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「いや気持ちはいいんだけど。なんていうか奇妙な気分?」
「奇妙って?」
気持ちいいならそのまま続けてって言ってくれればいいのに。そう思いながらも相手の言葉を拾って聞き返す。
「だって君、興奮してないよね? それどころか、なんか味を確かめられてるみたいな、味について何か考えてる、みたいな」
ものすごく変な言い方だけど、初めての食材を味わってるようにも見える、なんて言われてさすがに笑ってしまった。
「あー、まぁ、すごく独特な味だけど、慣れたら不味いとか思わなくなんのか、とか、逆にこれが癖になるとかも有り得るのか、とかは考えてたかも?」
「そういうの真剣に考えながらするような行為じゃなくない? そもそも、美味しいとか思うようになる必要、全く無いからね?」
「んー、でも、美味しいってむしゃぶりつかれた方が興奮する的な」
少なくとも自分はそれで興奮したわけで。
「普段どんなオカズ使ってんのか知らないけど、そういうの基本フィクションって思ってたほうがいいと思うよ?」
そう言われてしまうと、実体験ですとか絶対言えない。いやまぁ、された経験ならある、を知らせるつもりは一切ないんだけど。
「俺が美味いってむしゃぶりついても、興奮しないすか?」
「そういうこと言ってんじゃなくて、美味しいってむしゃぶりつく、なんていうのは演技だったり演出だったりが殆どだから、出来るようになろうとしなくていいよって話」
確かに、あれが演技だったり演出だったりには思えなかったけど、どこまで本気で美味しいと思ってたかも結局のところわからない。マジに味覚が狂ってる可能性もあるし、互いの興奮を煽るために言ってただけって可能性もある。
大事なのは、美味しいかどうかじゃなくて、それによってどれだけ興奮するかだ。つい、初めて口にした味に、意識が持っていかれてたけど。
そう思うと、興奮してるとは言い難い顔で、奇妙な気分だと言われてしまったのも納得だった。
「でもアンタに興奮してほしいし、気持ちよくしたいし、早くイクとこ見せて欲しいんすけど」
だから、最初の目的は間違いなくそれ。という部分を改めて訴えてみた。
「その気持ちだけで充分だから、手で握ってくれる?」
「それ、やっぱ下手だったってことっすよね?」
「ちゃんと気持ちよかったよ。てか反応してたのわかってるでしょ」
独特な味って思ったんでしょ、不味かったんでしょ、と言葉を重ねられて、そうだけど、だからって止めたかったわけじゃないのにと思う。でももう、させてはくれないのかも知れない。
失敗した。
しかしどうやらそんな不満や落胆が、相手にも伝わっていたらしい。
「やっぱり口でしたいの?」
「したい、す」
「じゃあ手でしながら、口も使って。深くまで咥えなくていいし、先走りは飲み込まないで擦り付けて。それとこれが一番大事なんだけど」
なるべくおれを見て、と言われながら顎を取られて視線を合わせられる。
「興奮してって思うなら、おれが興奮できてるか、ちゃんと確かめながらして。気持ちよくしたいって思うなら、おれがどうすると気持ちいいか、おれを見ながら探って」
わかった? と念押しされて、コクコクと首を縦に振った。なぜか言葉は出なかった。
そうして再開したフェラは、フェラと言うよりも手で扱く方がメインになったけど、それでも間違いなく、互いにさっきより断然興奮できていた。
一人でするのと違って相手がいる行為で、相手任せの受け身じゃなくて自分が相手を喜ばせたいんだから、どうすると相手が興奮するのか気持ちがいいのか、確かめながらしなきゃダメだったらしい。
それに相手が興奮しているとわかるのはこちらの興奮も煽られる。ちゃんと自分を見ていろという相手の訴えは正しかった。というか多分それが一番効いた。
たしかに、一番大事なことと念を押されただけはある。
「ん、そろそろ」
イきそうだという訴えに少しだけ迷って、最後の最後に、相手の言いつけを破って深くまで咥えに行った。
「あっ、」
驚いた様子で腰をひこうとしたけれど、それを許さず追いかけて、吐き出されてくるものを口の中で受け止める。だけでなく、勢い任せに飲み下した。
「ぅう゛ぇっっ」
喉の奥に粘つく感じが引っかかって、鼻に青臭さが抜けて、不味い以前になんとも気持ちが悪い。なのに、飲んでやった、という達成感に気持ちが高揚する。
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