雄っぱいでもイケる気になる自称ノンケ2(終)

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 訪れた部屋の中は筋トレグッズと思しきものがアチコチに置かれていた。なんとなくイメージ通りの部屋と言えないこともない。あのムキムキした筋肉は彼の努力の賜物だ。
 しかし、喜々としてそれらのグッズ説明が始まってしまったのは、正直苦痛でしかなかった。だって筋トレになんてまるで興味が無い。
 なのにあまりに楽しそうに語る顔がなんだか可愛くて、結局遮れずにうんうん頷きながら聞いてしまう。
「先輩が興味あるのは胸筋ですよね」
「あー、まぁ、そうだね」
 おっぱい星人ですもんねと笑われて苦笑を返すしかない。
「一般家庭にあるもので鍛えるとすると、やっぱり椅子とか使うのがいいと思うんですよね。背もたれ付きでしっかりしたのが2個あると便利ですよ」
 どうやら壁際に不自然に並んだ頑丈そうな2つの椅子も、筋トレグッズの一つだったらしい。それらを部屋の中央へと移動させて、椅子に手を乗せるのと椅子に足を乗せる二通りのやり方で、何度か腕立て伏せをしてみせた。
「もっと高負荷なやり方もありますけど、最初はこれでいいと思います。ちょっとやってみます?」
「は? や、ちょっと待って。俺は別に自分に筋肉つけたいわけじゃないから」
「ええっ!?」
 あまりに驚かれて、むしろこっちが驚きだ。お互いに驚愕顔で見つめ合うこと数秒、先に口を開いたのは相手の方だった。
「え、あの、筋トレのやり方が聞きたいって話じゃ……?」
「はぁあ? 俺は一言もんなこと言った覚えねぇけど?」
「おっぱい星人、なんですよね?」
「それは否定しないけど、それと俺が筋トレすることの繋がりがまったくわからん」
「自分に筋肉付ければ、いつでもおっぱい触りたい放題ですよ?」
「待て待て待て。自分の胸筋鍛えて、おっぱい触った気分漫喫とかねぇよ。てか鍛えた筋肉とおっぱいじゃ全然違うだろ!?」
「あ、そういや触って貰ってなかったですね。やっぱり直に揉んでみる方がいいですか?」
「は?」
 こちらの返答を待たず、相手はさっさと着ている物を脱ぎ捨てて、上半身裸になってしまう。
「どうぞ。触ってみてください」
 自信満々の笑顔が眩しい。そんな堂々とした態度に気圧されつつも、待たれて仕方なく手を伸ばす。
「え……っ」
 手の平に触れる相手の胸の柔らかさに、思わず戸惑いの声が漏れた。日々想像していた女の子のおっぱいと遜色ないどころか、あまりに気持ちの良い手触りと弾力に、すぐさま夢中になる。
「どうですか?」
「なにこれ、……マジでこれ、筋肉?」
「そうですよ」
「ええええ嘘だろ。なんだこれ。柔けぇ~」
 そこにあるのは自分の知る筋肉とはまるで別物だったが、なんだかそんなことはどうでもいい気になってくる。たまらずもう片手も相手の胸に伸ばして、両手の平でむにゅむにゅと揉みしだいた。
「ちょ、先輩……揉みすぎですって!」
「待って。もうちょっと揉ませて」
「さすがおっぱい星人、見境ないっすね」
「わかってんならちょっと黙って」
 ふわふわ柔らかな肉の塊を堪能する中、男の声で邪魔されたくなかった。諦めたような溜息の後静かになったので、思う存分モミモミし続けていたら、やがて胸の先が小さく尖って手の平にかするようになる。
「んっ……」
 その小さな突起を手の平で揉み込むと、鼻にかかった甘い吐息が聞こえてきた。
 胸を揉み込む自分の手ばかり見ていた視線をあげれば、頬を上気させた男が、戸惑いを色濃く乗せながら見つめ返してくる。
「ひゃあっ、んんっ」
 その顔を見ながら、今度は突起を指先で摘んで転がしてみたら、随分と高い声が上がってビックリした。驚いたのと同時に、興奮が増すのを自覚する。
 自分の上げた声にやはり驚いたらしい相手が、慌てて自らの口を手で抑える様が可愛らしいとすら思う。
「なぁ、舐めてみていい?」
 首を横に振られたけれど、構わず突起にむしゃぶりついた。
「ちょ、ダメダメやめてっ」
 大きく体を跳ねた後、そんな言葉とともに、相手の手が肩にかかって思い切り引き剥がされる。もちろん筋力に差がありすぎて、相手の力を無視して続けるような真似はできっこない。
 さすがにもっととは言えず、気持ちを落ち着けるように一度深く息を吐き出した。しかし興奮はなかなか冷めていかない。
「なんか……色々凄かった……」
 感触を思い出しながら、恍惚の境地で言葉を漏らせば、何故か相手が俺もですよと返してくる。
「雄っぱい揉ませてってのは結構あるけど、ここまでしてきた人って、先輩くらいですよ。おっぱい星人なめてました」
「いやだって、お前の雄っぱい凄すぎ」
「じゃあ、先輩も筋トレ始める気になりました?」
「なんでそうなる」
「女性のおっぱい並に柔らかい筋肉が作れるなら、筋トレしてみたいって話でしたよね?」
「だから、そんなの一言足りとも言ってないって。俺は、俺相手にもおっぱい揉ませてくれる新入生が居る、って聞いて来ただけだ。男だなんてことも、お前が来るまで知らなかったよ」
 なんとも微妙な顔をされて、さすがに可哀想になってきた。勝手にビッチと思い込んでいたのも申し訳ない。彼は人の良い筋トレマニアなだけだった。
「まぁ、お互い良いように騙されたってことで。でも悪かったな。俺のダチが妙なこと頼んで。アイツのことは俺がきっちりシメとくからさ」
 厚意を踏みにじってしまう形になって、なんとも後味が悪い。それでも彼との関係は、その日限りで終わるはずだった。
 けれどあの柔らかな雄っぱいの感触が忘れられなくて、うっかりそれをネタに抜いてしまってからは、どうにも気になってたまらない。その結果、お近づきになるには自分が筋トレを始めるのが手っ取り早く、人の良い彼の厚意に甘えまくって、一緒に筋トレをする仲になるのは早かった。
 たまに揉ませてもらう雄っぱいはやはり最高で、なんだかもう男でも全然良い気がしているのだけれど、相手の純粋な厚意を思うと告白は未だ出来ずに居る。

お題提供:pic.twitter.com/W8Xk4zsnzH

 
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