ずっと自分だけが脱がされていたから、相手が服を脱いでいくというその動作だけでも、目が釘付けになる。しかもあっさりと下着まで剥ぎ取ってしまったその股間は、確かにしっかりと反応を示していた。
「なっ、勃ってんだろ」
「うん……」
思わず凝視してしまったソレは、やや角度が違うだけで、昔と変わらない大きさを誇っている。彼のペニスは、そこまで太くはないのだけれど結構長い。
高校の頃は、これが自分の腹の中に収まる、という事実に興奮していたように思う。長いストロークで腸内をズルっと擦られるのも、それによって快感が得られていたと言うよりは、彼のペニスが自分のアナルを出入りしているという事に興奮を覚えていた。体がと言うよりは頭で拾う快感に酔っていた。
だから、だんだんと相手の興奮が増して、射精するためにとガツガツ奥を突かれだすと、途端に体が悲鳴をあげた。せっかくの興奮に体の痛みが水を差す。痛いと訴えれば、ごまかすみたいに胸の先を摘まれたり、ペニスを握られ扱かれたりで、なんだかんだ一緒に射精出来てしまうことも多かったけれど、無理やり引き出されるような射精に気持ちが満たされることはなかった。
でも、それは飽く迄も高校時代の話だ。指で弄る程度のアナニーは既にしていたけれど、前立腺で感じることすら出来なかった頃だ。
しかし今は違う。前立腺どころか、S字結腸の入り口部分をグイグイ突かれたって、そこはもう、快感を拾うことが出来てしまう。その上、相手もそれを十分にわかっていて、こちらが痛がってもガツガツと腰を振るようなセックスをしていたことを悔いても居る。
このペニスに、ゆっくりと奥を捏ねられたら、どれだけ気持ちが良いだろう。そんな想像に、ゴクリと喉が鳴ってしまって、慌てて凝視していたペニスから視線を逸らす。
「えっろい顔」
きっと一部始終を見ていたのだろう相手が、ふふっと小さな笑いをこぼした。からかい混じりの声は、けれど相手の興奮が滲んでもいる。
「な、も、挿れていい?」
黙って頷き、四つ這いになって相手に向かって尻を差し出した。背後で相手がゴムの封を切り、装着している気配がする。振り返って眺めたいのを我慢して、興奮に加速する自身の鼓動に耳を傾けた。
既に準備も前戯も済んでいる。彼が服を脱いだのは、たっぷりのローションを馴染ませるように、指でぐちゅぐちゅにかき回した後だ。しかもイッてしまう前に手を引かれてしまったが、結構みっちりと前立腺を弄られたりもした。
つまり、こちらだって早く挿れてもらいたいのだ。なのに、準備を終えたはずの相手の手は、差し出した尻を優しい手付きで撫でてくる。両手で両尻たぶを包むようにくるくると撫でさすり、尻タブを掴んだかと思うと、左右に広げたり戻したりと、多分、晒されたアナルが空気に触れて収縮するのを見て楽しんでいる。
「おいっ」
「ん、ごめん。久々すぎて、ちょっと緊張してる」
本当に緊張しているらしい声音に、そういやずっとインポだったんだったと思い出す。いったいどれくらいぶりのセックスなんだろう。元嫁と最後にしたのっていつ? なんてこと、聞けるわけがないけれど。
これはもう、黙って待つしか無い。と思ったけれど、緊張していると吐き出したことで踏ん切りが付いたのか、とうとうアナルに相手のペニスの先が押し当てられた。
「挿れるよ」
そんな宣言とともに、ぬぷっとペニスが入り込んでくる。無機質な玩具とはやはり違う。酷く懐かしい感覚に、ぞわりと肌の上を快感が走った。
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