スライムに種付けされたかもしれない

 たかがスライムなどと侮っていたのは認める。次から次へとどこからともなく集まってきた彼らの圧倒的な数と量とに屈するのは早かった。
 体中を彼らに包まれ身動きが取れない。辛うじてまだ、口と鼻は覆われていないため呼吸が出来ているが、それもきっとすぐに塞がれてしまうだろう。こんな所でスライム相手に窒息死だなんて情けないにも程がある。
 きつく閉じた瞼の隙間から悔しさに滲み出る涙は、目元を覆ってうごめく彼らのせいで流れ落ちることはなかった。
 そんな中、突如頭の中に声が響く。流暢とは言い難くノイズ混じりではあったが、その声は確かに、死にたくないか、まだ生きたいかを問う声だった。
「死にたくない。死にたく、ないっっ」
 近くに誰かがいるのかも知れない。もしかしたら助けてくれるのかもしれない。そう思って、必死に声を張り上げた。
『では……お前の、ナカ、を頂くが……それで、いいか』
 意味がわからなかった。ナカってなんだ。
 けれど迷う時間はない。それでいいから助けてくれと再度声を張り上げれば、体を覆っていたスライムたちの動きが変わった。けれどそれは、誰かが自分からスライムを引き剥がしてくれるといったような、期待していたものとは全く違う動きだった。
 服や防具の隙間を縫って、直接肌の上を這い出したスライムの感触に怖気がたつ。
「う、あっ、ぁあ……、な、なに、」
 戸惑い漏れる声に、ナカを頂くと言っただろうという声が頭に響いて、声の主が誰だったのかようやく気づいた。
 しかし気付いても、その現実をすぐには受け入れられない。スライムが人語を操るなんて聞いたことが無い。こいつらは最下等のモンスターで、いくら数が集まったってスライムは所詮スライムだろう。
 そんな風に混乱している内にも、スライムは次々服の下に入り込んでいて、体中を舐めるように這い回りながら広がっていく。ひたすらに気持ちが悪い。
「待てっ! まて、そこはっ」
 下着の中に侵入された段階で予想はできていたものの、とうとう尻穴にまでスライムが到着し、しかもグッグッと揉み込むように圧を掛けてくるから慌てた。とは言っても、拘束されきった体が動くはずもなく、必死で静止を望む声を上げる。
 もちろん、相手はこちらをすぐにでも殺せる状態にあるモンスターだ。こちらの意思などおかまいなしに、好き勝手出来る状況だ。
『心配、する、な』
 だからそんな言葉が掛けられるとは思っても見なかった。
『ナカに入れるのは、先だけ、だ、……お前を、壊すことは、しな、い』
 続いた言葉に諦めて体の力を抜いた。その言葉が本当でも、嘘でも、今更こちらに出来ることなんて何もないのだと、思い出してしまった。
 そうだ。ギリギリ生かされているだけのこの身に出来ることなんて何もない。受け入れるしかない。
 それでもやはり、黙って耐えることなんて出来なかった。
「あーっ、あーっっ、嘘、つきぃっっ、壊れ、っ、こわれ、るっ」
 このゲル状の生き物に「先」なんてあるわけがなかった。頭の中に響いた声によれば、先だけというのは一部だけという意味合いだったようだ。体全体を覆うほどに集まっている彼らにすれば、確かに「ほんの先っぽ一部分」なのかもしれないが、受け入れるこちらは既に限界を超えている。
 腹の奥深くまでパンパンに入り込まれて、それらがグニグニと腸内で蠢いているのが苦しくて気持ち悪い。
「むりっ、それ以上はむりぃっっ」
 奥の奥まで拡げるようにナカを揺すられ突かれ、鈍い痛みが広がっていく。
 痛い痛いと喚いて、もう無理だと泣いても、彼らの動きが緩むことはなかった。けれど、痛みを散らすように、ペニスへと纏わりついている彼らの一部が、快楽を送り込むべくそこを擦りあげてくる。腸内の一部も、同時に中から前立腺を捏ねていた。
「あーっ……あああっっ、イクっ、でるっっ」
 あっけなく頭の中が白く爆ぜる。けれどもちろん、それで終わりだなんてことはなかった。
 結局、何度イカされたかわからない。最終的には、尻の中を捏ねられる鈍い痛みすら快楽に取って代わられ、頭では依然として苦しくて気持ちが悪いと思っているのに、快楽にとろけた体はペニスを弄られることなく絶頂を繰り返していたように思う。
 曖昧なのは、最後の方には意識を飛ばしている時間も多かったせいだ。完全に意識を失くした後、いつまで続けられていたかはさっぱりわからない。
 意識を取り戻したときには周りにスライムの気配は皆無で、服の布地は幾分湿ったままではあったが、肌のベタつきなどは皆無だった。服も防具も多少の乱れは残るもののしっかりと纏ったままで、スライムに尻穴を犯されたなんて、随分とたちの悪い夢を見たと思えたなら良かったのに。
 あれが夢ではなかったことは、体が覚えている。腹の奥に、甘く鈍く疼くような感覚が残っていた。
 それでも、やがて記憶は薄れていくだろうと思っていた。
 もちろん、二度とあそこには近寄らないし、スライムだからと油断することだってしない。けれど何をされたかまで記憶にとどめる必要はない。
 なのに、自分の体の変化に、否が応でもあの日のことを繰り返し思い出す。ナカを頂くの意味も、どうやら尻穴を犯すなどという単純な話ではなかったらしい。
 あれ以来、一切便意がない。そして少しづつ腹の奥で何かの質量が増している。しかもそれは時折かすかに蠢き、あの甘く鈍く疼く感覚を引きおこした。
 自分腹の中で、たぶんきっと、あの日のスライムの欠片が育っている。

