やっぱりなんでと問う声に、なんでだと思うか問い返してやる。
「なの、わかっなぃ」
わからないから聞いてんだろと言いたげに睨まれたので、再度グッと前立腺を押し潰すように指先に力を込めた。
「ひぃぁあっ」
「バカなの? 自分の立場わかってる?」
押し込む力はすぐに緩めたけれど、トントンと緩やかに刺激を送り続けながら問いかける。
「たちば、って、ぁ、も、やめっ」
「意識あるとは言っても、まだ酒抜けきってないだろ。しかも既にこんなにケツ穴拡げられてんだぞ。俺相手に力勝負で勝てないのもわかってるよな。その状況で相手煽るような真似したらダメだっつうの」
親切に教えてやったのに、いまいち伝わらなかったようで、あえかな吐息と疑問符混じりに煽るってなんだと聞き返されて苦笑する。
「逃げらんないの分かり切った状況で、相手に反抗的な態度取ったら痛い目見るかもよ? ってこと」
「はんこう、てきって、お前、だって」
「こんなことされて不本意なのわかるけど、いい子にしてたほうがお得だよ」
痛いより気持ちいい方がいいだろと続ければ、絶望した顔で、マジで突っ込む気かと確認された。
「そうだよ」
「俺に、カノジョ、できる、から?」
「あれ? わかってんだ」
「っは、いやがらせ、かよ」
「まぁね。散々人の胸弄り回してストレス発散してたくせに、胸デカイ女と付き合えそうだからお前はもう用済みだ、なんて言われたら面白くはないよね」
「そ、っなつもり、じゃ」
「そんなつもりはなくても、そう言ったのと同じなの。仕事大変そうだなって思って無償で付き合ってたのあまりにバカらしくなったけど、別に金が欲しいわけじゃないからさ。今までの報酬体で払って貰おうかと思って。兄貴のない胸揉んだって楽しくないし、一応穴はあるんだから、そこで一発抜かせろよ」
だんだんと眉間にシワを寄せて聞いていた兄が、泣きそうな顔で苦しげにゴメンと吐き出した。謝られたいわけじゃないし、泣かせたいわけでもなかったけれど、今更引けるわけもない。
「謝んなくていいから、俺に抱かれる覚悟決めて。覚悟っつうか、諦めてくれるだけでいいけど。俺のが圧倒的に力あるっつっても、あばれる男押さえつけて無傷で突っ込めるかは難しいと思うし、それで気持ちよくなるのはもっと難しいだろ」
「わか、った」
思いの外あっさりと了承されて拍子抜けではあったものの、やはりショックは大きいようで、兄の顔は蒼白でやはり今にも泣き出しそうだ。
意識がはっきりと戻った上に、今から抱くという宣言を受けて、体のあちこちが緊張しているのもわかる。尻穴に突っ込んだままの指は、気持ちがいいを通り越して痛いくらいにギュウギュウと締め付けられていた。
「緊張してんね」
「そりゃ……」
「時間たっぷりあるし、抵抗しなきゃ無理やりどうこうなんてことしねぇから安心しろよ」
ちょっと深呼吸してみなと促せば、素直に従い深く息を吸い込んでいく。ゆっくりと吐き出されてくる息は震えてしまってなんだか痛々しいけれど、それも繰り返すうちにだんだんと治まっていった。それに伴い、体のあちこちに無駄に入っていた力もゆるりと抜けていく。
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