*R18ですので18歳未満の方はこちらへ→
彼にイイトコロを擦られて蕩けた顔を見せるお兄さんと、その後ろで満足気に笑う彼を見上げながら、これは仕返し的なものなのか、当初の予定通りなのか、どっちだろうと思う。
煽られてもわかりやすく拗ねるくらいしか出来ないのかも、って思ったばかりだから、当初の予定通り、の方だろうか。
なんてことをあれこれ考えていられるのは、お兄さんの腰がガッツリ固定されていて、彼の突きこむ衝撃がこちらにあまり伝わっていないからだ。
お尻締めて気持ちよくしてあげてって言われてるし、あまり伝わらないってだけで多少は動かれているし、締めた中を擦られる気持ちよさは当然あるんだけど。でもイイトコ狙って動かれてるわけじゃないから全然余裕。
お兄さんが気持ちよさそうにお尻でイク姿は何度も見てるし、お兄さん相手に腰を振ることも多少覚えたけど。でもまだ狙ってイイとこを擦るのは難しいし、自分自身のお尻に玩具を入れられた状態なのも変わってないしで、結局自分ばっかり気持ちよくなってしまうから、自分の腰使いでお兄さんを気持ちよく蕩けさせたことはない。
普段自分がどんな顔をしているかなんてわからないし、気持ちよく喘がされてる時はこんな顔をするんだなぁという純粋な興味と好奇心で見つめてしまえば、その視線に気づいたお兄さんが、へにょっと困ったように笑う。
「やじゃ、ない?」
何がとは聞かなくてもわかっている。
恋人が他の男を抱くとこなんて絶対見たくないって思ってたし、それをお兄さんに言ったことがあるし、それを気にしてくれてるのがわかる発言は多かった。
立場を変えたいって言い出したのはこっちなのに。大丈夫と思ってても目の前で実際に見るのは違う、とか考えてくれてるのかも知れない。
「ぜんぜん」
即答すれば良かったと安堵の息を吐く。
「大好きな人が、大好きな人に気持ちよくして貰ってる。て思ったら、愛しいばっかりです。俺じゃこんなかわいい顔、させられないっすもん」
再度、可愛いですよと繰り返しながら、手を伸ばして髪を梳く。今までいっぱい貰ってきた「可愛い」を、ここぞとばかりに返してみたら嬉しそうに照れていて、ますます可愛いくなった。
「ますます可愛い」
「なぁ、こっち向いて俺にも見せて?」
思ったまま口に出したら、彼の興味を引いたらしい。
甘やかな声にねだられて、お兄さんが楽しげに笑う。
「ん、ふふ、お前も、かわいぃ、って、言ってくれんの?」
「言われたいならいくらでも」
「じゃあ、言って」
お兄さんが後ろを向くのを見ながら、こんな甘えた声を出すのは珍しいなと思う。でもそこまで驚きがないから、あれだけ蕩けてたら当然かも、って気持ちがあるんだろう。
気持ちよくしてくれる人に甘えたくなる気持ちはよくわかる。
「可愛い」
「っふ、もっと、本気で」
「可愛い」
「全然足りな、ぁっ……ん、ぁ……ぁあ……」
振り向いたお兄さんの顔を支えるように手を添えて、彼がゆっくり腰を振りはじめたから、お兄さんは少し苦しげに喘ぎだす。
さっきみたいに気持ちよく蕩けた声ではないけど、彼は可愛いと繰り返している。しかも随分と柔らかな表情で。
楽しそうってより……
愛しそう、と思ってしまったその瞬間から派手に鼓動が跳ねて、彼から目が離せない。
「かわいい」
「ぁ、……あぅっ、も、いい。も、じゅうぶん」
顔に添えられた手をぺちぺちと叩いて外させたお兄さんと目があって、また困った様子でへにょりと笑われてしまったから、お兄さんも彼の変化に気づいたんだろう。
*ポチッと応援よろしくお願いします*
にほんブログ村 BL短編小説/人気ブログランキング/B L ♂ U N I O N/■BL♂GARDEN■
HOME/1話完結作品/コネタ・短編 続き物/CHATNOVEL/ビガぱら短編/シリーズ物一覧/非18禁