それなら良かったと言われて、またゆっくりとペニスが前後しだす。といっても長いストロークではなく、弱い場所を狙って擦りあげたり突き上げたりする動きでもなく、深いところをゆるやかにグッグッとこねられている。お腹の深い所から、じんわりと熱が生まれてくるのがわかる。
「奥、痛くない?」
「だいじょぶ、です」
はぁはぁと熱い息は溢れ続けているけれど、どうしようもなくアンアン喘ぐような強い刺激ではないので、口は覆っていない。
「じゃあもう少し、ここ、させて」
もちろん嫌だなんて言うはずがない。前立腺みたいにはっきり気持ちがいいと感じるわけではないけれど、じんわりと滲み出す熱がジクジクと疼く感じは、この後の快感を期待させる。前立腺だって、初めて弄られた時はキモチイイより違和感の方が強かった。
「おく、きもちぃ、です、か? それとも、おれの、ため?」
「君のためって?」
「おく、開発して、そこでもキモチ良くなれるように、みたいな」
「なれそうな感じ、ある?」
「たぶん。おなかのなか、熱い、し、なんか、じくじくして、もどかしい、から」
「そうか。それは楽しみだな。ここで感じるようになったら、どんな風におちんちん締め付けてくれるんだろうね。今も充分気持ちいいから、凄いことになりそう」
「今も、きもちいい」
「うん。きもちぃよ。ゴムがないせいだろうけど、おちんちんの先に吸い付かれるみたいな感覚が、昨日よりずっとリアル」
相手の言葉を拾って、良かったとホッとすれば、すぐにもう一度肯定をくれる。しかもそれだけじゃなく、どんな風に気持ちがいいのかまで解説されて、少しばかり恥ずかしい。
「おちんちんに、吸い付く……」
「動きが小さいからわかりにくいかな」
ちょっとごめんねと言われて、背後から回された相手の手に口元を覆われる。えっ、と思う間に、素早く腰を引かれて仰け反った。
「ふんんんっっ」」
押し込む動きは緩やかに、けれどズルっとペニスを引き抜く動きは素早く、というのを数度繰り返されて、ビクビクと体を震わせる。引き抜かれるたび、出ていかないでと追いかけるみたいにキュウウとお腹の中が絞られるような感じがしたし、押し込まれて戻ってきたペニスを、喜ぶみたいにグニグニと締め付けてしまうのもわかった。
「先っぽどころか、全部に吸い付かれてるみたいになっちゃったけど、ちょっとは君にも感じられた?」
何度もうんうんと頷けば、またグッグッと緩やかに奥だけをこねてくれる。でも一度強く反応してしまったせいか、彼のペニスに纏わりついて締め付ける自身のお腹の動きが止まらない。
「んっんっ、んっ、んっ」
口を開放されたら甘やかに声を上げてしまうのが、きっと相手もわかっているんだろう。口を押さえられているせいか、お腹の奥から湧き上がる熱のせいか、もしくは足だけとは言えお湯に浸かり続けてのぼせてきたのか、次第に頭がぼんやりと霞みだす。
腕が震えて体を支えていられず、目の前の岩に身を伏せれば、こちらの限界を感じ取ったらしい相手が、口を押さえているのと反対の手を腰から前に回してくる。また完全に勃起しきっているこちらのペニスを、がっちり掴んで扱き出す。
「んんっっ」
相手も射精するための腰使いになっているが、昨日みたいに弱い場所を狙って激しく擦りあげるのではなく、そのまま奥をガツガツ突かれて目の前に火花が散った。さすがに少し痛くて、でも、ジクジクとしたもどかしさが快感に結びつき始める。気持ちがいいのは握って扱かれているペニスで、錯覚混じりかもしれないけれど、それでも間違いなく、お腹の奥がキモチイイ。
「んっ、ん゛っ、ん゛ぅっ」
「きつそうだけど、もうちょっとだけ付き合って。一緒に、イッて?」
必死に頷きながら、相手の手に高められるままビュクビュクと白濁を吐き出せば、痙攣するお腹の中で、相手のペニスもドクドクと脈打っている。お腹の中にじゅわっと熱が広がっていくような気がした。きっとそれが、中に直接吐き出された、彼の精液なんだろう。
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