慌てて飲み込む。だってなんか、自分ばっかりがっついてるみたいで恥ずかしい。

続きました→

 
 
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弟は何かを企んでいる3

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 7月の半ば、弟は家を出て一人暮らしを始めた。といっても、一緒に暮らすなんて嫌だとか、同棲とか何言ってんだと、弟の提案を拒否ったわけではなく、もっと手順を踏めってだけの話だ。
 家事を負担してでも二人で暮らしたい、もっと言うなら家の中でエロいことがしたい弟の訴えは理解したし、そのために初期費用を貯め自炊スキルを磨いた努力は認める。ただ、兄弟で恋人、という事実を可能な限り親に隠しておきたいって部分が、弟の頭の中からはすっぽ抜けていた。
 つまり、二人同時に家を出て、しかも二人で同じ部屋を借りて住む、という理由が親に説明できない。だから時間差でどちらかが先に家を出るべきだと、あの日、一緒に住みたいと相談しに来た弟には話した。
 金銭面と必要性という意味では、多分、自分が先に家を出るのがいいんだろう。頻繁に激務でボロボロになる自分が家を出るなら、少しでも会社に近いところに住みたい、辺りで親は多分すんなり納得するとは思う。
 でも家事スキルをめちゃくちゃ心配されると思うし、事実、自分でも一人暮らしなんて無理だと思うし、先に自分が家を出て弟を後から引き込む作戦は考えるだけ無駄だ。
 それよりも、一緒に住むのを断られてもとりあえず家は出て、一人暮らしの部屋に連れ込めば「俺のベッドで抱きたい」は可能、などと考えて準備していた弟が、先に家を出るのが妥当だと判断したに過ぎない。
 とにかく家を出て一人暮らしがしたい。そのためにバイトもした。という自立心を前面に出せば、親も不思議には思わないだろう。
 考えたのは、激務の時に泊まらせて貰ううちに、やっぱりもっと会社に近い場所に住みたくなったが、自分の家事スキルに自信がない。弟が家事を負担する分こちらが多めに金銭負担すれば、弟にとっても有り難いだろうし弟もいいって言ってる。という流れで、つまりは、後から自分が合流する算段になっている。
 なので、弟が新しく住む場所にはけっこう口出しした。だけでなく、実はすでに金銭的にも少しばかり援助している。まだ住んでもいない家だけど。でも今後お世話になる気満々で。
 その時に、弟が選ぶデート先が小さな駅の特別有名ってわけでもない店になった理由も知った。つまりは、今後住みたい地域の選定だ。町や店に対するこちらの反応も、それなりに見られていたらしい。
 家を出て二人暮らしをする理由、にまでは考えが及ばなかったようだけれど、弟にしては随分早くから周到に準備していたと思う。
 ほんのりと怖いのが、弟に入れ知恵している存在が居る可能性なんだけど、さすがに怖くて聞けていない。弟に、実は兄貴が恋人、を知ってる友人やらが居ないことを願うばかりだ。
 そして弟が家を出た一月後、世間ではお盆休みと言われる時期に、初めて新居にお邪魔する予定になっている。しかも、今年のお盆休みは全日弟の新居に居続け予定だ。
 ラブホにお泊りは何度か経験があるが、それ以外で弟と泊まりで過ごしたことはない。つまりは初めて、恋人という関係のまま長時間一緒に過ごすことになる。それを考えるたび、少しの不安と、期待と興奮とで、なんだかソワソワしてしまう。


