今更なのに拒めない(目次)

キャラ名ありません。全18話。
ED(勃起不全)バツイチ×アナニー好きノンケ(視点の主)。元同級生な社会人二人。
離婚したと押しかけてきた攻めを半年ほど居候させた結果、恋人になる話。
高校時代、二人の間で性欲発散目的なセックス経験あり。当時双方ともに恋愛感情なし。
過去にセックスをしていた仲だったこともあり、攻めが遊んでくれと言って伸ばしてくる手を拒めない中、アナニー好きを知られて行為がエスカレート。自己開発予定だったS字結腸を攻めの手で開発されたり、勃たない攻めに高校時代との違いを感じたりしているうちに双方に恋情が育っていて、先に自覚した攻めに口説かれ気持ちよく抱かれている間に受けも自身の好きを自覚していきます。
なお、攻めは受けを抱くために医者に通ってED克服。
S字結腸責めの描写多め。本人無自覚なのであまり描写は無いですが潮吹きあり。

下記タイトルは内容に合わせたものを適当に付けてあります。
性的な内容を含むものが多いので、性的な描写が多い話のタイトル横に(R-18)と記載してあります。

1話 10年振り
2話 同居3か月経過
3話 一方的に手で(R-18)
4話 アナニー道具バレ
5話 疑似セックス
6話 玩具でS字結腸開発(R-18)
7話 キスをしながらS字で(R-18)
8話 抱かせて欲しい
9話 告白
10話 久々のペニス挿入(R-18)
11話 トコロテン×2(R-18)
12話 やっと奥まで(R-18)
13話 キスしたらきっと(R-18)
14話 自ら腰を揺すって(R-18)
15話 S字の先を狙う(R-18)
16話 知らない場所まで貫いて(R-18)
17話 好きだから一緒にイッて(R-18)
18話 またしようね

 
 
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今更なのに拒めない18(終)