お題箱から<先っぽだけと言われて少しだけ中にはいるのを許したら最後まで突っ込まれて食べられちゃう話>
お題箱に頂いていたお題はこれで最後です。全6個、どれも楽しく書かせていただきました。どうもありがとうございました〜

 
 
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BAD END回避(スライム姦)

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 自分が魔界の見世物小屋と思しき場所へ連れてこられ、スライムたちに陵辱される日々を送るようになってからどれほどの時間が流れたのかは定かではないが、その生活はある日唐突に終わりを告げた。
 それは体を宙に持ち上げられ、大きく開かされた足の間から腹に詰まったスライムたちが、自重によって落ちていくショーの真っ最中で、ずるりぬるりと腸壁を滑っていくスライムたちのおぞましい感触に呻き喘いでいた時だった。
 気持ちが悪いと思うのに、ゾクゾクと背筋を走る快感は、ここでの日々の中で覚えこまされたものだ。
 何を言っても叫んでも懇願しても無駄だった。何もかもとうに諦めきっていて、口から漏れる言葉は失くし、ただ苦しさに呻き快楽に喘ぐ。何も考えず体の示すままに声を漏らすのが楽だった。
 初めは何が起きたのかさっぱりわからなかった。
「あっ…んんっ、ぁ…ひゃっ?……んぁぁぃゃあああっっ」
 体の中からゆるりと落ちていたスライムたちが、急速に動いて次々と体外に排出して行くから驚いて、その感触に久々に大きな悲鳴を上げてしまった。
 宙に吊るされていた体も無造作に床へ下ろされて、体に纏わり付いていたスライムたちがそそくさとどこかへ消えていく。一切の拘束が解かれるのは、この場所へ連れてこられてから初めての事だった。
 ふと気づけば、先程まで目の前に並び、下卑た様子でこちらを見ていたモンスターたちの姿もない。ぼんやりと見回す室内では、客と思しきモンスターたちが慌てた様子で逃げ惑っている。
 自分も逃げるなどという思考も体力もなく、そのまま呆然と逃げ惑うモンスターたちを眺めていたら、肌をウロコで覆われた大柄な二足歩行のモンスターが近づいてきた。見た目の特徴的に雄の竜人とわかってはいるが、ここまで大柄な竜人と対峙するのは初めてだ。
 かつて戦ったことがある竜人は、せいぜい自分の背丈と同じくらいだったし、もちろんこちらは何人もの仲間が居た。それでもさすが竜人と思わされる強さだったし、戦闘態勢を整えた状態で出会うならまだしも、こんな状態で出会った所で何が出来るわけでもない。
 むしろこれはチャンスかもしれないと、わかりやすく怒気を孕んだその姿に、一筋の希望を見た気がした。
 近づいてくるのを黙って見上げていたら、その竜人は目の前にしゃがんで顔を寄せてくる。まるで瞳の奥の何かを探ってでも居るようだ。
 見るからに屈強そうな体躯をしていたし、こちらを射抜くように見つめる眼光も鋭いのに、何故か欠片も怖いとは思わなかった。卑猥な目的で近づいてきたのではないことがはっきりとわかる、彼の澄んだ瞳のせいかもしれない。