 一人旅の趣味なんてないので、今年のお盆は泊まりで出かけるから食事の用意は要らないと母に話した際には、かなり珍しがられたけど。そこは曖昧に濁して、大きなカバンに着替えやらを突っ込み家を出たのはお盆休み初日の昼前だった。
 待ち合わせた弟新居の最寄り駅近くで昼食をとった後、案内されるまま弟に付いて新居へ向かう。色々口出しはしたが、さすがに一緒に内見まではしていないので、全く初めての道のりを、なるべく覚えられるように目印になりそうなものを探しつつ歩くこと20分弱。ようやく弟が住むマンションにたどり着いた。
 駅からの距離が遠いほど家賃が安くなるのは当然で、弟的には30分くらいまでは有りと思っていたようだが、いずれ合流する身としてはさすがに30分はキツイ。それと、壁が薄そうなアパートは論外。というこちらの意見を考慮した、立地と建物というわけだ。
「あ、鍵、俺の使っていい?」
 玄関ドア前に立ちポケットを探る弟に声を掛ければ、振り返った弟が嬉しそうにニヤけるのがわかった。
「もちろん。てか、ぜひ」
 ポケットから手を抜いて、ドア前を譲るように横にズレた弟に代わってドア前に立つ。
 思いつきの発言だったので、自分のキーケースを出すのに少し手間取ってしまった以外は、なんの問題もなく自分の鍵でこの部屋のドアが開いた。
 キーケースの中にぶら下がっているのは、弟が家を出る直前に、兄貴の分ねと言って渡してきたスペアキーだ。
「ん、ふふ」
 こみ上げる笑いとともに玄関に入って、ただいまと告げながら靴を脱げば、鍵が閉まる音とほぼ同時に伸びてきた腕に、背後から抱きしめられてしまった。

続きました→

 
 
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弟は何かを企んでいる2

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 ノックの後、部屋に入ってきた弟の機嫌は良さそうだった。
 家の中でエロいことはしない、というのは恋人になったところで変える気はなかったのだけれど、さすがに軽く触れるキスくらいならと許容するようになっている。つまりは恒例になりつつある、おやすみのキスをねだりに来ただけではないようで、弟はそのままどかりと部屋の真ん中辺りに腰を下ろしてしまう。
「何かいいことあった?」
「うん。そろそろ家を出ようと思って」
 その報告がしたいんだろうと思って話を振れば、そんな言葉が返ってきて、一瞬何を言われたかわからなかった。
「ようやく色々準備整ったんだ。だから、兄貴にも一度ちゃんと相談したくて」
「……は?」
 随分間を開けて、それでもまだ理解が及ばず、間抜けな音が一つ口から漏れる。
「あー、兄貴にとっては急だと思うけど、ずっと家は出たいって思ってて、」
「待て待て待て。え、家出るって、お前が? 一人暮らし? 出来んの?」
 ようやく何を言われたかは理解したけれど、何を言っているんだという気持ちは大きい。すぐに理解できなかったのも、この弟に一人暮らしなど出来るイメージがないせいだ。