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 気持ちよくイキまくった代償はそれなりに大きく、ペニスを抜かれた後も布団から起き上がることが出来なかっただけでなく、甘い快感がじんわりとお腹の奥に残り続けてもいる。こちらがそんな状態だったものだから、シャワーを浴びに行くなんてのも当然無理で、汗やら何やら色々な液体でベタつく体をホットタオル拭いてくれたのは相手だった。
「……ふっ……ぁ……っ……」
 甘たるい息を漏らしている自覚はあって、相手が困ったように、そのくせ酷く嬉しそうに、笑いを噛み殺している。
「だれの、せいだと」
「S字の先抜いてってねだったお前の自業自得?」
 確かにそうだと思ってしまったら、口を閉じるしかなかった。相手は今度こそ、おかしそうに笑っている。
「嘘だよ。お前が俺に惚れてくれるまで、しつこく何度もお前イカせた俺のせい。今だって、お前疲れ切ってるのわかってるのに抱き足りなくて、もっともっと、お前が俺のちんぽで突かれるの気持ちぃって喘ぐの見たくて、必死で我慢してる」
「本気、で?」
「本気で」
 即答されて思わず迷えば、したい気持ちは本気だけどする気はないぞと、少し慌てた様子で言い募る。
「どっちだよ」
「いやだって、お前、俺がどうしてももっかいしたいとか言ったら、いいよって言い出しそうで」
「だって、そりゃあ、そう言われたら」
「お前のそういうとこに散々つけ込んできた俺が言うのもなんだけど、お前とちゃんと対等に付き合いたいって言ったろ。良いんだよ。無理して応じようなんて考えなくて。今日は疲れたからまた今度ねって言ってくれれば」
 なんでもかんでも受け入れようとしなくてもと言われて、別に無理して応じようとしてるわけじゃないんだけどなと思う。
「相手がお前ならまぁ良いかって思っちゃうだけで、無理して良いよとか言う気はないんだけど、でもまぁ、今日は疲れたからまた今度ね」
 その今度はそう遠くない未来だとわかっているし、次の約束をするのも悪くない。これはこの先も続いていく関係なのだと、はっきりするようでなんだか嬉しい。
 彼に向かって初めて告げる、またしようねの言葉がむず痒く、ふへへっと笑ってしまえば相手は妙な顔でグゥと呻いた。けれど、どうしたと聞いてもなんでもないと返されて、ごまかすみたいな軽いキスが一つ。
「腑に落ちない」
「いい。わかんなくていい。それより、これどうする。シーツまで濡れてる。ていうか、シーツの下もやばいかも」
 これ、といって彼が汚れ防止に敷いていたバスタオルを持ち上げれば、確かにシーツにまで濡れているとわかる染みが広がっている。
「うわっ、えっ、なんで」
「なんで、て、お前が気持ちよさそうに潮吹きまくってたせいだろ」
「は? えっ? 潮噴き? って、あの?」
 頭の中に大量の疑問符が巡った。
 男でも潮吹きできるというのはもちろん知っているが、射精後の亀頭を刺激し続けるという方法がメジャーらしいのに、今回、ペニスはほとんど扱かれていない。ペニスの先から粘度の低い液体をぴゅっぴゅとこぼしていた自覚もなくはないのだけれど、でもそれは何度も吐き出して薄くなった精液だと思っていた。
「でもペニス弄られてなかったけど」
「前立腺への刺激でも潮吹きするってどっかで読んだから、ってっきりそれだと思ってたけど」
「えー……」
 アナニーに関してはそれなりに自分も情報を漁るけれど、アナニーで目指す先と言えば、やっぱりドライオーガズムじゃないのかと思う。いつかは自分もと思っているけれど、ペニスに触れずにイクときはトコロテンしてしまうので、残念ながら未だドライを経験したことはない。
 そして、アナニーで潮吹きを目指すというのはそうメジャーでも無いというか、言われればそんな記事も読んだことがあるような気がしないこともないけれど、でもペニスに触れないままで潮を吹いていたかまで記憶にない。
 なんてことをわざわざ説明する必要はなかった。という事に気づいたのは、ふんふんと話を聞いていた相手が、じゃあ今度はドライ目指してみるかと笑った時だ。
「えっ?」
「まさか、セックスとオナニーは別とか言って、一人でアナニーしてドライオーガズム目指す気だった?」
「え、いや、そういうわけじゃ」
「そういや今も平日の夜とか、一人でアナニーしてたりすんの?」
「えっ?」
「週末、俺とするだけじゃ足りなそう?」
「いやいやいや。充分。じゅーぶん足りてる」
 彼にアナルを弄られるようになってから先、彼の居ない平日の夜に、一人でしたことはなかった。元々、それなりに準備が必要なのもあって、仕事の後でなんて余程のことがなければしない。
「アナニーは別腹って言われるかと思ってたけど、なんだ、平日はしないんだ」
 言えばあからさまにがっかりされた。どうやら今後は平日の夜にもそういうことが出来るかもと期待していたらしい。
「まぁでも、キスしたりハグしたりできりゃいいか。あ、準備の問題なら、手で抜くのもありだったりする?」
「なぁ、それ、平日の夜にも来るって言ってる?」
「え、うん。言ってる。昼仕事就いたの、お前と一緒の時間増やしたかったからだし」
 あっけらかんと肯定されて、平日の夜なんて飯食って風呂入ったら寝るだけみたいな生活なのにと思う。思うだけでなく、口に出しても言ってみた。
「平日の夜なんて、飯食って風呂入ったら寝るだけなんだけど」
「一緒に飯食うだけでもいいよ。あ、いや、ハグとキスと一緒に夕飯、だな。俺の職場近いし、俺のが早く帰れるだろうから、夕飯は俺が用意するし」
 食べたらすぐ帰るよと言った後、少し迷って、逆にお前がうち来て食べてくのも有りかなぁなどと言い出す。
「待て待て待て。というかそもそも、お前の家ってどこなんだよ。そんな毎日行き来できるくらい近いの?」
「ああ、言ってなかったか。イチマルニ号室だよ」
 指を下に向けた相手が告げたのは、真下の部屋番号だった。

<終>

 
 
