エイプリルフールの攻防・エンド直後12

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 呼応するように相手もふわっと柔らかに笑って、でも同時にお腹の中のペニスがゆっくりと引き抜かれていくから、相手の笑顔にときめく余裕がない。いやまぁ間違いなく鼓動は跳ねてドキドキしてるけど。
 でも意識の大半はやっぱり相手の顔よりも、自身のお腹の中や相手と繋がる穴やそこから発生するゾワッとした何かに向かっているから、このドキドキはこの先への期待と不安なんだろう。ゾワッとした何かが快感の芽だってことはもう、わかっている。
「んっ……」
 鼻から漏れていく息が、自分でもわかってしまうくらいに甘えを含んでいて恥ずかしい。
「気持ちよさそ。良かった」
 ホッとした様子を滲ませながらも、いつの間にやら笑顔を引っ込めた相手の顔は、真剣そのものだ。さっき散々、お腹の中を探られながら見た顔でもある。
 中の感じる場所を探されている。そう思ったら、前立腺を捏ねられて喘ぎまくった記憶とその感覚が蘇って、お腹の中がキュンと疼く気がした。というかお腹の中の相手のペニスをギュッと締め付けてしまった。
「ぁっっ」
 締め付けたことで、相手のペニスに前立腺が強く擦れたらしい。
 小さく体を震わせながら、相手の肩を掴む手に力を込めてしまう。相手をこちらに引き寄せようと、その体に縋ってしまう。
「っは、締め付け、やばいな」
「んぁっ」
 抗うことなく体を寄せてくれたから、相手がこぼす熱い声が耳元を掠めてゾワゾワする。
「ふ、かぁいい声。好きだよ」
「お、ひぅっっ」
 そんな囁きのあと、ぴちゃと濡れた音が耳の中に響いて、俺もと返す間もなくまたしても体を震わせた。しかも耳を舐めながら同時に小さく腰を揺すられる。
 今、相手のペニスが前立腺に当たっていることを、相手もしっかり把握済みらしい。
「ぁ、ぁっ、ひっ、ぁ、あんっっ」
「はぁ、好き」
「ぁ、おっ」
「お前がかわいいし、めちゃくちゃ愛しいよ」
「おれ、あっ、もぉ、んぁっ」
 宣言通り、合間に何度も好きだとか可愛いとか愛しいとか繰り返されたけれど、まともに言葉が返せない。あちこちからゾワゾワが押し寄せて、ぎゅうぎゅうとお腹の中を締め付けてしまうから、相手の動きはそう激しくないのに、いつまで経っても全然落ち着けなかった。
 そのゾワゾワは間違いなく快感だけど、さっきと違ってこちらのペニスは放置されているから、こちらがイッて一旦終わりになりそうにもない。お尻も気持ちよくなってしまったけど、さすがにペニスへの刺激無しでイケるほどじゃない。
「ぁ、あっ、も、ゃ、やぁあっ」
 喘ぎすぎているのか、だんだん息が苦しくなって音を上げた。
「どっちが?」
「わ、わかんな、ぁあっ」
「どっちも気持ちよさそ、だけど」
 本当に嫌なの? と聞かれて、でもそれじゃイケない、と正直に答えてしまえば、相手の片手が腹の間に潜り込んでくる。ペニスを握ってくれる。
「はぁあん」
「っくぅ、やっ、ばぃ」
 持ってかれそ、などと言いながらも相手が達してしまうことはなく、けれど明らかに腰の動きが早くなった。
「っはぁ、好き。好きだ」
「あっ、あんっ、おれ、おれもっ、すきぃ」
 耳を舐めたり食まれたりする代わりに、耳元で何度も好きだと言われ、喘ぎながらも必死で好きだと繰り返す。
「も、いき、そ。イッていい? 一緒にイケるか?」
「ん、うん、いい、いいから」
 ペニスは握られているものの、扱くような動きはほぼされてないので、そんな都合よく一緒にイケるとは思えなかったけれど、それでも必死に頷いた。
「んっ、でるっ」
 そんな宣言とともに相手がグッと腰を押し付けてくる。けれど相手のペニスがお腹の中で射精しているのかどうかは正直良くわからなかった。というかそれを感じるどころじゃなかった。
「ぁ、ああっ、ちょ、あっ」
 握られたペニスがしっかりと扱かれだして、あっという間にこちらも上り詰めていく。
「イケよ。一緒にイこって言ったろ」
「ん、うん、い、いくいく、イッちゃう」
 相手の甘い声に促されて、本日3度目の吐精を果たした。

続きました→

 
 
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