 いやまぁ、自分が家を出ないのだって、似たような理由ではあるんだけど。
 必要ないと連絡しない限りは日々食事が用意され、汚れた衣服も洗濯かごに突っ込んでおけば、後日綺麗に畳まれ自室のベッドの上に乗っているような生活をしているのだ。それらを自分の手でと考えただけで、あっさり白旗を揚げてしまう。
「だぁから、そのために色々準備してたんだって。あと、一人暮らしになるかは兄貴次第かな」
「俺?」
「一緒に暮らさない?」
「はぁ?」
「兄貴と同棲したい」
「いやいやいやいや」
「やっぱ嫌?」
 そうじゃない。てか嫌かどうか以前の話だろう。
「嫌かどうかより、まず無理だろ。お互いに。家出てどう生活すんだよ。ってか準備したって何?」
「あー、引っ越し資金というか初期費用的なの貯めてたのと、あと、自炊できるように料理覚えたり。掃除と洗濯は元々そこそこ出来る、はず」
「え、お前、休みの日にこっそり何やってんのかと思ってたけど、料理習ったりしてたの? え、で、さらに初期費用まで貯めたって、お前、入社一年目でそこまで稼げるような会社、入ってた? そこまで残業もないような会社で???」
 頭の中を疑問符が巡りまくる。
 若干ブラック気味の自社は入社一年目でもけっこう容赦なくこき使ってくれたし、でもその分が給料に上乗せされていたから、その気になれば1年足らずで初期費用くらい貯まっただろうけど。料理教室的なものに通う費用も出せなくないかもだけど。かくいう自分も、結婚資金と思って結構貯め込んでいたんだけど。
 まぁ、結婚に至る前にその激務のせいで振られたし、そのおかげで、今じゃ弟相手に抱かれる側で恋人だ。
「いや、アルバイト。てか副業?」
 知り合いの飲食店で、料理を教わりながら手伝いをしていた、らしい。知り合いというか、友人の親の店だそうだ。
「それ、なんで言わなかったんだよ。ずっと隠れてなにかやってるとは思ってたけど、バイトしてるならしてるって言えば良かったのに」
「えー、だって、阻止されたくなかったし」
「つまり? お前は俺が、お前の自立を反対すると思ってる、ってことでいい?」
「まぁね。だって兄貴、今の生活で満足そうだもん。その満足を維持するために、俺を今のまま、側に置いておきたいかなって」
 確かに今の生活になんら不満はないし、むしろ幸せを満喫しているところがあるし、その幸せをもたらしているのがこの弟だってこともわかっている。
「お前は不満ってこと?」
「不満っていうより、欲張りなだけ。手に入れたいもののために、出来そうなこと頑張るのは基本だろ」
「手に入れたいもの? 恋人ってだけじゃまだ何か足りないのか?」
「わざとはぐらかしてる? 兄貴の言い分わかるから引いてるけど、お願い自体は何度かしてる」
 そう言われて思い当たることはあった。
「あー……家でヤりたい、って?」
「そう。正確には、俺のベッドで抱きたいってやつな」
 弟の匂いが染み付いたベッドの中で、ドロドロに甘やかされながら乱れまくる姿を見たい、らしい。兄貴の匂いで俺のベッドにマーキングして、とかなんとか言ってたような気もする。