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今更なのに拒めない17

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 目の前も頭の中も真っ白に弾けるような衝撃に、悲鳴なのか咆哮なのかわからない声を上げながら、必死で目の前の体にしがみつく。しがみつこうと、した。
 お腹の中で生まれた快感がぶわっと膨らんでいくのがわかる。あまりの気持ちよさに全身から力が抜けて、というか思い通りに体に力が入っていないから、正確にはしがみついているというよりも、相手の腕に強く抱きしめられているようだ。
「あ゛ぁあ゛あ゛ああ」
 自分の上げている声だという認識は出来ているのに、それはどこか遠いところで響いている。しかも、体中の力が抜けているのに、どうやら体は痙攣しているらしい。
 持ち上げられていた膝が降ろされていることにも、すぐには気づけなかった。だって下半身の感覚もなんだかおかしい。布団に踵が触れている感触が、体を包む快感に邪魔されて、きっと脳みそまで届いていない。
「あ゛ぅぁ゛ぁ……ぁ……」
 それでも最初の衝撃が去ったのか、体がこの状態に慣れたのか、少しずついろいろな感覚が戻ってくる。
「少しは落ち着いたか?」
 優しい響きをしているのに酷く苦しげで、どうにか腕に力を入れて密着していた体を少しばかり離し、相手の顔を確かめた。興奮を耐えるように眉間にシワが刻まれている。また、こちらだけ絶頂して、相手に耐えさせてしまったらしい。
 だってまだ、好きだって伝えていなから。
「ねぇ、好き」
 好きかと聞かれては居ないけれど、たまらず自ら告げていた。早く知って欲しかった。だってもう充分メロメロしている。
「えっ?」
「とっくに好きだよ。だから、ねぇ、もぅ、お前も一緒にイッて」
 お前に惚れてると続けた所で、ぎゅうと抱きしめられてそのまま相手が腰を引いた。また体の中で快感が弾けて悲鳴を上げたが、今度はその快感が落ち着くのを待ってはくれず、再度ぐぽっと亀頭がS字を抜けていく。
「ふっ、ぁあ、なぁ、すっげ嬉しい」
 こちらの体をゆさゆさと揺すりながら、相手が何かを喋っているが、正直うまく聞き取れない。でも、嬉しそうに笑っているから、良かったと思う。
「ぁぁああはぁあああんんっっ、……あぁ、ぁああっ、いぃ……すごっ、ぁあっ」
 S字部分を彼のペニスの先がぐぽんくぽんと何度も出入りして、縁が撫でられるたびに軽い絶頂を繰り返している。ペニスの先からはぴゅくぴゅくと、薄くなった精液らしきものがこぼれ続けてもいた。
「ん、俺もいいっ、きもちぃ、ああ、好きだ。好きだよ。お前が可愛い」
「ぁっ、ぁあっ、あ、すきっ、俺も、ぁ、きもち、ぁあっ、すきだよぉ」
 好きだと言ってくれているのがわかって、必死に好きだと繰り返す。相手が愛しげに笑ってくれるから、胸の奥が暖かくなる。胸の奥もお腹の奥も、キュンキュン疼きっぱなしだった。
「お前んとこ来て良かった。も、今度はずっと捕まえとくから、お前も俺を好きで居て?」
「ぁぅっ、ぁ、ああっ、んっ、うん、すきぃ」
 何かを聞かれて必死に頷いてしまったけれど、正直もう限界が近い。
「ぁああっ、やっ、あっ、くるくる、すごいの、あっ、だめっ」
 何度も小さく絶頂しているのに、それで開放しきれない快感がじわじわとたまって、大きなうねりになっている。
「いいよ、だめじゃない。凄いの来て。S字抜かれてバカになってるお前の、うんとやらしくイクとこ見せて」
 おいで、いいよ、と繰り返されて、大きな快感の波が押し寄せた。
「ぁあああ、やっ、いっしょに、いっしょ、いって」
「ん、イクよ。俺も一緒にイクから」
 相手もイクと繰り返していることに安心して頷いて、何度目かわからない快感の波に身を委ねる。
「ぁあああっっ」
 くぽっと嵌りきった亀頭を思いっきり締め付ければ、今まではなかった脈動を感じ取ってホッとした。

続きました→

 
 
