竜人はご飯だったはずなのに9

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 少し慌てた様子で、何度も大丈夫かと声を掛けられ意識が戻ってくる。重いまぶたを持ち上げれば、心配そうな顔に間近で見下されていた。
 つい先程まで上に乗って見下ろしていたはずなのに、どうやら意識が飛んだ間に、繋がりは解かれて寝かされてしまったようだ。チラリと相手の下腹部を確認したが、やはり使い終えたペニスは収納済みで、こちらを善がり飛ばすほどの凶悪ペニスは結局拝みそこねてしまった。
 残念だが、それはまた次の機会に狙えばいい。それより今は、体に甘く残る、じんわりと痺れるような快感を堪能しておこう。
「すげぇ……」
「凄い? 何がだ?」
 ほぅ、と吐き出す息が既に随分と甘ったるい。なのに相手はこちらが意識を飛ばしたことに焦ったままなのか、ずいぶんと食い気味に尋ねてくるから、小さく笑ってしまった。
「ん、善すぎて意識飛ぶとか、まさか自分で経験するとは思ってなかったな、って」
「よすぎて?」
「そ、善すぎて」
 何を言っているんだと言いたげに問われたけれど、頷き肯定してやる。
「気持ちが良いと意識が飛ぶなんてことがあるのか? 変な体勢で負担が掛かったとかではなくて? そこまで空腹ではないところに、いつもと同じだけ注いだからという可能性は?」
「善すぎて体が持たないって、こーゆーことだよ。いやまぁ、さすがに俺も、ここまでなると思ってなかったけど」
「本当の本当に、気持ちが良かった、だけ、なんだな?」
「そうだよ。でもゴメンな。焦ったよな」
「当たり前だろう。二度と、この姿で御前を抱くことはしない」
「はぁ? なんで? めちゃくちゃ気持ちよかったって言ってんのに?」
 次からも最後の一回はこっちの姿で抱いてよと言っても、相手はあっさりきっぱり嫌だと返してきて取り付く島がない。
「それより、お前のペニスなんだが」
 勃っていると言われて、慌てて自分の下肢に視線を送った。
「お、おお……勃って……るほどではないけど、確かにちょっと反応はしてるっぽい」
 ずっとうんともすんとも言わずに垂れ下がるばかりで、排尿すらない現在はただの飾りと化していたペニスが、確かにほんのり形を変えて起き上がりかけている。
 スライムたちに尿道を弄られすぎたのか、いつの間にかペニスは勃たなくなっていた。もちろん射精なんてしないし、ここへ連れてこられた最初の頃なんて、先走りで濡れることもほとんどないくらい乾ききっていた。
 何度か抱かれるうちにほんのりと汗をかくようになって、尻穴を突かれて感じると濡れるようにもなっていたけれど、ずっと形は変わらず柔らかなままだったから、これはけっこう大きな変化だと思う。
「少し、弄ってみてくれないか」
 言われなくても弄りまわして確かめたいところだけど、興味津々に見つめられながら自ら弄るというのはどうなんだ。さすがに少し恥ずかしい気がしたけれど、すぐに今更かと思い直して、軽く息を吐きだし諦める。
 言われるまま股間に手を伸ばして、甘く勃起したペニスをそっと握り込んだ。
「どうだ?」
「んー……ちょっとはキモチイイ。けどやっぱ全体的に滑りが足りない。これ以上ゴシゴシやったら逆に痛くなる。あと、圧倒的に興奮が足りない」
 今にも食いついてきそうな真剣な顔の竜人に見つめられながらの自慰なんて、興奮するどころかさすがに萎える。せめてもう少しエロい雰囲気で見つめてくれればいいのに。薬が切れたせいかなと思うと、なんとも残念でつまらない。
 結局、ちゃんと情が湧いているようなことを言いつつも、薬に引きずられてそんな気持ちが湧くってことなんだろう。薬が切れてしまったら、この体への興味なんて、生きた貴重なサンプルとしての意味合いが強くなってしまうのだ。
 そう思ってしまったら、余計に萎えてしまった。大きなため息とともに、握っていたペニスを放り出す。
「舐めたら少しは興奮するだろうか?」
「は? なんだって?」
「滑りが足りないんだろう? やはりこの姿でその場所に口付けられるのは怖いか?」
 もう一度人型に戻る体力も魔力もないと悔しげに言う相手は、どうやらかなり本気で言っているようだった。

続きました→

 
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