しばらくは対抗するみたいにこちらも必死に相手のペニスを扱いていたけど、結局どんどん動きが緩くなって、与えられるキモチイイに浸ってしまう。さっき即イキしてしまったからかさすがに手加減はされてるみたいだし、こちらも一度出してる余裕があったはずなのに。
ほぼ握ってるだけになってしまった辺りで、このまま続けたらまた自分だけイってしまうと気づいて、ようやく相手を押し戻しながら身を捩った。
「も、はやく挿れて、ください」
さっさと突っ込んで相手もちゃんと気持ちよくなって欲しい。そんな気持ちで口にしてみたものの、さすがに慣らし足りていない自覚はある。というか中を綺麗にするくらいしかしていない。
「さすがに気が早すぎない?」
「だってこのままだと俺だけまたイッちゃいそうなんすもん」
「イッていいよ?」
「やだ。てか抱いて欲しいって何回言わせる気すか」
「何回だって言われたいけど。じゃあ、そろそろお尻の準備させてくれる?」
「もちろんいいすけど、その、ローションとかって」
勢いで出てきてしまったけど、そういや何も用意してなかった。ラブホなら買えそうだけど、どうすればいいんだろう?
なんて思ったのもつかの間。
「うん、持ってきてるから大丈夫」
「え?」
「君を抱くつもりで出てきたんだから、ちゃんと持ってきてる。もちろんコンドームも」
「いつの間に?」
「君が着替えてる間に」
「なるほど?」
疑問符が付いたのは、相手だって家を出る前にラフな部屋着から着替えているからだ。でも思い返せば、ササッと着替えたあとで台所と部屋とを往復してたと言うか、何やらウロウロしてたような気もする。
自分はそういうモロモロを押し入れに置いているけど、お隣さんは風呂場周りにでも置いてるんだろう。台所に用があったんじゃなくて、風呂場に用があったんだと思えば納得しか無い。
「ていうかすでにここに並んでるんだけどね」
ここって言いながら示されたベッドヘッドには確かに見慣れないボトルと箱とが並んでいるが、そんなとこ全然見えてなかった。
「君が準備してる間におれだって準備してたんだよ」
言いながら箱から取り出したゴムをスルッと指に装着し、次にはボトルに手を伸ばす。粘性の有りそうな液体が手のひらに垂らされて、間違いなくローションではあるんだろうけど。
「なんか高そう」
「これ? まぁ使う場所考えたら多少お金出しても安全は買っておきたいよね」
アナル用だよって言われて、へぇと感心してしまう。そういうのがあるって事だけは知っていた。もちろん買おうと思ったことはないし、実物を探してみたことすらない。
「普通のとはやっぱ違うんすか? 自分でも使ってるんすよね?」
さっき抱かれる側になる可能性も考えて自分の体で試したとかなんとか言ってたはずだ。
「そんなにあれこれ試したわけじゃないけど、これはかなり乾きにくくて良かったやつ」
手のひらで捏ねられるローションをマジマジとみてしまうが、一体何をしてるんだろう。
「何してんすか?」
「温めてる」
「アタタメテル?」
言われてもすぐには理解できなくて、疑問符付きで繰り返してしまった。
「ボトルから直でって冷たいでしょ?」
「あー、まぁ、確かに?」
言われてみれば確かに、ローションをまぶしたディルドを押し当てた時とかに、冷たっ! ってなることはあるけど。でもわざわざ温めてから塗りつけようなんて考えたこともなかった。
「そういうのあんまり気にならない?」
「気にならないってよりは、温めるって発想がなかった、みたいな?」
「そっか。で、そろそろ君の中に触れてみたいんだけど」
「ああ、はい」
寝転がったほうが弄りやすいかなと思いながらも、さすがにそこまではと座ったまま、膝を立てた足を開いて見せる。
「躊躇いないね」
寝転がる代わりに、パカッとかなり大きく開脚したせいだろうか。少しでも弄りやすいようにっていう気遣いだったんだけど。
「ほんとに躊躇いなかったら、寝転がって尻穴見せつけるまでしてると思うんすよね」
「確かにそうかも。じゃあ、もうちょっとだけ頑張って。寝転がっておれにお尻の穴、見せつけて?」
まさかそう来るとは思わなかった。
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