続きました→

 
 
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弟は何かを企んでいる1

兄は疲れ切っているのその後の二人を兄側視点で書いています。

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 弟と恋人という関係になってから先、抱かれる頻度は半分くらいに減った。体だけでも繋いでおかないと不安だった、というのが、恋人という立場を得て安定したせいらしい。
 まぁ、ホテル直行だったのがデートという手順を踏むようになったのと、一回のチェックインで数回イカされるようになったのとで、金銭的にはそこまで変わらないし、肉体的にはむしろマイナスって気もするけど。でも精神的には確かにこちらも、かなり安定してはいた。
 兄弟で恋人ということも男同士でデートすることも、全くと言っていいほど気にしていない相手に、躊躇もなく愛情を注がれながらデートし抱かれるのは、正直クセになるほどイイ。
 デートと言ったって、初回が映画と食事だったわけで、毎回デートスポットやらを探して巡ってやっているわけではなく、むしろ食事だけってことも多いんだけど。でも一緒に食事をして、あれが美味しいこれが美味しいと言い合って、愛しげに見つめられる中で差し出される、スプーンに乗った相手のデザートを前に口を開ける頃には、すっかり気持ちが昂ぶっている。
 それを更にどろどろに甘やかされつつ抱かれるのだから、イイのは当然だと思う。特に、すっかり開発されきったお尻や胸への刺激だけでトコロテンするのが、たまらなく気持ちいい。
 体はその先があることを知っているけれど、さすがに吐精無しでイッたのは恋人として初めて抱かれた日くらいだ。玉が空っぽの状態じゃなくてもそうなることがある、らしいのは知っているけれど、今のところそこまでは至っていないし、玉が空になるほど何度となくイカされるような抱き方もされないからだ。でも奥を突かれた時に、痛いよりも気持ちいいが勝るときが増えているから、いずれは吐精無しでイケるようになるのかも知れない。
 そんな日々が大きく変わったのはやはり弟が大学を卒業して就職してからだろうか。いや、自分との関わりに影響が出たのが卒業後というだけで、変化はもう少し前から起きていた。
 ずっと熱心に続けていたスポーツを社会人になっても続けるのかと思いきや、あっさり引退して家から通える範囲の職場を探した辺りで、もっと真剣に話し合いをするべきだったのかも知れない。自分との関係を今後どうするつもりでいるのか、実のところ聞けていない。
 自分の実力はわかってるし、元々大学卒業までと思ってた。という弟の言葉を疑う気はないが、弟の進路に自分が影響した可能性を考えずにいられない。
 まず大きく変わったのは金銭面の負担割合で、それはまぁ、とくに不思議なことではないのだけど。でも割り勘という形ではなく、交互に支払いがいいと言い出したのも、その日のデート先を支払い側が決めようと言い出したのも、ただただその方が楽しいから的な理由ではなさそうだ。
 なぜなら、弟に連れて行かれる先が、こちらがメインで支払っていた頃とかなり違う。メインで支払っていた頃だって、弟が提案してきた店やら場所やらを拒んだことはほぼないのに。
 最近弟が選ぶデート先は、あえて大きな駅を避けているように感じる。今までは降りたことがないような小さな駅にある、特別有名ってわけでもなさそうな店に入ることが多い。
 それなりに調べてはいるようで、それらの店に不満があるわけじゃないんだけど。でも、なんで? と思わずにいられない。だって、そんな小さな駅前にラブホがあるわけもなく、結局、そのあと大きめの駅に移動している。
 それと、デートをしない休日に、何をやっているかさっぱりわからない。今までは彼がいない週末=部活絡みの何かとはっきりしていたけれど、別に試合を見に行ってるだとか、後輩指導で母校を訪れているだとか、そんなわけでもないらしい。
 特に、何してたと聞いても、ちょっと色々と濁されるのが、とにかくめちゃくちゃ怪しかった。
 絶対に何か企んでるっぽいけど、そのうちちゃんと話すから待っててと言われてしまうと、追求もし難い。そしてそんな悶々とする日々は、なんと、もう1年近くも続いている。

続きました→

 
 
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可愛いが好きで何が悪い(目次)

キャラ名ありません。全56話。
大学の同期生で、プリンセスな女装も似合う美形×可愛いもの好き男前(視点の主)。
幼少期の夢の国でのプリンセスコスプレで、相手の性別を勘違いしたまま互いに初恋していた2人が、大学で再会して恋人になる話です。

そこまで重い表現はしてないと思いますが、攻めは継母からの性的虐待経験あり。幼い頃に実母を亡くし、中学時代から父の後妻(継母)と肉体関係を持っていて、弟と妹が実子という可能性があります。
継母との関係の影響から、攻めの女性経験値高め。コミュ力も高めで交際範囲がかなり広そう。
受け(視点の主)は高校時代に彼女が居たので童貞ではないけど、可愛いもの好きな趣味を優先していて交際経験はその彼女一人だけです。夢の国通いという趣味を知られたくなくて、大学での交友範囲はあまり広げない方針。
大学では2人は基本距離を置いてますが、大学生活描写はほとんどないです。

視点の主が男前過ぎて、攻めばっかり泣きます。
抱かれてるのに抱いてるみたいだと感じるセックス描写もあります。
攻めも抱いてるのに抱かれてるみたいと思っているので、精神的には完全にリバ。肉体的には受け攻め固定ですが、攻めが自分で自分のお尻拡張やってた内容有り。
攻めは、抱かれるのは無理でも抱くならできる、って言われたら抱かれる側になってもいいから視点の主と関係持ちたいって思ってるので。
攻めが割と一途に視点の主を好きで、健気な努力してます。
女装もその一つで、視点の主の好みに寄せて少しでも好きになって貰いたいだけで、女装が好きとか趣味とかではないです。
視点の主は攻めのそういう健気さに落ちた所ある。

