別れた男の弟が気になって仕方がない22

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 弄ってというお願いを口にするのと、自分で弄ってこちらを楽しませるのとで迷った結果、後者を選んだらしい。やがておずおずと股間に伸びた手が再度自分からペニスを握り、今度はこちらの動きに合わせるようにゆるゆると手を上下させる。
「ぁああっっ」
 堪えることなく吐き出されてくる声は、随分と気持ちが良さそうだった。
「ん、いい声。すごく気持ちよさそ。お前がキモチイイとお尻もキュッて締まって俺もキモチイよ。イヤラシクて可愛いね」
 興奮するよと続けると同時に、ナカがグニグニとうねって締め付けてくる。当然、意識的に締めてくれたわけではないだろう。
「んぁあっ」
 どこか驚いた様子の声が高く響くから、ますます愛しくなる。
「お尻のナカ、キュッてなったの自分でもわかった?」
 ホント可愛いなと零した声は、自分でもわかる相当な甘ったるさだ。
「何言われて興奮したのか、教えてくれる?」
 素直に教えてはくれないだろうと思っていたのに、相手の躊躇いは一瞬だった。
「きも、ちぃ……? いい、の?」
「ん? 俺がキモチイイかって事?」
 もちろん気持ちがいいに決まってる。彼を貫く興奮が持続しているのはどうしてだと思っているのか。でも確かに、言葉では伝えていなかったかもしれない。
「キモチイイよ。気持ちいいから、ずっと萎えもせず、お前を抱いていられるんだろ」
「よか…った」
 ホッとしたように吐き出す口元が、うっすらとした笑みを形作る。それを見た瞬間、どうしてもその唇に触れたくなった。指ではなく唇で。キスという形で。
「ゴメン、少しキツいけどちょっとの間、我慢して」
 深い挿入になってしまうのをわかっていながら、自身の腰と腿で相手の尻を支えるように持ち上げ、身を屈めて顔を寄せる。苦しそうに呻く相手の顎を捉えて唇を奪った。
 驚いて小さく体を跳ねたものの、相手はすぐに舌を差し出し応じてくる。この体勢でそんなキスをすれば当然相手の口内に唾液が流れ込んでしまうが、相手の喉が上下し、彼がそれらを嚥下したのだとわかって体の熱が上がった。
 まさかの反応に放し難いのもあったし、いつの間にか肩に伸びた手にギュッとしがみつかれても居たので、ちょっとの間は想定していたよりも随分と長くなってしまった。
「急にゴメンな。ほら手、放して」
 唇を離しても肩を掴んだまま離さない相手に、促すように告げる。しかしますます手に力が篭った上に、嫌がるように首を振られた。クライマーの握力で掴まれた肩が痛い。
「この体勢苦しいだろ。俺もお前に肩潰されそうで怖いし」
 責める口調にならないように気をつけつつ、さすが握力凄いなと言えば、ハッとしたように手の力が緩んだ。けれど肩を掴むのを止めた手はするりと動いて、今度は首を抱え込んでしまう。ますます相手に引き寄せられる結果になったし、相手も苦しそうな息を吐きだしている。
「ゴメンって。俺が悪かったから手放せって。そんなしても、奥は使わないよ」
「キス、……もっと」
 こちらの言葉を無視しまくったおねだりに、それでもダメだとは言えずにもう一度唇を塞いだ。
 苦しそうな中、甘く鼻を鳴らしてもっともっととキスをねだり、口内に流れ込む唾液を必死に飲み込んでいく。放して貰えないままそんなキスを続けていたら、動けと言わんばかりに相手が腰を揺すりだす。
「こら。ダメだって」
 キスの合間に咎めても、相手に聞く気はなさそうだ。
「キモチ、よく、ない?」
「俺だけ気持ちよくてもダメなの。一緒にイくんだろ?」
「きも、ちぃ。俺も、きもちい、から」
「嘘はだめ」
「ウソじゃ、なっ、ひぅんっっ」
 軽く腰を引いてからグッと奥まで突いてやれば、苦しそうな悲鳴が上がる。
「ほら、苦しい」
「でっ、も、キス、きもちぃの、うそ、じゃないっからぁ」
 どこか怒ったような、憤りを感じる声音だった。
 確かにそれは嘘じゃないのかもしれない。けれどキスをしながらなら、奥を突かれても一緒にイケる、という話でもないだろう。
 わかっているのに、口を塞いでキスをして、望まれるまま腰を揺すった。
「っぁ、スきっ……」
 キスの合間に漏れ出た言葉にドキリとして、一瞬次のキスを忘れて腰の動きも止めてしまう。
「スキっ、スキって、言って」
 それを咎めるように、自ら腰を揺すった彼が続けた言葉に苦笑を噛み殺す。
「好きだ。好きだよ。凄く、可愛い」
 望まれた言葉を吐き出しながら腰の動きを再開させれば、んっ、と嬉しそうに頷いて抱きつく腕に力を込めてくる。引き寄せるというよりも、彼自身がこちらに身を寄せるような形で背が浮いてしまったので、思わず抱きとめるように相手の背に腕を回した。

続きました→

 
 
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