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次はもっと密着した体勢で繋がりたいなと言われて、言われるまま横向きになれば、背後に寄り添うみたいに寝転がった相手が片足を持ち上げて穴の位置を確かめてくる。だけでなく、そのままぬるっと指先が入り込んできた。
「んっ」
「乾いてなさそうだし、このまま入るけど、いい?」
「は、はい」
ゴムを付け替えるのは見てたし、そっちにローションを塗りつけているのだって見ている。穴は少し前までマックスサイズを受け入れて、けっこうガッツリ動かれても擦れる痛みはなかったんだから、多分なんの問題もないだろう。
さすが、幾らか知らないけど安全を買ったとか言ってたアナル用ローション。そういや乾きにくくて良かった、とも言ってたっけ。
「じゃあ、入るね」
「ぁ……んっ……」
「さっきより小さくなってるし、この体勢だとそんなに奥までは届かないけど」
物足りない? と聞かれて、いいえと否定を返した。
だいぶ浅い位置にしか入ってないけど、そもそも、強い刺激が欲しいとか早くイきたいとは思っていない。物足りないってほど、体が昂った状態じゃない。
「じゃあもし物足りなくなったら、正直に教えてね」
取り敢えずはしばらくこのままイチャイチャさせてと、足を下ろした相手の腕が、胸の前に回ってくる。というか抱きしめられた。
背中があったかくて、確かにこれは密着って感じ。
ほぅ……と緩んだ息が漏れて、背後から相手がクスッと笑う気配がする。
「腕の中に君がいて、その君と繋がってて、なのにそんな風に安心してくれてるの、すごい幸せだよ」
「俺も、けっこう幸せ? かもっす。なんかこのまま寝れそう、みたいな」
「あれ、そこまで落ち着いちゃってる?」
「まぁ……」
ちゃんと気持ちよくはなっていたけど、奥への刺激でイッた経験はないから、正直イキそこねた感は薄かった。相手が気持ちよくイッてくれて満足したのもあるし、一度抜け出てゴムを変えるというインターバルもあった。
今のサイズ的にもそこまで圧迫感はないし、挿入が浅いからそこまで快感を刺激されてもいない。
うん、このままじっと抱きしめられてたら、本気で寝落ちる。
「もしかして眠い?」
いつもならとっくに寝てる時間だもんねと言われれば、確かにそうなんだけど。でもこの時間を惜しむ気持ちだって当然ある。
「や、だいじょぶす」
「俺だけ先イッちゃったから、もっかいイカせてあげたかったんだけど」
このまま寝てみる? という提案に、どこまで本気なんだと思いながら、嫌ですと返す。
指でイカせてあげるよ、だったらともかく、まだ出来るって言われて実際こうして体を繋げているんだから、こんな中途半端な状態で終わりたくはなかった。
「もったいないんで」
「もったいない?」
「だって次いつ抱いて貰えるかわかんないすから。アンタがもう無理出ないって言うまで、搾り取りたい」
「ええ、本気で?」
笑われてしまって、全く本気にされていないけど。実際、搾り取りたいって部分は本気で言ってるわけでもないけど。
でも、次いつ抱いて貰えるかわからない、は間違いなく本音だった。というかあのアパート内では抱いて貰えないのだから、これは切実な問題だ。
「それくらいの気概で、ってヤツっすね。ヤレるだけヤッて帰りたい、みたいな」
「そんな意気込まなくても、ラブホくらいいつでも連れて来るんだけどね。普通のデートだってしたいんだけどね。でもおれとの時間を作るための無理もさせたくないし、ヤリ溜めみたいな無茶なセックスだってする気はないよ」
そう言った相手は、明日だって仕事入れてるでしょと聞いてくる。
「入れてますね」
「じゃあ、これ以上あまり体に負担かかんないように、ゆっくり気持ちよくなって、気持ちよくイッたら、今日のところは終わりにしようか」
「それでいいすけど、そんな狙ってゆっくりとか出来るんすか」
「多分出来るよ。ゆっくり、一番キモチイイとこ擦ってあげる」
