聞きたいことは色々62

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 自分に覆いかぶさるお兄さんを見上げながら、自分のときと全然違う、と思う。
 真ん中慣れてないって言ってたから、お兄さんに縋られて、お兄さんがヒンヒン泣き喘ぐのに合わせて自分も喘がされるんだ、って思ってたのに。
 そもそも彼が腰を振ってないのが、なんで? って思う。自分が真ん中の時は、容赦なく前立腺を擦られてしまうことが多いのに。
 イキたくなって自分のペニスをお兄さんの中に一生懸命擦り付けてしまうのと、彼が突いてくるのに合わせて腰が押し出されてしまうのとが交ざって、わけがわからない気持ちよさの波に飲み込まれるまま喘ぐ。ってのが、自分が真ん中のときのセックスなんだけど。
 普通に抱かれているその背後に彼の姿が見えてるだけ、みたいな状況に頭の中は疑問符でいっぱいだった。
「納得行ってない顔」
 激しく動かれてないから、んふふと笑うお兄さんに、「だって」と応じる余裕も充分にある。
「全然違うじゃないすか。俺ん時と」
「だっていきなりガツガツやられたら堪能できないでしょ」
 せっかくの真ん中なわけだし、と続いた言葉に、思ってたより全然乗り気だったことを知る。
「今度試してみてもいいけど、俺を気持ちよくすることより、自分が気持ちよくなるのに夢中になっちゃう君には、あまり魅力的なプレイじゃないと思うよ」
 最後はいつもの俺みたいになると思うけど、その前にちょっと趣向を変えたプレイにも付き合って、だそうで。別に嫌なわけじゃないけど、何する気なのかは教えてほしい。
「俺が真ん中で、二人を同時に気持ちよくしてあげるだけ」
 激しくは動けないけどキモチイイとこじっくり捏ねてあげる。の言葉通りに、既に知られたいい場所をゆるゆると擦られてたまらない。
「ぁ……はぁ……」
「気持ちぃね」
 可愛いよ大好きだよって甘い声が降ってきて、愛し気に見つめてくれる瞳と視線が絡んで、頷きながら嬉しくてニヤけてしまう。二人きりで抱かれる側のときはこんなふうにゆったり愛してくれることも多いけど、なんだかんだで抱く側になることや3人ですることが増えて、ちょっと久々だったから余計に嬉しい。
 なんて思っていたら。
「ぁあっ」
「んぁっ」
 お兄さんから少し高めの声が漏れて、体がビクッと震えたその振動がこちらにも響いて、予期せぬ刺激に自分も小さな悲鳴を漏らした。
「こらっ、嫉妬しない」
 軽く後ろを振り返ってそう口にする先には、少し不機嫌そうな彼が居る。いや、不機嫌っていうよりは拗ねている。少し頬を膨らませてむくれているから、わかりやすいけどわざとらしい。
「お前もちゃんと気持ちぃでしょ」
 確かに、お兄さん越しに彼が熱い息を吐くのが見えていた。
 ゆるやかな腰の動きは、こちらを突くのと彼のペニスをお尻で扱くのとを両立させていたから、というのが大きいのもわかっていた。
 器用すぎるし、魅力的なプレイ云々の前に、こんなの絶対真似できない。
「あーもう。はいはい。お前も可愛い可愛い」
「雑すぎるだろ」
「だってわざとらしいんだもん」
「ん、ふふっ」
 まんまと指摘されてるのがおかしくて思わず笑ってしまえば、二人の視線が自分に向けられる。
「俺も、わざとらしいなって、思ってて」
「ほらぁ」
 言いながらまた笑ってしまえば、お兄さんがほらみろと呆れた声を上げる。
「でもちょっと可愛かった、かも」
 怒ってるわけじゃなくて拗ねてる、というのを実感するようになってから、彼に対する愛しさは間違いなく増したと思う。彼が不機嫌なのにお兄さんがニコニコ楽しそうにするのも、わかった気がする。
「もっと素直に、仲間に入れてって言えばいいのにねぇ」
 俺もこの子もいくらでも本気の好きをお前にあげるのに、と続いた言葉には頷くしかない。
「ですねぇ」
 気まずそうな顔をするのは、未だプレイ的な好きしか口に出来ない自覚があるからなんだろう。
 愛しい気持ちが溢れて、と感じるような「好き」だったり「可愛い」だったりは貰えないけど。こっちが勝手に溢れさせる想いを、嬉しそうに愛しそうに受け取ってはくれないけど。でも、受け取ってくれてるのはわかるから。
 最近はもうそれでいいというか、全然気にならなくなっている。プレイで貰う「好き」だって、彼が楽しそうで嬉しいって方向に気持ちが変わって、虚しさなんて感じなくなっている。
 お兄さんもそんなこちらの気持ちを汲んでか、最近はもうあんまり、ポンコツだのなんだのは言わなくなったしわざと煽るような真似も多分しなくなった。
 まぁ3人ですることが増えてるし、お兄さんとは彼が居ても居なくても関係なくプレイじゃない「好き」を言い合ってしまうから、わざと煽らなくたって勝手に煽られてくれるって理由も間違いなくある。
 ただ、煽られた彼にちょっとしつこく責められる、というのがいつものパターンなんだけど。
 と思ったところで、今日は彼が突っ込んでるのがお兄さんだからか、と思い至る。お兄さん相手じゃ、わかりやすく拗ねるくらいしか出来ないのかもしれない。

続きました→

 
 
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