攻めが女装したままセックス。が一番の目的でしたが、内心受け攻め逆転したようなセックスだけじゃなくて、素のままの攻めに抱かれて気持ちよくなる受けも見たいなと思ってしまった結果、達成後の2回戦もダラダラと書いてしまって相当長いです。

下記タイトルは内容に合わせたものを適当に付けてあります。
性的描写が多目な話のタイトル横に(R-18)と記載してあります。

1話 夢の国と再会と
2話 あのときはありがとう
3話 写真交換
4話 すっかり友人
5話 夏休みの帰省
6話 姉に連れられ海の家
7話 ファミレスお茶会
8話 花火大会へ
9話 迷子ハンター
10話 デートって言うな
11話 夏休み明け
12話 継母との関係
13話 実家脱出
14話 切られたドレス
15話 届いたドレス
16話 育った初恋プリンセス
17話 内緒って言ったのに
18話 誰にも取られたくない
19話 元カノ
20話 拒否はできない
21話 口元を汚したプリンセス(R-18)
22話 恋人になってもいい
23話 周りの反応
24話 助けてあげて
25話 部屋の惨状
26話 勝手に自己開発
27話 情けなさが募る
28話 当たり前、の違い
29話 発想が男前すぎる
30話 甘えている
31話 泣いてたのがショック
32話 ローションは優秀
33話 慣らすとこから全部
34話 準備万端揃ってる
35話 現代コーデのプリンセス
36話 目一杯好みに寄せる
37話 じれったい程ゆっくり(R-18)
38話 延々と興奮を煽り合う(R-18)
39話 確かめずに居られない(R-18)
40話 手の中で脈打つ熱(R-18)
41話 69(R-18)
42話 可愛くて、愛しい(R-18)
43話 化粧を落として2回戦
44話 好奇心でバイブ挿入(R-18)
45話 最弱モード(R-18)
46話 性感帯探し(R-18)
47話 期待してる(R-18)
48話 初めてでこんなにも(R-18)
49話 もうちょっと待って(R-18)
50話 ゆるふわな刺激(R-18)
51話 奥の鈍い痛みすら(R-18)
52話 可愛く喘げよ(R-18)
53話 お前が愛しい(R-18)
54話 一緒にイこうね(R-18)
55話 昨夜を思い出しながら
56話 可愛いが好きで何が悪い 

 
 
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可愛いが好きで何が悪い56(終)

