ご飯担当の繁殖期8

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 背後から抱きしめられていた体をくるっと返されて、寄せられる顔に反射的に舌を差し出した。ニンゲンがそうするように舌先にチュッと吸い付いた相手は、チュクチュクと舌を舐めしゃぶりながら、またスリットに指を入れてくる。
 口の中に相手の舌が入っているわけではないから、うっかり口を閉じても自分の舌を噛むだけだ。できればそれも避けたいから、必死で舌を差し出しながら快感に耐える。
「んぅうっっ」
 何度も焦らされた体はあっさり昂って、イッてしまいそうで思わず唸ったけれど、今度はもう止めてとは言わなかった。
 ただ、このままイカされる覚悟とは裏腹に、スッと顔も指も離れていく。
「え……」
「かわいい」
 こちらの戸惑いに、相手の熱い吐息とそんな言葉が掛かって、さらに「すまない」という言葉が続いた。
 可愛い要素なんてあっただろうか? とか、なぜ謝られてるんだろう? とか、混乱する中で「さすがにこれ以上は理性が危ない」と言われて、相手が繁殖期中だと思い出す。
 平然と話す姿にうっかり失念していた。
「一度しっかりイってからと思っていたが待てそうにない」
「そんなの気にせず、どうぞ入れて下さい」
 そのための訓練だったし、今自分がここに居る理由でもある。
 再度「すまない」と言いかける相手の口に手のひらを押し当てて、謝罪は要りませんと告げれば、ひとつ頷いて「ありがとう」と笑う。ホッとして笑い返せば、抱えられてベットに倒された。
 体格差が大きいのでどちらかが上になる体勢は不向きで、互いに横向きに寝て入れるのが一番負担が少ない。というのが訓練の結果判明している。
 それに倣って側臥位で向き合ってスリットとペニスの位置を合わせた。
「入れるぞ」
「はい」
 ジッと見つめてしまう先、大きく膨らんだ先端がクプリとスリットに入り込む。ニンゲンのより多少大きいものの痛みはない。
「大丈夫です」
 軽く上向けば、同じようにジッとその場所を見つめている視線を見つけて先を促した。見つめるだけでなく、動きそのものも止まっていたからだ。
「痛かったり苦しかったらすぐに教えてくれ」
 少し上擦った声が相手の逼迫した状況を知らせてくるから、わかりましたと返しながらも、できる限り隠そうと思った。なのに、隠すどころか痛みや苦しさが発生する前に、相手は「ここまでだな」と言って挿入を終えてしまった。
 多分半分も入っていない。先程「先端を含んで貰えればいい」みたいに言っていたから、相手はこれで満足なのかも知れないが、こちらとしてはやはりどこか物足りない。
 どこかが傷つくのは困るけれど、多少苦しいくらいは全然構わないから、もっとしっかり相手を感じたかった。
「まだ平気ですが」
「うん。でももう、お前のペニスと擦れてるのがわかるから」
「でも、」
「充分気持ちいい」
 痛みも苦しさもないですと訴えたけれど、じゃあもう少し、なんて言ってくれるタイプじゃないのはわかっている。それでも食い下がろうとしたら、宥めるような声音でそう告げられて、軽く目元を撫でられた。
 その指に釣られるように、本気で言ってるのかと疑う視線を送ってしまえば、とろりと緩んだ瞳とかち合ってドキリとする。興奮は、されている。
「本当に?」
 それでも確かめるように聞いてしまえば、すぐに「本当に」と返されたけれど。
「その、イケるんですか? これで?」
 さらに問いを重ねてしまったけれど、だって信じられない。
「問題ない」
 そう言って、相手はペニスの入り切らずに露出した部分を扱き出す。なるほど、とは思ったけれど、半分以上自慰だなとも思った。
 まぁ、仕方がない。そう思いながらこっそり溜息を吐き出せば、そんな顔をしないでくれと、困った様子の声が聞こえてくる。
「こんな小さな体で欲しがって貰えただけで、本当に、充分なんだ。先端だけだろうとお前と繋がれて嬉しいし、見ているだけでも興奮する。この中を、自分が吐き出したものでいっぱいにしていいと考えるだけで、イキそうだ」
 熱い吐息とともに、うっとりと吐き出されてくる言葉には、多分きっと嘘はない。
「あの、じゃあ、せめて」
 握って扱くのを手伝わせてとお願いしたら、嬉しそうに快諾された。

続きました→

 
 
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