親切なお隣さん33

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 したことはないがされたことはあるので、どうすると気持ちがいいかは一応この身を持って知っている。ついでにいえば、相手のサイズを勝手に想像して買った例のディルドを、口に咥えてみたこともある。というか、端的に言うとそういう練習も一応していた。
 いきなり抱いてはくれはさすがに無理かも、と思っていたのもある。その気がない相手をその気にさせるには、やっぱり気持ちよくさせるのが手っ取り早いだろうし、口を使った奉仕に大概の男は興奮する。はずだ。
 だから今は絶好のチャンスで、練習の成果を試すとき!
 そんな意気込みで相手から下着を剥ぎ取って、反応はしてるがガチガチに張り詰めてるってほどではないソレに向かって口を寄せていく。なのに。
「待って待って待って」
 焦った声とともに頭を掴まれてしまって、物理的に阻止された。
「ちょっ、なんで」
「なんではこっちのセリフだよ!」
「だって俺もアンタをイカセていいんじゃ……?」
「言ったけど。でもあの流れだったら、君も手でしてくれるつもりって思うでしょ」
 いきなり咥えようとしてくるとか思わないでしょ、なんて言われても困る。
 手でするより気持ちいいはずだ、というだけの判断だ。早く相手にも気持ちょくなって欲しいし、早く相手がイクところを見たいってだけだ。急ぎ過ぎと言われたら、まぁ、そうかもしれないけど。
「なら、舐めちゃダメなんすか」
「ダメっていうか、いや、ダメじゃないけど」
「え、どっち?」
「ダメじゃないよ。けどそこまでしなくていいっていうか、君が触ってくれるなら手でも充分に嬉しいし絶対気持ちいいから、口でしようなんて思わなくていいよっていうか、無理はしないで欲しいっていうか」
「別に無理は……」
「本気で言ってる? 抵抗ないの?」
 本気で疑っているらしい目を向けられたから、普通は抵抗があるものなのかも知れない。普通なんてよくわからないけど、言われてみれば、中学時代のパパ活相手には無理だと言って断ったことを思い出す。あのときは好きに弄られ何回かイカされたあと、相手のは最後に手でして終わりだった。
 じゃあなんでこの人相手には出来ると思ったんだろう?
 してもらって気持ちよかったのを覚えてるから、その気にさせるには口でするのも一つの手、くらいの気持ちだったけど。でもディルドを咥えて練習してるとき、相手がそれで興奮してくれる想像に自分自身が興奮したし、楽しんでいた面は間違いなくあった。
「どっちかっていったら、けっこう楽しかった……?」
「楽しかった!?」
 盛大に驚かれた後、今度は何かを考え出してしまう。深刻そうな顔をどうしようかと見守ってしまえば、「パパ活?」という呟きが口から漏れて相手の誤解に気づいた。
「や、誰かにしたことあるってわけじゃなくて!」
 されたことならあるけど、なんてことはもちろん言わない。
「アンタが興奮してくれる想像しながらディルドしゃぶってたときは、けっこう楽しかったっつー」
「ちょっと!」
「えっ」
「反則がすぎる」
「ええ……」
「抵抗ないのはわかったし、してみたいのもわかったから、もう止めないけど。でもホント、無理はしなくていいから。思ってたのと違うって思ったら止めていいからね」
 言っとくけど絶対美味しいようなものじゃないよ、という謎の忠告は、実際に咥えてみて少し経ったところで実感した。
 確かに美味しいどころか普通に不味いというか、苦しょっぱいような変な味だ。自分の先走りやら精液やらを舐めてみたことはないから皆こんな味なのかはわからないが、多分そこまで大きな差はないと思うから、美味しいって言いながら人のちんこを舐め啜って、吐き出した白濁もあっさり飲んでいたあのパパ活相手は間違いなくかなり味覚が狂っている。
 いやでも吐き出したいほど不味いかっていうと、唾液に絡めて誤魔化せば飲み下せているから、慣れればそこまで不味いとは感じなくなるのかもしれない?
 むしろこの変な味が癖になるとか?
「もしかして、あんま良くない、すか?」
 ふと視線を感じて目線を上げたら、興奮してるとは言い難い顔が心配気にこちらを見下ろしていた。
 下着を下ろした最初に比べたら硬度は増してるし、はっきり不味いと感じるくらいには先走りをこぼしてて、しっかり興奮してくれてるんだと思ってたのに。

続きました→

 
 
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