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今更なのに拒めない16

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 無理やり閉じた壁を開かれ押し入られる代わりに、互いにあれこれ試行錯誤しつつ、より深い場所を目指す。
 どうしたって何度も奥を突かれることになったし、そこでの快感を覚えた体は否応なく昂ぶっていった。つまりはまた、蓄積していく快感に悶えて、イキたくて仕方がなくなっている。
 半泣きでイキたいと訴えながら、どうにか奥の壁を開こうともがく。
 もう一回イッてもいいよと言われてキスされそうになったけれど、それは嫌だと跳ね除けた。次は一緒にイキたい。S字の先を抜かれて、バカみたいに気持ちよくなって、好きだと繰り返しながら果てたい。
 次は一緒にイキたい、という部分だけ伝えれば、相手は納得した様子でわかったと笑った。その笑顔だって、もうかなり切羽詰まってきている。
 S字の先を諦めて、一緒にイッてとねだればいいのかも知れない。とっくに好きだよって言ってしまえば良いのかも知れない。でも諦めたくなかった。だってもうちょっとな気がする。
 心も体も彼を受け入れたくて、後はコツさえ掴めれば、そこはちゃんと彼を迎え入れると思う。玩具でさえ経験のない真っ更な場所に、初めて触れてくれるのは彼のペニスが良いい。
「ぁ、ぁぁあっ、も、もっ、いきた、ぁっ、はぁ、ねっいれ、て」
 とうとう、強引に押し開かれてでもいいから奥まで来てくれとねだった。
「ぁっ、も、いれて、ねっ、おねがっ」
 多少強引にだって、これだけ開発の進んだ体ならきっと気持ちよくなれる。だから挿れて欲しい。
 キモチイイがたまりすぎて苦しくて、早くイキたくて、でももっと奥まで暴かれたい。それらを全部を満たすためなら、この際強引にだろうと無理矢理にだろうと、突っ込んでくれて構わなかった。
 けれど相手はわかったと頷いてはくれなかった。代わりに、体位を変えてみようと提案される。こちらが上に乗ったら自重でより深く繋がりやすくなるだろう、というのが相手の主張だ。
 正直それでうまく体が開くかどうかはどうでも良くて、それで入らなかったら強引に押し入ってでもS字の先を抜いてくれると言ったから、わかったと頷いて従っただけに過ぎない。
 それでも確かに、体を起こして相手と抱き合う対面座位の姿勢は、より深く相手のペニスを感じることが出来た。より深くと言うか、開かない壁を押し上げる圧がグッと強くなっている。つまり、蓄積されたまま開放されないキモチイイも相まって、結構苦しい。
 どうしても強張ってしまう体を相手の手が優しく撫でてくれながら、深呼吸を促してくる。
「息して、体の力抜いて、リラックスして。お腹の中の力も抜けたら、きっと柔らかく開いて、ずっぽり俺のちんぽの先咥えにくると思うんだけど」
 もうちょっとっぽいんだけどなぁと続いたから、相手だって感じ取っているのだ。強引に無理矢理に押し広げなくたって、後少し、なんらかのコツを掴めばそこは自ら開いて彼を迎え入れる。
 ひっひっと苦しげな息を吐きながら、それでも、少しでも深い呼吸を繰り返そうと頑張った。深呼吸して、体の力をなるべく抜いて、リラックスを心がける。
 でもやっぱり、お腹の奥をグッと押し上げるペニスの存在感に、呼吸はすぐに乱れてしまう。圧迫感と気持ちよさがぐちゃぐちゃに混ざりあって、呼吸だとかリラックスだとかに意識が向けられない。
 どれくらいそうやって藻掻いていたのか、ふいに頬と言うか目元近くを相手の指先に撫でられて、もういいよと優しい声が耳に届く。何が、と思う間もなく頭の後ろへ回った手に引き寄せられるまま、顔を寄せて唇を触れ合わせた。
 一緒にイキたいからキスは嫌だと突っぱねたし、それを相手も理解した上でのこれだから、つまり、強引に押し入ってくれる気になったって事なんだろう。ホッとしながら自ら舌を差し出して、相手にちゅうっと吸い上げてもらう。
「ふぅんんぅっ」
 舌先でビリビリと強い快感が弾けて、期待に思考がグラグラ揺れた。強い絶頂が押し寄せているのがわかる。
 何度か頭を撫でた後、彼の手はスルルと背中を撫でおりていく。お尻の丸みを確認するように大きな手の平で覆ったかと思うと、もう片手もお尻に回ってきて、両手の平で包まれたお尻がむにむにと柔らかに揉まれた。
 きっともうすぐその手ががっしりと尻タブを掴んで、強い力で引き寄せられることになるんだろう。タイミングをはかっているのだ。
 早く。早く。奥まで欲しい。知らない場所まで貫かれたい。
 そう思っていたのに、その手はやがてお尻を離れて、腿裏を撫でながら膝頭まで到達する。そして、なんで、と思う間もなく掴まれた膝頭を持ち上げるようにしながら大きく開かれた瞬間、ぐぽっと響く音を感じながら体が下に沈んだ。