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 再度、心配掛けて悪かったと謝れば、相手も疲れさせちゃってゴメンねと返してくる。初めてだったのに加減も出来ずに無理させたよねと、しょんぼり顔で小さな溜め息まで吐かれてしまって、どうやら結構落ち込んでいるらしい。
「いやいやいや。それ、大半は俺の自業自得っていうか、お前だけ先イカせたのも、2回戦よろしくって言ったのも、バイブに興味示したのも俺で、最中にあれこれお前煽った自覚、かなりあるぞ」
「その自覚はありがたいけど、やっぱ甘えすぎたよな、って思って」
「そんなの俺も一緒っていうか、俺がお前相手に好き勝手振る舞えるのは、お前に甘えてるからだって教えたろ。お前が俺の無茶振りに応えてんだから、お前だって俺がいいよって許したことには素直に甘えとけばいいんだって」
「でも男の体で抱かれる負担とか、甘く見てたっていうか、むしろ男のが体力有るだろうって思ってたとことかあったし」
 抱き潰すような無茶なんてしたことがなくて、本当に肝が冷えた。らしい。
 そういやさっきも、抱き潰して救急車騒ぎを心配したようなことを呟いていたけど、こちらとしては抱き潰されたって認識は欠片もないんだけども。どちらかと言うと、ちょっと休憩のつもりが、思いの外深く寝入ってしまった。という認識だ。
「抱かれる側やる負担はそりゃあるし、初めてであんなに感じまくる想定はなかったけど、体力云々に関しては多分間違ってないだろ。てか抱き潰されたとか思ってないんだけど」
「でもほぼほぼ気絶って感じだったよ?」
「いやそれ、説明とか後始末とか諸々全部、後回し&お前に押し付けでいっか、みたいな甘えっていうか。そもそも、お前に手でイカサレたときだって、俺、イッた直後にお前に何も言わないまま目ぇ閉じたけど、お前、ただ寝落ちただけって思ってただろ。俺としてはあの時と同じ感覚で目ぇ閉じた。ら、本当にそのまま深く寝入っただけなんだって」
「逆に俺は、あのときはなんだかんだすぐ起きたみたいだったから、体中拭いても声かけても起きないの、ヤバいかもって思ったよ。お前と一緒に生活してた過去なかったら、慌てて救急車呼んでたかもレベルで焦った。呼吸正常だし、顔色悪くないし、苦しそうでもなかったどころかちょっと満足げで可愛かったから、大丈夫な方に賭けただけで」
「あー……あのときは目ぇ閉じたけど、寝落ちるまでは行ってなかったからな」
 今更、あのときは寝たフリで相手に後始末をさせた、なんてカミングアウトをする羽目になるとは。でも相手はその件に今更何かを言う気はないらしい。
「じゃあ本当に、今回はちょっと目を閉じたらそのまま寝ちゃっただけ、って感じなの?」
「いや、眠るつもりで目ぇ閉じたから、厳密にはあの時と同じ感覚、ではないか。でもあの時お前が、俺が寝落ちたって思って後始末してくれたの覚えてたから、このまま眠っても平気だろって思ったのは確か。で、お前がそんなに心配するとは考えなかったから、そこは、本当に、ごめん」
「本当に、抱き潰すほどの無理させたわけじゃないなら、いいよ。てかどっか痛いとことかはないの? 俺、本当に、無理させてない?」
「筋肉痛来てるっぽい痛みならある。けどたいした痛みじゃないな。あと痛くないけど、違和感はそれなりにある。主に尻の穴の入り口と、腹の奥」
「奥……」
「前立腺は意外となんともないというか、あんなに気持ちよくなったのに、そこまで影響残ってる感じしないな」
 というか、触れられていない今は、どこが気持ちよかったのかはっきりわかる感じじゃない。でも奥の方は確実に、突かれて気持ちが良かったのはここなんだなとわかってしまうレベルで、そこに違和感が残っている。
「え、奥の違和感て、奥で気持ちよくなった名残的なナニカなの?」
「そう。何もされてないのに、なんかジクジクした感じが残ってるっていうか、お前に突かれてそこが気持ちよくなった事実を思い出すというか」
 さっき一度、意識して赤面済みだからか、声に出して相手に説明しているのにそこまでの羞恥は込み上げてこなかった。なので平然と説明して見せれば、相手は呆気にとられた顔をしている。
「なにそれ、……エロすぎ」
「なっ」
 一瞬ためらった後、けれど言わずにはいられなかったらしく、溢れてきた言葉にも思わず同意を示してしまう。ついでに言えば、事後にそんな報告をされたらたまらないだろう気持ちもわかる。わかってたから正直に報告したとも言う。
