今更なのに拒めない17

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 目の前も頭の中も真っ白に弾けるような衝撃に、悲鳴なのか咆哮なのかわからない声を上げながら、必死で目の前の体にしがみつく。しがみつこうと、した。
 お腹の中で生まれた快感がぶわっと膨らんでいくのがわかる。あまりの気持ちよさに全身から力が抜けて、というか思い通りに体に力が入っていないから、正確にはしがみついているというよりも、相手の腕に強く抱きしめられているようだ。
「あ゛ぁあ゛あ゛ああ」
 自分の上げている声だという認識は出来ているのに、それはどこか遠いところで響いている。しかも、体中の力が抜けているのに、どうやら体は痙攣しているらしい。
 持ち上げられていた膝が降ろされていることにも、すぐには気づけなかった。だって下半身の感覚もなんだかおかしい。布団に踵が触れている感触が、体を包む快感に邪魔されて、きっと脳みそまで届いていない。
「あ゛ぅぁ゛ぁ……ぁ……」
 それでも最初の衝撃が去ったのか、体がこの状態に慣れたのか、少しずついろいろな感覚が戻ってくる。
「少しは落ち着いたか?」
 優しい響きをしているのに酷く苦しげで、どうにか腕に力を入れて密着していた体を少しばかり離し、相手の顔を確かめた。興奮を耐えるように眉間にシワが刻まれている。また、こちらだけ絶頂して、相手に耐えさせてしまったらしい。
 だってまだ、好きだって伝えていなから。
「ねぇ、好き」
 好きかと聞かれては居ないけれど、たまらず自ら告げていた。早く知って欲しかった。だってもう充分メロメロしている。
「えっ?」
「とっくに好きだよ。だから、ねぇ、もぅ、お前も一緒にイッて」
 お前に惚れてると続けた所で、ぎゅうと抱きしめられてそのまま相手が腰を引いた。また体の中で快感が弾けて悲鳴を上げたが、今度はその快感が落ち着くのを待ってはくれず、再度ぐぽっと亀頭がS字を抜けていく。
「ふっ、ぁあ、なぁ、すっげ嬉しい」
 こちらの体をゆさゆさと揺すりながら、相手が何かを喋っているが、正直うまく聞き取れない。でも、嬉しそうに笑っているから、良かったと思う。
「ぁぁああはぁあああんんっっ、……あぁ、ぁああっ、いぃ……すごっ、ぁあっ」
 S字部分を彼のペニスの先がぐぽんくぽんと何度も出入りして、縁が撫でられるたびに軽い絶頂を繰り返している。ペニスの先からはぴゅくぴゅくと、薄くなった精液らしきものがこぼれ続けてもいた。
「ん、俺もいいっ、きもちぃ、ああ、好きだ。好きだよ。お前が可愛い」
「ぁっ、ぁあっ、あ、すきっ、俺も、ぁ、きもち、ぁあっ、すきだよぉ」
 好きだと言ってくれているのがわかって、必死に好きだと繰り返す。相手が愛しげに笑ってくれるから、胸の奥が暖かくなる。胸の奥もお腹の奥も、キュンキュン疼きっぱなしだった。
「お前んとこ来て良かった。も、今度はずっと捕まえとくから、お前も俺を好きで居て?」
「ぁぅっ、ぁ、ああっ、んっ、うん、すきぃ」
 何かを聞かれて必死に頷いてしまったけれど、正直もう限界が近い。
「ぁああっ、やっ、あっ、くるくる、すごいの、あっ、だめっ」
 何度も小さく絶頂しているのに、それで開放しきれない快感がじわじわとたまって、大きなうねりになっている。
「いいよ、だめじゃない。凄いの来て。S字抜かれてバカになってるお前の、うんとやらしくイクとこ見せて」
 おいで、いいよ、と繰り返されて、大きな快感の波が押し寄せた。
「ぁあああ、やっ、いっしょに、いっしょ、いって」
「ん、イクよ。俺も一緒にイクから」
 相手もイクと繰り返していることに安心して頷いて、何度目かわからない快感の波に身を委ねる。
「ぁあああっっ」
 くぽっと嵌りきった亀頭を思いっきり締め付ければ、今まではなかった脈動を感じ取ってホッとした。

続きました→

 
 
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