酔った弟に乗られた話4(終)

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「は、はいったぁ」
 へにょっと嬉しげに笑う顔に、こちらも安堵の息を吐く。
「うへへ」
 ちんぽかたぁい、などとヘラヘラ笑う顔に興奮が煽られる。痛いと泣かれて若干萎えていたペニスが、硬度と質量を増していくのがわかる。
「俺んなか、気持ちぃ?」
 気持ちぃよと返せばやっぱり嬉しそうにフニャフニャと笑ってから、深呼吸を一つ。それから意を決したように、ゆっくり腰を持ち上げていく。
「んんんっっ」
「おいっ、痛いなら無理すんなよ」
「へー、き」
 痛くないよーと間延びした声で返しながら、今度はゆっくりと腰を落としてくる。
 そうして何度か往復するのを若干ハラハラと見守っていたけれど、確かに、痛いと漏らすこともなければ、痛そうに呻くこともなかった。
 ならいいかと、こちらも与えられる快楽に気持ちを集中させる。今度こそこのままイッても良いはずだ。
「はぁ……」
 自身の口からこぼれる息が熱い。
「気持ちぃ?」
「ん、いい」
 再度聞かれて頷けば、良かったぁとはっきりいわれた後で、だんだん腰を上下させるスピードがあがっていく。
「もっと、もっと、俺で、きもちくなってぇ」
「ぁっ、……ぅんっ……」
 必死で頷き快感を追った。
 多分弟自身はこの行為で快感を得られているわけじゃなく、痛みはなくともそこそこ苦しさが伴っているんだろうとは思う。こちらを見下ろし嬉しそうに笑うことはあるが、基本、息遣いにも表情にも甘さはほとんどない。気持ちよさそうに蕩ける様子はないし、開かれた股間で揺れる弟のペニスはとっくに硬さを失い垂れている。
 こっちに主導権があれば、一緒に気持ちよくなれただろうか。
 自分ばかりが気持ちいい現状に申し訳ないような残念なような気持ちはあるが、でもそれを今、どうこうしようとするのは無駄だ。というか無理だ。だったら、さっさと気持ちよく果ててしまう方がいい。
 少なくとも、こちらがイッたら弟も一度動きを止めるだろう。口でしてやれるかはわからないが、手でなら自分だって弟のペニスを握って扱いてやれるはずだから、とりあえず一度終わらせてから弟のことも気持ちよくしてやればいいかと思う。
「ぁ、あっ、も、いきそぉ」
「ん、イッて、イッて、あああっっ」
 ますます激しく上下される腰に合わせて、こちらも少しばかり下から突き上げてしまったけれど。辛そうな声を上げさせてしまったけれど。
「出るっ」
 その宣言に合わせてぎゅっと落とした腰を押し付けてきた弟の中に、すべての熱を吐き出した。
「はぁ、あにきのちんぽ、ドクドクしてるぅ」
 やたら満たされた顔で、お腹ン中あつぅい、などと言っているが、それを聞いてザッと血の気が引いていく。良かったなと悠長に思えないのは、コンドームというものの存在をすっかり失念していたせいだ。
 つまりは、弟に中出しした、という事実を今更認識して焦っていた。
「ちょ、おまっ、中出しなんかして大丈夫なのか?」
 確か腹を壊すんじゃなかっただろうか。けれど弟にはピンときてないらしい。
「え〜めっちゃ嬉しいけど」
 兄貴に種付けしてもらったぁ、などとヘラヘラ笑われて、これでは埒が明かないと思う。
「お前ちょっと一回降りろ」
「え〜」
「えーじゃない。早めに掻き出した方が絶対いいだろ」
 ほら早く尻を上げろと、下からペチペチと尻を叩いてやれば、不満そうにしながらも腰を上げて繋がりを解いていく。
「あ、出ちゃう」
「ばか。出ちゃうじゃなくて出すんだよ」
 尻の中から垂れてくる白濁を押し止めるためか、股の間に差し込まれた弟の手を取り引き剥がした。
「あ、あっ、出ちゃう〜汚しちゃう〜」
 足の間からたらりと垂れたものがラグを汚すが、そんなことに構っていられない。
「いいからそのまま全部出せ。つか指突っ込んで掻き出すか?」
「やだぁ。もったいない〜」
「もったいないじゃないだろ。てか腹壊すんじゃないのかよ」
「お腹べつに痛くないよ?」
「後でそうなるかもって話だろ」
 などと言い合っているうちに、どうやら重力に従い全て流れ出たようだ。しばらく待ってこれ以上垂れてこないのを確認してから、やっと掴んでいた弟の手を放した。
 とりあえず早急にラグの汚れを落とした方がいいだろう。放置した結果の買い替えなどは絶対避けたい。
 そしてこちらの意識がラグに向かっている間に、弟はあっさり寝落ちしていた。
 まぁ掃除を手伝わせなかった時点で、この結果は見えてたけども。というよりも、既に半分寝かけていて、手伝えと言えなかったが正しい。
「あー、もう、気持ちよさそうに寝やがって」
 横向きに寝ていたので、一応確認しておくかと尻肉を割って弟のアナルを晒した。赤く腫れぼったくなってはいるが、傷がついている様子はない。流れ出た白濁にも赤色は混じってなかったから、多分、中を傷つけたりもしていないはずだ。
 ホッと安堵の息を吐いてから、脱ぎ散らかしたボトムスをどうにか履かせてやり、その後一度リビングを出て弟の部屋に掛布を取りに行く。逆ならどうかわからないが、抱き上げて運ぶなんて選択肢はないし、叩き起こすのも躊躇われる。かといってあのままリビングに放置というわけにもいかないだろう。
 寒い時期ではないけどせめて何かかけてやりたい。
 ベッドの上には、弟が使ったのだろうローションのボトルが転がっていて、近くにはコンドームの箱もある。
「あいつ……」
 襲いに来るならこれも持参してこいよとため息を吐きだしたが、後の祭りもいいところだ。
 色々溜め込んでたのが飲みすぎて爆発したって感じだったし、弟もそこまで頭がまわってなかった……いや、あの中出しの喜びっぷりを考えたら、わざとって可能性もた高そうか。
 弟の気持ちを察しながらも放置していたこちらにも多少の責任はあるだろうし、こちらも反省する点は多々有りそうだけれど、とりあえず、明日起きたら一言言ってやらないと、と思う。とても一言で済みそうにはないけども。

<終>

とりあえず前夜にどんなことがあったのかを兄視点で書いてみました。
弟、かなり記憶飛ばしてますね。笑。
酒無し&兄が主導権握ったセックスも、気にはなってます。いつかまた機会があれば。

 
 
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