「えっ!?」
言いながら、こっちの腰を押さえて後ろからゆっくりと腰を突き出してくる。
「ああっっ」
「ほらココ、でしょ」
「あ、そ、なんで……」
「なんで、ってイチャイチャしたかったからあんまり当たらないようにしてただけで」
随分浅い挿入だと思ってたけどそれはわざとで、腰もしっかり密着させたら前立腺まではちゃんと届く、らしい。
「あ……はァ……」
「えっちな声出てる」
「だ、だって」
「少し動く? それとも、もうちょっとこのまま焦らそうか」
そのほうがじっくり気持ちよくなれるかも、とか言われたけど。
「う、動いて」
「ん、わかった」
ゆっくりするからゆっくり気持ちよくなって、の言葉通り、ゆるゆると腰を前後されると、お腹の中からじわっと快感が広がっていく。
「あ……あ……ぁあ……」
ただ、そんな風にゆるゆると刺激されて、前立腺だけでイケるまで我慢、なんて出来るわけもなかった。そんな焦らしプレイやら我慢プレイには縁がないというか、ゆっくり気持ちよくなって、なんてセックスをされる想定がなかったから、そういう妄想で自分を焦らした経験なんて無い。
つまり、もどかしさにあっさり屈して、自身の手を股間へ伸ばした。
「はぁ……」
「ん? もしかして、我慢出来なくて自分でおちんちん触ってる?」
満足気な吐息が漏れるのが自分でもわかったし、快感でお尻の穴を締めてしまった自覚もあった。だから気づかれて当然なんだけど。
「だって……」
最初にトコロテンしてペニスには触らずイッたから、前立腺だけでイケるって思ってるのかもだけど、トコロテンはそんなに簡単なものじゃない。そもそも、こんなゆっくりな刺激で自分を焦らした経験がないんだから、この状態からトコロテンが出来るのかどうかすら自分自身わからない。
「別に責めてないよ。ただ、おれも一緒に、していい?」
「え?」
戸惑う声を上げたときには、腰を押さえていた相手の手がスルッと前に回ってくる。ペニスを握る手を包みこんで、一緒にゆるゆると扱いてくる。
「ぁ……」
「気持ちぃ?」
「き、きもちぃ、ああ」
「ふふ、えっちなお汁いっぱい出てる」
指先が器用に先端からこぼれる先走りを掬い取って、くるくるとくすぐるみたいに亀頭へ塗りつけてくるからたまらない。ゾクゾクと腰の奥が疼いてしまう。
「あぁ、やぁあ」
「でも気持ちぃでしょ」
お尻凄い締まったよと指摘されて、止めては貰えなかった。
トプトプと溢れてくる先走りを次々と掬われ塗り込まれ、お尻の中では前立腺をゆっくり擦られて、全然激しくされてないのに、ビリビリ痺れるみたいな快感がずっと続いていっそ怖い。
なにこれ。
「あ、あ、ああっ、や、だめ、だめっ」
「何がダメ?」
「だ、だって、いく、も、いきたい」
「うん、いいよ。イッて?」
そう言うくせに、イクために激しく擦ろうとするのはやんわりと拒否られて、こちらの手を覆う相手の手は、依然としてゆるゆるとしかペニスを扱いてくれない。
「あ、ああ、やだぁ」
イキたいイキたいイカセてと繰り返したら、仕方ないなぁと、呆れるってよりは甘やかすみたいな、どこか笑いを含んだ声とともにペニスを握る手が外れて、また腰を掴んでくる。
「自分でしていいから、イクときちゃんと教えてね」
おれはいっぱい前立腺突いてあげるからいっぱい気持ちよくなってと、その言葉通りに、さっきよりも強めにゴリゴリと前立腺ばかりを狙って突いてくれるから、焦らされまくった体はあっという間に昇りつめていく。
「あ、あ、あ、イクイクイクっ」
ギュウギュウとお尻の穴を締め付けながら、ビュクビュクと白濁を吐き出す中、背後で相手が小さく呻くのがわかった。自分の体が絶頂で痙攣してるからか、さっきほどはっきりわからないけど、でも多分、相手も一緒にイッてくれたんだと思う。
良かった。嬉しい。
そう思ったところまでは、覚えている。
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