続きました→

 
 
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今更なのに拒めない15

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 大きな快感の波が引いて最初に思ったのは、一緒にイッたりはしなかったんだな、ということだった。お腹の中はまだ時折、こちらの意志と無関係に蠢いては甘い疼きを生んでいるけれど、勝手にキュッキュと締め付けてしまう相手のペニスは全く萎えていない。
 相手を気遣う余裕なんてなかったけれど、それでも、ぎゅうと抱き返してくれる腕は感じていたし、相手が息を詰めたのも聞いていた気がする。つまり、耐えたのだろう。
 いやでも、棒扱いで勝手に締め上げただけだから、一緒に射精できるほど気持ちよくなれなかった、という可能性のほうが大きいだろうか。ああ、こっちの方がありえそう。
「ゴメン、また、俺だけイッた」
「全然いいよ。つか、持ってかれないようにすんの、大変だった」
 前立腺でイクのより奥でイクほうがやっぱり凄いなと言いながら、やっと相手も、こちらを抱きしめる腕を解いて顔を上げた。照れ笑う顔から、隠しきれない興奮がだだ漏れている。
「もしかして、一緒にイけるほど気持ちよくなかった、って訳、じゃない……?」
 確かめるように聞けば、なんだそれと笑ったあと、めちゃくちゃ気持ち良かったから、めちゃくちゃ耐えたと返された。
「お前も、イッてよかったのに」
「んー、まぁ、でもほら、お前をメロメロにして、俺に惚れて貰う計画なわけだから。俺が気持ちよくなるのは後回しでいいって言うか、お前が気持ちぃって言ってくれる硬さ維持して置きたいって言うか」
「なんだそれ」
 胸の奥がキュンとして、うまく笑えたか自信がない。だってもう気づいている。愛しい愛しいと隠すことなく注がれる甘やかな気配を、喜んでいる。隠すことなく晒す痴態を見ても変わらない彼の想いに、安堵している。
 彼の想いはもう自分の中にしっかりと受け止められていて、今更それを手放せそうにはない。だからこの先、好きかと聞かれたら好きだと返すし、惚れてるかと問われたら惚れていると返すだろう。他の誰にも渡す気がない、という意思を込めて。
「ここ出てく前に、お前が俺に惚れてくれないかなっつう、悪あがき?」
 やっぱり照れくさそうに笑う顔を見ながら、好きだよと出かかった言葉を飲み込んだ。だってその悪あがきに付き合って、もっともっとメロメロにされてみたいと思ってしまった。好きか惚れてるかと聞かれたら正直に返すけれど、聞かれてないのに自分からさっさと告げてしまうのは少し惜しい。彼はまだ、こちらの変化に気づいていない。
 だから、それはきっと既に成功してる。と教えてやる変わりに、彼の腰を挟むように立てている膝をグッと左右に開くよう倒してみた。
「ぅっ……」
 急に締め付け方が変わって、結構驚いたらしい相手が小さく呻く。それを無視して、もぞもぞと開いたり閉じたりを数回繰り返せば、相手が少々の焦りと多大な困惑を混ぜて、何をしているのかと聞いてくる。
「えっ、ちょ、なにしてんの?」
「股関節、って、どうやったら開くんだろ?」
「股関節? って、え、それって……」
 何を言い出しているんだという顔が、何かに思い当たったようで、ますます困惑と焦りが大きくなったらしい。アナニー道具を見つけられてから先、彼もそれなりに色々と情報は漁ったらしいから、話が早くていい。
「ん、S字の先、抜けないかなって、思って」
「いや、だってお前、そこまだ、何か入れたことってないだろ」
 それとも一人で試したのかと言われて、試してないよと返す。何をしようとしているかはわかったようだが、なんで今それを、という所にまでは思考が巡っていないようだ。
「S字抜かれたら、頭バカんなるくらい良いとか聞くから、そんな状態の時に好きかって聞かれたら、好きって答えちゃうんじゃないかなぁと」
 やってよとねだりはしなかったし、やっていいんだなと聞かれもしなかったが、言葉はなくとも通じたのはわかった。

