相手が同じように脱いでいくのを、主に股間を注視しながら見守ってしまえば、さすがに見過ぎとのクレームが入る。いやだって、気になるだろ。
「ゴメン。デリカシーなさすぎた」
それでも謝罪の言葉を吐き出し、自嘲を混ぜた苦笑を見せたのは、相手の頬が薄っすらと赤くなっていることに気付いたからだ。興奮よりも羞恥でという雰囲気に慌てたせいもある。
今までの抱っこも先程のキスも、胸に触れて舐めるのでさえも平然と受け入れていたから、てっきり羞恥という感情とは無縁かと思っていた。恥ずかしがる姿なんて見たことがなくて、内心それなりに驚いていたし、その一方で喜んでもいた。
期待や興奮の漏れ出る声を聞くことも、ほのかに頬を染め羞恥する姿を見ることも、楽しくて仕方がない。
「でも恥ずかしがる必要なんてなさそうなのに。というか立派すぎない?」
謝罪して苦笑しながらもそこから視線を外せなかったのは、下着の中からボロンと出てきた彼のペニスを目にしてしまったからだ。
「わー、これ、ちょっとショックかも。身長ほぼ変わんないのに、お前のが明らかにデカイよね」
服越しでは自分との違いなんてわからなかったし、そこまで大きな差があるわけではない。それでも絶対彼のほうが大きいと思う程度には立派なものが、彼の股の間で勃ち上がっている。
「大きけりゃいいってもんじゃないっす」
「早漏なの? もしくは感度悪くてめちゃくちゃ遅い方?」
「人と比べたことないんでわかりません」
からかう口調で聞けば、ますます気を悪くした様子の、苛ついた声が吐き出されてきた。見過ぎと咎められたのも結局口先で謝っただけで視線が外せていないままだし、立派と思うのはこちらの主観でしかないのはわかっているし、どうも何がしかのコンプレックス持ちらしいから、これ以上この件に触れるのは止めた方が良さそうだ。
「うん。俺もない。ま、お前がどっちでも大丈夫だからベッド乗って。それとも立ったままのが興奮する?」
触っていいかと聞いたらベッドへと返ってきたので、頷いてすぐ隣に置かれたベッドに転がり、脇のスペースをぽんぽんと叩いて同じように横になるよう促した。
「もっかい、キスしようか」
素直に横へ転がった相手に擦り寄って、顔を寄せながら甘やかに誘う。
早く触れたいと急く気持ちはもちろんあった。内心にそんなギラつく欲望が渦巻いているのを自覚していたが、当然そんなものを顔に出すわけがない。
だってもう、こちらの気持ちは決まっているのだ。求めすぎて応じられないと思われるわけにはいかない。気持ちよく満足しあって、これなら恋人としてもやっていけると思ってもらわないと困る。罰ゲームを終えた後に、告白して貰う気満々だった。
はいと頷くのを待って唇を塞ぐ。先程気持ち良いと言ってもらえたキスを、再度惜しみなく与えてやる。そうしながらも空いた手を彼の性器に絡ませれば、一度大きく体を跳ねた後、相手もこちらの性器へ手を伸ばしてきた。
最初は自分が感じるやり方で、だんだん相手の反応が大きな場所を重点的に、ゆるゆると撫でて擦って扱いてやる。刺激に弱いわけではないようで、簡単にイッてしまうということはなかった。かといって感度が悪いわけでもなさそうで、与える刺激にビクビク震えながらトプトプと先走りを零し、キスの途切れた口からは熱い息を吐き出している。
たまらなく可愛いと思うのは、こちらが相手の反応に合わせて手の動きを変えているのに対し、相手はこちらの動きを後追いしている点だろう。胸に触れられた時もそうだった。童貞ではなくても、やはりそう経験があるわけではないのだろう。
「気持ちよさそ。可愛いね」
「先輩は? 気持ちよくないとか、言わないっすよね」
「もちろん。きもちぃよ。凄く」
「可愛いっすよ。先輩も」
ふふっと笑いながら声を掛ければ、笑い返す余裕まではないもののしっかり張り合ってくる。本当に、可愛い。
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