「意識ははっきりしているか?」
 久々に聞く人の言葉だった。体の大きさからも、周りを圧倒する力強い気配からも、相当高度な種族だろうことは感じていたが、目の前の竜人はどうやら人語を操るらしい。
 随分と流暢に人語を話すのだなと、場面に似合わずのんきにそんな事を思った。
「ダメか……」
 がっかりした様子のため息と共に立ち上がりかける竜人に慌てて手を伸ばす。とは言っても、久しく拘束される事に慣れきった体の動きは緩慢だ。
「待って」
 諦めきって喘ぐ以外に言葉を発しなくなっていたせいか、それだけの短い単語ですら、舌がうまく回らない。
「話せるのか!?」
「殺して、くれ」
 驚きの声からも僅かに動いた表情からも明らかだった喜色は、こちらの発した言葉ですぐさま霧散してしまった。
 すっと顔を逸らした彼は立ち上がり、遠くへ向かって何事か吠える。それは人の言葉ではなかったから、彼が何を言ったのかはわからない。
 やがて駆け足で近づいてきたのは、打って変わって随分と小柄な竜人だった。まだ子供というよりは、きっとそういう種族なのだろう。その小柄な竜人へ何事か託すと、それきり彼は居なくなってしまった。
 一旦姿を消した小さな竜人は、やがて清潔そうな布を抱えて戻ってきた。その布で裸の体を包まれた後は、軽々と言った様子で抱き上げられる。
 並んで立ったら自分の背丈の半分程度しかない体躯のくせに、やはり竜人だからなのか凄い力だ。
「お前、あばれる、しない。わかった」
 先ほどの彼ほど流暢ではないが、こちらの彼も多少人の言葉を話せるらしい。片言でも暴れるなという警告は理解して、わかったと返して頷いてみせた。
「お前、運いい。たすかる」
 こちらを気遣ってかゆっくりと歩き出しながらそんな言葉をかけられて、やはりこれはここに囚われている人間たちを救い出すための動きらしいと認識した。
 人を助けるのかと思うと不思議だったが、人間界にも囚われ無体な仕打ちを受けているモンスターたちを保護する活動がないわけではないから、きっと似たようなものなのだろう。
 助かりたかったわけではないのだが、どうやらこのまま殺して貰えそうにはない。それでもスライムたちに嫐られるためだけに、ただただ生かされているような日々から抜け出せることは、確かに幸運なのかもしれないと思った。

続きました→

 
 
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仲間のために一人残って戦った結果(スライム姦/BAD END)

目次へ→

 魔界へ続くとされるダンジョンの中、殺されるつもりで自分が残った。自分が残り敵の目を惹きつける事で、大事な仲間たちが無事に逃げ切れるならこの命など惜しくはない。
 少しでも時間を稼ごうと、持てる力を振り絞って剣を振り回し続けたがそろそろ限界だ。足に力が入らず、敵の攻撃を受けて吹き飛んだ体が壁に激突する。
 背を打ち付けた衝撃で脳みそまで揺れた気がした。ゆっくりと意識が暗転する中、仲間たちが逃げ切れている事を切に願った。

