酔った弟に乗られた話2

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 拙いキスと股間ばかりを撫でさする手に、慣れてなさを感じてなんだか嬉しい。
 過去に恋人がいた様子はなかったから、当然という気もするけど。もしこれで妙に慣れた様子を見せられていたら、きっと焦ったり疑ったりしてしまうから、この予想通りとも言えるぎこちなさに安心していた。
 ただ、安心はするけど興奮が煽られるかというと、そこはやっぱり微妙ではある。もちろん、それを正直に言えるわけではないんだけど。
「あんま、きもちくない?」
「そんなことないけど」
「でも」
「酒のせいだろ。俺も結構飲んでるからだって」
「俺に触られるの、イヤじゃない?」
「嫌だったら触らせてない」
「そか……」
 本当に気持ちいいよと言いながら、ほんのりしょぼくれた弟の頭を優しく撫でる。気持ちがいいのは事実で、ただただ気持ちが良いだけ、って部分を言わないだけだから嘘じゃない。酒のせい、ってのも多分ある程度は事実で嘘じゃない。
 興奮が足りないんだよね、とか言ったところで何が出来るのか。何をされるのか。わからないことに踏み込むより、このままじわじわとした気持ちよさに揺蕩っていたかった。
 でも弟はどうやらそうじゃない。こちらの反応の薄さに明らかに焦れていた。
「舐めても、いい?」
「ん?」
「アニキのこれ、舐めたい」
 手の中のペニスをきゅっと握りながら、熱い視線が許可を求めて見つめてくるから困る。
 マジか、と思う気持ちと、そういうのも込みか、と納得する気持ちが、胸の中で交錯した。
「あ……っ」
 弟が小さな声を漏らす。こちらの股間を握っているのだから、気づくのは当然なんだけど。
 つまり、いいよと言うより先に、反応したのは股間の方だった。弟の大きな口に包まれる想像に、あっさり興奮したせいだ。
「いい? よね?」
「ああ」
 再度許可を求められて素直に頷けば、いそいそと下着ごとボトムスを抜き取られ、顕になった下半身に弟の頭が落ちていく。
「んっ……」
 気持ちの良さに鼻から息が抜けて、弟が微かに笑うのがわかった。はっきりと反応があって嬉しいんだろう。
 やっぱり慣れてはなさそうで、じれったい刺激ではあったけれど、でも間違いなく先程よりも興奮が煽られた。今度はしっかりとペニスに芯が通って勃ち上がっていく。
「勃った」
 ガチガチと嬉しそうに笑われて、満足そうで良かったとは思うものの、いやこれここで放置されんの? と思ってしまうのも仕方がないと思う。口の中でイカセてとまでは言わないが、ちゃんと反応してるんだからもうちょっと続けて欲しかったというか、つまるところ最後は手でもいいけどこっちがイクとこまで頑張って欲しかった。
 というかここで一旦放されるってことは、こっちを好きに弄り回してイカせれば満足。というわけではないらしいってことだ。
「で、このあと、どーすんの?」
 弟の股間はずっとけっこうな膨らみを保っているから、こちらにそれを握らせて、互いに互いの勃起ペニスを扱きあおうとでも言うんだろうか。
 なんて思っていたのに、弟の口からは全く想像もつかない言葉が飛び出てきた。
「んー、……乗る?」
「は?」
「あにきのちんぽ勃ったら、俺のお尻で気持ちよくしてあげたいなって」
「は? え?」
「挿れていいでしょ?」
 兄貴は痛くないからいいよねと言われて、絶対痛くしないってそういう意味かとやっと理解が追いついてくる。
「まじ、か……」
 さすがに驚きすぎて声に出た。
「つかそんなすんなり入るもんじゃないだろ」
「慣らしてきたからダイジョブ。多分」
「おまっ、トイレ長いと思ったら、そんなことしてたわけ!?」
「トイレで中洗ってるし、部屋でローションたっぷりいれてきたから、たぶん、ちゃんと気持ちくできると思う」
 だからいいでしょと言われて言葉に詰まっているうちに、弟もあっさり自身のボトムスを下着ごと脱ぎ去ってしまう。それどころか、素早くこちらの腰を跨いでくる。
 弟の体格で腰をまたがれたら正直そこでもう詰みだった。いやまぁ、マジかと驚く気持ちはあるものの、抵抗する気自体はあまりないので構わないんだけど。
 それに妙に納得している部分もあった。抱きたいのではなく抱かれたい、というのが弟の本音だったなら、あれだけ気持ちをダダ漏れにさせながらも手を出してこなかった事にも頷けてしまうのだ。

続きました→

 
 
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