続きました→

 
 
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今更なのに拒めない14

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 頷いて体を反転させれば、すぐに足の間に相手が入り込んでくる。
「じゃ、もっかい、挿れるよ」
 更にこちらの足を大きく開かせた相手に、ペニスの先端をアナルの縁に当てられて、期待でゴクリと喉が上下した。ふっと柔らかに笑んだ相手に、なんだか恥ずかしいなと思いながらも頷いて見せれば、ペニスの先端がアナルを開いて押し込まれてくる。
 ゆっくりと奥まで到達したそれが、結腸の入り口に押し付けられれば、じんわりと痺れるみたいな気持ちよさが広がっていく。でもそれに浸っていられる余裕はない。先程から体の中に燻り続ける気持ちよさも刺激されて、あっという間にもどかしさが襲ってきた。
 イキたくてイケない苦しさを思い出して、縋るような気持ちで相手を見上げてしまえば、一つ頷いて顔が寄せられてくる。唇が触れる。
 先を急かすようににさっさと口をあけて舌を差し出せば、わかっていると言いたげに食まれた舌を舐めて吸われた。キモチイイ。
 もっともっとと大きく口を開いて、引き寄せるように肩を抱けば、やっぱり、わかってると言いたげに相手の舌がぬるりと侵入してくる。しかも、前回のキスで口の中のキモチイイ場所をある程度把握済みらしく、あれこれ探るというよりは、最初っから弱い場所を狙ってきている。ほんと、きもちぃ。
「んっ、んっ、ふ……ぅ、」
 甘やかに鼻を鳴らしながら、だんだんと頭の中に霞が掛かってぼんやりしていくのを感じて、ああこれだ、と思う。今奥を捏ねて貰ったら、今度こそ間違いなくイケる。
 このまま突いて、と頼めば、相手はこちらの望み通りに動いてくれるだろう。わかっていたが、それより先に、自ら腰を揺すってしまった。
 それだけ切羽詰まっていて、体は焦れきっていて、とにかく早く体の中の熱を開放したかったのだと思う。
 結果、結腸の入り口に押し当てられたペニスの先端が中で揺すられ、ビリビリと痺れるような強い快感が走る。
「んぁあっっ」
 たまらずのけぞって喘げばキスは中断されてしまったけれど、でももう後は、大きな快感の波に飲み込まれていくのを待つだけだ。
「んっ、んっ、んっ、いいっ、きもちぃ」
 相手の肩に縋りながら、より強い快感を得ようと更に腰を揺すってしまうが、止める気なんてさらさらない。えっろと呟く声が聞こえて、チラリと確認した相手は、興奮を滲ませたニヤケ顔だった。引いてないんだ、と思うとやっぱりホッとしてしまう。
 動かずにただ見ているだけなのは、多分、こちらが気持ちよくなるのを邪魔しないように、今はただただペニスを貸してくれている。結局棒扱いで申し訳ない気もしたが、こちらの痴態を楽しんでくれているようだから、取り敢えずはまぁいいかと思う。というかまずは一度イッてしまいたい。相手のことまで考えられない。
「ぁ、ぁあっ、くる、っ、ぁ、くるっ」
「ん、おいで。いいよ。きもちぃな」
 絶頂の予感にぎゅうと相手を抱きしめれば、相手の顔は見えなくなったけれど、代わりに甘ったるい声が応えくる。胸の奥が疼いてしまって、ああくそ、と思った。相手の甘やかしを、今この瞬間、間違いなく嬉しいと思ってしまった。
 呼応するように、ギュンギュンとお腹の中が蠢いて、相手のペニスを絞ってしまう。
「ぁ、いく、イッちゃう」
 はしたなく目一杯腰を揺らして、大きな波の中に身を投げた。

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