毎回、彼が本来の姿に戻るところを見ているけれど、いつもは薬の効果が切れて性器も萎えきった状態で戻るから、竜人の勃起状態のペニスというものがどういうものかというのはさっぱりわからない。だから一度繋がりを解いてから戻ってもらって、じっくり観察したい気持ちもなくはなかった。ただ、これ以上焦らさないのが条件だったし、なにより誓うと告げた直後には、あっさり魔法を解かれてしまったので口にだすことはしなかった。
それでも頭のなかでは、終えた後にすぐ抜けば竜人のペニスが拝めるだろうか、なんてことを考える。しかしそんな事を考えていられたのは、人の姿が魔法特有の淡い光に包まれぼやけている間くらいだった。
「ぁ、っ……ちょっ……なに、これ……」
「大きさはそこまで変わらないはずだが?」
「サイズ、じゃ、なくてっ」
いや、サイズも確実に違うけど。慣れきった穴でも、ミッチリ感増したけど。
「かた、ち?」
「多少凹凸が変わった程度のことが、腹の中でわかるものなのか」
「たしょう、じゃ、ねぇっ」
腹の中が圧迫される位置が大きく変わった気がする。そんなことがわかってしまう程度に、人の姿の彼のペニスを、自分の腹の中は覚えてしまっているってことでもあるけれど。
確かめるようにそっと腰を持ち上げていく。ズルズルと腸壁を擦っていけば、より一層、凹凸の違いを感じ取ってしまう。人型の時に比べて、圧倒的に、凹凸が増えている。そしてそれぞれの段差がデカイ。一度のストロークで受ける刺激が倍増どころじゃなかった。
「あっ、……ぁんっ……んんっ……」
「焦らさないんじゃなかったのか?」
こちらが感じすぎてしまって、相手をイカせるほどの激しい動きが全然出来ていない自覚はある。
「いや、だって、こんなの聞いて、ない」
「同感だ。同じ人型での行為より、こちらの姿のほうが圧倒的に感じる、なんて聞いてない」
次回からはもう少し積極的に応じることも考えるなんて言ってくれたのは嬉しいけれど、応じるなら今回と同じように、魔法を解くのは最後だけがいいと返した。
「これで一晩抱かれんのは、ちょっと、むり」
善すぎて最後までこちらの体が持たないと思う。
「そんなにか?」
「ん、凄い、イイ。ついでに眺めも、いい」
自分よりもずっと体格の良い竜人にまたがって見下ろしているという、なんとも不思議な興奮がある。しかも双方、色濃く淫らな気配を纏いながら、体を繋いで快楽を貪っているのだ。
人の姿をしていても相手は竜人と頭ではわかっていても、やはりただ男に抱かれている、という認識ばかりが強かった。でも今は違う。紛れもなく、雄の竜人に、抱かれている。竜人のペニスに、貫かれている。
背徳感が凄いが、興奮も凄い。
これは食事で、こちらを生かすための手段だとわかっているけれど、それを意識して惨めにならないようにと気遣われているのも知っている。ただの実験体かもしれないけれど、極力そう思わせずにいてくれる。
こんなに優しい種族だなんて、ちっとも知らなかった。人の姿で抱かれるより興奮するのは、竜人という種族に対する好意のせいもありそうだった。
「あと、嬉しい」
「嬉しい?」
「人の姿が俺のためってわかってるけど、こっちの姿のが、好きだから」
言えば少しの沈黙の後、どこか気まずそうにそうかと返された。相手は元の姿で繋がりあうことへの興奮はないらしい。
残念だと思ってしまった気持ちをごまかすみたいに、腰の動きを再開した。けれどなんとか相手をイカせようと頑張ってはみるものの、快楽にのまれてしまってなかなか思うように動けない。
そして結果的に、相手を焦らされ切る寸前まで追い込んだらしかった。
「すまない。そろそろ終わってもいいだろうか」
「ん、ごめん。焦らさないって、言ったのに」
動いてと頼めば、すぐに下からガツガツと突き上げられる。すぐに射精してくれたのでそう長い時間ではなかったけれど、それでもその短時間で未知の快楽に叩き込まれた気がした。
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