罰ゲーム後・先輩受7

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 夏休みを目前に控えた授業の合間の休憩時間に、友人たちと夏休みの予定を話す。長期休暇中だってやっぱり一人で食事をするのは極力避けたいし、たとえ恋人が居たとしても連日一緒に過ごすなんてさすがに無理だし相手を束縛しすぎだと思うので、友人たちとの予定も積極的に入れていく方針だ。
 ただ今年は受験もあるので、既に夏期講習の予定がびっちりめに入ってもいる。それを知った後輩は部の練習がない時はバイトをすると言っていたから、実際、夏休みだからと一緒に過ごす時間が増える可能性は少なかった。むしろ減りそうな気配が濃厚だ。
 平日も家に連れ帰るようになった件はもちろん友人たちも知っているから、夏休み中は完全に一緒に暮らしだすのかと思ってたとからかい半分に言われたけれど、いくら相手が男でも週末以外は今後も泊める気ないと返せば、今度は本気で驚かれた。
「なんで、って、あんまあいつが居る事に慣れたくないから?」
 あいつが居ないと安眠できない。なんて状態になったら二学期から生活できなくなると続けてやれば、ゾッコンすぎると爆笑された。
 かなり盛ってはいるけど、可能性としてなくはないような気もしてる。
「ほら俺、あいつにメロメロだからねぇ」
 どうせ何言ったって好き勝手解釈して噂されるのだから、仲の良さを見せつけておけばいい。
 それに、クラスメイトの前で大々的な告白を受け入れるという形でスタートしてしまったけれど、自分のほうが相手に執着していると思われていた方が、相手の今後にとっては多少マシなのではと思いはじめてもいた。自分と交際した過去が、彼にとってほんの少しでもプラスになってくれたらいいのにと、そう願ってしまう気持ちがある。
 自分のことはどう噂されたっていいと思っているのは今まで通りだけれど、自分のせいで恋人があれこれ言われるのが嫌だなと思う感覚はなかなかに新鮮だった。自分の交際をネタ扱いされるようになってからは、自分も告白してくる女の子たちも、わかっていて付き合っていたというのが大きいかもしれない。
 やはり罰ゲームさえ無ければ後輩みたいなタイプから告白されることはなかっただろう気持ちが強いんだろう。罰ゲーム中にたぶらかしたのは事実で、恋人本人がいくら納得済みで覚悟済みと繰り返したって、どうにも巻き込んだ負い目が降りかかる。
 告白は向こうからでも、こちらが頼み込んで一緒に居て貰ってるってイメージが定着するくらい、自分こそが相手に執着していると思われたいのかもしれない。とうとう男でも良くなったたちの悪い先輩にロックオンされた可哀想な後輩、というイメージを周りに植え付けたいのかもしれない。
 噂なんてどうでもいいと思っていたのに。それは不思議な感覚でもあった。
 もちろんその友人たちの中には、彼を最初の罰ゲームに巻き込んだ張本人も居たけれど、彼はなんだか渋い顔をしている。お前だって思ったよりメロメロっぽいとか言って笑ってたくせに。
 その彼から一応確認だけどというメッセージが入ったのは夜だった。後輩が帰宅した後を狙ったようなタイミングだった。
 ゲスなこと聞くから答えられないなら無視していいと前置いて、夏休み中に関係進展とかは考えてないのかと聞かれて首を傾げる。
 どういう意味かと返信すれば、お前の方が思った以上に本気っぽくなってきたけど、今後もセックスは無しってスタンスで大丈夫なのかという心配をされてビックリした。バスケ部の先輩相手に、自分たちの関係がどの程度まで進んでいるか話したなんて報告は、一切されていなかったからだ。
 突っ込んでないけどセックスはしてる。と言いたい気持ちはないわけではないけれど、さすがにこれを返信は出来ない。言えばセックスの定義から説明する羽目になりそうだし、突っ込んでないものをセックスと認識しないタイプだったら更に面倒くさい。そもそも彼がどんな風にその話をしたのか詳細を一切知らないのも問題だし、友人に恋人とのリアル性事情を聞かせたくない気持ちもある。抜きあうだけでも間違いなく恋人としてのふれあいで、男同士盛り上がってうっかり互いに抜きあった、みたいなものとは明らかに違う。もちろんそれだって、ネタとして笑い話に出来るタイプもいれば隠し切るタイプだっているだろう。そして自分はネタとしてでも友人にそういった話題を提供出来るタイプじゃない。
 正直に、話せないからノーコメントでと返せば、相手はあっさりわかったと引き下がり、変なこと聞いて悪かったという謝罪が返された。

続きました→

 
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