聞きたいことは色々8

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 こちらの不満を興奮に変えて、相手は喜々としながらこちらの服を剥ぎ取っていく。借り物の部屋着はゆったりとして防御力ゼロだ。
「お、俺だけ脱ぐんですか?」
「脱がせていいよ?」
「って言ったって」
 協力してくれる気ないですよねって感じに、相手はどこからか取り出したローションボトルの蓋を開けている。その服に手を伸ばしていいのかすら迷う、躊躇いのない動きで次へ進もうとしている。
「はい、足開いて」
「服……」
「がんばれ」
「って何を!?」
 相手は面白そうに笑いながら、有無を言わさずこちらの足を開かせて、その間に濡れた手を差し込んでくる。
「ううっ」
「こんなに近くにいるんだから、俺の服に手ぇ届くでしょ」
「じゃあ一旦止まっ」
「やだ」
 止まってくださいと言い切る前に拒否されてしまった。
 なんなんだとムッとするが、相手はますます楽しげだ。ほんと、いい性格してる。もしくは性癖が色々オカシイ。
「絶対面白がってる」
「実際面白いもん」
 で、どうすんの? と興味津々に聞かれて、もういいやと相手の服に手をかけ強引に捲りあげる。自身が着てたものと同じようにゆったりとした部屋着は簡単に頭を抜けたけれど、腕に絡まったその先はやはり相手の協力が必要そうだ。
「ちょ、ほんとに、一旦」
「やっぱここ自分で弄ってるよね」
 腕に脱ぎかけの服を掛けたまま、こちらの訴えも完全スルーして、アナル周りをクニクニと撫でていた濡れた指先がチュクっと押し込まれてくる。ゾワゾワと肌が粟立って、どうしたって期待でお腹の奥がキュンと疼いてしまう。
 脱がし途中の相手の服をぎゅっと握りしめてしまえば、相手が微かに笑う気配がした。
 この期待はどこまで相手に伝わってしまったんだろう。恥ずかしいのか腹立たしいのか悲しいのか、よくわからない感情が胸の中に渦巻くが、それに意識を向ける余裕はない。
「指、いれるよ」
「うぁっ、んんっっ」
「声、噛まなくて平気だから」
 聞かせて、と促す声はなんだか甘くて、でも頷けるわけがない。嫌だと示すために首を横に振れば、やっぱり笑われた気配がする。
「いい場所、自分で教えてくれる気ある?」
「そ、なの」
「まぁ言えないなら勝手に探るだけなんだけど」
 わかってる? と聞かれても、もちろん何もわからない。
「俺は自分で探る方が断然楽しいけど、そっちは色々不本意っぽいからね。協力してくれるなら手加減するって意味」
 相手は服を脱ぐのすら協力してくれないのに、協力しろなんて言われても素直に頷き難い。というか、自らいい場所を申告しろなんて言われても、協力だの手加減だのとどう繋がるのかイマイチ実感がわかなかった。
「じゃあまぁ、教えてくれる気になったら素直にイイって言うといいよ」
 相手はこちらに協力する気がないと判断したらしい。てか判断が早すぎないか。そんなにわかりやすく顔に出たんだろうか。
「ぁ、ぁっ、ま、まって、まって」
「待つわけないよね」
「ひうぅっ、ん、んっっ」
「いいね」
 何が? と思った矢先、可愛いと相手の口からこぼれた言葉に、キュンと胸が高鳴ってしまう。自分より数段可愛い人に、可愛いなんて言われる違和感もあるんだけど。
 だって一応ちゃんと恋人になったはずだった。恋人として抱かれる覚悟でここにいるのに、眼の前の相手が恋人なんだって実感が欠片も湧いてなかったから、可愛いなんて一言にも盛大に反応したんだと思う。
「可愛いって言われたら嬉しい?」
「ち、ちがっ」
「そう? 体は嬉しそうにしてたけど」
 素直な体だよねと言いながら、相手の指にお腹の中を擦られて、ビクビクと体が小さく跳ねてしまう。
「んああっっ」
「ほらこことか。かなり良さそう」
「やっ、やっ、んんんっっ」
「体は全然嫌じゃなさそうなんだよねぇ」
 またしても「いいね」と言って、相手が楽しげに笑った。

続きます

 
 
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