罰ゲーム後・先輩受6

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 翌週月曜、相手の部活が終わるのを待たずに帰ったら、火曜日にはもう、あまりうまく行ってないらしいなんて噂が流れたらしいから笑うしかない。
 真相を聞かて事実を話すこともないわけではないが、自分の噂にほとんど興味がないのはそれなりに周知されてもいたから、わざわざ聞きに来られる事はほとんど無く、噂はやっぱり恋人である後輩から耳にした。正直に、買い物と夕飯の下ごしらえをして貰うことになったからだと話してしまったけれど、本当にそれを言って良かったかどうかを確認されたからだ。
 噂に関しては、事実と違うことを言ったり肯定した時には知らせて欲しいけれど、後はどう扱ってもいいし、相手するのが面倒ならそういうのは先輩に聞いてと言って逃げとけと言ってあった。それでも時々こうして、認めてしまった事実について報告してくることがある。今回は相当驚かれてしまったらしく、少々不安になったらしい。
「先輩って、俺にメロメロなんすか?」
 驚いた相手に、そんな指摘をされたようだ。まさか後輩の男相手にここまでメロメロになるとは思わなかったとかなんとか。
 それ友人にも指摘されたなと思いながら、ふはっと息を吐き出すように笑った。恋人にメロメロって、校内で流行ってんだろうか?
 恋人のために、一人でスーパーに買い物へ行ったりキッチンに立つという姿が、今までの自分からはイメージできないんだろうことはわかる。平日に恋人を家に引き入れることも今まではほとんどなかったのも大きいかもしれない。
 つまり、そこまでしてやりたくなるほど、この後輩が特別なんだって思われてしまうんだろう。
 こいつにメロメロを否定する気はない。可愛くて仕方がないと思っているし、少しでも長く恋人関係が続けばいいとも思っている。
 でも特別だからあれこれしてやるわけじゃない。先に買い物して出来る範囲で夕飯の用意をするのは、自分自身の欲求を手早く確実に満たすために必要だからしているだけだ。
「うん。メロメロ」
「まったく本気っぽくないすね」
「俺がお前を置いて先に帰るのは、お前といちゃいちゃチュッチュする時間作るためにだよ?」
「でもそれ、相手が俺じゃなくてもやるっすよね?」
「やらないよ?」
 それは女の子が相手なら家じゃなくてもいちゃいちゃチュッチュ出来るからで、必要になればやるだろうと指摘されてしまい、そこまで言われてしまえばその通りと認めるしか無かった。
「結局、俺が男で、先輩にとって初めての同性の恋人だから、先輩からの扱いが違って見えるてだけなんすよね」
 呆れ混じりの吐息をこぼすが、今までの彼女たちとたいして変わらないのに、と思っているならそれはそれで正しい認識とはいえないかもしれない。
 この後輩を手放したくない、振られたくないという気持ちは、告白されたから取り敢えず付き合ったという彼女たちに感じていた思いより、間違いなく強かった。振られたらまた暫く寂しいフリー期間になる、という以上の喪失感を味わうのがわかりきっていて恐れている。
 それに恋人が可愛くて仕方がないって気持ちだって、久々に思い出して浮かれ気味な自覚があった。
「それはどうかな。多分、ちゃんと本気でお前にメロメロしてるよ。それに俺を長く見てきた友人も、思ったよりお前に本気でメロメロになってるみたいだって言ってたし」
「ホントすか?」
 疑わしそうな目を向けられたので、小さく苦笑しながら指摘してきた友人が誰かを教えてやった。彼にとっても部活の先輩なのだから、気になるなら自分で確かめたらいい。

続きました→

 
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