 体を這いまわるスライムたちに肌が粟立ち抑えきれない声があがる。
「あぅ、あぁ…やめっ、ろ……コロセ」
 多少数が多かろうと、最下層の弱小モンスター相手に良いようにされているのは、武器も防具もアクセサリーも全て取り上げられて丸裸な上、何らかの魔法でスライムたちが強化されているか、逆にこちらの攻撃力が下げられているせいだ。
 もともとパワープレイヤーで魔法類は使えない。なのに、腕に絡みつきまとめあげて拘束してくる1匹を、引き千切ることすら敵わない。
「う…ぁっ……いや、だっ」
 人語を解すことのない彼らに何を言っても無駄だ。それでも嫌だ、ヤメロ、殺せを繰り返すのは、彼らを自分にけしかけている存在を認識しているからだった。
 自分が今いる場所はステージの上か、もしくは動物園の檻の中のようなもので、スライム相手に為す術なく陵辱される自分を、楽しげに見つめてくる視線がある。
 死を覚悟して一人残って戦った自分は、結局殺されずに連れ去られ、魔界における見世物小屋的なものへ売られたのだと思う。
 スライムたちによって頭もほとんど固定されているから、じっくり周りを観察する余裕はないが、部屋の中はかなり広い様子で、アチコチで自分と同じように、連れられてきた人間たちが下等なモンスター類に弄ばれているようだった。
 固定された視界の中、つまらなそうに通り過ぎて行くのも、足を止めて興味深げにこちらを見つめてくるのも、にやにやと眺め続けているのも、今まで倒してきたモンスターや対峙したことのない未知のモンスターたちだ。
 高度なモンスターたちの中には人語を話すモノも居ると聞いたことがあるが、稀に掛けられる言葉の意味はわからなかった。ただしそれらが揶揄いや侮辱を含むものなのだろうことは、彼らの雰囲気と声音でわかる。
「んぁっ」
 熱を冷ますように体の上をアチコチ這っていたスライムの一部に胸を覆われ、少し高い声が上がってしまった。この後何が始まるか、体はもう嫌というほど知っている。
「あっ、あぁっ、んんっ」
 ぷにぷにとした触感で胸を揺すられながら、尖りっぱなしの乳首を捏ね回されれば、先程までとは比べ物にならない快感が走って身をよじった。
 床に投げ出されて横になった状態から、やがて背中に集まったスライムたちにより掛かる体勢へと変えさせられ、立てた膝を大きく割り開かれる。
 顔は正面に固定された。目の前にはショーのスタートを嗅ぎとったモンスターたちが並び、興奮気味にこちらを見つめている。
 開かれた足の間に勃ち上がるペニスに絡みついた一部に、擦るように上下しながら締め付けられれば、鈴口からはたまらず透明な雫がこぼれ出た。
「あ、あっ、イヤ、だっ。入る、なっあああっっ」
 亀頭を覆い先走りを吸収した後、足りないとばかりに小さな入口を拡げるように、穴の奥へと触手を伸ばされる。既に慣れた行為に痛みはないが、そんな場所をスライムのツルリとした触感で擦られてさえ、快感に声を漏らす自分自身に絶望することは避けられない。
 ペニスから侵入した触手に前側から前立腺をつつかれ、尻肉を左右に引っ張られて晒されている後ろの穴が、より深い快感を求めてヒクついているのがわかる。後ろから侵入した触手と前後同時に責められた時の、恐ろしいまでの快感を思い出して体が震える。
 今回はどんな風に責められるのか、何度イけば終わるのか。そして終わってもどうせ少しの休憩を挟んで、何度だって繰り返される。
 何らかの魔法か、もしくはスライムから直腸を通して栄養を与えられているのか、力尽きて事切れることさえ許されないのだ。
「いや、だ……助けて……殺して、くれ……」
 ボロリとこぼれ落ちる涙さえ、喜々として頬に這い上がってきたスライムにすぐさま吸収されて行く。
 ここにあるのは絶望だけで、なのに死ぬことさえ許されない。舌を噛み切ろうとすれば、腔内にまでスライムが侵入してきて阻まれるのは実証済みだった。
 誰か……
 どこにも届かない願いを虚しく繰り返しながら、責めを激しくするスライムたちに翻弄されて嬌声を響かせた。

救出しました→

お題提供:pic.twitter.com/W8Xk4zsnzH

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