「って、そのニヤケ顔なに? 俺、もしかしてからかわれてる??」
「からかってはいない。そういう報告されたら嬉しいかなって思って言ったら、お前がまんまと、俺をエロいって言ったから面白かっただけ」
「もしかして、エロいって褒め言葉の分類?」
「それは使い方によるだろ。少なくとも、今の『エロすぎ』に侮蔑とか嘲笑の意図は感じなかった。どころか、昨日俺がそこで気持ちよくなったの思い出して興奮した、的な意味とかもありそうだった」
「まぁそれを否定はしないけど。てか、昨日の最後、お前を抱く俺がエロいのがいい、みたいなこと言ってたあれは? 悪い意味ではなさそうだったけど、一人で納得して笑ってたから、けっこう気にはなってるんだよね。今も」
「あー、うん。それはちゃんと説明しないとなって、思ってた」
 言いながら、手を伸ばして相手の耳横からそっと髪を梳いていく。
「んっ」
 相手は特に抵抗することなく素直に髪を梳かれながら、気持ちよさそうに目を細めている。
「髪、結構伸びたよな」
「そうだね」
「俺が可愛いの好きってわかってるから、女装してた時、お前、この髪ゆるふわに纏めてたろ」
「うん。好みだし可愛いって言ってくれたから、似合ってた、ってことだよね?」
 髪の毛洗わないほうが良かったって話? と聞かれて首をふる。むしろ全く逆の話だ。
「可愛い服着てなくて、しっかり男の胸板見せられてて、雄の獰猛な気配が隠しきれてなくて、まったく可愛い要素がないお前のこと、すげぇ色っぽく見えたのが、新鮮だったんだよ。しっとりと濡れた髪が顔の横に雑に垂れてるのが、特にたまらなくエロかった。中身一緒なんだから、男のお前も女装のお前もどっちにしろ可愛い。みたいに思う気持ちもあるけど、男のお前の外見に興奮するってのも、可愛さじゃなくて色気に反応してるのも初めてで、安心したっていうか、嬉しかっただけ」
「んー、わかるような、わからないような……」
「お前はお前だから、お前の中の可愛いとことか、俺を求めるいじらしい努力に反応してるとこが大きくて、見た目って意味では女装のほうが性的に興奮する感じだったけど、でも、素のままのお前の見た目にだってちゃんと性的に興奮できるんだな、という新たな認知を得た」
「それが嬉しかったの? 笑っちゃうほど?」
「そう。素のままのお前に抱かれるのも、悪くなった。まぁ、女装して、抱いてるのにアンアン喘いでくれるお前もかなり良かったから、結局、どっちのお前だっていいって話でしかないけど」
「それを俺が喜ぶのはわかるんだけど、お前が笑うほど嬉しいのはやっぱイマイチわかんないかも」
「お前が俺のために女装頑張ってんの、似合うし可愛いしいじらしいしで、胸に来るものが有るし、実際それに絆されてるとこがないわけじゃないし、お前の狙い通りになってるんだから気にするとこじゃないかもしれないけど。でも、俺が可愛いのが好きなせいでって気持ちもないわけじゃないから。素のままのお前にだって、性的にもちゃんと興奮できるって判明したのは、俺的にも嬉しいことなんだよ」
 今後も女装を続けてくれるなら、それはそれで歓迎してしまいそうだけど。と続ければ、女装は多分続けると思うけど、可愛いのが好きで申し訳ないとか思わないで欲しいと返された。
「可愛いのが好きとか、それをあまり人に知られたくないって思ってるとことか、夢の国通い優先して彼女作らないとことか、そういうとこに思いっきり付け込んだ自覚あるから。それに、俺の女装に見とれてくれたり、好みだとか可愛いとか言われたら内心ガッツポーズ決めるくらい喜んでるから」
 申し訳ないなんて思うのらしくないっていうか、可愛いが好きで何が悪い、って開き直ってる方がきっとお前らしいよと言われて、これからももっともっと女装の腕上げて可愛くなる予定の俺を、もっともっと好きになってくれたらいいと思うよと自信満々に笑って見せる。
 よく理解されていると思うし、もっと好きになってと自信満々に言いきれるのはいい傾向だよなとも思う。それは、こちらの好意や愛情を、しっかり受け止めた結果の自信なのだろうから。
 だから、確かにそうだなと言って笑い返した。

<終>

後半のダラダラエッチでめちゃくちゃ文字数嵩みましたが、最後までお付き合い本当にどうもありがとうございました。
1ヶ月ほどお休みして、次のお話の更新は10月18日(水)からを予定しています。

 
 
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